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子供は全員得意なのに大人になってできなくなること

「子供は全員得意なのに大人になってできなくなること」。結論を先に言えば、「上手に人を頼る」である。

 

先日、次のツイートが大きく拡散されているのを見つけた。

ドラえもんに登場するのび太は、この趣旨のセリフを発することがあり、アニメや漫画という文脈上では「人にばかり頼ってはダメだ」と描かれていたりすることもある。確かに自助努力をせず、他力本願になるのはよくないだろう。だが、何でもかんでもすべてを独力でやろうとするのも、時間や資金の限られた現代においては効率面で明確に劣る。

「上手に人を頼る」というのはほとんどの大人はできない。ほとんどの人ができないことができる人は、才能の持ち主と言っていいはずだ。子供の頃はのび太をバカにしていた我々は、大人になって彼の才能を知ることになる。もっとも、のび太が大人になっても人を頼るのが上手なままか?それは分からないが。

 

誰しも子供時代は上手に人を頼っていた

望む望まずに関わらず、子供時代は親や先生など必ず人を頼ることになる。それが当たり前であり、小賢い子供は相手に角を立てない、上手な甘え方をスキルとして身につけていたりする。

筆者も例外ではない。子供の頃は勉強が苦手だったので、よくできる友達に宿題を教わっていた。その際、「宿題教えて!」というストレートな頼み方では、相手からも嫌な顔をされることがあった。そのため、伝え方を一工夫した。「Aくんはいつも勉強が良くできてすごいよね! 天才! 天才Aくんの力を貸して!」という具合に、相手を持ち上げて気分をよくさせ、教えてもらうということをやっていた。このように頼み方をしたことで、褒められた相手も満更でもない様子で「仕方がないな」と言いながらも笑顔で教えてくれたことを覚えている。

 

大人になると頼ることが下手になる

だが、歳を取るにつれて、多くの人は他人を頼ることが下手になる。それは「人に頼るなんて情けない」というプライドの問題もあるだろうし、「人の手を借りず、自助努力をするプロセスが自分を成長させる」という理由もあるだろう。中には「頼りになるような人を持ち合わせていない」という人もいるはずだ。とにかく、色んな事情が相まって、大人になると人を頼るのが難しくなってしまう。

「人に頼る」という行為の良い点は、自分の能力以上のことができることにある。たとえば自分が何らかの分野で初心者であるなら、プロの目から見てもらうといい。自分の特性を素早く見抜き、得意なことを伸ばすように指導を受けたり引っかかりを即座に取り除くことをしてもらえば、独力ではできなかったこともできるようになるはずだ。その一方で、過剰に相手頼みになることで、積極的に自助努力をするインセンティブを失うリスクも有る。

この辺りはバランスが重要になるのだが、うまくハンドリングできる人は明らかに独力のみでやる場合に比べて成長していくといっていいだろう。

 

上手に頼って伸びていく人

筆者は英語を教える仕事をしているのだが、その経験からわかることは、スムーズに英語力を伸ばす受講生は頼り上手だということである。

筆者が開講している英語力を高めるコーチングに入会された方がいた。その人と入会前にオンラインで直接話をし、その際に「これまで頑張っても全然英語力が伸びなかった」と心情を吐露してくれた。しかし、その人物は強い伸びしろのポテンシャルを感じさせ、伸び悩みの原因は即座にわかった。その場で伸び悩みの原因を伝え、一緒にそこを解消していこうと提案した。入会後、ゴールまでの道筋を示したところ、あっという間に伸びていった。入会時は英語の基礎力に多くの抜けがあった状態だったが、わずか一年以内に英検準1級にほぼ満点で一発合格をしてくれた。英検1級は惜しくも後わずかなところで不合格となったが、次回の2回目で合格するだろう。

その人物は質問をする時、自分で考えてわかることは一切聞かず、その逆に自分で考えても答えが見えないことだけに絞って遠慮なくドンドン質問をしれる。問題の属性を切り分けてから質問をしてくれるので、非常に対応しやすく、質問も具体的なので回答も明瞭に具体的に返す事ができた。さらにフォローした時の感謝もしっかりと送ってくるので、教えているこちらが気持ち良くなるほどである。

手前味噌でおこがましい限りだが、この人物も完全に独力では伸び悩みの解消は難しかったと思っている。この人物は間違いなく上手に人を頼る才能を持っており、そしてその才能で花開いた。

 

残念なことに、この原稿をえらそうに書いている筆者は、人を頼るのがとても苦手である。創作活動の際には、うまくいっている記事や動画を見て参考にすることはしている。だが、現在は誰かにコンサルティングをしてもらうということは一切していない。上手に頼れず不器用であり、効率が悪いとは理解している。そんなことを思っていた折、件のツイートののび太の画像を見てハッとさせられてしまったのだ。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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