今回は【初心者必見】英語イマージョン学習の効果的な勉強法やおすすめの学習素材に付いて解説をしていきます。
英語学習初心者の段階を抜けて、中・上級者になった人にぜひやってもらいたいのが英語イマージョン学習です。黒坂も過去動画で繰り返し言ってきたのが「ある程度英語力を伸ばしたら、いつまでもテキストにかじりつくのはやめて英語を使って専門知識を学ぶなり、仕事をするなりスキルを活用する段階へいきましょう」という話ですね。英語イマージョン学習をすることで、「わかる」から「できる」へレベルアップします。
ところが、英語イマージョン学習については、間違ったことを言っている情報も非常に多く、「初心者でも楽して身につく学習法」と解釈する人が大量発生しています。要するに英語イマージョンを英語のイルージョンと壮大な勘違いがまきおこっていると。黒坂も英語イマージョン学習を誤解した視聴者から相談をもらうこともあるので、この度、勉強法についてガッツリ動画にしました。
ちなみによくある誤解についてはこちらの動画で解説をしていますので、あわせて見ておいてください。
この動画では英語イマージョン学習の中で、特に高い効果をがあるものを取り上げて解説をします。
1章では英語イマージョン学習を始める前の注意点を解説し、2章では具体的な勉強法を解説します。では始めていきましょう。
目次
1章 英語イマージョン学習を始める前の注意点!
さて、具体的な解説の前に非常に大事な注意点があります。英語イマージョン学習といっても、脳みそにマルコメ味噌詰まった状態で考えなしにやってもカスほど伸びません。海外に10年以上住んでいるのに航空券のネット購入を他の人にお願いしないとできなかったり、英会話スクールに20年通ってもまったく話せない、みたいな人はこれまで本当にたくさん見てきました。考えなしに英語漬けをやっても全く伸びないのですが、こうした人たちは一人の例外なく、みんな同じ失敗をしていましたので、あなたが同じ過ちを犯さないために注意喚起をします。
結論をいうと、「必ず理解を伴う状態でやってください」ということです。それは多読、多聴、英作文、英会話のすべてについて言えます。ここで言う「理解しろ」というのは、一言一句100%、異文化理解も含めて完全理解をしろと言っているわけではありません。特にリスニングについてはなかなか聞き取れない音もどうしてもあると思います。
あくまで全体的に何を言っているかちゃんと話を理解できており、分からない時は英語字幕を表示させたり、英語スクリプトを見て後から理解を深める状態を作るようにして取り組んでください、という意味です。
いつもいっている通り、脳科学的や教育心理学の世界では「人間の脳は理解できない情報をノイズとして捨ててしまう」という有名な話があります。
人間の五感を通じて得られる膨大な情報は脳の「視床(ししょう)」に送られます。膨大な情報の中から意味を持つ重要なものだけを大脳皮質に中継し、不要な情報は捨てられます。例えば、外出先で相手と会話をする時、視床は車の騒音や足音、館内のBGMなどを「ノイズ」として処理して、相手の会話内容に集中させる役割を果たします。
でも、ちゃんと意味を介する情報として反復インプット、アウトプットをすることで段々英語を正確に、そして高速で処理できるようになっていきます。なので、意味のある情報にするか?もしくは触れてもノイズとなるだけの無意味な情報にするかはあなたの学習環境次第ということになります。
そしてあえて理想の形を言うと、今のあなたの英語力より一段下の少し簡単と感じるくらいのレベルで始めることをおすすめします。慣れてくれば少しずつレベルを上げていき、最後は自分の英語力より少し上のレベルにしてもらうといいです。しかし、最初から飛ばしすぎると理解の伴わない体験が続いて挫折します。途中でやめてしまったらなんの意味もないので、最初は自分の英語レベルより少し下のイージーモードで始めることを推奨します。
2章 効果的な英語イマージョンの勉強法
さて、1章で注意喚起をしたところで、2章ではいよいよ効果的な英語イマージョンの勉強法を解説をしましょう。
1.英検の過去問
英語イマージョン学習のおすすめ素材の1つ目は、英検の過去問です。
英検テキストはレベル分けが明確にされていて、そのレベルごとに使用される語彙は決められています。さらに英検の過去問であれば問題も用意されていて、おまけに丁寧な解説までついてきます。なので基礎力をつけて精読リーディングをする段階になったら、英検に挑戦することをおすすめします。英検の問題は異文化理解や背景知識がなくても」わかりやすい論理的な内容が多く、おまけに英文も知的好奇心を刺激してくれる興味深い物が多いです。
加えて、英検には英作文と英語面接があります。英作文はテーマが与えられて即興で意見を出したり、長文を要約する問題が出題されます。英語面接は級によって内容が異なりますが、スピーチやナレーションの問題が出題されます。
