オレだ。日々、英語の勉強をしていると「外国語の取得には時間がかかるというけど、ただ闇雲に時間を投下するだけで本当に自分は英語ができるようになるのか?」って不安はどうしてもよぎるよな?そこで鍵となるのが「1万時間の法則」という有名な言葉なんだ。先日、1万時間の法則についての持論を論文で提唱したところ、無事モンドセレクション金賞を獲得してきたので一応、1万時間の法則の専門家としてこの動画で余すことなくそのすべてを取り上げたい。結論から先に話すとできる、ってかむしろちゃんとやれば1万時間も必要なく英語力が身につくという話をしたい。
あなたがこの動画を見るメリットだけど、1万時間の法則と英語学習の関係性について、科学的なエビデンス付きで理解できる。それだけでなく、英語力を高めていくには脳みそ真空状態でがむしゃらにやって時間をかけるより、もっと重要なことがあるって話も理解できるのでぜひ最後まで見て言ってくれ。
この動画のお題目は次の通りだ。
1万時間の法則って本当?嘘?
英語の勉強と1万時間の法則を解説する
英語の上達は努力の「量と質」が重要
ではいく。
目次
1万時間の法則って本当?嘘?
そもそも、この1万時間の法則ってどこから出てきたのか?出どころとしては、フロリダ州立大学のアンダースエリクソン心理学部教授が行った研究を元に、英国生まれの元新聞記者、マルコム・グラッドウェル氏が広めたと言われている。小難しい話は興味ないと思うので、めちゃめちゃ簡単に言う。エリクソン教授は30年以上に渡ってチェスプレイヤー、バイオリニスト、数学者、テニスプレイヤーを研究した。1993年に発表したものを紹介すると、バイオリニストを複数のグループにわけて、1.世界で勝負できる超一流の学生、2.音楽教育学部でバイオリンを専攻する学生、3.交響楽団のバイオリン奏者などに分類したところ、18歳時点での練習量はグループ1:7,410時間、グループ2:3,420時間、グループ3:7,336時間ということだったんだ。才能を爆発させた学生や、プロの奏者は若い段階ですでにかなりの練習量をこなしていて、グループ1と3のヴァイオリニストは20歳時点では1万時間を軽く超えた。「練習量が多さはプロや一流の条件」という結論を出したということになる。
でもここで問題が起きた。「世界に通用するような競争力のある超一流になるには、1万時間程度の練習量が必要」という話だったはずが、多くの人を介する伝言ゲームの途中で「誰でもどんな分野でも、1万時間やれば必ずプロレベルに達する法則」という話に置き換わってしまったようなんだ。伝言ゲームは人を介するほど情報が劣化する。これは余談だけど、日本では1973年に豊川信用金庫に就職が決まった女子高校生たちが冗談で「信用金庫は危ないよ」と話をしたら、それが伝言ゲームでドンドン広がってたった2週間ほどで約14億円もの預貯金が引き出されて、倒産危機になったという事件だ。女子高生の拡散力すごすぎワロタw で話戻すけど、1万時間の法則が誤った伝言ゲームで広がった結果、「オイこら!1万時間の法則を別の分野でやったけど再現に失敗したぞ!テメエもSTAP細胞あります言うとんのかい!」と波乱を巻き起こす結果となったんだ。
実際には分野によっても「努力や練習が成果に結びつきやすいかどうか」はかなり左右されるみたいなんだ。たとえば、ゲームやチェスといった分野はルールが明確に決まっていてその中での振る舞いを練習量で上達させていくので、努力や練習が実を結びやすい。さらに上達し続けるには「今の実力より少し上の挑戦を続ける」という条件があるんだけど、ゲームは格上と対戦すれば比較的この条件を達成しやすい。すでにできることを一生懸命やり続けるより、負荷をかけないと上達しないってのはよく分かるよな。ところが、芸術とか高等数学などは正直、生まれ持った才能や優れた教師から教わるかでもかなり左右されるので、努力がゲームの分野ほど実を結びにくいと言われている。そしてあなたの関心事は英語、そうだよな?はい、ここで改めて結論を出しておこう。英語学習について成果を叩き出すのに必要な要素は、努力や練習量がかなりのウェイトを占めるのは間違いない。でもその一方で、努力や練習の質もめちゃめちゃ重要ってこと。どないやねん。これをざっくりの割合で示すなら、「外国語学習は学習の質が6-7割、努力量が3-4割くらい」と黒坂は次に出す論文で提唱したいと思ってる。ここを深掘りする話を次の章で解説するので、英語力を伸ばしたい人は引き続き見て言ってくれ。
英語の勉強と1万時間の法則を解説する
さて、この章では英語で成果を出すには、1万時間の法則はどう関係するかを取り上げたい。結論からいうと、「効果的な方法論で取り組めば、英語上級者になるには1万時間もかからない。ただし上級者を超えて超一流のプロになるにはやっぱり1万時間を必要とするだろう」これだ。なぜそう思ったのか?について含めて詳しく解説する。
そもそも、外国語の取得にはどのくらい時間がかかるものなのか?これを見ていこう。実は外国語の取得は母国語との距離が大きく関係するんだ。たとえばイタリア語とフランス語はかなり近くて、黒坂が出会った18歳のイタリア人はフランスへ何度か遊びで長期滞在する間に、自然にフランス語で日常会話に困らないレベルになったといっていた。でもそのイタリア人は日本語を取得するのに大変苦労していて5年以上勉強してもニュースを見て理解できないことは多いといっていた。たとえば日本人にとって近い言語は韓国語で文法や単語もかなり似ているので、英語に比べて断然取得しやすいと言われる。実際学んだことないからよく知らんけど。で、問題は日本人にとって英語の距離だよな?英語と日本語ってどのくらい距離ある?はい、ここで超悲報となります。アメリカ国務省付属の外国語研究機関FSI(Foreign Service Institute)は、英語ネイティブが外国語を習得する際の難易度を5段階に分けているけど、日本語と英語は最も難易度が高いレベル5に分類されているんだ。
Category V – It usually takes 88 weeks or 2200 hours to reach S-3/R-3 proficiency in these languages. This small group of “super-hard languages” includes Chinese (Mandarin), Cantonese, Japanese, Korean and Arabic.
