今回は英語初心者でも分かる、英語プレゼンテーションの完全攻略講座をお届けする。
「いつかは英語で外国人に自分の意見を発信してみたい」
「ビジネスで通用するレベルの英会話力がほしい」
「プレゼンテーションに興味があるけど、何からやればいいか分からない」
「英語・日本語限らず上手な話し方をしたい」
1つでもこれに当てはまったら、この記事を必ず最後まで見てくれ。あなたはこの記事を読むことで、英語でプレゼンテーションをするために必要な知識、スキル、練習方法などを学ぶことができる。現在のあなたの英語力に関わらず、役に立つ話だと思う。今回する話は次の通り。
序章・日本人はプレゼンが下手である
第1章・英語プレゼンの目的、流れや構成
第2章・英語プレゼンスライド作成について
第3章・Introduction -導入-
第4章・Main Body -本題-
第5章・Enging -まとめ-
第6章・英語プレゼンの話し方・姿勢・トラブル対応・ジェスチャーなど
終わりに・英語プレゼン上達のコツ
黒坂は過去にプレゼンの神様と言われるスティーブ・ジョブズ氏へプレゼンを教えた、プレゼンテーションzenの著者・ガー・レイノルズ氏から直接プレゼンを教わった経験がある。また、アメリカの大学留学や外資系企業勤務時に外国人を前に英語でプレゼンテーションをしてきた。現在は起業しているが、海外企業とZOOM会議で英語でプレゼンテーションや海外向けYouTubeチャンネルを複数運営して外国人を相手に英語で話をしている経験を積んできた。この記事で、自分がこれまで身につけてきた英語プレゼンの知識やスキル、経験をすべてあなたにお渡しをする。
自分でいうのも何だけど、正直この記事はセミナーや話し方教室で紹介されている有料級、永久保存版レベルだと思う。でははじめよう。
目次
序章・日本人はプレゼンが下手である
まず、いきなり全日本人を敵に回す発言をする。ズバリ、「多くの日本人はプレゼンが下手くそ」。なぜこんな嫌な話をするか?それは自分が下手だと認識することで、上手になるスキルを身に着けていこうという建設的な考えを持ってほしいから。下手なんて言われるとムカっと来る人もいると思うが、落ち着いて聞いてくれ。その理由はシンプル、ほとんどの日本人はプレゼンの勉強をしたこともないし、実践訓練もほぼゼロだから。当たり前だけど「教わったこともなければ、やったことがないこと」これ絶対にできないよな?
ここからはその納得の話をしたい。学校の授業を思い出してほしい。先生が大勢の生徒を前に話をする、この点ではプレゼンなわけだけど、先生の話を聞いた生徒はみんな魔法をかけられたようにグーグー寝ている。会社の会議のプレゼンでは、参加者はあくびを我慢して早く終わらないかなと退屈し、こっそり内職をしている。これはゲロ吐くほどプレゼンがつまらない証拠だ。
その一方で、日本人の中でもプレゼンが超絶うまい人達もいる。たとえば学費の高い予備校の有名な講師の話だと、みんな身を乗り出して真剣に話を聞いている。お笑い芸人やおもしろ系YouTuberはドッカンドッカン笑わせまくってる。同じ日本人、日本語という語学力はみんな同じのはず。このトーク力の大きな差は、まさしくプレゼン力が生み出しているんだ。
さらに「日本語は論理的な言語でない」という理由もある。日本語は言語の構造上、肯定か否定か最後まで聞かないとわからない。実際の会話では、結論から話すケースはめちゃめちゃ少ない。たとえば、「週末、遊びに行かない?」と友達から聞かれた時を想像してくれ。日本語でお断りをする場合は、「あーその日は予定が入ってて、休みは休みなんだけど月曜日に提出する書類を作る関係で本屋に行きたいんだよね。だからちょっとむずかしいかも。せっかく誘ってくれたのにごめん」みたいになのが普通だと思う。結論を最後まで聞かないと分からないよな?「ごめん無理。なぜなら」みたいに答える人は少数派。でも英語の場合は最初にYES/NOが来る。I’m sorry, I can’t make it because I need to go to the bookstore to look for the document.みたいな感じ。
つまり、あなたは英語力だけ高くしても、トークが下手くそだと誰もあなたの話を真剣に聞かないってこと。お金を払えば、会話の講師は表向きは興味ありげに聞くふりはしてくれているけど、内心は「こいつの話クッソつまんねえな…。ま、金もらってるから我慢するけど、サッサと終わらねえかな」と思われてしまう可能性がある。
でも、大丈夫、この記事で全部治療できる。まずは日本人はプレゼンが下手であるという自覚をした上で、だからこそプレゼンスキルを身に着けてしっかりと聞いてもらえる話し方を身に着けていこう。
第1章・英語プレゼンの目的、流れや構成
世の中には色んな人が色んなテーマでプレゼンをしているが、その目的はたった1つ。それはズバリ、聞き手に行動を起こさせるためだ。セールスマンのプレゼンの目的は、商品サービスを買ってもらうため。社内プレゼンの目的は、自分の企画を通して上長から承認をもらうため。YouTuberがカメラの前でプレゼンをする目的は、視聴者がチャンネル登録をして、たくさんの記事も見てもらって広告料を稼ぐとか、自社の商品サービスに興味を持ってもらって入会してもらうためにする。プレゼンは相手に情報を伝えることが目的ではなく、「話を聞いた相手が行動を起こす」ことを目的にするべき。そこを意識するとプレゼンの構成や内容も変わってくる。
プレゼンの本来の目的は日本語、英語でもまったく同じ。話の分かりやすさ、ジェスチャー、きれいなデザインなどは、あくまで話を聞いた相手に行動してもらうためのスキルや技術と考えよう。
・英語プレゼンの流れ
プレゼンと聞くと、何でも自由に好きなことを話して良いイメージがあるが、実際はそうではない。流れはほぼ決まっていて、かっちり決まったテンプレに内容をポコポコとパズルのように当てはめていくイメージ。
結論英語プレゼンの流れは次の通りに作るのがベスト。
1.Introduction
2.Main Body
3.Ending
一つずつ解説していこう。
1.Introduction 自己紹介やこれから話すことの解説
・参加者へのお礼
・プレゼンターの自己紹介
・これからプレゼンで話す流れの紹介など
