今回は「家に引きこもって多読多聴が最強の英語学習法」と主張する書籍を見つけたので紹介します。
それがこちら。中林くみこさんが書かれた「独学で英語を話せるようになった人がやっていること」という本で、本書には「多読多聴することで英語がペラペラになれる」ということが書いています。特に現在多読に挑戦されている人には日々の勉強にますます気合が入ること間違いありません。
今回の動画を最後まで見ていただくことで、ペラペラ英会話をするにはなぜ英語の多読多聴が一番効果があるのか?がわかります。また、この勉強法に合わない人もいると思うので、それについても忖度ゼロで本音バカ正直に話していきます。英語学習のお役に立つことは間違いないので、ぜひ最後までご視聴ください。
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>>>独学で英語を話せるようになった人がやっていること 著:中林くみこさん
目次
1章 海外生活、外国人と結婚しても英会話できない
さて、1章では海外生活、外国人と結婚しても英会話できないということについて話をします。
著者は元々、日本でOLとして働いていましたが「どうしても英語で仕事をしたい!」と一発奮起、TOEIC800点を取った後ワーホリでカナダへ行きます。すごい行動力ですよねー。 そして「英語力を伸ばすぞ!」と鼻息荒く、そこから1年間ひたすらクラブやパーティーに参加して積極的に友達を作って会話しまくりましたそうですが、英語ペラペラとは程遠い状態でほとんど伸びず。
その後、国際結婚をしましたが、夫は物静かであまり会話は多くない。別々の部屋で休日を過ごすことが多く、ネイティブと結婚しても英語力は伸びない、と感じていたそうです。んー、なんか想像と違いません?海外で英会話しまくって英語のシャワーをイチ年間浴びても全然伸びないというのは不思議ですよね。
カナダへの永住権の申請中、1年半ほど家に引きこもって多読多聴をしたところ、それまで全く伸びなかった英語が人生で最も伸びた実感があり、今ではカナダで語学学校を経営して多読多聴の素晴らしさを問いているとのこと。そう、英語力が大きく伸びたきっかけはたくさんの実践英会話訓練ではなく、独学での多読多聴だったということです。
著者は15年間、カナダに住んでそれまで30組以上の国際夫婦やネイティブと恋人になったケースを見てきましたが、それだけで英語が自然に伸びている人は一人もおらず、英語を伸ばした人は100%、自分でも大変努力して勉強していたと著者はいいます。
この体験からも世の中でよく言われる、「海外に住めば自然に英語が伸びる」「外国人と結婚したらさすがに伸びる」「友達を作ってたくさん会話練習がいい」といった意見を「全部違う」とことごとく爽快に斬っています。
黒坂もまったく同じ意見を持っていて、海外に長年住んでいる人から「英語苦手なので代わりに航空券の予約取って」とか、英語多読の受講生から「国際結婚をして長年ヨーロッパに住んでいるけど、未だに満足の行く英会話ができないので初心に戻って基礎からやり直します」と勉強される人とか山のように見てきた。
それなのに謎のビジネスインフルエンサーは「日本人は内向き思考でいつまでもチマチマお勉強してるから英語ができない」とか「オレたちみたいに海外に出て英語のシャワーを浴びれば自然に伸びる」みたいにおかしなことを言っていたりします。
毎日のように海外在住の日本人学習者からコメントや問い合わせをもらってる黒坂の立場としては、「海外に行くだけで自然に伸びるほど英語は甘くない」といいたいですね。「毎日プールに入れば、さすがにバタフライくらい自然にできるようになる」「東大の教室で授業を受ければ自然に東大生レベルになる」くらいの暴論で、いやバタフライが上達したければ、バタフライ練習しないと無理じゃない?東大生レベルになりたければ勉強しないと無理じゃない?って思うんですよね。
このように「環境さえあれば自然と英語が身につく」という考えが幻想だとすれば、それに代わる現実的な学習アプローチが必要になりますね。
では具体的に何が効果的だったのか? 次の章からは著者が実践して成果を上げた「多読多聴」に注目して、その効果と理由を詳しく見ていきましょう。
2章 なぜ多読が最強の英語勉強法なのか?
さて、2章では「なぜ多読が最強の英語勉強法なのか?」という著者が本書で取り上げている見解についてお話します!
