オレだ。自分は英語を教えてきて、これまで数多くの英語学習の挫折と成功を見守ってきた。この記事を今見ているあなたも、英語の勉強を決意する前はやる気満々だったのに、いざスタートすると挫折してしまったという経験をお持ちの人もいるはずだ。「また挑戦をして挫折してしまい、自信が持てなくなるのが不安」ということで英語学習をすることに恐怖を感じている人もいるかもしれない。どうすれば英語学習で挫折せずに済むだろうか?結論、この記事で紹介する「ダニングクルーガー曲線」をしっかり理解できれば、あなたはもう挫折することがなくなると力強く断言させてもらう。この記事を最後まで見れば、あなたはダニングクルーガー曲線とは何かを理解するとともに、たとえ挫折しそうになっても自分の力で復活できる力を手に入れることができるようになる。ぜひ最後まで見て、挫折しない「命綱」を手に入れてくれ。
今回話すことは次の通りだ。
1.英語学習者はみんな同じ場所で挫折している
2.英語学習者の真のスタートラインはここ
3.成功する人がやっていること
では早速始めよう。
目次
英語学習者はみんな同じ場所で挫折している
英語学習者からはなかなか見えにくいことだけど、英語を教えているオレの立場からよく見えるものがある。それは「挫折する失敗パターンはほとんど同じで、英語学習者のほとんどは同じ場所、同じ理由で挫折している」ということ。つまり、その失敗パターンにハマらなければ挫折せずに済むということなんだ。挫折する初心者が辿る失敗パターンはこんな感じ。
1.「もう年齢も年齢だし、今度こそ英語学習で成功したい!」と焦る気持ちでスタート。
2.挫折しないためにも、絶対に失敗しない勉強法を見つけようと意気込む。
3.焦っているから、手軽で簡単そうな勉強法を内容をしっかり吟味せず、見切り発車で始める。「絶対に1ヶ月でここまでやる!」と決意。
4.いざ、その勉強法でスタートしたけど、基礎ができていないのでわからない事が多くてすぐに不安になる。
5.わからないながら強引に勉強を続ける中で、「そもそもこの勉強法で本当に力がつくのか?」と疑いの気持ちが生まれる。
6.1ヶ月で終わるつもりで始めたけど、1ヶ月過ぎてもまだ半分しか進まずますます焦ってプレッシャーに負けて放り出す。
かなりの数の英語学習者を見てきたけど、それぞれ英語学習の目的や、流れの順序は違えど9割型はほぼこのパターンで挫折してる。ごく一部の例外として、転職して残業が多すぎて勉強時間がなくなってしまったり、予想外に結婚して家庭が忙しくて勉強を中断するというパターンもあるにはあるけど、10%以下。90%はこの流れで3か月以上続かずに挫折してる。もしもこの記事を見ている人の中で、「これ自分のこといってる?」と少しでも感じたら赤信号。遅かれ早かれ、あなたはそのままの勉強を続けるとほぼ確実に挫折すると断言する。でも安心してほしい。逆に言えば、この流れに乗っからなければ失敗や挫折しないということでもある。実際に、過去の受講生さんたちですごくうまくいって英語の夢を叶えた人たち、特に自分がマンツーマンコースで指導する学習者は「絶対にこのパターンにならないように」と何度も伝えているので、挫折する人を出さないようにしてる。まずは今話した失敗パターンにハマっていないかをチェックしてくれ。もしも当てはまっているならこのまま読み進めてくれ。第2章と3章で解決法を具体的に語っていく。
英語学習者の真のスタートラインはここ
さて、第2章では英語学習者は多くはスタートラインを勘違いしているけど、実際に正しいスタートラインを解説したい。まず、この図を見てほしい。
挑戦者の90%以上が赤丸の部分でやめるわけだが、失敗は挑戦前から当然に織り込んでおくべき。
「できると思ったけどダメだ…。自分はなんてアホなんだ鬱だ死のう」と自信失っている場合ではない。
