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京アニ放火事件で破壊されたのは、建物ではなく日本文化の象徴

「こんにちは!黒坂岳央(くろさか たけを)です。
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京アニ放火事件に大きなショックを受けています。34名もの優秀な日本のアニメクリエーターが亡くなり、過去の作画や資料が消失してしまったと同社社長がコメントをしています。一体、どれほどの被害を出してしまったのか想像もつきません。

今回の放火事件は被害が甚大であることもさることながら、海外からの反響の大きさが話題になっています。アップルCEOのティム・クック氏が日本語で追悼ツイート、アメリカの配給会社がクラウドファンディング支援の申し出、イギリスBBCニュースも「ファンは大変な悲しみに打ちひしがれている」と発表、中国でも「京アニは日本のノートルダム大聖堂」から追悼コメントが出るなど、全世界から哀悼の意が集まっています。

悔しくて、いたたまれない想いをツイートをしました。

 

攻撃を受けたのは日本文化の象徴

今回の放火事件が、ひときわ大きな注目を集めたのは「日本文化の象徴」が一撃を受けたからと考えています。

さる911テロでは、他国のテロ組織がニューヨークのワールドトレードセンタービルに、ハイジャックした飛行機で突撃しました。ワールドトレードセンターは、アメリカが世界に誇る力強い経済の象徴であり、まさにその象徴を破壊されたことが「アメリカへの挑戦」と看做されたと記憶しています。

京アニ放火事件は、「アニメ」のクリエイターや作画資料などが詰まった、日本文化への破壊行為と言えます。他国において「日本とはどのような国であるか?」を紹介する際には、必ずと言っていいほど「アニメ」が取り上げられます。同社の制作するアニメ作品は、海外でも評価が非常に高く、「京アニ作品が大好き。自分の青春は京アニとともにある!」と豪語するファンは世界中に存在します。まさに、そのような日本文化の象徴に攻撃を受けたことが、深い悲しみと絶望になったと考えます。

 

破壊されたのは青春の思い出

私はアメリカの大学に留学した時、会計学を専攻したのですがアニメーションのクラスも履修しました。驚かされたのは、その時のアメリカ人クラスメートの日本アニメ愛です。ジブリ作品はもちろん、今回攻撃を受けた京アニ作品にも熱烈なファンが何人もいました。その内の一人は「僕は日本のアニメが大好きだ。いつか日本にいってみたい」と夢を語ってくれ、彼とはいつしか親友と呼べる仲になりました。その後、彼はサンフランシスコにあるアニメ会社に入社し、日本人と結婚して今は日本で住んでいます。つまり、日本のアニメが彼の人生を変えてしまった、と言えるのです。彼のような日本アニメファンはアメリカに留まらず、世界中に存在するのです。

かくいう私も、京アニの作品のファンの一人で、同社作品を大いに楽しませてもらったものです。最近は見ていませんでしたが、20代を輝く思い出の1ページには間違いなく京アニ作品の存在がありました。

「日常」の脆さ

今回の事件を目の当たりにし、「日常の脆さ」を感じずにはいられません。悲劇的な事件が起きると、しばらくはどこも気を引き締めてテロ対策をするものです。しかし、忙しく平和な日常を過ごすうちに心の警戒が解かれていき、そしてまた悲劇的な事件がどこかで起きてしまいます。2019年7月、同社で勤務する熱心で優秀な若いクリエイターたちはまさか、勤務中にガソリンが撒かれて自分が亡くなるなど、ただの一人も想像していなかったのではないでしょうか。この報道により、他の会社もビジネスデータや資料をクラウドにバックアップし、不法侵入を防ぐ手立てに勤しむでしょうが、また「日常」により警戒が解かれるのです。

 

ガソリンは日本における銃乱射事件

ガソリンは平和な日本において容易に入手でき、その破壊力はまさに、国内における銃乱射事件に相当するのではないでしょうか。消防の専門家がネットの書き込みで、「ガソリン火災に普通の特定防火対象物の自動火災報知設備や、防排煙、消火栓、スプリンクラー設備なんて役に立たない。スプリンクラーが作動しても、水に乗ってガソリンが広がるだけ。撒かれたら最後、まったく手の内ようがない」と絶望を吐露しています。個人のガソリンの入手を規制することは、便利な現代社会において実質的に不可能に近く、それだけにその破壊力にどうしようもない感覚を覚えます。

同社に一日も早く、日常が戻ることを心から望んでいます。どうか、立ち上がってくれ!と祈らずにいられません。

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黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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