英検の対策をすることで英語4技能をすべてバランスよく鍛えることになりますし、問題の分量も多いので「和訳と丁寧な解説」という補助輪をつけた状態で英語イマージョン学習をしたい人には、英検をおすすめします。
2.英語ニュースや英字新聞
英語イマージョン学習のおすすめ素材の2つ目は、英語ニュースや英字新聞です。
英語の中・上級者になった後は、英語ニュースや英字新聞にステップアップしましょう。始めたばかりの人はまず、日本国内のニュースを取り扱い、和訳などもついている簡単なものがおすすめです。日本国内のニュースなら英語がちょっと難しくても、内容がわかりますよね。一方で海外ニュースは政治・経済や宗教、国の文化の違いなどが壁となって、英語力以外の要素で理解が難しくなることがあります。そのため、まずは日本国内のニュースから始めることをおすすめします。
それからメディアによっては記事を読むだけでなく、動画や音声の解説もついてくるものもあります。まずは記事を読み、その後動画や音声をリスニングすることで、多読多聴をすることができます。
黒坂は東京の外資系企業で働いている時、毎日英字新聞を読んで知らない単語をメモしておき、仕事のメールやチャット、資料作成や英語会議などで無理やり使って血肉化していました。すでに毎日のニュースや新聞を読む習慣を持つ人は多いので、日々のニュースを英語で学ぶことで継続しやすく英語力プラス国際的な観点での情報収集になるので一石二鳥ですね。
具体的にどんなメディアがあって、それぞれのレベルは?どの英語力の人におすすめか?ということについては過去動画でより詳細を解説していますので、こちらも合わせてご確認ください。
【2024年 初心者向け】英字新聞の多読リーディングの独学勉強法・完全解説(ジャパンタイムズ/無料/オンライン/選び方/どこで買える)
3.海外YouTube視聴
英語イマージョン学習のおすすめ素材の3つ目は、海外YouTube動画視聴です。
これは現在進行系で黒坂が毎日やっています。ビジネス、投資情報、政治経済、金融情報、ITテクノロジー、このあたりはどうやってもアメリカ発メディアの情報の方が圧倒的に情報の質も量も優れています。海外でヒットした動画が遅れて日本に輸入していると感じることも少なくありません。また、海外でヒットしたものすべてが日本語になっているわけではなく、全体の10%以下でしょう。
そうなると海外情報は英語原文でそのまま取り入れる方が情報が早いですし、非常に量の多い中から洗練されたものをピックアップすることができます。その点で言えば、YouTubeは最高の情報ツールです。日本語では手に入らない専門性の高い情報が無料で発信されていることもありますし、日本の魅力や課題について感情を入れず冷静な視点で解説する外国人YouTuberもいて日本人からは出てこない発想に驚かされることもあります。
中・上級者がこれから海外YouTube動画を楽しむ上では、コツがいくつかあります。1つ目は先に動画の字幕をダウンロードして、読んでおくことです。理想としては直接動画を視聴して理解することですが、英語イマージョン学習に慣れていない段階でそれをするとついていくのが大変で理解が伴わなければ意味がないですし、負荷が大きすぎるとしんどくなります。ですが、事前に動画の内容を英語リーディングしておけば、あらかじめざっくりした内容を頭に入れておくことで、動画にしっかりついていくことができるでしょう。
2つ目は英語字幕を表示させることです。YouTube動画は日本語字幕も表示できますが、字幕職人が手作業で作成したものでなければ、AI翻訳では不自然な日本語であまり実用的ではありません。でも英語字幕なら音声とまったく一致していることがほとんどですので、リスニング力にイマイチ自信がない場合は英語字幕でリーディングしながらであれば、理解の伴う動画視聴になりますね。
4.英語の仕事をする
英語イマージョン学習のおすすめ素材の4つ目は、英語の仕事です。
正直、これに勝るものは間違いなくないと断言します。海外に長年住んでいるという人でも、外出時は買い物と外食だけで基本は家で過ごしたり、日本人と交流している場合は日本にいるときと英語力はほぼ変わらないというケースはたくさんあります。
しかし、日本に住んでいても外資系企業で働いたり、グローバル企業で外国人と英語コミュニケーションを取る立場なら、嫌でも膨大な英語のシャワーを浴びて仕事をせざるを得ません。英語が分からない、知らないでは許されませんから、正直地獄のように大変です。しかし、この強制力が働くことで、まさしく英語漬け状態になりやる気に関係なく体は日本にあるのに、頭は海外留学以上の効果をもたらしてくれます。何より、お給料をもらいながら英語力を伸ばせるという点で他のイマージョン学習とは比較にならないメリットがあります。しかもビザ取得なんかもいりません。
