会社員・キャリア

次々と同僚が自殺する職場…死は仮想ではなく現実にある

こんにちは!肥後庵の黒坂です。
昔、丸の内にある某金融系企業で働いていたことがありました。とても先進的でオフィスはかっこよく、金髪で青い目の外国人社員が闊歩する会社です。当時27歳で面接に行った時に(うわぁ!こんな近未来的なかっこいい会社で働けたら最高だな!!)と胸踊らせた時の事を今でも覚えています。

…次々と同僚が自殺するという負の側面を持っていたことにはまったく気付くことがなく、異変に気づいたのは入社して程なくのことでした。

 

半端じゃない首切りの世界

はじめにお断りしておくと、私は決してこの会社を批判しているわけではありません。どんな会社にもいい部分、悪い部分(悪いというより整備されていないという方が正しい)があります。会社は生き物ですから、日々進歩をして永遠に完成するものではないと思っています。独立した今、自身で会社を運営する立場になりましたが、もちろん私の会社もまだまだ成長途上で完璧とはいえません。

そんなお断りをしつつも、この会社には強い光の輝きの分、影が色濃かったと思います。毎日、金融機関の社員がぞろぞろと来社して、「お世話になります!!」と挨拶をしていくのでちょっとした優越感がありました。オフィスはきれいで、給料も高め、特に不満はありませんでした。ですが、仕事でパフォーマンスを出せない社員には容赦がありません。あまりはっきりと書きませんが、「成績改善トレーニング」と称して、課題を出して事実上首切りの材料にしていました。夢を持ち、期待に胸膨らませて入社したした社員へテストを出して成績が悪い人をバッサバッサカット。「あれ?あの人2日続けてこないけど風邪でも引いたの?」と聞いて「え?何いってんの、首になったのよ」と返ってきて驚いた経験は一度や二度ではありませんでした。夕方、HR(人事部)からチャットで呼び出したきたらそこでアウト、「あなたはパフォーマンスが悪いので、明日から来なくていい」と言い渡されてもう出社することは出来ません。新卒だった私は戦慄しました。(クビだけは勘弁してほしい。どうかクビだけは…)と毎日ビクビクしていました。仕事でものすごくできる若手の女性上司は会議室に入る前にいつも十字を切っていました。クビになるのが怖かったのでしょう。

私は別にこの首切りスタイルを批判しているわけではありません。できる社員を厚遇して、パフォーマンスが悪い社員は退職してもらう、極めて合理的でありそれ故に強い企業競争力を持っている事を理解できました。ただ驚きました。この日本でこんな半端じゃない首切りの世界が広がっていることに。それまでの私は仕事といえば、コールセンター派遣しかやったことがないので、まるで宇宙にある別の星にやってきた来た感覚に襲われたものです。

 

かっこいいエリート社員働く会社の光と闇

そして同僚が自殺した、という一報を受けたのは働き始めてしばらくのことでした。職場近くのビルから投身自殺をしたということでした。その人は”できる社員”でした。直接話しをしたことはありませんが、猛烈に働き、ガンガンパフォーマンスを出しまくる肉食系の方で、社内でも一目置かれる存在です。帰宅は時に2時、3時を回りタクシーで家に帰るのが日常茶飯事だったそうです。

そんな肉食系社員が自殺したというニュースに、周囲は極めて冷静な反応を見せます。「まあ、大変そうだったしねー」という軽い対応に愕然としました。ショックで食事が喉を通らない私とはあまりにも対照的です。「人が一人死んでいるのに、なんでこの人達は軽い反応なんだ…。人が、人が死んでいるんだぞ!!」心の中でそんな叫びに似た声が湧き上がってきた私は、溢れる感情を抑えるのに必死でした。私は転職を気にその会社を退職、また一人、そして一人亡くなった話を聞きました。世間では丸の内にある一流企業のエリート社員、というキラキラと煌くイメージがあるでしょうが、そんなきらびやかな会社にも黒い影があるのです。

 

死はバーチャルではなくリアル

私もこれまで何人も亡くなった人を見てきました。日本は死を穢(けがれ)であるかのように遠ざけ、バーチャルのように見ている人は多いと思います。しかし、今を生きる私達の世界と、死は実はとても近いということを同僚の自殺が続いた会社に勤務したことで感じる様になりました。死はバーチャルではなく、リアルの世界で起こっている極めて身近なものです。

一般的に死にゆく人のそばにいた経験がなければ、死を実感することはほとんどありません。不治の病に侵された人は大抵病院に運ばれて、病院の病室という一般の人が生きている世界とは段別された空間で息を引き取ります。でも一歩病院の外を出れば、そこには人々の活気あふれる喧騒が広がっており、それまでいた世界が別物に感じられるはずです。

私は病室で人を見送った経験はありませんが、自分が生きているリアルの世界で同僚の自殺という形で見送りをしました。この経験により「死は身近なもの。決してバーチャルではなくリアルなのだ」という感覚が芽生えました。社会が遠ざけ、穢のように扱う死をリアルに感じられるようになったことは、ある意味で良い経験になったと思っています。なぜなら、「死は決して遠いものなどではないので、近づけさせないように毎日前向きに生きよう」と考えるようになったからです。

次々と同僚が自殺していくあの華やかに見えた世界は、一般の空間より死に近かったのだなと思います。世間の勝ち組イメージとはかけ離れた影を持つ世界でした。

 

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黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

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