(カテゴリー5 – これらの言語のS-3/R-3熟練度に達するには、通常88週間または2200時間かかります。この「超難関言語」の小さなグループには、中国語(北京語)、広東語、日本語、韓国語、アラビア語が含まれます。)
引用元:https://www.fsi-language-courses.org/blog/fsi-language-difficulty/
さらにこれは英語話者にとって日本語を取得するには、2200時間かかると言われている話。加えて音声の周波数帯の問題で、アメリカ人が日本語を学ぶより、日本人が英語を学ぶ方が難易度が高いので特にリスニングを取得するのにこれ以上時間がかかる。
ただし、個人的な経験と受講生が英語上級者になるまでにかかった実際の時間を考えると、英語上級者までなら1万時間は必要ない。ビジネス英語の入り口に立って、英語を仕事で使っていく場所なら1日3時間の勉強を2年間続けると2200時間、これを積み上げればできる。でもこれは学習者を終えるレベルの話なので、いきなり国連に放り込まれて「オイ、今からンジャメナとナウル共和国とシエラレオネ共和国とのトップ層の外交会議をするから同時通訳してくれ。ほないくぞ」といきなり振られて「ちょ、ちょっと待って。イタタ、急に腹が痛くなってきたタンマ!」とならずに、「かしこまりました。参りましょう」と、即完璧に対応できるレベルはムリポという話。英語上級者から超一流、たとえばトップ外交の同時通訳者とか、海外のベストセラー小説を翻訳するとかだと2200時間じゃ足りないって話。そもそも、こうした仕事は純粋な英語力とは別に、翻訳や通訳の技術が必要になる。
分かってもらえたと思う。英語と1万時間の法則の関係は、結論あなたが目指す英語力のレベルによると。でもここまでの話を聞いて絶望しないでくれ。そもそも、外国語に限らず、国語力を鍛えるのも膨大な時間がかかるんだ。子供を育てた経験者ならよく分かると思うけど、子供は吸収力があると言われつつも、言葉を覚えるのは想像以上に時間がかかる。子供は24時間体制でパパとママ、保育士から日本語のシャワーを浴びるけど、5歳とか7歳でも全然日本語は完璧じゃない。子どもたちと会話すると、言葉の使い方は間違いだらけなのが普通。1万時間どころじゃない膨大な時間をかけ、柔らかくて柔軟な子供の脳みそにシャワーのように言葉をかけても伸びるには時間がかかるんだ。ちなみに大人から国語力を鍛えるのも同じ話。自分は2017年から記事を書き始めたけど、今の水準に達するまでこの動画を撮っている時点で6年かかってる。その間、2000記事書いてきた。言語の取得や上達には、母国語、外国語限らず時間がかかる。2200時間と聞いたら「うわあ、そんなにやらないとダメなのかよ。やっぱムリポ。もうお前に英語は頼まねえ。楽して楽しく最短最速で学べる先生のところにお世話になるわ。ほなさいなら」とならずに「え?たった2200時間でええのん?やります!」と喜んで差し出すつもりで勉強していこう。やたらと最短最速とか、たった1ヶ月でペラペラとかを追求しすぎない方がいい。現実的な路線で勉強しよう。
英語の上達は努力の「量と質」が重要
英語学習は努力量は絶対的に必要だと語ってきた。あなたもよく理解できたと思う。けど、それと同じくらい努力の「質」も重要なんだ。ここは本当に見過ごされがちで、「海外に体を持っていって朝から夜まで英語漬けになれば脳内空っぽ状態で伸びます」みたいな不誠実なスクールのマーケティングを聞きすぎて誤解している人も大量発生していると言える。ここからは御大層な科学的なエビデンスが~とか論文が~とかわざわざ持ち出さなくても、あなたがよく知ってる状況証拠で簡単に証明できる。