「はい待ちわびた失敗きた!ここがスタートラインか(ワクワク)」が理想的な思考だと思う。 https://t.co/mSaxdtMHO5 pic.twitter.com/YycXqtkt2Q
— 黒坂 岳央@本業:主夫|趣味:仕事とゲーム (@takeokurosaka) July 23, 2022
これはダニングクルーガーの曲線とか法則といって、初心者が「実際の評価と自己評価を正しく認識できず、間違って自分自身を過大評価してしまう」ことを示している。ちなみに心理学では「認知バイアス」という。難しく聞こえるけど、とっても簡単。知識がない初心者の段階はまず、「バカの山(Peak of “Mount Stupid”)」を登ることになる。つまり、知識がなく、分かっていないがゆえにめちゃめ高望みして「多くは望みません。1ヶ月でここまでいけたら十分なので」といっておきながら、実は自分では控えめだと思っている目標が一般的に死ぬほど高望みになってるというものなんだ。
実際、英語学習初心者はスタート地点ではみんな自信過剰で、高望みをしてしまっているということ。自分の元にも「1ヶ月経過したのにまだ速読英単語必修編が終わっていません。自分遅すぎますよね」とか「英文法を3ヶ月やってもまだ終わりません。ダメな自分に自信を失います」みたいに問い合わせが来るけど、いやいや高望みし過ぎでっせといつも思う。冷静に考えてみよう。速読英単語必修編も英文法の勉強も一般的には中高6年間かけて学ぶのに、6年間かけても90%以上の日本人は英単語も英文法も足りない状態で大学に進んで卒業している。上手にやれば比較的短期間で速習できるし、その方法をお伝えしてるけどさすがにたった1ヶ月で全員が速読英単語必修編の英単語を完璧に暗記できますみたいなウソはつけない。もっと3ヶ月くらいかけてじっくりやるほうがいいんだ。
英語以外の例えば話を出すけど、婚活を始める人もこの高望みからの失敗するパターンがすごく多い。知り合いで結婚相談所を経営している社長がいるけど、男女ともに婚活を始めたばかりの人の9割くらいは本人が気づかない内にすさまじく高望みの人ばかりだから、まずはその人達の勘違いをボコボコにへし折るところから始めるといってた。たとえば、年収は平々凡々の40代後半の男性は「結婚相手に多くは望みません。派遣やアルバイトでもいいから着実に収入があって、家事をしっかりできて20代の常識があって」みたいにモリモリ条件を付け加えまくる人も多いらしい。でもアドバイスを何度もして、自分が望む相手から断られまくることを繰り返す経験を経て、初めて自分が高望みだったことを理解してその上で自分と相応の人へ申し込みをしてくれるようになるといってた。
英語も同じで、「一度も壁にぶつからず最初から最後まで最短最速で成功する」とか「たった3ヶ月で英語ペラペラに」みたいな夢物語で一部の挫折知らずのスーパーエリートしか実現できない高望みをやめて、現実的に力をつける路線で考えていこう。人によってはいくらこちらがアドバイスをしても耳に届かない、プライドが高すぎる人もいるので一度自分がやってみて理想通りにいかずへし折られたタイミングでようやく理解できることもある。そうした人が次に向かうのが「絶望の谷”Valley of Despair”」だ。絶望と聞くといやな気持ちになるかもしれないけど、良く言えば夢から覚めて初めて現実的に考えることができる段階ということ。英語学習で言えば、挫折の壁にブン殴られて極端に短期間で大成功する、みたいな夢心地から目を覚まして、「やっぱ世の中に裏技はないよな。基礎を固めるところから着実に進めよう」と現実を見ることができるという状態。だから英語学習者の真のスタートラインはここ。図でいうと、赤丸を付けた部分。
