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「第三次世界大戦」の瀬戸際だった8月…ミサイルで国を守る覚悟を見せる台湾

黒坂岳央(くろさか たけを)だ。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

8月12日、英国紙・EXPRESSに衝撃的な記事が掲載された。アザー米厚生長官が訪台のさなか、中国の戦闘機が領空を侵犯したというのだ。台湾が対空ミサイルを持って応じたことで、戦闘機が領空から抜け、撃墜を免れたという。同紙は「第三次世界大戦瀬戸際」という衝撃的な見出しで一連を取り上げている。

これが事実であれば大変なことだ。だがなぜか、日本のマスメディアはこの件を報道していない。

 

https://twitter.com/takeokurosaka/status/1296068929073238017

 

NHKとEXPRESS報道はこれだけ違った

中国の戦闘機が領空を侵犯したニュースは、国内メディアではNHKが次のように取り上げている。

台湾の国防部は、日本時間の午前10時ごろ、中国軍の複数の戦闘機が台湾海峡の「中間線」を越えて一時、台湾側の空域に入ったと発表しました。

(中略)

台湾軍の迎撃ミサイル部隊が地上で警戒にあたり、上空では戦闘機が、離れるよう放送で警告したところ、中国軍機はほどなくして台湾側の空域を離れたということです。

引用元:NHKニュースより

これを読むと中国の戦闘機が台湾の空域に入り、台湾が放送で警告したことで、中国軍機は離れたと取れる。「台湾が平和的に呼びかけ、中国が素直に応じた」という印象を受ける人もいるのではないだろうか。

アメリカのアザー厚生長官の台湾訪問をけん制するねらいがあるものとみられます。

引用元:NHKニュースより

同記事内ではこのように締められている。これだけを見ると、とりわけ大きく取り沙汰する出来事でもないように感じられるのではないだろうか。

だが、英国紙では一連をまったく違った取り扱い方だ。まずは見出しからして

 

NHK:中国軍戦闘機 海峡の「中間線」越え一時台湾側の空域に

EXPRESS:Brink of World War 3: Chinese jets ‘tracked by missiles’ after entering enemy territory
(WW3瀬戸際だった:中国軍機が領空を侵犯後にミサイルで追跡される)

 

と、これだけの温度差を感じる。TwitterではEXPRESSの報道が出た後、1週間も経った今になって騒ぎになる大きなタイムラグがあった。おそらく、EXPRESSの記事をまとめサイトが取り上げたことがきっかけだろう。

 

国を守る台湾の本気

気になるのは、「ミサイルで追跡された」という表現だ。EXPRESS記事の原文を引用すると次のように書かれている。

The aircraft were tracked by land-based Taiwanese anti-aircraft missiles and were “driven out” by patrolling Taiwanese aircraft, the air force said in a statement released by the defence ministry.

(同機は台湾の陸自の高射ミサイルに追跡され、台湾機の哨戒によって「追い出された」と、空軍は防衛省が発表した声明で述べている。)

引用元:EXPRESS

このように書かれている。狙って撃ったのか?威嚇射撃か?ロックオンのみに留まったのか?あいにく、これ以上の詳細はEXPRESSでも明らかにされていない。だが、いずれにせよ兵器を用いて追い払うことに成功したことは確実だ。

「国を守る」という台湾の本気が伺える出来事だったと言える。台湾は香港に国家安全法が施行される一連をすぐ近くで目撃している。強い危機感を持っているだろう。

 

中国側の意図は?

なぜ、中国は軍機を飛ばして威嚇を行ったのか?

China’s defence ministry did not immediately comment.
(中国国防省は即座にコメントしなかった)

とあり、ハッキリとした意図は、現時点で中国側からは明らかにされていない。

一連の出来事の背景には、米国による台湾接近への反発があげられる。米国閣僚による台湾訪問は、2014年のマッカーシー環境保護局(EPA)長官以来の実に6年ぶりとなるものだった。中国外務省の汪文斌報道官は「断固反対する」と表明しており、その前座があっての出来事だ。

日本の尖閣侵入も続いている今、真の危機はすぐそこに迫っている。

 

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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