ビジネス

迷惑な営業電話を受けて、心をなくした時期のことを思い出しました

私は売り込みをされるのが大嫌いです。毎日、会社に電話がかかってきて

「SEO対策しませんか?御社の検索ランキングを改善できます」
「権威あるサイトに広告を出せますよ」

といった営業トークを聞かされます。メールではもっとひどくて、毎日まったく同じ文面をコピペで送信してくる業者がいます。毎回毎回

「はじめまして。御社の…(うんぬんかんぬん)」

と始められるのでうんざりを通り越して笑ってしまいますね。はじめまして、じゃないっちゅーの!

で、最近気づいたことがあります。それは売り込みをしてくる人たちはこちらが血の通った感情を持った人間であることを忘れてしまっているんではないか?ということを。

 

家族や友人にはしないことを他人にする人たち

営業されるのが好きな人は世の中にほとんどいません。あなたも例外ではなく、絶対に嫌いなはずなんですよ。

「いやいや、俺は一応話だけでも聞くよ?聞いてみないと分からないじゃん」

そんな風に答えるかもしれませんね。でも、そんなあなたが、最後にネット広告のバナーをクリックして買い物をしたのはいつでしょうか?おそらく覚えていないくらい昔のことか、私みたいに20年以上ネットを使っていても0回と答えるのではありませんか?それは広告に関心がなく、できることなら目にしたくはない「ノイズ」と考えているに他なりません。今の時代、お金を払って堂々とサイトなどに広告を出せる立場の企業が、嫌われないようにどうすれば広告に見えないようにするか?ということに知恵を絞る時代です。そんな時代に営業電話をガンガンかけるなんて、会社のブランディングの毀損を認識できていると到底思えませんね。

で、自分は絶対にされたくはないし、大事な家族や友達にもしない売り込みをなぜか赤の他人には喜々としてやってくる人が世の中にいます。これって不思議じゃないですか?だって自分がされたら嫌なことって普通しませんよね?でも売り込みだけは厚顔無恥に堂々とやってくる人がいる。私はそれが理解できない時期がありました。でも最近気づきを得ました。

「ああ、この人達はきっと相手のことを人間だと思っていないんだ」

と。片っ端から電話をかけて不動産の営業や、広告宣伝を勧めてくる人とかまさにそれ。目をつむってマシンガンのようにコールしまくって、たまたまヒットした人に猛然と襲いかかって契約をもぎ取ってくる…。こんなことを普通の人はできませんし、したくはありません。彼らの脳は

「自分が相手にしているのはお金であって、人間ではないのだ」

と自分を騙しているのでしょう。そう、彼らは相手を人間ではなく、お金にしか見えていないと考えます。

 

心をなくしたコールセンタースタッフ時代の思い出

「そんな人たちはきっと心の病気なんだ。かわいそうに…」

あなたはそう思うかもしれません。でも、あなたのやっている仕事が、たまたま営業電話をかける業務ではないだけで、実は心をなくしてロボットのようにあなたも動いている瞬間がありませんか?それは

「嫌いな仕事をしている時」

でしょう。私は昔そうでした。テレフォンオペレーターで働いていたことがあったのですが、もう仕事が嫌で嫌で仕方がありませんでした。電話に出て

「お電話ありがとうございます。○○の黒坂でございます」

とファーストトークでお出迎えして、商品・サービスの説明をして、応対履歴を残して次の電話を取る…これを毎日8時間延々と繰り返します。少しでもマニュアルから外れるとスーパーバイザーと呼ばれる人たちから叱られます。電話の内容は録音されており、定期的にモニタリングされて

「声のトーンが暗い!」
「早口を改善しましょう」

と指摘を受けます。仕事には合う、合わないがあってこの仕事もとても楽で、自分には合う!という人はいたのでしょうが私にはムリでした。でも当時はこの仕事でお金を稼がなければいけない状況にあって辞めたくてもやめられない状況でした。家にいる時は中国人の工場勤務者がひたすら単純作業をしている動画を見て、

「自分はこの仕事より恵まれているんだ」

と思い込むようにして必死に耐えていました。その時の私は完全に心のスイッチをOFFにしていました。いや、心をONにしていたらあまりにも単調で、監視されている状況に耐えられず、辛くて辛くて仕方がありません。でも、自分はマシンだ、ロボットだと思うようにしたら幾分心は楽になったように思えます。オペレーターとして働いている自分の少し後ろから、もう一人の自分が見ている(ビハインドカメラというんでしょうか?)ような感覚で仕事をしていました。体から魂が離れ、後ろから自分を見ている…そんな感覚で毎日働いていました。

 

悪いのは心をなくす仕事をさせている経営者たち

それを考えた時、営業電話をかけてくる人たちを気の毒に思うようになりました。昔、私がそうであったように、彼らも嫌で仕事をするあまりに心をOFFにし、相手を人間ではなく、お金と思いこむようにすることで心を楽にしているのではないか?と。それは心を守るための自己防衛反応によるものなので、そうなると悪いのは彼らではなく、そのような迷惑営業をするようにしている経営者のやり方なのだと思うようになりました。

私はそれに気づいて以来、営業電話をかけてくる相手にはなるべく丁寧に断るようにしています。悪いのは彼らではなく、電話をかけている相手が人間であることを忘れさせるような営業体制を取っている経営者なのですから。

人が仕事で心をなくす時、それはいつも自己防衛反応からによるものです。もしもあなたがそうであるならば、自分にあった仕事に変えることをオススメします。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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