Introductionの目的は参加者の頭にプレゼンの地図を作り、「真剣に集中して話を聞かなくては!」と意欲を高めることにある。ここでの注意点としては、ダラダラと長くならないこと。グダグダと話が5分以上続くと「さっさと本題に入ってくれ」と聞き手をイライラさせてしまうので、要点のみをサクサク伝えて早めに本題に入ろう。
ただし、雑に話しても聞き手の記憶に残らず、悪印象になりかねない。だからIntroductionは最後の最後まで作り込みをしておく。人間は初対面の印象は10秒以内に決まってしまう。「この人のプレゼンは集中して聞く価値がある」と思わせるためにもIntroductionはきっちり作ろう。
2.Main Body プレゼンの本題
・プレゼンの本題
・主張の根拠
Main Bodyの目的は参加者にプレゼンの内容を理解をさせ、行動につなげることにある。まさしくプレゼンの本題中の本題といえる部分だ。そのため、話に説得力があるか?わかりやすいデータや画像が添えられているか?など細部にまで気を配る。Main Bodyのレベルを決める最重要ポイントとしては、本番まで部屋で一人、時間を測って何度も何度もリハーサルをすることにある。プレゼンはいわば演劇本番のようなものなので、当然にカンペなしで与えられた時間通りにできる状態を作っておく。聞く人の心を動かしたいなら当たり前にやるべき。手元のメモをただ読み上げるだけのプレゼンは0点。本番の質は練習量で決まる。
特に他のプレゼンターを見て目の肥えた聞き手を相手にする場合、準備不足を感じさせると聞き手は失望や不満を覚える。プレゼン台本も練習をしながら書き直しをしよう。
3.Ending 内容のまとめや質疑応答
・プレゼンのまとめ
・質疑応答
・参加へのお礼
Endingの目的は、参加者へメッセージを記憶させ、プレゼン終了後に行動に移させて締める。「え?終わり?」と唐突さを感じさせてはいけない。そのための技術もこの後の章で話していく。
以上がプレゼンをする上での流れとなる。
今回話した流れは、英語プレゼンに限らず、英語で意見を発信するあらゆる場で使える。たとえば英検1級では英作文やスピーチ問題が出題されるが、自分の意見を即興で積み立て、1.主張。2.その根拠。3.再主張という流れで答えることになる。自分自身、アメリカの大学や外資系企業で外国人役員相手にプレゼンをしてきたが、すべてこの流れでプレゼンをしてきた。
この流れが出来上がっているには理由はシンプル、ズバリわかりやすいから。プレゼンは情報量が多い。しかし、人間はたくさんの情報を短期間にシャワーのように浴びせられても、終わったら聞いた話のほとんど忘れてしまう。それを最大限防ぐための流れがこれ。聞き手は早く答えを知りたいと思っているので、最初に結論を伝えてあげる。そうすると次に「なぜそうなるのか?」という理由を知りたくなるので、わかりやすく説得力のある根拠を伝えてあげる。そして最後にまたもう一度短く重要ポイントをまとめて聞くことで、半ば強制的に自分の伝えたいことを相手の頭の中にねじ込むことができる。この流れはあまりにも効果があるので、初心者プレセンターは素直にこの流れでやる方がいい。
ちなみに、プレゼンを作成する時はこのようなメモ書きを作るのがおすすめ。部屋でプレゼン練習をする時に時間を測りながらやればいい。
練習で使うためのファイルを作って貼り付けたので、この画像をダウンロードして印刷して使ってくれ。
第2章・英語プレゼンスライド作成について
第1章ではプレゼンの流れを説明した。第2章では、英語プレゼンの時に投影するスライドの作成ルールについて解説する。この章で話すことは次の通り。
1.スライデュメントは絶対NG!
2.スライドサイズ
3.カラー
4.フォントデザイン
1.スライデュメントは絶対NG!
まず、英語プレゼンをする上では、必ずプロジェクターに投影するスライドと、配布資料は別に作るようにしよう。大抵の日本人ビジネスマンがプレゼンスライドを作ると、まるで取扱説明書のようにびっしりと文字で埋め尽くされたものになりがち。
引用元:経済産業省 https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/05_naccs/20191010_kinki.pdf
これは「Slide + Document」で「スライデュメント」と呼ばれ、敬遠される。スライドに投影するデザインはもっとシンプルに、わかりやすく作り詳細は配布資料で理解してもらうのが理想。日本人ビジネスマンの多くは、配布資料をパワーポイントで作成し、スライドに投影するから聞き手にとって非常に分かりにくくなってしまう。
2.スライドサイズ
次にスライドのサイズについて解説したい。パワーポイントやKeynoteといったプレゼンアプリを使う時は、16:9と4:3の2サイズから選ぶことになる。できれば会場のプロジェクターのサイズを事前に確認しておこう。4:3で作ったスライドを16:9のプロジェクターに投影すると、左右に黒枠ができ、その逆に16:9を4:3に投影すると上下に黒枠ができる。4:3のスライドを一生懸命作っている途中、もしも後から16:9に変更しなければいけないと分かったら全スライドをまた細かく微調整を余儀なくされる。これはとてつもない手間になる。
不明な場合は最近主流の16:9で作成し、上下に黒枠ができる想定でデザインを考えるのがおすすめだ。
3.カラー
次は背景カラーについて話をしたい。プレゼン会場によって、理想的な背景カラーは変わる。電気を消して暗めの部屋でのプレゼンは、黒い背景にしよう。そうすると、見てもらいたい情報だけを際立たせられる。
その逆の場合は白い背景カラーが良い。一般的な傾向としては広い会場なら黒背景、小さめの会議室などでは白背景がおすすめだろう。そしてテキストのカラーは、背景デザインと真逆の色を採用する。たとえば、背景が黒なら、テキストは白という具合に。
次は配布資料について。配布資料は紙に印刷して配布することを前提とするので、たとえモノクロ印刷でも見えづらくないように意識する。たとえば、グラフは色でわけず、パターンでわけるとモノクロ印刷でも簡単に識別ができる。
また、テイストの統一も大事。スライドに写真を使うのか?イラストを使うのか?テキストだけか?混在させると素人っぽさを与えるので統一感を持たせて作成しよう。
・フォントデザイン
