今回は【できる人はみんな同じ】勉強本200冊読んで見えた「英語学習の本質と王道」というテーマでお話をします。
これまで通算200冊以上の勉強本を読んできました。まあこれは控えめな数字で、実際には毎月2億冊以上読んでいるんですけどね。当然、著者によって言うことや勉強法のメソッドは違うんですけど、「この部分はみんな同じことをいってるな」と感じることもあるんですよね。
そこでこの動画ではこれまで数百冊の勉強本を読んできた黒坂が「みんな判をついたように同じことを言ってる」と感じる、英語学習の王道を取り上げたいと思います。これからどれだけテクノロジーが進化しても、縄文時代からずっと変わらない本質なので、英語の勉強に迷ったらここに立ち返ってもらいたいという願いを込めてお届けします。全部で8個あります。数が多いのでサクサク進めていきましょう。
目次
1.才能や年齢より方法論
勉強の王道の1つ目は、才能や年齢より方法論です。
どの本にも共通していたのは「才能や年齢は成功に関係ない」という一文です。黒坂からすると「まあそりゃそうでしょ。別に18歳未満購入禁止のエアガンじゃあるまいし。英語なんてちゃんとやれば、何歳でも誰でも身につくでしょ」という感じなんですけど、現実的には「もう英語の勉強は遅すぎるでしょうか?」とか「私には語学の才能がないのでしょうか?」みたいにまるで年齢や才能が免許証のように必要だと思い込む英語難民が大量発生していますけどね。
同時にどの本にも多少の手法の違いはあれど、「自分が勉強に成功したのは、力がつくメソッドに出会って地道に積み上げたから」という意見で一致しています。つまり、成功の決め手は方法論という意見で共通していて、彼らもその方法論に出会うまではずっと失敗続きだったという歴史を持っています。ということは?そう、成功の決め手は若さとか才能ではなく、とにかく力がつく効果的な勉強法でやっていたかどうか?ということに尽きるという話です。
でもおかしくない?今どき、情報化社会でYouTubeでもブログでも山ほど「この勉強法で力がつきました」という意見で溢れかえっているのに、なぜか英語ができる日本人はまったく増えていない、どころかドンドン減っています。これは黒坂個人の感想ではありません。信頼のおける統計データがあります。
画像引用元:https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02199/
この図はスイスに本部を置く、国際語学教育機関「EFエデュケーション・ファースト」発表した2024年調査ですが、英語を母語としない116カ国・地域のうち、日本人の英語力は92位と年々順位を落としています。2011年から10年以上、一度も順位を上げたことがなくずっと下がり続けています。
この矛盾の答えは簡単、1つ目は間違ったデタラメな勉強法が拝金主義者から発信され、本当に正しい力がつく勉強法が見えづらくなった。そしてもう1つは英語学習者がやるべきことではなく、やりたいことばかりやってしまうから。何度も繰り返している通り、英会話というアウトプットは事前にインプットしたものを出す行為で、インプットがないと成立しないのにみんなインプットが楽しくなさそうだから、という理由で自分で力のつかない勉強法を選んでいる、ということですね。
もう結論は出ています。年齢や才能ではなく、何より力がつく勉強法にこだわってください。
2.ゴールからの逆算思考
勉強の王道の2つ目は、ゴールからの逆算思考です。
「さあ、英語の勉強を始めよう。難しいと挫折するから、まずは簡単な小学生英語から。幼児向けの絵本の洋書から。基礎的な英会話訓練から」いえいえ、成功者の中でそんなことをしている人は誰もいません。彼らは徹底してゴール逆算思考です。
ゴール逆算思考とは、まず明確なゴールをしっかり決めて、そのゴールから逆算して今必要なことがなにか?を考えることです。たとえば転職活動の成功をする上でTOEIC800点以上必要だと理解したら、今度はTOEIC800点を取るために必要な英語スキルを解体新書します。すると、800点を取るのに必要な語彙力、リーディング、リスニングを伸ばせばよく、その一方でライティングや英会話はとりあえず捨てていいという判断になりますね。
「うーん、でもなー、どうせ時間をかけて勉強するなら、自分は英会話もちゃんとできるようになりたい。入社後も必要そうだし、ペラペラ気持ちよく会話したいし」と考える人、残念!だからあなたは成功できないんですよ。その思考はゴール逆算思考ではなく、完璧主義思考だからです。いや逆ゴール逆算思考と言っても過言ではない。そういう人は一生に一度しかない結婚式だから、と芸能人を呼ぶ余興までやってトータルで500万円を超えてしまうタイプですね。
これは杖ついたおばあちゃんから回し蹴りくらうほど衝撃的な話ですが、ゴール逆算思考とは、必要な目標一本釣りに集中するもので、その他のムダなすべてを捨てるということです。今回の転職活動の成功にはとりあえずTOEIC800点があればよく、英会話やライティング力は入社後に仕事をしながら鍛えられる。であれば、今わざわざ時間とお金をかけて英会話をやるのは非効率であり、ゴールを遠ざけ、遠いが故に焦り、焦るから挫折率を高めるという、まるで自爆テロで自宅に特攻するくらい意味不明なことをやっています。「いやいやそこ、お前の自宅や」とツッコミを入れたくなりますわ。
止めてください。目標達成以外に必要なことをしないでください。余計なことばかりやって、自ら挫折率を高めないでください。好き勝手やりたいことをしないでください。今の自分に必要なことを冷静に理解し、必要な事以外は一切何もしないでください。自分がやりたいことは、まず目の前の目標達成した後にやってください。とにかくまずは目標達成をしてください。これだけ言えばわかりますね?