1.語学の達人、歴史の偉人が支持する学習法だから
多読が最強の英語勉強法な理由1つ目は、語学の達人・歴史の偉人が支持する学習法だから。
過去動画で繰り返し科学的な効果、再現性についてはお話をしてきました。ですが、ロジカルな解説を抜きに、英語の実力者たちが英語の多読を推している事実がその効果を示しているのではないでしょうか。
英語多読は明治時代から続く歴史あるクラシックな勉強法で、日本人の偉人で言えば、夏目漱石や野口英世は多読で英語を伸ばしたとされています。それから20カ国語をマスターした有名な多言語学習者、スティーブ・カウフマンさんは「多読は最強の言語学習法」と言っています。この方はスウェーデン生まれのカナダ人で12言語は流暢に話し、8言語は日常会話レベルで操れるという語学の天才です。
こうした語学の達人、歴史の偉人たちも多読を推奨していてこれだけ科学、情報が世界中に広がっている令和の時代にもしも効果がないインチキ勉強法ならとっくに糾弾されて廃れているはずですがそうではない。この状況証拠からも多読はクラシックな勉強法でありつつも、確かな効果が期待できるといって差し支えないでしょう。
2.英語4技能を伸ばせるから
多読が最強の英語勉強法な理由2つ目は、英語4技能を伸ばせるから。
黒坂と同様、著者も英語多読は英語の4技能すべてに効果があるといいます。
多読をすることでまずは語彙力に反映され、読めば読むほど語彙力が高まっていきます。そして次に文法の理解が深まって複雑な英文でもすぐに理解できるようになります。
さらにリスニングに波及していきます。英語のリスニングが苦手な人あるあるとして、最初は分かるが、途中からついていけなくなるという現象です。でもこれは英語の音が聞こえなくなったのではありません。音はずっと聞こえています。そうではなく、脳内で英語の処理が間に合わなくなったということ。英語多読で英語のテンプレートのストックが頭の中にたくさん詰め込まれることで、過去にインプット済の情報と照らし合わせるだけなので気軽に理解できるようになります。
言うまでもなく、ライティングには高い効果があります。著者がカナダに渡ってから通っていた語学学校で、ライティングの課題がありました。多読をする前は、先生から「?」がいっぱい付けられ、時には文全体に線を引かれ、デカデカと?が書かれてショックを受けた著者。
うん、これは先生から「何が言いたいかわからない」と言われているようなものだからですね。単語や文法は合っているはずなのに…とショックを受けた著者ですが、多読をたくさんした結果、良い表現を自然にどんどん身につけてネイティブにも「英語が上手」と褒められるようになっていきました。
このように多読によって語彙力、文法、リスニング、ライティング、スピーキングすべてに恩恵があるとすれば、多聴との組み合わせは最強の学習法といえます。
次の章ではその「多聴」を行うにあたって、著者が特におすすめしている素材—海外ドラマ—について見ていきます。
3章 英語多聴の素材に海外ドラマをおすすめする理由
さて、次には著者が英語の多聴に海外ドラマをおすすめする理由を取り上げていきます。
理由1.異文化理解の勉強になる
海外ドラマを多聴するべき理由の1つ目は、異文化理解の勉強になるから。
英会話は単に単語や文法が分かるだけでは対応できず、ネイティブの感覚、異文化理解が必要になります。海外ドラマを多聴することでこうしたネイティブの感覚、異文化の勉強になります。ざっくりいえば海外で生活するような効果が得られるといいます。
例えばカナダでは別れ際に「Take care」と声をかけることが多いです。これをそのまま日本語に直訳すると「気をつけて」となります。でも、日本人が「気をつけて」というのは、心から危険に気をつけてといっています。黒坂は毎日、学校へ行く息子に「車に気をつけて」といっていますが、心のそこから「本当に気をつけていってよ。頼むよ。怪我とかしないでよ」と気持ちを込めて送り出しています。
ですが、カナダではそれほどの意味合いはこの言葉に込められておらず、単にカナダの文化や習慣として気軽に使われているので、日本語に完全に該当する表現は存在しない、といいます。
それから、ドラマでは登場人物同士の人間関係を考慮した会話が展開されます。長年の努力を共にした仲間同士の会話では、「Can you~?」といったフランクな言い方で頼み事をすることがあります。これはお互いの家庭事情を知っていて、気軽に頼める相手だからこそCan youを使った言い方になります。その一方で、新入社員が上司に休暇を申請する時などは、「I was wondering if〜?」というより丁寧で遠回しな表現になります。