適当に初期状態で作りがちなフォントだが、プレゼンの印象を左右するので重要。英語プレゼンでのフォントルールは次の通り。
・遠方からでも読みやすいサイズ
・読みやすいフォンドを採用
英語のアルファベットは日本語より読みづらい部分がある。数字の1と大文字のI(アイ)と小文字のl(エル)は区別しづらい。だから一番うしろの席に座っている人が見えるくらい大きめのフォントサイズにする。
そしてフォントは珍しくて奇抜なものではなく、どんな人でも見慣れている一般的な物が良い。英語アルファベットはCalibri、Arial、Segoe uiなどがおすすめ。
ちなみに英語の下に日本語訳も入れなければいけない場合は、日本語フォントはメイリオがおすすめ。日本語を訳につけるときは英語の方がフォントサイズが大きいように意識する。
このように作ることで、メインは英語で日本語はあくまで翻訳であることが聞き手に自然に伝わる。
・英語プレゼンでの表記ルール
学校で習った英語と異なり、英語プレゼン特有の表記ルールがある。絶対にこうでないとダメだというわけではないが、英語ノンネイティブのあなたが表記ルールを守ることで相手から一目置かれる。また、読みやすさ、分かりやすさにつながるので必ず遵守しよう。
1.大文字、小文字を使い分ける
2.省略形は使用不可
3.太字・斜体
4.クォーテーションマーク
5.日付表記ルール
1.大文字、小文字を使い分ける
タイトルの最初の単語は必ず大文字。ただし、例外的に4文字以下の冠詞、前置詞、接続詞は小文字。
✔ How to Be a Productive Person
✕ How to be a Productive Person ※be→Be
✕ How To Be A Productive Person ※To→to、A→a
✕ a Productive Person ※a→A
こんな感じ。間違い箇所を見て作成時の参考にしてもらえれば幸い。
2.省略形は使用不可
英語プレゼンスライドで省略語は使わない。文章ではなく、SVがない句にするとスッキリする。
✔ It is about time to decide.
✔ Right time to decide.
✕ It’s about time to decide. ※It’s→It is
3.太字・斜体・下線
太字は自分が強調したい箇所につける。太字と赤字などを併用することでより目立たせられるが、多用すると聞いている側が迷うので、原則一文に1つまでとしたい。太字を使うのは、外国語の単語、映画などのタイトルなど。斜体はプレゼンスライドではわかりにくいので、太字、色、下線で対応しよう。
The most important point is timing.
4.クォーテーションマーク
誰かの発言や、書き言葉の引用部分にはクォーテーションマークで囲む。この部分は自分の言葉ではなく、引用箇所であるというサインになる。
How do we interpret “Stay Hungry Stay Foolish”?
(我々は”ハングリーであれ、愚かであれ”をどう解釈するか?)
みたいなイメージ。
5.日付表記ルール
英語圏での日付表記はアメリカ式(月・日・年)とイギリス式(日・月・年)の2つがある。
September 28, 1998(アメリカ式)
28 September, 1998(イギリス式)
イギリス式は、ヨーロッパやオーストラリアなどでも使われる。そのため、プレゼンを聞いてくれる相手の国籍によって使い分けが必要になることもある。
英語タイトルの付け方
英語のタイトルはとても重要。この付け方を見れば、その人の英語力が分かると言われるほど重要。ポイントは「短くストレートに伝わる」「品詞の使い分け」の2つ。
タイトルはとにかく短く、そしてストレートに伝える。聞き手の感情を動かすワーディングチョイスが重要。たとえば「Very Good Techniques」はありきたりでチープな表現に感じる。「Flawless Performance(完璧なパフォーマンス)」や「Professional Work(プロの仕事)」といった表現の方がぐっと来ると感じる。こうした聞き手の感情を動かすワードを「power words」という。どうしても自分で良いものを思いつかない場合は、YouTubeで海外記事のタイトルを見て参考にするのが良い。短い英文で非常に優れたタイトル付けがされた記事がたくさん出てくる。
そしてタイトルは次のようにいくつか複数の案を出して、実際にスライドに投影して見え方をチェックしながら1つを採用するといい。
基本形:How to Learn Japanese Language.
案A: The Best Way to Learn Japanese.(best way、最善の方法)
案B:3 Simple Steps for Japanese Learners.(simple step、容易な手段)
【動詞を使う】
Digital Marketing Strategy(デジタルマーケティング戦略)
1.Outperform Competitors by Excellent Tools(優れたツールで競合他社を圧倒する)
2.Prepare ABC Application(ABCアプリケーションの準備する)
3.Create Customer Loyalty(カスタマー・ロイヤリティを創出せよ)
【名詞句を使う】
Digital Marketing Strategy(デジタルマーケティング戦略)
1.Preparation for ABC Application(ABCアプリケーションの準備)
2.Customer Loyalty Creation(カスタマー・ロイヤリティの創出)
【疑問形にする】
Digital Marketing Strategy(デジタルマーケティング戦略)
1.Can We Outperform Competitors by Excellent Tools?(優れたツールで競合他社を圧倒できるか?)
2.Should We Prepare ABC Application?(ABCアプリケーションの準備すべきか?)
3.How Do We Create Customer Loyalty?(どのようにカスタマー・ロイヤリティを創出するか?)