3.完璧主義より7割主義
勉強の王道の3つ目は、完璧主義より7割主義です。
「勉強ができる優秀な人は頭が良いから、見るもの読むもの全部を理解してスイスイ進むのだろうな」きっとそう考えている人がサハラ砂漠の砂粒くらい多いと思います。だけど実際は全然違います。勉強ができる人はいきなり全てを理解しようと完璧主義に走らず、「7割主義で走りながら慣れる」ということを考えます。なので、ある程度反復してもどうしても理解が難しい箇所、資格試験で点数が取りにくい箇所は思い切って捨てます。
これは黒坂の勉強のメソッドでも同じですよね?速読英単語、やるからには100%完璧に覚えてください、なんて過去に一度も言ったことがありません。もしもそれをいう黒坂を見たよという人は、それはAIが作った黒坂のディープフェイク動画なので気をつけてください。
英語の勉強の基本は7割主義です。英文法も100%理解は難しい。特に比較級はno more thanは「たった~しか」、not less than「少なくとも」 うわあ、もうわけがわからなくて頭が沸騰しそうだよお、って人もいると思います。でも完璧になるまで文法にかじりついていたら、永遠に終わりません。
なのでどうしても覚えづらい単語や熟語、理解が100%でない英文法の項目が残っていても7-8割主義で次に進んでその先で覚える、理解する、これでOKです。なぜなら重要度、頻出度が高い項目はどうせこの先も何度も何度も出てくるからです。英文法もテキストではわかりにくいと思っていても、その用法を別の英文で何度もインプットしていれば、自然に理解が進んでわかるようになる、使えるようになります。
「ビジネス英語に達したら、その後はさっさと英語で仕事をしなさい」といつも言っているのは、インプットをしっかりした後は英語使用環境にいけば自然に伸びるからです。手続き記憶、といってビジネスの現場に身を置いて、体や経験を通じた英語はずっと忘れませんし、合理的です。そこを想定して7割主義で走りながらトータルで慣れる、という発想を持って完璧主義を捨ててください。
4.やる気より環境整備
勉強の王道の4つ目は、やる気より環境整備です。
勉強で成功をした人の中で、高いやる気が主要因で成功した人はだれもいません。そうではなく、徹底した環境整備で勉強を継続し、そして身につけています。
それを理解すると、「黒坂さん、どうしてもやる気が出ないので英語の勉強を怠けてしまいます。ダメな私にカツを入れてください」と、自分がこれまで数え切れないほど言われてきたセリフがいかに的外れであるかわかるはずです。もちろん気持ちはわかります。誰だってこんなアツアツ揚げたての天ぷらみたいな男のそばにいたらモチベーションが上がらざるを得ないですよね?うわあこいつ、自分で言いやがった!って?ああ、いうさ。こんな熱い男はなかなかいないだろ?
