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アメリカ人から見た「日本が安全」な4つの理由

海外掲示板を見ていると、日本に詳しいアメリカ人から見た4つの理由が取り上げられていた。その中には日本人が見落としがちな鋭い指摘に感じるものも見られた。翻訳しながら解説したい。

 

1.単一民族

1つ目の理由は日本が単一民族(ethnically homogeneous)の国家だからというものである。アメリカは人種間の緊張が高まることはしばしば起きる。しかし、それに比べて日本でそれはほとんどない。理由は日本人は単一民族だからだという。思い返せば、2020年にはBlack Lives Matterが大きな問題となった。さらに規模の小さい小競り合いは多く発生しているだろう。

これは日本に住んでいる我々には実感しづらいかもしれない。筆者がアメリカにいた頃、このことを実感した出来事がある。夜遅く、一人で電車で移動中に人種間問題でケンカを始めた。激しく口論し、今にも拳を振るわんばかりの雰囲気を出していたことに強い恐怖を感じた。日本でもケンカは起こるが、少なくとも人種問題に根ざしたケースはほとんど見られない。必然的に発生件数も低下することになる。

 

2.小さい所得格差

2つ目の理由は、経済的にも均一性が高いという主張だ。投稿者はこのことについて、disparities of incomeとかincome gapという言葉を使わず、あえてeconomically homogeneous(経済的均一性)という表現にしているのが印象的だった。民族間の均一性にも由来するという含蓄があったのかもしれない。

とにかくは日本は経済的に所得格差が小さい。このことが日本を安全な国家にしているという。逆に米国では圧倒的な所得格差があるために、お金持ちへの嫉妬心に火をつけ強盗や窃盗の動機づけにつながっていると分析している。また、会社の業績が悪化しているにも関わらず、CEOは一般社員とは比較にならない法外な報酬を得ているということは日本にはあまりない。

行き過ぎた自由経済が、絶望的な格差を生み出し、その絶望的格差が嫉妬や犯罪を誘発する米国に比べれば、日本の格差が小さいことで安全な国家づくりに成功している。たしかに日本にgated communityがないのは、そもそもあまりにも日本が安全なので必要ないからだろう。

 

3.個人より集団を優先

これは一部の日本人からは反発を買うかもしれないが、個人(individual)より組織(group)を重視することも安全性を高める理由になっているのだという。投稿者はこの傾向にはマイナス面もあることも認めつつ、それでも学校、職場、災害時に調和や強調が生み出すメリットを目の当たりにしてきたと主張する。

この主張については私見を加えさせていただきたい。筆者としては、潜在的には日本人は個人主義が強いと思っている。これは1の理由に通じるところだが、日本人は単一民族、同一文化圏で育つために集団から抜きん出たいという競争心は本来かなり強くなるのではないだろうか。実際、日本人はかなり競争的で学習塾や個人ビジネスの場においては過当競争も見られる。自分の軸を持って取り組む長期投資の代わりに、ギャンブル性の高い投機に走る傾向も見られ(これは金融リテラシー欠如も大きいが)、意外と競争心が高いのではないだろうか。SNSでも承認欲求に渇望した投稿はあまりにも多い。だからこそ、個性が暴走しないためにも「協調・調和が大事」と教育される側面ももしかしたらあるのかもしれない。他方において、アメリカのような多民族国家では周囲はみんな自分とは違う人ばかりというのが普通だ。黙っていても個性が保証されているため、「個性を伸ばせ」と啓蒙されている側面も否定できない。

あくまで新たな視点の提供のための話ではあるが、どうだろうか。

 

4.武器の携帯禁止

日本では銃やナイフの持ち運びは禁止されている(no guns)。銃については入手自体が非常に困難である。その一方で、アメリカには「銃を持つと安全だ」と考える人もいる。しかし、安全のためにみんなが銃を持つともはやそれは安全とはいえないという。

確かにそうだ。日本では武器を持たない。いや持てない。武器の根絶は困難でも、「相手は武器を持っているかもしれない」という疑心暗鬼にならずに済むのは、安心感を生み出す。日本では公共の場や職場で相手に怒鳴りつける場面が見られるが、あれは相手が武器を持っていないことで強烈な反撃を受けないことの安心感から来ている。米国でそんなことをすれば、恨みを持った相手が懐から何を取り出すか分からない恐ろしさがある。ある意味、日本は極めて平和だからこそ稚拙な感情爆発ができていると言える。

 

以上、4つの理由によるものだ。こうして分析を見てみると、我々日本人がマイナスだと思っていたこと、たとえば個人より集団を優先させるメンタリティなどは、公共の安全性を高める副産物もあったことに気付かされる。日本の良さは日本人ではなく外国人によって開眼させられることはしばしばあるものである。今の日本の平和を当たり前と捉えず、できるだけ感謝を意識したいと感じた投稿だったと思う。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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