それぞれ良し悪しがあるが、プレゼンテーションのスタイルにマッチしたものを選びたい。
以上がプレゼンスライドを作成する上での重要ポイントだ。
第3章・Introduction -導入-
さて、第3章ではいよいよIntroductionについて解説をする。すでに述べた通り、Introductionは聞き手の関心を引き、真剣にプレゼンを聞いてもらう役割がある。序盤で心を掴まなければ、本題で聞いてもらえない。それだけに最も気合を入れて作成する必要があると言っても過言ではないだろう。
・タイトルスライドの重要性
最初の第1ページ目が、タイトルスライド。このタイトルスライドは、おそらく全スライドの中でもっとも長い間見られるスライドであり、そして重要度が高いと言い切って良い。だから一番気合を入れて作り、最後まで手直しを入れるべき。その理由を話す。
たとえば朝9時からプレゼンの場合、聞き手は大抵10分、15分前に部屋に入る。その間、プロジェクターに投影されているのが、このタイトルスライド。聞き手は「今日はどんなプレゼンになるのだろうか?」と期待に旨膨らませて話を聞くことになるので投影するべきは、面白くなりそうだと思わせるものである必要がある。「なんかありきたりでつまらなそう」と先入観を与えるのだけは避けたい。ちなみに自分はタイトルスライドは一番最後に作る。プレゼン全体の顔になるので、それだけ重要度が高いということ。
タイトルスライドで大事な点は2つ。まずはプレゼンの内容がわかるタイトル。プレゼンターの名前。
タイトルは絶対に短く。長くなりそうな時は無理せず、サブタイトルで表現する。サブタイトルを使用する時はタイトルと区別するため、改行してフォントサイズを小さくする。
タイトル:English Tadoku Reading Seminar
サブタイトル:Ultimate Simple and The Most Efficient Study Method
プレゼンターの名前は
Takeo KUROSAKA(Mr.) Chief Marketing Officer
最高マーケティング責任者
のように記述。国際的な場では名前から性別がわかりにくいので、MrとかMsをつける。名字は全部大文字にする。また、所属先や部署名を入れる。
・目次スライド
タイトルスライドの次は目次スライド。目次はAgendaとかTable of Contentsと言う。Today’s Topicsという人もいる。新型iPhoneなどの製品発表プレゼンの場合は、どんな話が聞けるんだろう?と聞き手をわくわくさせるために、あえて目次スライドを見せない手法もある。話の流れ、オチ、サプライズなどすべてがシークレットになっていることで、聞き手の期待値を高める効果がある。だが、これは聞き手がプレゼンの内容に強烈に関心を持っている時だけに使える。殆どの場合、新型iPhoneほど聞き手はプレゼンに強い関心がないので、目次スライドを冒頭に見せて、聞き手の興味に火をつける必要がある。必ず作っておこう。
目次スライドの例
1.Why Should We Learn English?
(なぜ英語を学ぶべきか?)
2.What Is the Most Efficient Study Method?
(最も効率的な学習法は?)
3.How Can We Maintain Study Motivation?
(勉強のやる気の維持をどうする?)
4.Are There Any Shortcuts?
(近道はあるのか?)
こんな感じ。聞き手は「なるほど今日学べる内容はこういうことなんだな」「特に第2章は要注目だな」と興味を持ってプレゼンを聞くことになる。
・自己紹介スライド
自己紹介はプレゼンで上手に活用する。漫然と「自分はどこの出身で、趣味は…」と話すのではなく、聞き手の関心を高める効果を狙う。そのためには、自分はこれから話すプレゼンの内容について実績と経験を豊富に持っており、参加者にメリットを提供できることをPRする時間にする。自分がしたい話や、承認欲求を爆発させるのではなくあくまで聞き手にメリットのある話をする。
たとえば英語学習法をシェアするプレゼンなら、英検1級合格、TOEIC満点、外資系企業勤務経験をPRし、「自分がこれまで培った英語学習法の知見をこの場に来ている皆さんに全部お渡しします。これまで英語学習がうまくいかなかった学習者にもきっとお役に立てますから、ぜひ最後まで聞いてください」といえば、自慢に取られず聞き手は役に立つ話を拾おうと前のめりになって話を聞いてくれるだろう。
自己紹介にかける時間は長くなりすぎてはいけない。せいぜい1-2分程度に留めるべきだろう。聞き手が興味を持っているのは、プレゼンを通じて得られる情報やスキルのメリットであり、話し手の人物情報ではない。
自己紹介スライドは顔写真、名前、経歴や実績を載せる。その際、かしこまった証明写真だけでなく、たとえば真剣な眼差しでオフィス内で仕事をする様子や、自分が担当した商品サービスなどの写真を載せることで聞き手に入りやすくなる。
・Objectiveスライド
英語圏のプレゼンでは、Objectiveスライドと呼ばれるスライドを使うことがある。
Objectiveスライドとは、プレゼンの目的や最後まで聞き終えた時のメリットなどを短い時間で伝える役割を持つ。わかりやすいのは、ビフォーアフター形にするとか、華々しい成果を喜ぶイメージを訴えること。
これだと少し抽象的に感じられるし、あくまでイメージだが1つのスライドでプレゼンの目的を最初に示すことで、聞き手に目指すべきゴールを教える。
・英語スクリプト
それではここからは具体的に英語プレゼンで使用するスクリプトをシェアしたい。
・お礼と挨拶
・自己紹介
・Agenda-プレゼンの流れ-
・Objectiveスライド-プレゼンのゴール-
この流れで進む前提で見ていこう。
・お礼と挨拶
Good morning, ladies and gentlemen. It’s pleasure to welcome you all and appreciate your coming today.
(皆さん、おはようございます。皆様をお迎えすることができ、大変うれしく思います。)
・自己紹介
My name is Takeo Kurosaka and I am a Customer Service Supervisor at ABC Pharmaceutical Company.
(ABC製薬株式会社でカスタマーサービスを担当している黒坂岳央です。)
I have been working in the pharmaceutical industry for 20 years in the department. In this presentation, I would like to share with you my experience and knowledge. Please take advantage of this opportunity for you.
(私は製薬業界で20年間、部署に所属してきました。このプレゼンテーションでは、私の経験や知識を余すところなくお伝えしたいと思います。ぜひ、この機会をお役立てください。)
・Agenda-プレゼンの流れ-
Now, before we begin, let me introduce the topics of today’s presentation. In Chapter 1, I will explain why we need to improve operational efficiency. In Chapter 2, I will provide you with the importance of targeting potential customers. In Chapter 3, let me talk about the ABC system. Finally, In Chapter 4, I will conclude the overall points to keep in mind. After that, I will have a question-and-answer session, so please do not hesitate to ask any questions you may have.
