ライター・執筆

自信満々で挑んだ紙の出版が失敗…そこから学んだ3つのこと

2016年から17年にかけての年末年始は書籍化に時間をかけていました。朝から夜まで時間を使って

・見本原稿
・企画書
・構成案

の3つを作っていました。気合を入れて書いた原稿を出版プロデュース会社に持ち込んだところ、なんと全国の出版社・編集者に配信してもらうことになりました!そこで一社でも

「出版しましょう」

と手が挙がれば私も作家となるわけです。昔から書くことが好きな私(過去記事:30代になって分かった習慣の力。良くも悪くも人生は習慣で決まることを実感しています)は作家になって本を書いてみたいという夢があります。

「これでいよいよ長年の夢である作家デビューか!?」

と思い、ワクワクしながら結果連絡を待っていました。ですが…8月6日現在、最終結果は来ていないものの、どうやら今回の出版への挑戦は失敗に終わったようです。

私は高級フルーツギフト肥後庵のサイトや、このブログで膨大な分量のテキストを書いています。商品説明や、ギフトイベントの詳細のほか、オピニオンやギフトノウハウなど幅広く書き続け、それを読んだお客さまから商品を買っていただいています。また、法人さまから経済・投資記事のライターのお仕事を頂き、そのうちの記事にはホリエモンさんからコメントを頂きました。最近はアゴラさんやグノシーさんといったメガメディアにも掲載されるようになってきたので、

「紙の本は出したことがないけれども、人に読んでもらえるライティング力はあるはずだ!」

という自負がありました。しかし結果は不採用…これにより、自信は完全にこなごなに砕け散ってしまいました(笑)。今回の失敗から、Web記事を書くことと、紙の本を書くことには大きな違いがあったのではないかと思うようになりました。そう考えると、今回の経験はとてもいい学びになりました。今回は得られた気付きを記録しておきたいと思います。

 

気付き1.Webと紙では公開するハードルの高さが違う

紙の出版に挑戦する前の私は、大きな勘違いをしていました。

「Webと紙は同じテキストなのだから違いはないだろう。Webで読まれる記事を書いているなら、出版もきっとできる!」

と考えていました。しかし、現実はそうではありませんでした。Webと紙の本ではひと目に触れる段階にいくまでに大きな違いがあります。

Webで記事を作成して公開するだけなら小学生にでも出来てしまいます。アメブロやはてブロでアカウントを作成し、何か記事を書いて公開すればいいだけです。同じ出版でも、電子書籍本を書くとなると編集者の校正なども入らないので、誰にでも出来てしまいます。

しかし、紙となると出版にこぎつくまでには数々の試練を突破しなければいけません。うまく編集者の目に留まり、出版することが決まったら今度は期日までに本を書き上げて、厳しいチェックが入ります。紙の本は印刷して製本し、書店に置かれるわけですから売れなければ赤字です。そのリスクを負っている出版社にとっては

「この本は売れるか?売れないか?」

という結果が全て。売れる見込みのない本はまったく相手にはされません。

このことをまったく考えずに、Webで記事を書く感覚で出版に挑戦した私は手痛い経験をすることになりました。そのおかげで紙の出版のハードルの高さに気付きを得ることができたので良かったと思っています。

 

気付き2.選考プロセスがWebはストック、紙はフロー

自分の書いた文章が世間に公開され、人目に触れて支持を得ていく。この市場からの評価を得るまでの選考プロセスはWebと紙とで全然違うと感じます。

例えば私はこれまで書いたブログ記事は日々、色んな人に読んでもらっています。その中には半年、一年以上前に書いた記事も多く含まれています。このようにWeb記事は書いてからある程度時間が経過しても、アゴラさん、グノシーさんといったメガメディアに掲載してもらえる可能性があります。ですので良質な記事を書き続けていくと、ある日力を持った人の目に留まることで取り上げてもらえるチャンスが高まります。Webで公開した記事は音もなく静かに積み上がっていくストックとしての選考プロセスを経るわけです。

そこへいくと紙はまったくの正反対です。企画書や見本原稿を提出した後に、出版社や編集者が見た時の一瞬で決まってしまいます。基本的にそこでOKが出なければ終わり。日々、膨大な企画書や見本原稿を目にする、彼らの目に留まる企画でなければ「即アウト」という厳しい世界です。流れる川の水に浮かぶ葉っぱを掴むように、流れ行く企画書を確実に拾い上げてもらわなければいけません。紙の書籍化ができるかどうか、その選考プロセスはストックではなく、フローです。

 

気付き3.Webはトレンドとわかりやすさ、紙は構成力

Web記事の世界はトレンドがかなりの部分を占めます。最近、コンスタントにアゴラさん、グノシーさんにブログ記事を掲載頂いていますが、取り上げて頂いたテーマは

お中元の自分買い、みんなこんな理由で買っています!
「夏の恵方巻き」に嫌悪感を高める人が多い3つの理由
富良野メロン除草剤事件は犯人の意図とは逆の結果になる

といった今が旬のものばかりです。個人的にはより気合を入れて書いた記事の方も取り上げてもらえると思っていたのですが、逆にそちらは転載のお声がかかりません。トレンドというのはWeb記事を書く上ではかなり大きな力を発揮します。

そしてWeb記事に求められる「トレンド」の他には「わかりやすさ」という要素があります。

「ネットで
活字を読むのはニュースや情報収集のための記事くらい」

という人はかなり多く、好まれる文字数は長くても2000文字前後。それ以上になるとよほど面白くて優れた文章でなければ

「長い」

という理由だけで閉じられてしまいます。一読して理解できない文章はWebでは読まれません。私はトレンド性と分かりやすい文章を書く訓練を続けてきたので、それを紙の出版にも同じ感覚で挑みましたが、見事に失敗してしまいました(笑)。

反面、紙の出版の構成力が命だと考えています。ノウハウ本、ハウツー本…たとえばワインの入門書であれば最初はワインの簡単な歴史に触れ、それから赤ワイン、白ワイン、ロゼワインといった種類を紹介していく、といった具合にワインのことを全然知らない人が最初から最後までスイスイ気持ちよく読め、読了後に書いてあることがムリなく頭に入っていることが必要です。つまり、1つのテーマが読みやすく、上手にまとまっていることこそが本の命であり、Web記事のようにショート・ショートを集めただけでは紙の本にはなりえません。

私が失敗したのは構成案の部分が大きかったと思います。これまでWeb記事で書いてきたショート・ショートの記事を並べているだけ…これでは本を読んだ人には分かりづらいですし、そもそも紙の本にする必然性がないと思うわけです。そこを全然考えられていなかったなあと反省しています。

今回は盛大に失敗した紙の本の出版。でもそこから多くの気付きを得ることが出来ました。時間と労力をかけての挑戦でかなり落ち込みましたが、出版を実現するまで諦めるつもりはありません。第2回、3回とめげずに継続していこうと思います。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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