起業・会社経営

ノマドワーカーのクールではない「コールド」な事情

こんにちは!黒坂岳央(くろさか たけを)です。
※Twitterアカウントはこちら→@takeokurosaka

ネットにはやたらと「オレはノマドワーカーだ。いつも海辺で仕事をしているんだぜ」みたいなPRをする人がいますよね(貼り付けたイメージ画像のような感じ)。

「スーツを脱ぎ捨て、満員電車には乗らず、好きな時に好きな場所で好きなことを」

このようなキャッチフレーズがつけられそうな彼らのワークスタイルを、「羨ましいだろう?」と言わんばかりの”ノマドブロガー”がいます。しかし、実際に彼らの声を聞いてみると、本気で楽しんでいる人はごく一部であり、クールでも楽しんでいるわけでもないことが分かってきます。私もその気になれば今日からでもノマドになれますが、まったくなりたいとは思いません。

 

ノマドの正体は「フリーランス」

パソコンとスマホだけで世界を旅しながら、お金を稼ぐ…。このようなノマドは一体、どうやってお金を稼いでいるのでしょうか?「ワーカー」とついているからには、何かしらの労働をして稼いでいますから、株などのトレーダーではありませんよね。

株式会社のオーナー、社長というパターンもなくはないのですが、その多くは”フリーランス”です。ブロガー、アフィリエイター、プログラマー、デザイナーといった仕事についていることがほとんどです。こうした仕事はPCだけで完結できてしまいますから、自宅にいてもカフェにいても、極端に言えば「海辺」にいても仕事が出来てしまうわけです。

 

ノマドのワークスタイルはコスパが悪い

私は収入の99%をネットのビジネスから得ている立場で、経営するネットショップの実務は従業員を雇ってやってもらっています。その気になれば今日からノマドになることは可能なのですが、まったくやりたいと思えない理由がいくつもあります。

その一番の理由としては、ノマドというワークスタイルは極めてコスパが悪いから、ということが挙げられます。「パソコン1台あれば世界中で仕事が出来る!」といいますが、実際には効率的な仕事には大型のモニターや外付けHDDが必要であったり、安定的なインターネット接続、静かな空間が必要です。持ち運びに便利なノートPCは画面が小さいですし、外出先でネットに接続する作業も面倒です。また、外にはたくさんの人がいますから、トイレに行く時に離席をするのも、PCの盗難リスクも有り、「落ち着かない環境にあえて行くメリット」が私にはわかりません。

私は東京や大阪に出張をする時にPCを持参し、宿泊先のホテルやカフェで原稿を書くことがあります。しかし、まったく落ち着きません。いつも使い慣れている東プレリアルフォースのキーボードよりも小さく、ネットも遅かったり接続に手間取ったりで、ムダな時間を浪費してしまうなと感じます。

世の中にはいろんな価値観や感性の持ち主の人がいますから、もしかしたら「海辺で波の音を聞きながら仕事をするのが一番捗る」という人がいるかもしれません。ですが、たとえクリエイティビティを発揮する仕事であっても、仕事のかなりの部分は「集中」がその質を決め、「作業」をする時間は決して短くはないでしょう。24時間、四六時中「天からアイデアが降ってくるような刺激的な環境」に身をおくだけで、お金を稼げるわけではないのです。天から降臨したアイデアを形にするプロセスは、テキストにしたり、絵にしたりする「作業」が必要です。集中力を要する作業を、あえてそれをやるのに特化していない環境である外出先で行う理由がないように思えます。

ノマドのワークスタイルは仕事のパフォーマンス面でも、経済的な面でも「コスパが悪い」と思わされます。それでも彼らが頑なに海辺やカフェにいくのは、「このようなワークスタイルをしたいですか?ではこちらに…」と販売したい何か、がある場合が多いように感じます(オンラインサロン、コンサルなどですね。後は「ブログのアクセス」を集めるための演出)。

 

クールではなく、コールドな実態

フリーランスで仕事をするノマドは、クールと言うより背筋が凍る「コールド」な面も少なくありません。

「自由」には必ず「責任」が伴います。「会社員には自由がない」とPRして上から目線をするのが好きなノマドワーカーもいますが、その代り会社員は会社に守られています。仕事で失敗をしても、自分が営業をかけなくても、風邪で仕事が出来なくても「会社」という仕組みによって、たちまち困窮することがないように出来ています。それにより、安心して仕事に励み、安定的に給料がもらえるわけですから、その恩恵の大きさは小さくありません。

しかし、「社畜乙w」とバカにするノマドは自由の代わりに、何の後ろ盾もありません。情報商材を販売するコンテンツプロバイダー、アフィリエイター、ブロガーなどは仕事にレバレッジをかけることができますから、売れる仕組みを持っているなら「1日1時間」といった小さな労働で、大きく安定的に稼ぐ立場になることは不可能ではありません。しかし、ノマドワーカーのすべてがそのような大きなお金を生み出す仕組みを持っているわけではないのです。ライターや、プログラマーといった「仕事をやめたら即お金が入らなくなる」という、労働集約型のワークスタイルでは自由にどこで過ごしてもいい代わりに、後ろ盾がなくずっと孤独に働き続けなければいけません。

中には孤独と社会保障のなさに耐えられず、会社員に戻るノマドワーカーもいるのです。

もちろん、高額な収入を得て、本当に自由に楽しく生活をしているノマドワーカーがいることはよく理解しています。しかし、彼らのすべてが自由をクールに楽しんでいるわけではない、ということについて一言言っておきたくなってしまいました。私は少なくとも、自宅や会社で集中して仕事をするのが一番楽しく、生産性があって満足度も高いので、「ノン・ノマドワーク」で行きたいと思います。

■無料で不定期配信している「黒坂岳央の公式メールマガジン」。ためになる情報や、読者限定企画、イベントのご案内、非公開動画や音声も配信します。

黒坂 岳央

高級フルーツギフトショップ経営、雑誌・テレビのビジネスジャーナリスト、作家、講演家、投資家と幅広く活動。 元・高卒ニート&フリーターだが、米国大学留学を経て外資系勤務後に起業。 メルマガも書いてます→https://takeokurosaka.com/mailmagazine/

Related Articles

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Back to top button
Close