(さて、その前に、本日のプレゼンテーションのトピックをご紹介します。第1章では、なぜ業務効率の向上が必要なのかを説明します。第2章では、潜在顧客をターゲットにすることの重要性をお伝えします。第3章では、ABC方式についてお話させていただきます。最後に、第4章では、全体的な留意点を締めたいと思います。なお、講義終了後、質疑応答の時間を設けますので、ご質問等ございましたら、遠慮なくお申し付けください。)
・Objectiveスライド-プレゼンのゴール-
This presentation has a clear goal. I’m going to talk about improving operational efficiency and targeting potential customers through ABC system. By the end of the presentation, I hope you will have a better understanding of operational improvements and marketing methods that lead to increased sales.
(このプレゼンテーションには明確な目標があります。本日は、ABCシステムによる業務効率の改善と潜在顧客のターゲティングについてお話します。プレゼンが終わる頃に、売上アップにつながる業務改善とマーケティング手法について理解を深めていただければ幸いです。)
以上だ。
第4章・Main Body -本題-
ここからはいよいよ本題について解説する。プレゼンターにとって最大の敵、それは聞き手の飽きだ。プレゼンターがどれだけ情熱的に話しても、聞き手が飽きてしまうと話は右から左へと流されてしまう。それはプレゼンの失敗を意味する。そして聞き手は、プレゼンターにとって些細な理由であっさり耳をふさいでしまう。話がわかりにくい。話の内容や話し方が単調でつまらない。こんな話を聞いても自分には何のメリットもない。そう思わせたらおしまいなので、聞き手の感情を想像しながら構成を考えていく。Main Bodyはやたらと情報を盛り込むのではなく、わかりやすく、シンプルにそして飽きさせない工夫を意識する必要がある。
そのために忘れてはいけないのが、「3C(Clear, Concise and Compelling)」という考え方だ。これを意識することで、プレゼンはわかりやすく、シンプルで説得力のある内容に仕上がる。
Clear。明確でわかりやすいこと。プレゼンのスライドは説明書ではないので、画像がメインだ。テキストはせいぜいキャッチフレーズ的に使う。詳細を伝えるのはあくまでプレゼンターであるべき。スライドはプレゼンターの話に画像を使ってわかりやすくするためのツールと考える。
Concise。シンプル・簡潔に。プレゼンターはついつい言いたいことを盛り込みすぎてしまう。多すぎる情報を受け取りきれず、聞き手がフリーズ状態になる場面を見ることが多い。たくさん話したい気持ちをぐっとこらえ、重要な部分だけをフォーカスする。細かいことはドキュメントを配布して補足するのがベスト。多少不足していても、質疑応答タイムで回答できればいい。
Compelling。話に説得力を持たせる。同じ日本人同士だと確実に伝わることも、外国人相手となるとそうはいかない。たとえば「これまで物が売れない時期が長く続きましたが」といっても日本人以外にこの話は理解されない。その他、「売上の大幅アップ」といっても、大幅ってどのくらいか?がイメージしづらい。そのため、説得力を持たせるためにデータを添える。「Significant increase in sales 売上の大幅アップ」、という代わりに「increase in sales by 200%(200%の売上アップ)」など、具体的な数字を出すことで聞き手がイメージしやすくなる。
テキストばかりのスライドではなく、写真やグラフ、イラストを使う。
プレゼンテーションの構成はいくつか種類があるが、この記事を見ている初心者には「結論ファースト型プレゼン」がおすすめ。第◯章で話したとおり、人間が最初に結論を見せられると、次にその根拠を聞きたくなる。そして最後に、もう一度短いまとめを聞き直すのが一番頭に入りやすい。優秀なプレゼンターの中には、あえて結論を最後まで見せず巧みな話術で聞き手の期待感をドンドン高めて最後の最後でドーンと見せる人もいる。スティーブ・ジョブズさんはまさしくその典型で、iPhoneの発表プレゼンの時は、
“Today, Apple is going to reinvent the phone.”
(今日アップルは電話を再発明する。)
といって、最初からiPhoneを見せることはせず、期待感を高めに高めて見せるという高等テクニックを使った。だが、初心者にこのドラマティックで感動的なプレゼンはあまりにも難しすぎる。下手に期待感を高めてしまうと、「なんだ期待させておいてこんなもんか」と、まるで詐欺にあったような失望感を与えかねない。英語プレゼンではそんな冒険をせず、とにかく3Cを心がけたわかりやすい、伝わりやすいプレゼンをしよう。
「わかりにくさ」は聞き手から興味を奪い取る最大の敵であることはすでに話した。しかし、わかりにくくなる罠はあちこちに潜んでいる。罠にかからないためのヒントをお伝えする。聞き手は疑い深い。プレゼンターが「最も効率的な学習法」といっても「うそでしょ?」「はいはい大げさな話はもういいよ」と思う人は必ず一定数いる。だから、本当に効率的である根拠や証拠を見せよう。たとえば黒坂は「英語多読なら英語4技能を鍛えられる」といっているが、ここで話を終えると「多読って、伸ばせるのはリーディングだけでは?」と当然疑う。だから受講生の英検1級合格やTOEIC900点オーバーの証拠画像を見せたり、自分自身が英語を話すところを見せて効果を示す。こうすれば、「多読は本当に会話にも効果があるんだ」と納得した上で、興味を持って聞いてもらえる。プレゼンター自身は内容をよくわかっていても、聞き手はそうではない。だから主張をしたらすかさずその主張が正しい証拠を見せる。そうすることで、聞き手の興味を維持しながら、飽きさせないプレゼンになる。
・ワンスライド、ワンメッセージの原則
わかりにくい日本人プレゼンターの典型的なスライドは、まるで説明書のようにびっしりと小さいテキストと複数の話題が1つのスライドに盛り込まれているもの。これをすると聞き手はプレゼンターの話を聞かず、スライドの文字を一生懸命読み始める。そして人間は聞くより読む方が何倍も速いので、プレゼンターの話は素通りされてしまう。
これを起こさないために理想的なプレゼンはワンスライド、ワンメッセージが原則。短いキャッチフレーズを載せ、そのキーワードと一致するイメージ画像やグラフを見せる。1つのスライドでは複数の話題を盛り込まない。注意点としてはフレーズと画像が矛盾していないこと。「Increase sales revenue」と書いたなら、右肩上がりにグングン勢いよく伸びるグラフを載せるべき。「あれ?右肩上がりというけど、それほどでもないよ」と聞き手は小さな矛盾に意識が向いてしまい、話に集中してもらえなくなる。画像選びも気を配ろう。
・理想的なグラフの作り方
プレゼンスライドで投影するグラフは、できるだけわかりやすくする。目盛りはなくし、細かい数字は省く方がわかりやすくなる。また、棒グラフを使う場合は見てもらいたい部分だけ色をつけることで聞き手にわかりやすくなる。
英語プレゼンでの注意点は、優劣を示す場合に◯✕△は理解されないということ。ABCとか123といった数字で表記する方が良い。
・完成後は引き算の作業
プレゼンスライドを作成した後は、最終的に何度もそのスライドを使ってリハーサルをする。その際にやるべきは、足し算ではなく引き算。つまり、「ここはテキストを削除して、口頭で説明しよう」とか「このスライドは思い切って削除して、配布資料で伝えよう」といった作業。あれもこれもと付け足しても、当日は時間を意識して駆け足でスライドをパラパラめくることになり、聞き手は置いてけぼり状態で大量のグラフや画像を見せられてプレゼン終了、となってしまいかねない。
・集中力を取り戻す技術
淡々と説明を続けるだけでは、聞き手は飽きてしまう。「ここぞ」という時に相手の集中力を取り戻すための技術として、前置きをしよう。
Now, I’m going to talk about the most important point in this presentation.