実際、著者は海外ドラマを多聴していたおかげで助かったエピソードを持っています。著者が語学学校を経営しているのですが、雇っていたネイティブ講師たちは頻繁に給与交渉や転職の報告をして来ます。日本で「給与上げてくれないと転職するよ」なんて言われると上司もびっくりして腰を抜かすような話ですが、海外ドラマでよく見ていた光景だったので、「おー、ドラマのあのシーンキター」という感じで落ち着いて対応できたといいます。でも、もしドラマを見ていなかったら狼狽してうまく対応できなかったかもといいます。海外ドラマではこのような給与交渉は非常によくあるシーンで、登場人物たちも軽やかにトライアルに転職を繰り返す場面が描かれています。
このように、フレーズは相手との関係性や背景があってこそ成立する。その会話を学べるのも海外ドラマを見るべきポイントといいます。
理由2.毎日、継続視聴しやすいから
海外ドラマを多聴するべき理由の2つ目は、毎日、継続視聴しやすいから。
著者は「英語の多読多聴はとにかく毎日30分継続しましょう」とおすすめしています。これは連続して30分ではなくていいということですから、仕事や家庭に忙しい人でも、スキマ時間を積み上げれば30分間は時間を作れるはずです。
そして映画やYouTube動画と違って、海外ドラマは20-30分間ですから「1日1話見る」ということで習慣化しやすいメリットがあります。しかも元々がエンタメ作品なので、ハマれば勉強の感覚なく楽しく視聴できるといいます。1日1ドラマを1年間続けるとざっくり180-200時間積み上がるので、結構な分量を英語を多聴することになりますね。
4章 「英語をペラペラ話せる人」の正体
さて、ここまでは多読・多聴の効果について見てきましたが、まだまだ「英語ペラペラと多読多聴」のイメージが結びついていない人もいると思います。そこでこの章では英語ペラペラな人の正体をお伝えしましょう。
結論、英語ペラペラ話す人は、単語と文法の知識を駆使して1から英文を脳内作文しているわけではありません。英語のフレーズや文章を適切に使う状況と一緒に覚えて、それをそのまま口に出す、もしくは一部を変えて使っているに過ぎません。ですので、世間的によく言われる、「とにかく英語を話す。練習すれば英語を話せるようになる」というのは、正しくないと著者はいいます。理由はほとんどの日本人は頭から丸ごと取り出して通じるフレーズのインプットが圧倒的に不足しているからで、その状態ではいくら練習しても上達しません。
たとえば、「あなたの趣味はなんですか?」という英語の質問を日本人が作ると、「What’s your hobby?」と作文しがちです。これでも通じなくはないですが、こんな感じでイチイチゼロベースで英語を組み立てる練習をしても一生ペラペラ流暢な英会話は手に入りません。そうではなく、「What do you do in your free time?」、このようなフレーズを丸暗記してパッと取り出してしまえばいいです。さらに英語フレーズを丸暗記していれば、相手のリスニングもナチュラルスピードでしっかりついていって理解できます。
つまり、英語ペラペラな人は「膨大な英単語と英文法を瞬時に組み立て、正確な英語を作文するのが上手な頭の回転が早い人」ではなく、「多読多聴をしてたくさん引き出しを持っているに過ぎない」という現実的な姿が見えてきます。多読多聴はネイティブの英語フレーズのインプットをして、英会話はそれをアウトプットするということですから、語学の達人とは頭のいい人ではなく、真似の達人と言えます。
5章 多読多聴をする上での注意点
ここまで多読多聴は素晴らしい、ということをひたすら説いてきました。でも黒坂がいっている通り、完全無欠な勉強法などこの世には一つたりともありませんし、それは多読多聴も例外ではないと思っています。ここからは黒坂の独断で注意点を解説していきますので、多読多聴に興味を持って挑戦する人はぜひ参考にして頂ければと思います。
1.前提として英語の基礎力は必要
多読多聴をする上での注意点1つ目は、前提として英語の基礎力は必要。
イマージョン学習とか、海外移住をして英語のシャワーを浴びろとか、外国人の友だちを作れとか意見は多数ありますが、それらはすべて「英語の単語、文法などの基礎力があってナンボ」という前提条件が必要です。その逆に基礎がろくにない状態でどれだけ多読多聴しても無意味と断言しても言い過ぎとは思いません。
