タバコ休憩が問題になるケース、ならないケースの違い

こんにちは!黒坂岳央(くろさか たけを)です。
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「タバコ休憩を取るのは不公平だ」という意見と、「非喫煙者も休憩を取ればよい」という意見に分かれてネット上で論争を繰り広げています。私は人生で一度もタバコを吸ったことがありませんが、この問題について感じたところをお話します。
タバコ休憩を取ることの2つの問題
ネット上の論争を見ていて気づいたのは、タバコ休憩を取ることには2つの問題点があるということです。
まず1つ目は「タバコを理由に休憩を頻繁に取るのがずるい!」という不公平感です。会社で働いていると、非喫煙者は「ちょっと気分転換にコーヒー飲んでくる」とはなかなか言いづらいものです。たとえ、周囲がそう思わなくても、非喫煙者自身が、「周囲にサボっていると思われたくない」と人目を気にしてしまう事は多いでしょう。
そして2つ目、それは「タバコ休憩に出ている時に本人宛の電話がまわせない」といった実務上の問題です。確かに離席が多いと、業務に支障が出ますから「会社という組織の利益を最大化する」という事を義と考えるならば、タバコ休憩は利益の最大化に相反する行為で、NGとなるでしょう。
タバコ休憩が問題になる職場とそうでない職場
色んな職場で、いろんな仕事があって、いろんな人が働いています。ですので十把一絡げに「タバコ休憩はあり!」「なし!」ということは難しいのではと感じます。
思うに、タバコ休憩が問題になる職場と、そうでない職場に分けて考える必要があるのではないでしょうか。上述した、理由1の「不公平感」については、どの職場でも問題になることですが、理由2の「業務に支障をきたす」というのは職場によります。
例えばコールセンターや接客業といった、「本人がその場にいないと仕事にならない」という業種であれば、タバコ休憩はダイレクトに問題になるでしょう。そもそもそうした類の職場では、タバコ休憩を自由に取得できないと思うのですが(すいません、想像です)、業務に支障が出るという話であれば、タバコ休憩の取得回数やタイミングに制限を課す事は正当化されると考えます。
しかし、そうでない職場、例えばクリエイティブ系の場合はタバコ休憩を咎めることで、生産性を失うならば喫煙者の主体性に任せる方が吉と出ると考えます。記事を書く、デザインを仕上げる、作曲をする…こうした仕事は「机に向かっている時間=生産」ではありません。デスクを離れている間にアイデアが舞い降りる性質もあることを考慮するならば、クリエイティブ系の仕事は、タバコ休憩を禁止してしまうことで「クリエイティビティ」を奪い取る可能性すらあるでしょう。実際、某小説家は「アイデアはタバコを吸っている時に生まれる」と主張しています。
必要なのは「利益の最大化」だけではない
会社という組織は、利益の追求が社会貢献になり、経営目標の1つです(全てではないにしろ)。経営者はそれを実現するためのオーケストラの指揮者のような立場ですから、タバコ休憩問題をうまくハンドリングする必要があります。
例えばクリエイティブ系の仕事でも、喫煙者より非喫煙者のクリエイターの方が極めて有能という場合は、タバコ休憩にある程度制約を持たせることで非喫煙者のクリエイターの生産性を高める事が出来るでしょう。また、「タバコ休憩は不公平」という感覚を持たせないよう、非喫煙者に配慮した休憩を設けるなど工夫する余地は残されているように思えます。
タバコ休憩問題は、ひとえに「経営者」にハンドリングする責任があるように感じます。
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