(さて、今から今回のプレゼンで最も重要なポイントについてお話します。)
All you have to do is this.
(あなたがすべきことはこれです。)
また、重要な話をする時は「間」を上手に活用する。それまでスピーディー、元気よく話をしていた人が、突然静かになれば聞き手は嫌でも集中する。そしておもむろに重要ポイントを話す、という感じ。
As you know, advertising is the most important factor in marketing to increase sales. There are few famous companies in the world that does not advertise. Everyone knows that.
(ご存知のようにマーケティングで売上を伸ばすためには広告が最重要とされています。有名企業で広告を出していない会社など、世の中にはほとんどないことからもそれは分かると思います。それは誰でも知っている)
However, there is something more important than advertising to increase sales. That is.
(しかし、実は売上を伸ばすためには広告よりももっと大事なことがあります。それは。)
こんな感じ。
・英語プレゼンも「滅私奉公」の精神で
日本語には「滅私奉公」という言葉がある。プレゼンターはついつい、自分が持っている知識や経験を誇ってしまったり、一生懸命リサーチした情報を見せることで努力の跡を理解してもらおうとしまいがち。だが、聞き手にとってメリットはないことはするべきではない。必死に自慢したり、共感してほしい気持ちはぐっと堪えて、あくまで3Cの原則を徹底して聞き手のメリットだけを考えたプレゼンをしよう。自分を滅して聞き手に尽くす精神でプレゼンをするのが成功の近道。余計な話はしない、余計な情報を入れない、聞き手に余計な時間と労力を使わせない。有益なこと、面白いことだけをわかりやすく伝えることだけに集中してプレゼンをしよう。
第5章・Enging -まとめ-
「終わりよければ全てよし」「有終の美を飾る」と昔から言う通り、プレゼンも終わりは重要。それまで良い進行をしてきても、最後がダメだとネガティブな印象を与えてしまいかねない。この章ではきれいな終わり方になるコツをお渡ししたい。
Endingでやるべきは、Summaryスライド、質疑応答タイム、Thank youスライドを想定して解説する。
・Summaryスライド
このスライドでは、次の内容について伝える。
1.重要ポイントのおさらい
2.プレゼン後のアクション
3.コネクション
まず、重要ポイントのおさらいについては、結論と根拠で述べてきた内容を1-2枚のスライドでサクッとまとめる。これにより、聞き手の理解度をしっかりと高め「色々と話しを聞いたけど、結局何だったっけ?」とぼんやりとした記憶にならないように。
そしてまとめに入る時は、必ず前置きをする。いきなり「That’s it」と終わってしまうと唐突さや尻すぼみさを感じさせてしまう可能性がある。
It is about time to wrap up.
(そろそろまとめの時間です。)
We’re going to the end of this presentation.
(このプレゼンテーションもそろそろ終わりです。)
などと終了の前置きをした上で、
Please look at it. This is the final slide.
(こちらをご覧ください。これが最後のスライドです。)
Let me give you the main points.
(要点をお伝えします。)
という具合にスライドを見せる。
There were three key points in the English Tadoku method.
First, low cost.
Second, any time, anywhere.
Third, fundamental knowledge and input are the most important.
Finally, never give up until you reach your goal.
英語多読の勉強法では3つの重要ポイントがありました。
1つ目、低コストであること。
2つ目、好きな時間で勉強できること。
3つ目、基礎とインプットが最も重要であること。
最後に、ゴールまで決して諦めないこと。
このような具合で伝えるとスムーズになる。
・次のアクションを促す
プレゼンの目的は正確に情報を伝えることではなく、聞き手に次のアクションを起こさせることにある。営業マンは顧客に契約をしてもらうこと。社内プレゼンは上長から承認を得ること。教育機関は教えた内容で実際に勉強してもらうこと。
これはプレゼン講師の間では常識的な話だが、ただ話を伝えるだけでは聞き手の90%は行動しない。話を聞いて満足するだけ。だから半ば強制的に行動させるためのアドバイスを行う。
90% of attendances don’t take action after the presentation, so if you take initiative, you can be in the top 10%.
(出席者の9割はプレゼン後に行動を起こさないので、もしもあなたが率先して行動するなら上位10%入りできます。)
After the presentation, let’s start studying by the steps described in the supplemental documents.
