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「100日後に死ぬワニ」の二番煎じをやるのはアリか?ナシか?

こんにちは!黒坂岳央(くろさか たけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

「100日後に死ぬワニ」が大きな話題になっています。密かに初期の頃から結末を楽しみにしていて、とうとう結果は明らかになりました。

追記:「実は電通案件だった」ということで話題になっています。「メディアアカウント」として提供されていたら、これほどのヒットはなかったのでは?という声などもあります。が、プロセスはともかく大いに拡散され、多くの人が知るところとなった点にのみにフォーカスするなら「ヒットした」という事実はあるわけです。そこをふまえて下記の通り、展開します。

この原稿を書いている時点で、作者のTwitterフォロワー数は216万人超、漫画はTwitterとの親和性も高いこともあって大きなヒットに繋がりました。今後、予想される動きとしては、「◯日後に◯◯する◯◯」という二番煎じ、三番煎じの取り組みが出てきて、それを批判する人が現れるというものです。

二番煎じ、三番煎じはダメなのでしょうか?

 

 

ヒット作の二番煎じという戦略

どんな分野においても、オリジナルでヒットを出すのは非常に難しいです。それ故にヒットを出したビジネスは、ワニ作品のように華々しい称賛と、大きな知名度、強烈なファン、そして商品サービスのヒットという恩恵を得られます。このような大きなメリットを享受することを「先行者利益」といいます。

オリジナルでヒットを出せれば最高ではありますが、そうはいっても簡単ではないのが現実。そこで現れるのが、二匹目のドジョウを狙う「二番煎じ」という戦略です。ヒット作を100%ではないにしろ、かなりの部分をトレースすることで「お、新しい切り口のこれも面白そうだな」という、オリジナルのヒットを楽しんだファンという、オリジナル作品が作り上げた市場からの売上を享受することができるわけです。

すでに出来上がった市場に対して、違った切り口の商品サービスを投入するのはビジネス合理性があります。「真似するな!」と強く批判をする人もいるでしょうが、「オリジナルの劣化コピー」でないなら、個人的には有効な手段と考えます。

 

大事なのは顧客満足

オリジナルの真似をする、しないが重要なのではなく、注力するべきは顧客が満足するかどうかです。

某国では任天堂のピカチュウや、ディズニーキャラクターのコピーしたテーマパークが展開されています。パクられた方は著作権侵害に対する、法的措置を取る必要があり笑い事ではありませんが、その写真を見れば怒りを覚えるどころか、その劣化コピーぷりに思わず噴飯してしまうデキになっています。

大事なのは、二番煎じ、三番煎じの商品やサービスを受け取って顧客が満足するかどうか、そこにかかっていると考えます。ビジネスですから、供給者と顧客は価値とお金を交換し合います。支払った対価以上の価値を、顧客が感じている限りにおいては、著作権侵害に当たらないビジネスはアリだと思うのです。

件のワニの件で言えば、提供している価値は「エンタメ」「話題」ですから、これから出てくるトレース作品も「ワニ作品とは違ったエンタメと話題」を提供するなら、そこに価値はあると考えます。手法が似ているかどうか、という二元論で責められるべきではないと感じます。

 

トレースは山のようにある

手に触れられない、知的財産に対して、ユーザーはトレースに厳しい傾向があると感じます。たとえばアニメや漫画は、似たようなシーン、カットがあると「パクられてるよ!」と即座に糾弾する人が見られます。

しかし、物理的に触れられるものについては、不思議とトレースを厳しく訴える人はあまりみません。個人的には、コンビニドーナツが流行った時には、「これ完全にミスタードーナツのアレにしかみえない」と思っていましたが、今では目くじらを立てる人はみません。また、セブンイレブンが始めたコンビニコーヒーについても、他のコンビニがあっという間に追従しましたが、今の時代にそれを批判する人はいません。むしろ、ファミリーマートやローソンでも、コンビニコーヒーが楽しめることに価値を感じている人の数は圧倒的に多いのではないでしょうか。

トレースは山のようにあります。YouTube動画やブログでも、テーマや内容がパクられることは日常茶飯事、さすがにほぼコピーだとアウトですが、「この文体やデザインはあのブロガーの影響を色濃く受けているな」と感じることは日常的にあります。興味が湧いて、そうしたブロガーのSNSをたどると案の定、トレースしているインフルエンサーをフォローしていたりして「やっぱりね」と感じたりするものです。

「100日後に死ぬワニ」の後にどんな二匹目のドジョウ狙いが現れるのか?その作品はオリジナルでは提供できなかったら新たな価値を提供してくれるのか?今から密かに楽しみにしています。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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