オピニオン

紙の本がネットに勝る、唯一にして最強のメリットは

ネット全盛期の今、本を読む人はどんどん減ってきています。ちょっと古い記事ですが、産経ニュースによると次のようなデータがあります。

文化庁の「国語に関する世論調査」は、全国の16歳以上の男女3000人を対象に実施。電子書籍を含む読書量の変化などについて今年3月にアンケートを行い、集まった回答を半年かけて分析した。

それによると、マンガや雑誌を除く1カ月の読書量は、「1、2冊」と回答したのが34・5%、「3、4冊」は10・9%、「5、6冊」は3・4%、「7冊以上」が3・6%だったのに対し、「読まない」との回答が最も多く、47・5%に上った。
引用元:産経ニュース:「1冊も本を読まない」…47・5% 文化庁調査で「読書離れくっきり」

1ヶ月間で1冊も本を読まない人が半数近くいるわけです!これは驚きですよね。私は昔から年間読書量300冊以上の活字中毒者ですので、まったく本を読まない生活というのは想像が出来ません…。

読書離れ、活字離れということについては色んな意見があると思います。

 

「読書離れだが、ネットで読んでいる」という説

「いやいや、読書はしていないけれど活字はネットで読んでいるから」

そういう人はものすごくたくさんいると思います。

「ネットも巨大な活字媒体だ!ブログやニュースサイトでたくさん文章は読まれているので活字離れではない!」

と主張する人もいますね。確かにそのとおりかもしれません。事実、私も昔は紙の経済新聞を購読して読んでいたのですが、ニュースはネットで済ませてしまっています。

でも読書の本質は「質>量」であって、たくさんの分量を消化すればいいというものではないと思うんですよ。

「毎日2chまとめサイトと、Lineのやり取りで8時間活字を読んで国語能力を鍛えている」

という人はいませんよね?というのもまとめサイトは1つの書き込みについて1行、2行が圧倒的で4行以上になると

「長い、3行で」

と敬遠されます。1行や2行で情報を伝達することは不可能ではないですが、こと情報の解像度(深さ)については分量的にムリがあります。また、まとめはたいてい全体的な流れは同じ方向で、建設的に色んな意見を活発にやり取りしているパターンはあまりありません。

「ネットで活字は読んでいる」

という人はいますが、大抵は軽いニュースやまとめサイトが中心で、書籍レベルの読み応えのある文章を読んでいる人はそう多くないと思います。

 

紙媒体とネットは全然違うメディア

多くの人は

「紙媒体は形になるのが遅い。今はネットの方が早いしコストも安い」

と思っています。確かにそういった部分はあります。特にネット関連のビジネスやノウハウについては、紙媒体はネットに及びません。話題が起こり、本になり、書店に並ぶ頃には話題性が過ぎて誰も興味を持たなくなってしまうでしょう。

ですが技術、ノウハウやニュースといった何よりスピードが求められる情報ではなく、経営者の自叙伝やビジネス哲学、コミュニケーションといった分野では紙媒体の本に軍配があがると思っています。ネットで読むべき情報はネットで、本で読むべき情報は本でいいじゃない?と思っています。

「PCやスマホ、Kindleが優れている!」
「いやいや紙だよやっぱり!」

みたいな

「どちらが絶対的に優れているのか?」

という議論は意味が無いと思っています。

 

紙の本が絶対的に優れているのは「没入感」

   

PCやスマホで活字を読む場合と、書籍とではページの視野性だとか、紙をめくる動作がないとか色んな意見がありますよね。でも私が一番の理由は全然別物です。それは

「没入感」

です。私はPCやスマホでもたくさんの活字を読んでいますが、どうしても紙とか新聞を読むときと没入感が違うと感じます。没入感というのは入り込む感覚ということで、呼吸をするのを忘れてしまうほど書いてあるテキストに意識が持っていかれる、という体験はPCやスマホでは起こりにくいじゃないですか。なぜかというとPCやスマホはマルチメディアだからですよ。文章を読んでいてもメールやLineの通知はバンバン入ってくるし、

「音楽を鳴らしてみるか」
「そういえばあの件どうなったかな?」

ということをついつい読みながら考えてしまいます(あなたも経験がありますよね?)。PC・スマホはどうしてもマルチタスクの一環として読んでしまうわけで、意識の投入量が本と全然違います。

でも紙の本は違います。バッテリー残量とか、メールの通知とか何もありません。ただただ目の前の紙に印字された活字を読むしかできません。ですので、本を手にとって

「よし読もう!」

とそう思ったら読み進めるしかないわけです。1行読んで次の1行、そして次のページへ…と進めていくといつの間にか意識は肉体を離れ、いつしか本の世界に入り込んでいます。寄せては返す波に揺られるクラゲのように、本の中で展開される情報の海に身を委ねてプカプカ浮いている。そんな没入感が紙の本にはあります。本は読書以外出来ない、というこの1点でネットにかなわない没入感が得られるわけです。

いかがでしょうか?紙の本を読む人が減っているといいますが、私は別に危機感を覚える必要はないと思っています。半数近くの人は結構熱心に読書をしているというわけで、紙の本が完全に世の中から消えてしまうということはありえないと思っています。あの紙だからこそ得られる活字の世界への圧倒的な没入感がある限り、世界から紙の本が消えることはないと信じています!

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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