オレだ。
今回はエリン・メイヤー氏の著書「異文化理解力」
を読んだのでガッツリ紹介したい。
なかなか読み応えがある一冊だ。
書かれた情報の質はグランドキャニオンの渓谷くらい深く、
ボリュームもビッグマック並にたっぷりだったな。
ペーパー版の価格は2,000円近くするものの、
世界各国の文化や価値観をテーマにしていて、
これらは時代の変化とともに簡単に変化するものではないんだ。
買っておいて、手元に持っておく価値が高い一冊だろう。
そして普通、書籍は新刊の間によく売れて、
時間の経過とともに売れなくなっていくんだけど、
著者のエリン氏によると、この書籍はグローバル化の拡大とともに
ドンドン売上が伸びていったらしいんだ。
内容は古くならないし、そういう意味で本書のコスパは高いと言えるだろう。
この書籍を通じて、あなたに学んで頂きたい結論は
下記のTwitterのつぶやきを見てくれ↓
エリン・メイヤー氏の「異文化理解力」を読んだ。ざっくり本書から学べるエッセンスをまとめる↓
・英語とグローバルコミュニケーション力は別物
・日本人は、世界一異文化理解力が必要な状況におかれる
・従来は「欧米に学べ」だったが、今後は「欧米は中国に学べ」へ変わっていくなかなかの良書
— 黒坂 岳央@本業:主夫|趣味:仕事とゲーム (@takeokurosaka) February 2, 2021
学び多き内容がたくさん詰まっている一冊だけど、
さすがに全部紹介しきれないので、
この記事では重要なポイントを解説していこうと思う。
でもな、「黒坂が勧めてくれた本だし、脳死状態でとりま買っとくか」
ってのは止めてくれw
ぶっちゃけ、この書籍は読む人を選ぶ。
あなたが財布からカネを出して買うべきか?
今回の記事では、この部分も含めてキッチリお伝えしたい。
ぜひ最後まで見ていってくれ。
目次
ざっくり、この書籍から価値ある学びはなに?
グダグダ長文を書いてもどうせ誰も読まねえ。
だから、オレがサクッとシンプルに伝えていく。
まず、この書籍で得られる
最大の学びは、
「英語とグローバルコミュニケーション力は
まったく別物」ってことなんだ。
これを豊富な事例を通じて、骨の髄まで理解できるだろう。
「欧米」「英語圏」とひとくくりにしがちだけど、
アメリカ人とイギリス人は全然違うし、オランダ人とフランス人も全然違うって話よ。
よく、「英語でグローバルコミュニケーション力を伸ばせ」みたいな話があるよな?
けど、この書籍を読めば、この手のスッカスカの主張なんて、
聞く価値が1ミリもない事がよく分かる。
同じ英語を使用するユーザーでも、アメリカ人とイギリス人の間でも、
「異文化理解」が足りず、
コミュニケーション齟齬が起きる事例などが取り上げられているんだ。
たとえばこれ。
ある時、困っているアメリカ人をイギリス人が助けた。
アメリカ人「助けてくれてありがとう!」
イギリス人「ハハハいいよ。けど、君がアメリカ人って知っていたら助けなかったけどね!」
アメリカ人「えっ!?…(シュン…)」
イギリス人「あっ…冗談やでw」
というエピソードが紹介されている。
これはジョークに対する
「アメリカ人とイギリス人の違い」
なんだよな。
イギリス人はアメリカ人以上にハイコンテクスト文化(詳細は過去記事で)であり、
アメリカ人が「ハハハ、これはジョークさ」と明示しがちなのに対して、
イギリス人はそれをわざわざ口にしないんだ。
<参考>ハイコンテクスト・ローコンテクスト文化の違いはこっちを見ておいてくれ。
↓
他にも、アメリカ人は仕事などで相手にフィードバックをする時は
次のようなパターンが多いんだ。
最初にメチャメチャ褒める→次にちょっとだけ改善点を伝える→最後にやっぱり褒め倒す
1つネガティブなフィードバック(ここはこうしたら更に良くなるはず!君ならデキるよ!みたいな)
をするのに、2つも3つもポジティブフィードバックをすることが多い。
けど、この姿勢はオランダ人にとっては
「仕事はお友達ごっこじゃねえぞ! ネガティブなフィードバックでも、しっかり伝えないとダメだろ!」
と感じられるというんだ。
なかなか興味深い。
こうした異文化のスレ違いの事例を、鬼のように学べるのが本書だ。
「アメリカ人って、本当にフレンドリーで優しくていいやつが多いなw」
「ロシア人って、ズケズケといやなことばっかりいってくる冷たいやつだ!」
みたいに思っている人は要注意。
その感覚はおそらく、異文化理解力が足りないぜ?
