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コロナ禍が開いたニューノーマル…新型コロナはビジネス界にも進化を促すのか?

黒坂岳央(くろさか たけを)だ。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

コロナで多くの飲食店や宿泊施設が苦戦している。そんな中、逆にチャンスをものにする企業がある。コロナ禍に端を発する新常識のライフスタイル、ワークスタイルを「ニューノーマル」という。

ニューノーマルの中で躍進した企業には、どんなものがあるのだろうか。

 

https://twitter.com/takeokurosaka/status/1292980223760162816

 

コロナで躍進したECビジネス

コロナはIT革命を除けば、近年における最大のビジネスゲームチェンジャー因子だろう。従来、市場を牽引していた飲食店や小売店、オフィスイビルは自粛によって壊滅的なダメージを受けた。大量の病死者を出さない施策は必要だが、同時にコロナに殺されるビジネスをこれ以上出さないこともまた、必要だ。

そんな中、ニューノーマルの追い風が吹くのが米国通販最大手のAmazonやビデオ会議システム・Zoomといった企業たちだ。米国におけるネット通販は5月の前年同期比は30%増加、日本の楽天やBaseも同様に追い風が吹いている。小売の巨人、ウォールマートが発表した2020年2~4月期決算によると、ネット通販が74%も伸びている。

世界最大のSNS、Facebookは5月に無料でカスタマイズが可能な「Facebook Shops」をスタートさせた。同社の抱えるInstagram上でも、ショッピング機能をもたせたShop Nowをスタートする予定。コロナ禍が開いたニューノーマルの波に備えての動きとみられる。

また、筆者はネットショップを経営しているが、新たな消費者ニーズの変化をダイレクトに感じている。コロナのソーシャルディスタンスと自粛の影響により、ギフト購買行動をリアル店舗の代わりに、ネットショップで代替するという状況を垣間見ることになった。ありがたいことに昨年同期比で3-4倍ほどの売れ行きをいただき、このことはメディアインタビューを受け、Yahooニュース記事にも掲載された。法人のお中元ギフト自粛はあったものの、この原稿を書いている時点で出産内祝いギフトや、お供えギフト需要は昨年と比較にならない規模で売れている。

だが手放しで喜べない。日本経済全体を俯瞰するなら、その分、リアル店舗でのギフト売上が落ちていることが容易に予想できるからだ。法人ではなく、個人のギフトニーズは毎年大きく変わったりはしない。

 

 

 

「移動ビジネス」で富の移転が起こっている

また、コロナ禍で「移動ビジネス」にも大きな変化が起こった。

出張や会議室での打ち合わせ需要が激減し、代わりに台頭したのが「オンラインビデオ会議」だ。同ビジネスにおけるイニシアチブを握ったZoom社は「一日の利用者が3億人を突破した」と自社ブログで公開している(ただし、一日に複数回利用した重複分をカウントした場合であることを同社は述べている)。Zoom社の時価総額は上場初日に159億ドルに達し、そのIPO規模は米国で4番目の規模に達した。また、VISUAL CAPITALISTが公開したインフォグラフィックスによると、Zoom社は米国大手6社の航空会社の時価総額トータルを超えている。

 

▲VISUAL CAPITALISTが公開したインフォグラフィックス(画像引用元:https://www.visualcapitalist.com/zoom-boom-biggest-airlines/)

 

下記はそれぞれの時価総額を表にしたものだ。これを見ると、Zoom社の躍進が伝わってくる。また、人々がビジネスに費やす富の移転が起こっていることが理解できるだろう。打ち合わせや出張のために航空券を買って飛行機に乗る、このビジネス行動がビデオ会議システムの利用へと変わった。

IT革命はテレビや新聞に流れていた広告宣伝費がネットへ移転した。それと同じく、コロナ禍は移動ビジネスに投入していたマネーの行き先が変わったのだ。これもニューノーマルの1つの形である。懸念されるのは雇用だ。航空ビジネスは裾野の広いビジネスであり、多くの雇用者を抱える。だが、オンラインビデオ会議システムはそれがない。

航空業界で失業した人はどこへ行くのだろうか。

 

 

ニューノーマルで台頭する中国のテック大手・BATH

また、ニューノーマルの新たな扉は中国企業にも開かれた。

BATHの頭文字で知られるBaidu(百度、バイドゥ)・Alibaba(アリババグループ)・Tencent(テンセント)・Huawei(ファーウェイ)も大きな飛躍を見せた。

テンセントはゲーム部門が31%増収した。また、スマートフォンの出荷台数も、これまで王者に君臨していた韓国のサムスン電子を抜き去ってファーウェイが首位に立った。コロナで世界経済が大きな打撃を受ける中、中国経済はいち早く立ち直りの兆しを見せている。

 

eスポーツが新たなエンタメの柱に

コロナ禍でライブ音楽や、イベントが次々と自粛をする中で唯一盛り上がっているものがある。それがeスポーツだ。

2020年におけるeスポーツ市場の売上規模は約10.6億ドルで前年比で10.6%増加した。2023年には約16.0億ドルに達すると見られる。経済産業省は7月、市場規模の拡大や活性化を目指してeスポーツの国際ルール策定に向けて動いた。「ゲームはお遊び」という認識が幕を閉じ、ニューノーマル時代の新たなエンタメとして市場の拡大は続く。

eスポーツはこれには我が国日本のお家芸の「ゲーム」というコンテンツにスポットライトを浴びるチャンスの到来と見るべきだ。世界レベルの日本人プレーヤーも数多く存在する。まさに日本にチャンスの風が吹いているといえる。

コロナ禍は遅々として進むビジネス変革を加速させる。すでにその兆しはあちこちに出ている。旧来の産業で雇用されていた人は新たなニューノーマルを迎合し、必要なスキルや市場価値を身に着けて生きていくことになる。大変なことではあるが、グローバル規模で見た場合にますます世界は合理的に進んでいく。ウイルス進化説で、遺伝子的に人類の進化が促進されるという話があるが、ビジネス界にもウイルス進化説は存在していると感じるのだ。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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