まあそれはいいとして、勉強にやる気なんていりません。みんな勘違いしています。やる気が出るから勉強すると。でも何度もいってきたように、勉強をしないとやる気は出ません。うちの子に勉強を教えている時に「パパ、今日は勉強のやる気がでない」と言われたら「分かった。じゃあこの3問だけ解いてみて」といいます。すると不思議な事が起きます。3問だけでいいと言っているのに、「せっかくだからこのページ全部やる」といい、次は「あと少しだから仕上げる」と結局全部やります。
人間のやる気は真夏に常温保存した牛乳と同じくらいの賞味期限だと思ってください。こんな頼りないやつを当てにしないでください。「オレはいつか東京でビッグになるぜ」と口だけのバンドマンを信じて結婚しないでしょ?でも英語の勉強になるとバンドマンに人生フルベットをするおかしなことをやらかします。
勉強を継続するには環境が全てと言っても過言ではないです。勉強に集中できる部屋の準備、家族の応援や理解、日々の勉強時間の確保、安定したメンタル、十分な睡眠、こうした環境を整えることはやる気とか勢いで勉強するより100億倍重要です。
5.最初に全体像を把握
勉強の王道の5つ目は、最初に全体像を把握です。
超勉強法を執筆した野口悠紀雄さんは、「まずは全ページサラッと通しで理解する勉強をしよう。それはまるで、パラシュートで地上に降りて山道を把握した上で登山を始めるようにといいっています。7回読み勉強法の山口真由さんは「7回読み勉強法の肝は、まず全体感を持つために全ページ通しでさらっと読む。そして何度も読む」と言っています。
全体感を持つ、これは勉強する上でめちゃめちゃ重要です。勉強ができない人の典型的なパターンは、何が重要で何が重要でないかを考えず、重要度が低く、自分がやりたいことばかりやる一方で、重要なことを放置する。そうなると一生懸命勉強を頑張っているのに、全然成績が上がらず嫌になって放り出すということを繰り返しています。
でも、まず最初から最後まで通して見れば全体感を持つことができ、全体感を持つことができれば重要なポイントが理解できます。黒坂の多読メソッドでも、英単語、英文法のテキストを使う時はさっさと最後まで通しでやって周回しろといっていますよね。
たとえると人生で一度も働いたことがない子供部屋おじさんが「就活で大事なのは履いている靴だ」と重要視するポイントを間違えて、アンパンマンのシャツを着て波平カットで面接にいくようなもんですね。いやそこ、頑張るポイントがズレてる。英語の試験も同じで、たとえば英検なら英語4技能まんべんなく点数を取らないと合格できないので、英作文だけフルコミットして満点とっても、リスニングがゼロ点だと普通に落ちる、みたいなものです。
6.やらない日を一日も作らない
勉強の王道の6つ目は、やらない日を一日も作らないです。
成功した有名な勉強家はもちろんですが、黒坂の英語受講生の中で英検準1級、1級合格、TOEIC800点、900点を超えた猛者たちは勉強を一日足りともサボらないという点で共通しています。
これだけ聞くと「うわあ、とんでもないメンタルモンスターだわ。ヤワヤワのプッチンプリンメンタルの自分にはとてもムリポ」と思うか、「いやそういうやつらは英語の勉強にだけ集中できる恵まれた人たちなんだ」と考えると思います。でも、実際には違う。この人たちは「一日でもサボったらそのまま挫折するのが怖いから続けている」ということなんですよね。
だから彼らは急な残業で帰宅したらすぐに寝ないとダメな日とか、飲み会の2次会まで捕まって酔って帰って普通は「今日はもうだめだ。明日頑張ろう」となるところをぐっとこらえて、1分でもいいから勉強します。子供の習い事の待ち時間とか、旅行先の早朝時間も短時間でいいので本を開きます。「はww 1分とかしょっぼww そんな程度で伸びるわけないがな、カスすぎワロタ」と考える人もいますが、違います。この1分の勉強の目的は英語力を大きく伸ばすのではなく、1日サボってしまうことで、2日、3日とまるでダムが決壊するようにサボる気持ちが溢れ出ることを防ぐ命綱、という位置づけです。
またまたうちの子供の話になりますが、土日も含めて毎日コツコツ勉強する習慣を作ったので、途中から「宿題大丈夫そう?」と聞かなくても勝手にやるようになりました。「勉強してからじゃないと遊んでても気になって楽しくないから」というようになりました。習慣化のコツは1日もブランクを作らないことにあります。
7.他人ではなく自分を信じる
勉強の王道の7つ目は、他人ではなく自分を信じるです。
こういう動画を出していると「自分を信じられなくなっていましたが、黒坂さんを信じます」と言われることがあります。それ自体は嬉しいですし、信じてくれてありがとうといいたい気持ちはありますが、いつもぐっとこらえて「いえいえ、何より自分を信じてください」と伝えるようにしています。