現実を見て、着実に勉強をしようと決心してくれた人が次に向かうのは「啓蒙の谷”Slope of Enlightenment”」。無知であるがゆえに、自信過剰で高望みだった精神をへし折られた後、ここでは努力して英語力を少しずつつけていくという感覚を持った状態。まだまだわからないことは多いし、自信はないけど勉強に対する態度がようやく整ったという感じ。「一部の語学の天才以外は地道な努力でしか英語力は手に入らない」という謙虚さも手に入れるので、むやみやたらに「楽して身につく」とか「最短最速、一撃でペラペラに」みたいなキャッチーな詐欺ワードに反応しなくなるのもこの頃だ。そして最後に行き着くのが「継続の大地”Plateau of Sustainability”」。謙虚に努力をして少しずつ実力を身に着けてきたので、高望みをすることはなく現実的に思考しつつもこれまでの努力や経験を経て自信を手に入れた理想の状態。勉強法や努力体質も手に入れているので、「分からないことはまだたくさんあるけど、これまでと同じように地道に努力すればまだまだ上を目指せる」というイメージだ。
以上のような段階を進んでいくので、まずは無意識に高望みしている自分を受け入れ、絶望の谷に投げ込まれた後からが真のスタートラインだと理解しよう。ちなみにこの道程を歩んでいく過程で必要となる、努力にもレベルがある。これも一緒に理解しておくと間違いなく捗るのでこちらの記事も合わせて読んでおいてもらいたい。
成功する人がやっていること
以上の点を踏まえて、英語学習を指導してきてうまくいった人たちはいずれもこの道程を上手に走っていっている。というか、学習開始時点から自分が口酸っぱく繰り返しアドバイスをしているので、彼ら/彼女らは自分の力を大きく超えるような高望みはしない。特にマンツーマンコースでは「自分で学習計画とか、いつまでに進めるとかの目標は持たなくてもいい。黒坂がリードするから、あなたはとにかく目の前の課題だけ淡々とこなしてもらえたらOK。後はこっちで最短ルートまで引っ張っていくから」という感じでお伝えしてる。最初から達成不可能な学習計画を立てないから、予定通りいかず気持ちが凹むということもない。ただただ、淡々と進んでもらうだけなので気持ちの浮き沈みもなく進んでもらっている感じだ。
これをたとえると、やったはいいけどすぐに挫折してしまうパターンを繰り返す人は、真っ赤で燃え上がるような炎のイメージ。ボーボーと火力全開で燃え盛っている強い炎なんだけど、燃料には限りがあるから3ヶ月以内に燃料が尽きて無事死亡するという流れを辿る。それに対して、成功する学習者は青い炎。吹き出す汗が止まらないような熱量はないけど、根強く決して消えない炎というイメージで「めちゃめちゃやる時と気合が入らず全然やらない時」ではなく、「毎日毎日同じペースでコツコツ長期的に進める」という感じ。なぜそんなことができるかというと、やる気に頼らず勉強習慣を身につけることの重要性を理解しているから、勉強を続ける→続けるから習慣化する→習慣化するからやる気に頼らず自然に継続できる→継続するから成長する→成長するから楽しくなってそのまま続ける、みたいになる。だから挫折するポイントがない。ちなみに今のモチベーションの話は過去記事で詳しく解説しているので見ておいてくれ。
今回は以上だ。正直、あまりにも多くの英語学習初心者が、無意識に高望みで挫折している現実がある。ということは、達成不可能な高望みをやめれば、挫折しないということでもある。英語学習は一日やそこらでは身につかない長期戦になるので、大事なのは短期間めちゃめちゃ頑張る気合と根性と夢ではなく、コツコツ長期的に継続する現実的な思考。夢から目覚めて現実を振り向かせてくれるのが、今回紹介したダニングクルーガー曲線だ。挫折しそうになったら、この記事に戻ってきて最初から何度か読み直して自分が高望みをしていないかをチェックするようにしてくれ。
コメントを残す