(このプレゼンが終わったら補足資料の記載した手順で早速勉強してみましょう)
といった具合に、聞き手が行動しやすいように具体的なアクションを伝えてサポートをする。
・質疑応答タイム
プレセンターにとって緊張するのが、質疑応答タイムだ。やってはいけないのが、緊張するあまりしどろもどろになって答えてしまったり、分からない質問に対して適当に答えてしまうことだ。質問者はプレゼンターに恥をかかせないため、質問の意味がわからなかったり聞いていることに答えてもらえなくてもスルーするかもしれないが、周囲からのあなたの印象は決していいものではないだろう。抑えておきたいポイントを解説する。
1.分からない質問は無理して答えない
プレゼンではどんな質問が飛び出してくるか分からない。自分は過去に、農林水産省の研究機関のプレゼンに参加し、大学教授から非常に専門的で難しい質問を受けたことがある。その時は「そのご質問についてきちんと調べた上で正確な回答をしたいので、調べてご連絡をいたします」と伝えた。プレゼンターは専門家であり、プロフェッショナルだが即答できなくても恥をかくということはない。ただし、専門家として明らかな間違いを犯してはいけない。分からないことまで無理して答えないようにしよう。
I’m sorry, I don’t have enough information now. Let me get back to you via E-mail if you don’t mind.
(申し訳ありませんが、今、十分な情報がありません。もしよろしければ、E-mailでお返事させてください。)
などと答えて、丁寧に対応する。
2.質問を優しく受け止める
ただでさえなれないプレゼンを英語でやるのはかなり大変ので、質問をされたらまずは受け止めよう。
The question was how many times should we read a book, correct?
(ご質問は本を何回読めばいいか?とですね?)
などと確認し、
That’s a thoughtful question, thank you.
(思慮深い質問、ありがとうございます)
とお礼を伝えるのもよい。もしも質問が聞き取れなかった場合は、
Sorry, could you more elaborate on it? I’ll do my best to answer to your question.
(すみません、詳しく教えてください。できる限り回答したいです。)
などとポジティブさを持たせて聞き直しをしよう。
第6章・英語プレゼンの話し方・姿勢・トラブル対応・ジェスチャーなど
第6章では、英語プレゼンでの話し方、姿勢、トラブル対応、ジェスチャーについて解説する。この章でお伝えすることを意識してプレゼンの準備や練習をしてもらうことで、本番で成功することができるだろう。
【想定されるトラブルを防ぐ】
・足元の電源コードに躓く。
・後ろからスクリーンやプレゼンターの姿が見えない。
・後ろに声が届きにくい。
・ポインターの電池切れ。
会場でコンセントにさしたケーブルに躓き、電源が切れてしまうリスクは大きい。また、これは本当によくある話だが、広い会場では後方部に座った聞き手がプレゼンターの声や姿が届きにくいというものである。また、万が一にも本番中に無線のポインターの電池切れになると想定外のトラブルに見舞われる。
こうしたトラブルは、やっかいなことに特に日本では聞き手に尋ねても本番中は教えてくれず、後からアンケートで不満として書かれてしまったりする。よしんばプレゼン本番中に教えてくれたとしても、英語でやり取りするのは結構負担が大きい。こうしたトラブルは事前に想定をしておく。会場を歩き回ってチェックしておこう。
【姿勢】
プレゼンに慣れない頃は姿勢に注意しよう。
・アイコンタクトは重要
・背中を向けない
・しっかりと声を張る
・適度なジェスチャー
・アイコンタクトは重要
日本人はアイコンタクトが苦手な人が多い傾向にある。特にプレゼンではたくさんの人の視線が自分に集中するプレッシャーに耐えられず、まったく目を合わせないでプレゼンをしてしまいがちだが、これは絶対にNG。アメリカでは目線をそらすことを繰り返すと、「誠実でない」「何か隠している」といった不信感を持つ人もいる。一人の人物の目を凝視する必要はないが、まったく目を合わせないでプレゼンするのはやめておくべきだ。
・背中を向けない
アイコンタクトと通じる部分もあるが、プレゼン中に長時間背中を向けて話すのはやめておこう。聞き手の立場からすると、プレゼンターの表情も見えず、ジェスチャーもなく、背中を向けて声だけを出すシーンはかなり違和感がある。日常的な会話で相手に背中を向けて話す人はいないことからも、これはやるべきではない。
・しっかりと声を張る
自信がなかったり、不安が強いとついつい声がしぼみがちだ。しかし、英語圏では男性に限らず、女性でもパワフルさが重要。自信を感じさせ、説得力を感じるプレゼンをするには堂々とした態度で、しっかりと声を張ろう。特に母国語が英語でない人にとって、英語力をハンディにするべきでない。自信を持っていこう。
・適度なジェスチャー
日本人はあまりジェスチャーを使わない。しかし、英語圏では極めて日常的であり、まったくジェスチャーを使用しないことは違和感を覚えるという人もいる。scienceofpeople.comの研究チームによると、
gestures increase the value of our spoken message by 60%!
ジェスチャーは、話し言葉の価値を60%高めます。
といっており、その他の研究でもジェスチャーの有無で視聴者の満足度も変化することを明らかにしている。代表的なものを取り上げる。
Shrug 肩をすくめる。
「分からない」「困った」「NG」という時に使いたい。
So-So まあまあ
手のひらを下にして揺らすと「まあまあ」「ありきたり」「普通」という意味になる。
Thumb up いいね!
極めて代表的なもの。ポジティブな表現をしたい時などに使える。
Thumbs-down よくない
ジェスチャーは話の補足として活用する。ジェスチャーなしでI don’t knowというより、肩をすくめながら言う方がしっかりと伝わるし力強さも感じる。
・Filllerワードに気をつける
プレゼン経験者なら、誰もが「えーっと」「あのー」という口癖を知っていますよね?英語では、
・Well「あのー」
・Like「ほら」
・You know「みたいな」
・I mean「というか」
・Let’s see「ええっと」
・Kind of「なんか」
たとえば人からお誘いを受けてお断りをしないといけない場合に、
I’m afraid I can’t go.
(申し訳ないですが、行けません)
というお断り文句をいう代わりに、気を使いすぎて
Hmm…, that’s beautiful. But actually, er…, I have another appointment that day, so sorry.
(うおお、それはいいね! でもね、うーんとその日はもう別の用事があってごめんね!)
