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【レビュー】ナインイレヴン、アメリカを変えた日

黒坂岳央(くろさか たけを)だ。
■Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

リアルタイムで911を目撃した、すべての人に見て欲しい映画。

911については、我々日本人はアメリカから遠く離れた日本に身を置き、ビルが倒壊する様子を目撃した。本作は「倒壊するビルの中」で繰り広げられる人間ドラマにフォーカスした内容となっている。「まるで映画のようなシーン」とはよく言われる表現だが、この映画は実際に起きた事件が元になっているドキュメンタリーなわけで、「アメリカ映画らしいパニック映画。だけど実話」というなんとも不思議な感覚に陥る。実際に起きたことなのだが、その実感が湧いてこない。

 


黒坂的感想★★★★☆
この作品に限ったことではないけど、Amazonの低評価は信じなくていいと思う。「エレベーターのシーンばかりで退屈」というコメントが散見されるが、それがこの作品の舞台であり、逆に手を広げすぎると視聴者が置いてけぼりになるので、舞台が集中してくれてよかったと思えるくらい。面白かった。けど、一方で「これは
冗長だな」と思える会話が結構多く、途中で少々退屈する部分もあったので星は1つ減らした。伏線につながると思わせておいて、何の意味もない会話とかもあり、改善の余地は感じられた。

 

あらすじ

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ざっくりしたあらすじはYouTubeのオフィシャルトレーラーを見てくれ。

 

2001年9月11日、早朝。NYワールドトレードセンタービル・ノースタワー内のエレベーターに偶然乗り合わせた男女は、激しい揺れと共に38階辺りに閉じ込められる。密室内には、離婚調停中の実業家ジェフリー(チャーリー・シーン)と妻イヴ(ジーナ・ガーション)、バイクメッセンジャーのマイケル(ウッド・ハリス)、美しく着飾ったティナ(オルガ・フォンダ)、ビル保全技術者のエディ(ルイス・ガスマン)の5名。唯一外部通信可能なインターコムで、オペレーターのメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)から少ない情報を得ながら、脱出を試みるが、、、。ビル崩壊までのカウントダウン、密室で5人は追い詰められていく・・・・

引用元:Amazonの作品紹介より

 

アメリカの文化に触れられる作品

911事件の史実を触れられる作品としての価値が大きい。特に今の若い世代は「911?なにそれ?」という感じだと思うので、この映画を見て「とてつもない事件が2001年に起きた」ということを勉強するのはいいと思う。

個人的に印象に残ったのは、登場人物たちのやり取りを経て、アメリカ文化に触れられる点だ。ビジネスで成功した富豪の白人に、エレベーターに閉じ込められたバイクのメッセンジャーの黒人と、ビル保全技術者のプエルトリコ出身のヒスパニックが嫉妬するシーンがあった。「オレたちマイノリティは、白人に虐げられている」と言わんばかりに責め出すが、白人の妻がそれを見て「この人は生まれつき恵まれていたわけではなく、努力で道を切り開いたのよ!白人に生まれたから、無条件に優遇されてらくらく成功したと思わないでちょうだい!」とピシャリと言い放ったのはよかった。「NYでタクシー運転手をする、フィリピン人は運転が荒い」というシーンもあって、真偽はともかく「へぇ」と感じた。

また、ラストはまさしく「アメリカ人のヒーロー願望」が示されるシーン、これは日本人にはない気質だろう。どの映画を見ても感じることだけど、ヒーローになるためなら時に命を投げ出すアメリカ人がいるというのは興味深い。

 

感想

人の命に差はない。命に重いも軽いもないのだ。実際にこの事件では、本当にいろんな人が犠牲になった。それでも、エレベーターに閉じ込められたメンバーの中でもっとも成功している人が、他の人命を優先させるシーンには胸を打たれた。やっぱできるビジネスマンはジェントルマンでなくっちゃ。

アメリカはこの日を境に変わったのだと思う。それまでアメリカは、世界から多くの移民を受け入れてきた。「多様性で自由」これがアメリカを支える本質的な強さであり、今日の世界ナンバーワンの経済大国の座へと押し上げたのだと思う。

けど、911からアメリカは移民の受け入れ体制を変えた。もはやビザは簡単には降りない。筆者は2007年に大学留学でアメリカに渡ったが、その時の大使館での面接前に「911でビザの許可が厳しくなったから、面接は気を抜かないように」とアドバイスを貰った時のことを覚えている。

変わったのは移民の受け入れ体制だけではない。あの日からアメリカと中東の小競り合いは続いている。

そして今も911は終わっていない。あの事件で1万人もの人が、ビルに使われていたアスベストの粉塵を吸い込んでガンを発症したとされる。犠牲者の34%は明らかになっておらず、今でも法医学的鑑定は続いている。

アメリカを変え、終わりのない戦いのパンドラの箱、それが911である。ニュース映像だけでは分からない、「あの日、ビルの中で起きていたこと」はこの映画で知ることができる。

 

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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