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ひろゆき氏の「嫌われる人生は楽」は正しいのか?

最近、何かと「嫌われていい」という主張が溢れている。そんな「嫌われ論」について、テレビやYouTubeで人気のひろゆき氏が、ダイヤモンド・オンラインで語った記事が反響を呼んでいる。記事内容について賛否両論あるようだが、「なるほど」と思わされる点もあったので考察したい。

 

相手から「好かれる、嫌われる」は制御できない

同氏は「全員から好かれることはできないが、全員から嫌われることもまたできない」といっている。人間関係において相手から嫌われることを恐れ、気を使いすぎて疲弊する人には刺さる言葉ではないだろうか。敵を作らないようにして、周囲にいい顔をしたとしても「八方美人な態度が気に入らない」という人が出てくるだろう。有名人をとってみても、必ずファンとアンチにわかれる。違いはその比率だけで、100%ファン、100%アンチという構成比率の有名人などこの世に一人たりともいない。

つまるところ、相手が自分に対して持っている好感度は「uncontrollable(制御不可能)なファクターと割り切れ」という提言だろう。重要なのは「この人からは嫌われたくない」と思う相手からは嫌われないよう、言動に配慮することであろう。

この割り切り論は論理的には正しいのだが、実質的には「言うは易く行うは難し」と感じる。「嫌われてもいい」と言われて、それ以降相手の顔色をまったく気にせず、好き勝手振る舞えと言われてもできない人が大半だろう。人間感情は複雑であり、それまでの生き方も電気のスイッチを切り替えるように、いきなり転換することは難しい。そのため同氏のこの提言を現実的に活用法としては、意図しない相手から嫌われてしまった時に「仕方がない。相手の気持ちは制御不可能なのだから」と自分を慰め、次善につなげるヒントにするのが良いだろう。

 

人は直接会えば好きになる

そして筆者が「なるほど」と思わされたのは、「会ったことがないネット上だと、ブロックされたり距離を空けられるがリアルで会えば嫌いにならない」という部分だ。

これは的を得ているし、実体験がある。筆者はかねてより「物理的な距離は心の距離」という信条を持っている。筆者はビジネス記事を書いているのだが、それを熱心に読んでくれる読者がいた。だがその読者、ファンかアンチかよく分からなかった。時には書いた記事に「確かにそうですね」と賛同のコメントをつけたり、また別の時には記事に対して、怒りめいた反応を見せられることもあったからだ。

東京でリアルセミナーを開いた時に、その読者が遠方から参加してくれた。入室して筆者が挨拶をした時は、伏目がちでどことなくよそよそしい感じだった。だが、懇親会で酒が入ると一変した。「いやあ、実際に会ってみると、こんなにフランクで話しやすい人だったのですね!」とバシッと肩を叩かれ、明るいトーンでたくさん話しをしてくれるようになった。これには驚くとともに、ホッとした。そして直接会うことの重要性を理解したつもりだ。それ以来、その人物はオンラインでのやり取りも柔和になった。

筆者はこの体験を通じて、同氏の主張である「会ったことがない相手も、リアルで会えば嫌いにならない」がよく理解できるつもりだ。もちろん、リアルで会うことでますます嫌いになるパターンもゼロではないだろう。だが、普通に振る舞って食事でもともにするなら、よほどの相手への侮辱的な態度でも取らない限り、相手から激しく嫌われることはないのだ。オンラインで生まれるアンチは、会ったことがない相手であることがほとんど。直接会えば大抵の場合は「嫌い→嫌いでない」に変わるばかりか、「嫌い→好き」に変わるケースすらあると思っている。

 

人間関係の修復は直接会う

昨今、リモートワークやソーシャルディスタンスでオンラインのやり取りが増えただろう。これにより、コミュニケーション不全が起きているケースも見られる。前述の通り、相手とやり取りを続けることには弊害が生じると考えるのだ。一度でも、相手をよく思わない感情を持つと、やり取りを続ける内にそのモヤモヤが次第に強くなる歯止めが効かなくなりがちだ。「あいつは昔からそういうところがあった。今回も同じに違いない」などと勝手に相手を想像し、妄想の中でどんどん相手を嫌いになってしまう。上述した「物理的な距離は心の距離」そのものであろう。

そういう時のソリューションは、ズバリ物理的な距離を縮めることである。端的に言えばリアルで会って二人で食事をともにすればいい。そうすれば一気に関係性を改善できるケースも少なくない。「先日はいいすぎてごめんな!」などと、会う前は決して言うつもりのなかった謝罪が素直に口から出てくるだろう。

オンラインのやり取りで疲弊している人ほど、時にはリアルで直接会って関係性を修復することを検討してはいかがだろうか。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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