みたいなイメージ。
プレゼン中のフィラーワードはデメリットしかない。聞き手にとって耳障りでしかなく、間がなくなり、話が分かりにくくなる。
結論、このFillerワードを無くす方法は3つある。「一文を文字短く」「沈黙を恐れない」「練習」。具体的に解説する。
治療法1.一文を短くする
話をする時は一文を文字短く。一文が長すぎると、無意識の内にフィラーワードで文章を作文するための時間稼ぎをしてしまっている。
治療法2.沈黙を恐れない
沈黙を怖がって、少しの間も話し続けるためにえーあーと言われると、聞いている側はかえって「こいつうるさいな。壊れたラジオかよ黙れ」と感じる。なので、沈黙を恐れず、むしろ効果的に使うようにしよう。
治療法3.練習をする
そして次は練習をしっかりするということです。プレゼンに慣れていない人は、たとえカンペを用意していたとしても、流暢に読むことができません。台本にない余計な話しをしてしまったり、つっかえたり噛んだりしながらになりがち。これは練習不足が理由。結論、練習をすれば治療できます。
・略語やスラングは使わない
I wanna
I’m gonna
You know
Fワード
Very, Reallyの多用
は無教養に感じられる。I wannaはI want to、I’m gonnaはI am going toと表現する。You Knowなどのフィラーワードは練習で削除し、Fワードはビジネスプレゼンでの使用は絶対にNG。VeryやReallyは強意語と思われがちだが、実は多用すると逆に意味が弱まる。
He is a very rich person.
という代わりに、
He is a wealthy person.
彼は裕福な人物だ」というべきだし、
John was really angry at his boss.
という代わりに
John was furious at his boss.
「ジョンは上司に激怒した」というべき。このあたりは英語の語彙力を高めることで解決する。過去記事でVeryやReallyを多用してはいけないというものを取り上げているので良かったら見てほしい。
サムネ
・親近感を与え、柔らかい雰囲気を作る
プレゼンは一方的に話をするイメージがあるが、実際には聞き手と上手に心の交流をしながらするのが理想的。そのためには、親近感を与え、柔らかい雰囲気づくりが重要。
そのための方法の1つに、ジョークを使う。人間、笑いあった時が一番親近感を覚える。おすすめは自分がした失敗談。過去の失敗談を話し、そこから学びを得たエピソードを話せば、有益さと面白さを与えられるのでおすすめしたい。
だが、注意点としては加虐にならないこと。日本人は自虐ネタで笑いを取る文化があるが、自分では笑えると思って話したことでも、相手は本気でかわいそうに感じたり、自信のなさに感じられることもある。
また、聞き手に質問を投げかけ、挙手をしてもらうことでも雰囲気を柔らかくすることができる。
Have anyone ever been to Japan?
この中に日本へ行ったことがある人はいますか?
Is there anyone here from Japan?
(日本人はいますか?)
こんな感じで
・パラシュート型トーク
英語、日本語に限らずわかりやすくロジカルな話し方は大きな全体像をまず話し、そこから徐々に個別、詳細の話に広げていくというもの。日本人同士でもありがちなのが、何の背景説明もなくいきなり詳細の話をしてしまい、「あなたは今、何の話をしているの?」と思わせるようなケースだ。プレゼンにおいて最大の敵は「飽き」であることはすでに話したとおりだが、「話がわかりにくい」というのはこの飽きを作り出す最大の理由になってしまう。そのため、話が分かりにくくならないようにするプレゼンの構成は必須。そのためにヘリコプターからパラシュートをつけてゆっくりと降りていくイメージで話そう。英語だとbird’s eye view鳥瞰図といったりする。
This slide gives you a bird’s-eye view of this chapter. Please look at it.
このスライドでこの章の全体像がわかります。こちらを見てください。
このような具合に。たとえば黒坂は英語多読についてYouTube記事を通じてプレゼンをしているが、
1.英語多読を通じて英語力アップをしたければ、英単語と英文法の基礎を学ぶ。次に精読リーディングのインプットを重ねて、最後にアウトプットをする流れがおすすめ。
2.最初は英単語を学ぶ。使用するテキストは速読英単語と英熟語の2冊。これを使って4100語を覚えよう。
3.速読英単語では開拓と反復リーディング、リスニングとシャドウイングをしよう。
4.開拓は辞書を使って意味を知らない英単語について、テキストに書き込みをしていこう。
こんな感じでまずは全体像を見せ、流れを説明し、必要なテキストを示し、最後に具体的な勉強法を伝える。英語多読のことを何も知らない相手に、「速読英単語を使って英単語を覚えることは重要」といっても、「なぜ?」という疑問ばかりが湧いてしまい、具体的な話をされても全然頭に入ってこなる。
これは余談だが、特に日本人同士では多少言葉足らずでも、話が伝わってしまうので、説明が足りない人が多いが英語プレゼンでは様々な文化や国の違う人が話を聞く想定なので、ロジカルにそして細かいところまで言語化しながらプレゼンを意識しよう。たとえば「The other day I had a raw octopus at a sushi restaurant. It was tasty.(先日、寿司屋で生のタコを食べてきました。とてもおいしかったです。)」という話、日本人同士なら誰でもスッと理解できる。だが、自分が過去に外国人に向けてこの話をした時に「シーフードを生で食べて、お腹を壊したり病気になりませんでしたか?」と本気で心配されてしまったことがある。
終わりに・英語プレゼン上達のコツ
結論として勉強、練習、経験の3つ。
勉強はこの記事で基礎的な話は全部した。ぜひ何度も見直してもらえばいい。
そしてプレゼンの勉強をして実際にスライドや台本を作った後は、ひたすら練習。すでにお話した通り、本番は演劇で言う舞台本番になるので本番に向けて練習はしっかりしておくこと。本番でうまくいかない理由は勉強不足か、もしくは練習不足のどちらかでしかない。
最後に経験、つまり場数を踏むこと。しっかり勉強をして練習を重ねても本番では想定外のことは起こるし、なれないとどうしても緊張する。でも場数を踏めばOK。自分も慣れない内は不安と緊張で押しつぶされそうになっていたけど、今では慣れたのでまったく緊張しない。今後、機会があれば東京でセミナー会場を借りて英語プレゼンのイベントを開催したり、オンラインで練習道場を開く企画もしたい。最新情報はコメント欄の固定コメを見てほしい。
それでは長い長い記事を最後まで見てくれてありがとう。
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