日本は世界一「異文化理解力」が必要な国民
本書を読んで、オレはこの書籍への反応に興味が湧いてテキトーに調べてみた。
すると、著者がフォーブスのインタビューに
「日本は世界一
”異文化理解力”
が必要な国民だ」
と答えていて、マジすかってビビったのと同時に、せやなと思ったんだ。
単一の文化をもつ日本では、グローバル化を進めていくのは特に難しいことだと思います。ほかの国ではたとえ旅をしなくとも海外から人や文化がやってきて、よくも悪くもその国の文化を希釈してしまいますから。
フォーブスの記事にはこのように書いてあった。
これはオレもそう思う。
日本は1億2000万人もの巨大な人口を抱える国でありながら、
永住者のほとんどは純ジャパで占められている。
それでいて、コロナ前の2019年は
「年間3000万人」と、とてつもない数の訪日外国人で溢れかえっていたんだ。
コンビニや農業、製造の現場には多国籍の移民労働者がいるよな。
そんな日本が世界からビジネスや観光客を集め続けるには、
日本人であるオレたちが異文化を理解することで、
彼らにとって魅力ある国になると思うんだ。
「日本に来るなら、テメエが日本について学んでからこいや」
というのは傲慢に取られかねないというほどに、
日本は世界の中でも存在感が大きい。先進国だしねw
今後は本格的に、日本人が海外にビジネスや投資で勝負をしていくことになるだろう。
その時に慌てないように、「日本文化&異文化理解力」を持っておくことが
グローバル人として必要なコミュニケーションスキルになるんだ。
今後は欧米がアジアの理解が必要になっていく
そして興味深いのは、これからは異文化理解の流れが逆転していくという話なんだ。
昔「アジア人は優れた欧米文化を理解して追いつけ!追い越せ!」
今「欧米人は優れたアジア文化を理解して追いつけ!追い越せ!」
という流れが想定されうと思うんだ。
これはオレの個人的な妄想じゃないぜ。
World Economic Forumサイトの記述によると、
世界経済の中で、アジアの存在感はものすごくでかくなっているんだ。
アジア地域のGDPは、2020年にはアジア以外の世界各国のGDP合計を追い抜き、2030年には世界の成長の約60%を占めると予想されています。アジア太平洋地域はまた、世界経済に新たに参入する24億人の中流階級の圧倒的多数(90%)を占めることになります。
特に中国は近い将来、米国の経済規模を抜くことが想定されている。
今や、世界のどの国も、一切中国と関わらないことは不可能と言っていいくらいだ。
そうなると、アメリカやヨーロッパ諸国の人たちは、
中国への異文化理解力が求められるということなんだ。
実際、本書でも取り上げられていたように
アメリカやヨーロッパの人たちと中国人との価値観や考え方の違いは、
地球と土星くらいの距離があるんだ。
アメリカでは、自分の主張をしっかり伝えることが奨励されているんだ。
でも、中国人は時には相手の話に割って入って主張するアメリカ人を
「傲慢で礼儀がない」
と感じているというんだ。
せやな、まあわかる。これぞ異文化理解が必要だという部分なんだ。
この溝は単に語学力があるというだけでは、まったく埋まらない。
だから英語力を磨くのと同時に、異文化理解力も
円滑なコミュニケーションでは絶対に必要だという話なんだ。
ぶっちゃけ、この本って買う価値がある?
ここまで読んでくれてアザス。
で、結局買う価値があるかどうかを決めなくちゃいけないよなw
…サーセン、散々色々と語ってきたが、オレにはそれを断言できなかった。
やっぱ、そこそこ値段もする書籍だし、なかなかページボリュームも多く、
元が洋書だからか、表現が冗長としている部分が多くて若干読みづらさもある。
あなたが買っても、読みきれずに
放り出す可能性も微レ存だろう。
「今後、多国籍の環境に放り込まれる予定で、その時にうまくコミュニケーションをしないとアカン」
こういう人には自信を持って勧める。借金してでも買ってくれ。
そして書籍を読むのが苦痛ではなく、ちゃんと最後まで読む人で、
異文化理解力をダイレクトに必要な人なら、
たった1冊の書籍から学べる異文化理解としては、コスパは悪くないだろう。
そういう人も買ってくれ。
とりま、まずは書店で立ち読みか、Amazonでチラ見してみるといいと思う。
ぜひ検討してみてくれ。
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