日本人の多くは中学、高校あわせて6年間、人によっては大学も英語を勉強して合計10年間勉強する。それでも大多数の日本人は英語ができないまま社会に出る。これを見ると「日本の英語教育が間違ってる。やっぱ海外にいかないと英語は身につかない」と脊髄反射的に考えるバッタみたいな思考の持ち主がいる。でもこの結論は明らかに間違い。なぜなら英語ができる海外未経験の純ジャパなんて、探せば世の中にいくらでも事例があるから。まずは黒坂自身、アメリカに留学する前の段階で独学で英語をビジネスレベルまで引き上げたし、外資系企業勤務時代、ほとんどの日本人社員で英語が上手な人は日本で仕事をしながら独学で英語を磨いた人ばかりだった。海外歴長い人もいなくはないけど、多くは必要にかられて仕事をしながら英語を勉強して仕事で使うユーザーになった人ばかりだった。受講生にもワーキングママ、会社員、主婦の人で英検1級、準1級、TOEIC900点オーバーの人はいくらでもいる。さて、できる人、できない人の差は何か?もちろん、努力量の差も大きいと思う。でもそれ以上に「努力すれば確実に伸びる勉強法でやっているか?」これは凄まじく重要なポイントなんだ。伸びない人は努力が足りないというのもあるけど、それ以上にやっても伸びない勉強法で一生懸命やってしまっているのが最大の理由だ。
これは過去に出版した書籍に書いた事例だけど、自分が英会話スクールで見かけたのは20年間スクールに通っているおじさん。20年も通い続けて、莫大なコストをスクールに払い続けて成果が出ていればそりゃ最高だけど、実際には会話を振られたらシドロモドロで一言も話せない。なぜなら伸びる方法論で取り組んでいないから。英語の聞き流しセットはいつの時代でも「楽して身につけたい」というニーズを刺激してよく売れているけど、1000時間、1万時間聞き続けてもできるようにならない。なぜなら意味を介さず英語をインプットしても右から左へ抜けてまったく蓄積しないから。海外に何年、何十年住んでも英語が伸びない、という人からこれまでかなりの数の相談や連絡をもらってきた。なぜなら基礎を鍛えて、意味を理解しながらインプット、アウトプットをしないと伸びないから。
英語の上達に努力量は絶対的に必要。それは否定しない。だけどそれと同じくらい大事なのは努力の「質」だ。過去の動画で100億回以上いってきたけど、英語は基礎がないとインプット訓練、アウトプット訓練をしても無意味。アウトプット訓練はインプットをしっかりしないとできない。なぜならアウトプットとはインプットしたことを取り出す行為で、インプットしてないと取り出すものがないから。何を見ても「やべえ」「すげえ」しかいえないボキャ貧がどれだけ練習をしても、人の心を動かす演説ができないのは相応のインプットがないからってわかるよな?
もうわかったと思う。英語の上達には努力量と、質の両方があってはじめて実現するものだということを。質が伴わない勉強を100億時間したところで永遠にできるようにはならない。だから英語の勉強をする上で努力量を受け入れると同時に、努力の質も高めていこうという気概で取り組んでいこう。
英語学習をする上では結局、質と量両方大事だということを語ってきたわけだけど、最後にもう1つだけ大事な要素がある。それは行動力。正直、今の日本ではスマホかPCがあれば超格安、もしくは無料で英語漬け生活を送るなんて誰にでもできる時代になった。一昔前は英語の音声に触れるには数十万円単位で英語の音声カセットのセットをローン払いで買うしかなかったけど今は違う。やる気次第で日本にいながら脳内留学、英語オンリー生活を整えて英語をマスターした人もいる。
【40代/50代】英語は10000時間でモノになる|日本人英語学習者のブレイクスルーやっぱり英語多読は最強だった 著:橋本 大也さん
年齢が、才能がと何かとできない言い訳し続ける人は少なくないけど、そういう人はどれだけお膳立てしても無駄だと思う。どれだけ厳しい逆境でもやる人は絶対にやり抜くし、その逆にどれだけ優れた教師、テキスト、学習環境をお膳立てされてもやらない人はやらない。コレに尽きる。さああなたはやる人か?やらない人か?でもやるよな。やるよ。だってこんな長い動画をここまで見るような人なんだから。確かにできない言い訳を考え始めたら無限に湧いてくるかもしれない。決して英語学習に専念するのに恵まれた環境とは言えないかもしれない。それは分かってる。でも好きなんだよな英語。だったら合格、もうコレ以上何も必要ないから焦らずじっくりコツコツ長期的に効果の出る勉強法でやっていこう。そうすれば1万時間を待たずしてあなたは英語学習者を卒業できるのだから。ほなまた。
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