「東京出身=有利・田舎出身=損」とは言い切れない

こんにちは!肥後庵の黒坂です。
今回のタイトル、あちこちでよく目にすることがあります。「東京で生まれ育った人間は、それだけで田舎出身者と抜きん出て有利だ。情報や人に囲まれているのだから」というお話です。もしかしたらあなたもそのように思っているでしょうか。
この話、理論的には正しいです。人間は環境に影響される動物ですから、周囲に優秀な人がいたり先進的な物に触れることで大きな刺激を受け、それが価値観になります。価値観とはその人にとっての常識であり、それが人生観となります。そう考えると小さい頃から情報や先進的なものに囲まれていると有利、というのは間違いではないように見えます。
でも、人間は機械ではありません。今回お話する事例なんてのもあるのです。
田舎出身だからこそ、東京へ憧れる
ホリエモンが面白い本を出していました。ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していくという本です。この本の中でホリエモンは福岡県の田舎に生まれ、成長するに従って東京へのあこがれを強めていき、東京大学へ進学します。東京大学に決めた理由は、「東京へ行くことを、両親に説得できる理由になるから」と書いてありました。まさに、田舎に生まれ情報への渇望の果てに見えたのが東京大学への進学だったわけです。
かくいう私も似たような気持ちを持っていました。私は大阪府出身ですが、場所は田舎。山の上にある小学校、中学校に通い、この頃は地元がとにかく嫌でした。その気持ちは高校に行ってから爆発し、完全に引きこもりに。しかし、インターネットにハマった頃から東京という場所へのつながりを得ることができました。
「いつか東京へいって活躍したい」
「東京にはすごい人がたくさんいる。自分はそういう場所に身を置きたい」
「なんとなくかっこいい!」
とまあ、そんなミーハーな気持ちもありつつ、でも大阪の片隅でひっそりと時を重ねるのは絶対に嫌だという強い気持ちはずっとありました。大学に入った頃には、「就職では100%東京へ行こう。東京は優秀な人が多いのだから、絶対に負けないように勉強をしよう」と自分で言うのもなんですがかなり猛勉強をしました。大学を卒業したタイミングで上京し、それなりの期間を東京で過ごしました。
田舎に生まれたからこそ、東京に憧れ、地元を脱出するためにはすごいパワーが出ることもあるんじゃないかと思います。
場所も重要だが、ハングリー精神も相当に重要
ハングリー精神って人生を変える力を持っていると思います。
私は青春時代はとにかく人生で辛い思いをしました。周囲とは馴染めずに、中学生で早々に引きこもり、高校で過ごした思い出は何もありません。5年間、派遣社員で働いていた頃はそれなりに楽しい時間はあったものの、将来不安が尋常ではなくて夜になると「早く死にたい」と思っていました。
「こんなクソみたいな生活を脱して、東京で活躍したい!ビジネスで一旗揚げたい!」
そんな熱い気持ちを持ち続け、東京で就職が決まったときは本当に嬉しかったです。そこからは階段を5段飛ばしで駆け上がるように、とにかく上を見続けてきた気がします。このハングリーさは、東京に生まれ、充実した時間を過ごしていたら育まれなかったのではないかと思います。
「昔に戻りたい。大学時代に戻ってお気楽な時間を過ごしたい」などいう人もいますが、私は絶対に昔には戻りたくありません。苦しみに耐え、上を目指し、憧れの東京に着いた後はとても楽しかった記憶がありますが、それより前は忍の一字だった気がします。でも、それでよかった。昔から東京に憧れていたからこそ、頑張ってこられた気がします。今はやりたい事ができて、東京を離れて熊本県で生活をして満足しています。でも、最初は満足のいかない人生だったからこそ、ハングリーになれたのだと思います。
田舎出身だから不利、というケースもあるでしょう。しかし、絶対的ではありません。東京に憧れを持って頑張りたい人にとっては、田舎からのスタートは上を目指せるいい環境じゃないかと思います。
ハングリー精神なんて言ってますけど、労力がかかるのを言い換えてるだけで、やっぱり田舎と都会はフェアじゃないんですよね…。
コメントありがとうございます。
「成長しやすい環境」だけで言えば、たしかに都会の方が有利でしょうね。
ただ、人間のメンタルというソフトウェアに目を向ければ、
「田舎でくすぶりたくない」という克己心もあるのかなという次第です。
返信ありがとうございます。
やはり地域格差の問題でしかないと思うんですよね。
もちろん、すべて平等にとは行かないので、それぞれの特性を活かす必要はありますが、それでも不利なものは不利だと思います。
しかし、すべて平等にとは行かないので仕方ないから頑張るしかないというのは、単なる不平等でしかないんですよね。自分も田舎生まれなので不利だなと常々思います。
統計的、最大公約数的な解としては地方が不利だとは思いますね。
ただ、一般論としてあまりにこの論調が押し出されているので
そうでないケースも取り上げたいというニュアンスでした笑。
コメントありがたく感じます。ぜひまた拙記事読んでいただけると幸いです!