これはその人のやる気とか姿勢とかの問題ではなく、人体の脳科学の限界の話です。人間の脳は意味を理解できる情報をインプットした時に初めて、内容を記憶するかどうかの選択肢に上がります。英語の基礎力が足りないことで内容を理解できない英語をどれだけ大量インプットしても、雑音として捨てられてしまうので脳内に溜まることはないです。つまり、英語を意味を持った言葉であることを認識するためにも、基礎力をつけてから多読多聴しないと無意味ってこと。
著者もカナダに渡る時点でTOEIC800点以上持っている状態で、完全とは行かないまでもかなりの力があったと思います。なので基礎力の怪しい初心者が真似をしていきなり多読多聴をしても効果は期待できないと思います。
2.海外ドラマは向き不向きがある
多読多聴をする上での注意点2つ目は、海外ドラマは向き不向きがある。
著者はドラマを激推しています。海外ドラマは確かに面白い作品にあたったら、たった1つの作品から多くの英語力アップを引き出せることは間違いないと思います。やる気なく勉強している時は「毎日30分やれ」と言われたらええーって声を出してやる気出すのに苦労するのに、神作品に出会ったらどれだけ疲れていて、どれだけ寝不足でも「後5分だけ、後10分だけ」と寝る間も惜しんでハマると思います。著者はこの効果も期待しておすすめされているのだと思います。
ですが、世の中には娯楽作品と相性が悪い人が一定数います。たとえば黒坂はドラマはそれなりに触れる機会があって、フルハウスとかも子供の頃に見ていましたが、明確に映画やアニメ、ゲームよりハマることはなかったです。洋書についてはビジネス書は楽しめますが、小説や文学作品はどちらかといえば苦手です。ざっくり感ですが、論理的な人、娯楽より知識や技術など実利リターンを求める人、それから次の作品を探すマメな作業に苦痛を感じる人は海外ドラマは合わないかもしれません。
著者は英語力を伸ばすために海外ドラマに手を出したというより、楽しくて視聴していたと言っていますので、まず自身に海外ドラマに適正があるかどうかはチェックした方がいいと思います。
3.洋書の多読は少しハードルがある
多読多聴をする上での注意点3つ目は、洋書の多読は少しハードルがある。
著者は英語多読の素材に洋書を推しています。「パラパラ読んでみて面白い作品があったらそのまま読む。つまらなければ1-2ページでやめてもいい。とにかく楽しく読めるものを選ぼう」と言われています。確かに著者のようにカナダに移住して近所の図書館で借り放題、という環境ならそのやり方はすごくいいと思います。この動画を見ている人の中には、大学図書館を使えるので洋書選びには困らない、という人もいるかもしれません。
しかし、あくまで一般的な日本人が洋書を買って読む習慣を作るのは少しハードルが高いかもしれません。まず手に入る本が英語圏に比べて圧倒的に少ないですし、買うとコストもそれなりにかかります。なので明確に好きな本のジャンルがあるとか、技術書やビジネス書が好きで高い確率で買った本から値段以上の価値を引き出せる自信がある人はおすすめですが、そうでない人もいると思います。
そこで個人的には英語ニュース、英字新聞をおすすめしたいですね。ニュースなら毎日Yahooニュースやスマホニュース、新聞を読む習慣の人は多いので、それをそのまま日本語から英語にスイッチするだけで習慣化できます。
おすすめの英字新聞、英語ニュースについてはこちらの過去動画を参考にしてください。
【2024年 初心者向け】英字新聞の多読リーディングの独学勉強法・完全解説(ジャパンタイムズ/無料/オンライン/選び方/どこで買える)
はい、カナダに渡ってから英語の多読多聴で伸ばした著者の話を聞いたことで、「やっぱり多読多聴は独学で英語力を伸ばせる確かな勉強法なんだな」「黒坂以外で多読をやった人も、細かい手法は違えど根本的な考え方は同じなんだな」ということが分かってもらえたら幸いです。
英語多読には正しく努力をすれば年齢や経済力に関係なく、誰にでも英語力を身につけるチャンスがあります。必要なことは正しい勉強法を理解し、そして毎日コツコツと小さく積み上げていく地味な努力です。この動画ではいつもと違った角度から多読の効果を解説しましたが、参考になったら幸いです。さらに英語多読について学びたいと思った方はぜひ概要欄のリンクから無料講座を受講して理解を深めてみてください。ほなまた。
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>>>独学で英語を話せるようになった人がやっていること 著:中林くみこさん
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