勉強家の著書とか、難関大学合格、資格合格体験記を読んでいると似たようなことが書いています。それは「過去の成功者の実績をベンチマークにした」ということです。は?ベンチプレス?いやいや、ベンチマーク。おじいちゃん、さすがにそろそろ補聴器をつけてください。
簡単に説明します。勉強が苦手な人は優秀な人、成功した人を見るとこう考えます。「この人はすごいな!頭が良いな!若いから成功したな。きっと才能があったんだろうな」と憧れの気持ちを持つのですが、憧れは理解から最も遠い感情と言われる通り、すごい人を見て萎縮して自信を失うだけで何も価値あるものを得ていません。
その一方で勉強ができる人はすごい人を見て「すごいな。努力したんだろうな。どうやってやったんだろう?」と成功した事実から、学びになるポイントを引き出そうとします。初心者の段階からこういう思考を持っていますから、目の前の人がフルタイムで子育てしながら英検1級に合格したと聞いた感想が「すごすぎワロタ」じゃダメですよ。そんな雑に考えるのではなく、「どうやって時間のやりくりをしたのか? 仕事と育児があって時間の制約が厳しいから朝の時間で勉強を積み上げたのか? 英単語の記憶の維持はどうしたか?」みたいにとにかくhow?で考えます。その根底にあるのは「確かにこの人はすごいけど、しょせん人間の能力なんてどんぐりの背比べなんだから、自分も取り入れられるものを真似すれば出来ないことなんてない」という自信です。そしてポイントはそれを英語の勉強の成功する前、初心者の時から持っているということです。
正直、これは英語学習以外で自己肯定感を作るしかないと思います。黒坂の場合はゲームにコミットして大会で優勝するというアホンダラな実績が自己肯定感になってくれたと感じます。だから人生は役に立つものばかり追いかけるのではなく、一見すると役に立たなそうな経験や実績がこれから役に立つ挑戦を支える自信になったりするものです。あなたが信じるべきは他人ではなく自分です。
8.独学が最も効果的
勉強の王道の8つ目は、独学が最も効果的です。
歴史の偉人は総じて独学の達人です。ドイツ人考古学者で語学の超人、シュリーマン。ハンガリー生まれの数学者・ジョン・フォン・ノイマン。政治家、物理学者のベンジャミン・フランクリン。エイブラハム・リンカーン。フェルマーの最終定理で有名なピエール・ド・フェルマー。上げればきりがないほどです。今を生きる現代人のビジネス成功者、研究者、科学者も多くは独学の達人です。
「勉強は教師から教わるもの」という思い込みは強烈に日本人のDNAに刻み込まれています。だから料理でもヨガでも英語でも、まずは教室で教師から学ぼうと考える人は多いです。確かに世の中には独学が難しい分野もあります。たとえば医学、芸術、音楽といった手を動かす分野は独学が難しいです。でも、英語の勉強は単純な暗記と簡単な理解の積み重ねに過ぎないので、数ある学問の中でトップクラスに独学しやすいと言えます。
数多くの明治時代の日本人も独学で英語を身に着けています。代表的なのは野口英世です。黒坂も最初は英会話スクールとか、公文式とか、はしごしていましたがまったく伸ばすことが出来ませんでした。でも英語多読で自宅で英語力を伸ばすことが出来ました。脱サラしてフルーツギフト販売、ネットショップ運営、YouTube発信、ビジネス記事の執筆、その他色んなスキルをすべて独学で身につけました。
初心者、そして上級者でも今の時代は独学が最も効率的です。特に上級者になると、もう上級者対象のテキストはなくなっていくので、独学で伸ばしていかざるを得なくなります。誰かから学ぶというフェーズから、自分でPDCAサイクルを回して伸ばしていくことになります。
黒坂はそもそもが人生そのものが独学で切り開くものだと思っています。どう生きるか?どんな仕事をするか?何にお金を使うか?誰と付き合うか?全て自分で考え、分析し、決めるのが人生です。それなのに影響力がある人の意見を鵜呑みにして、「あの人が言っているから間違いないだろう」ということで思考停止で彼らの意見に乗っかって人生を歩んでも満足感は皆無だと思います。なぜなら自分の人生を生きておらず、どうしてもやらされ感が生まれるからです。話が少しそれましたが、勉強は独学するものです。
今回は以上です。この動画で紹介した王道、本質は時代が変化しても変わることはありません。テクノロジーや環境は変化しますが、人間心理はずっと変わりません。我々はスーツを着た縄文人であり、ソフトウェアとしての人間の人格や意志はこれからも同じです。それなら早い段階でこの王道を完全にインストールして、本筋からズレたり迷いが生まれたらぜひまたこの動画に戻ってきて何度も見直してもらいたいと思います。最後まで見てくれてありがとう。
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