世の中の英語イマージョン学習には、外国人の友だちを作れ、とか語学留学やワーキングホリデーがいいという意見もあります。たしかにそれは英語力が伸びないわけではありません。でも、負荷の大きさは思ったほどではないです。慣れれば肩の力を抜いて慣れた英語のコンフォートゾーンで過ごすこともできますし、海外生活といっても日本人をばかり付き合ったり、ジャパニーズレストランで働くくらいでは劇的な上達は期待できません。ですが、仕事で英語を使うことは段違いに英語力を伸ばしてくれます。仕事は自分のペースではなく、会社から求められる業務をこなさないといけませんから、専門用語を学んだり、日本人だとすんなり進む話も外国人相手には文化の違いから説明をして理解を得る必要があります。
5.海外SNS交流
英語イマージョン学習のおすすめ素材の5つ目は、海外SNS交流です。
英語に限らず、今どきは人間関係をリアルではなくネットでつくるのも当たり前になってきました。リアルで外国人の友だちを作ることは難しいのですが、SNSで交流するなら無料で簡単にできます。たとえばXやRedditといったSNSツールを使って、海外ニュースに英語でコメントをしたり時には議論をすることもできます。
黒坂は気になるニュースをXやRedditで英語で検索するのですが、割と日本人の投稿者やコメント主を目にします。この動画を撮っている先日、日本製鐵とUSスチールの買収騒ぎで盛り上がっている話題に対して、日本人も英語でたくさん意見を投稿していました。現地のアメリカ人がこのニュースに対してどういった感情を持っているのか?ということについては、ニュースを見るだけではわかりませんので、SNSの意見やいいねや引用リプを見ることで彼らの真意や日本人とは違った感覚を学べますので非常に面白いと感じます。そして何より興味深い内容、難しくてもなんとか理解したいと思う気持ちが生まれることで、大量の英語を消化し、結果として英語力を伸ばしてくれると思います。
加えて、SNSにはネットスラングや略語もあって、使い続けることでスラングが理解できるというだけでなく、そのスラングができた背景などもわかると異文化理解が更に進む感覚があって面白いですね。
6.海外留学
英語イマージョン学習のおすすめ素材の6つ目は、海外留学です。
ただし、海外留学と言っても語学留学と大学、大学院留学とではまったく意味が違ってきます。前者の語学留学は行き先は英語圏でも、教室の中は英語学習者で集められます。下手をすると日本人ばかりだったり、外国人と言っても中国人、韓国人などアジア圏となります。加えて、語学留学は全てではないにしろ、お客様の立場でお遊びに近いものもあります。人によっては留学ではなく、遊ぶという字に学とかいて、遊学と呼ぶ人もいるくらいです。実際、これまで数多くの語学留学経験者を見てきて、1年以上の長期でいった人もいましたが、自分が知る限りでいえば英語をものにした人は一人も見たことがありません。
一方で大学、大学院留学はまったく別です。こちらは現地のネイティブの学生と机を並べて単位取得をします。自分が留学したのはアメリカシカゴの大学だったのですが、本当に情け容赦なく成績不良者は落第です。アメリカ人のクラスメイトも皆勤賞で教室に来て一生懸命勉強していましたが、それでも厳しい授業で単位を取得できず、落ち込んでいました。自分も単位を取るために死に物狂いで連日、真夜中まで図書館にこもって授業ギリギリまでレポートを書いたり、ディスカッションやプレゼンの準備をしていました。そしてその後のキャリアも海外で就職したり、現地のネイティブと結婚をして完全に移住したりと一生英語を使うキャリアを作っている人もたくさん見てきました。
それだけ英語にコミットするので、まず専門知識はものすごく身につきます。その後は外資系企業で働いていましたが、シンガポール人の役員を前にプレゼンや会議のディスカッションを英語でやれたのも、アメリカ留学の経験が役に立った部分も大きいです。
日本の大学に進学した人も、学内で英語を伸ばせば留学に行くチャンスもあると思います。できれば人生のどこかのタイミングで経験しておいて損はないと思います。
今回は以上です。英語イマージョン学習は、中上級者レベルになればぜひ検討してもらいたいです。いつまでもテキストを使って勉強しても、コンフォートゾーンを抜け出して自分に負荷をかける勉強は簡単ではありません。そこで上級者の入口まで来たら、思い切って英語のお勉強を卒業して、英語を使って専門知識を身に着けたり、英語で仕事をするということに挑戦してもらいたいと思います。
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