今回は英語やり直し組の初心者が英語の勉強を始める「前」にやるべきことというテーマを解説する。
「え?ちょっと待って。僕私すでに英語の勉強始めてますけど。もしかして時すでにお寿司ってやつでっか?」って感じた人も黙ってこのまま聞いて。今回の動画は知識ゼロの初心者がこれから英語の勉強を始めるというだけでなく、すでに勉強をスタートして伸び悩む人にとっての軌道修正にもなるから。
そもそも、なぜこの動画を作ったかという理由を話させてほしい。黒坂の元には毎日英語の勉強相談が来るけど、ほとんどの初心者が「これは絶対にやったらダメだ」って思うことをやって「これだけは最低限絶対済ませてから始めよう」ってことをやらずにいきなり勉強をスタートしてしまってる。
「おいおい、いきなり勉強することの何が問題なの?」って思ったかもしれないけど、それが問題大アリなんだ。英語力を身に着けたい→勢い任せでいきなり勉強をする、というのが最も挫折率が高いダメなステップなんだ。これをやって成功できる人は0といい切っていい。
その証拠に、英語力が欲しい人は世の中、腐る程いるけど実際に身につけられている人はむちゃくちゃ少ない。スクール、オンラインアプリ、書籍、留学とありとあらゆるスキルの中で最も充実しているにも関わらず、成功率はまったく高くない。このすべては戦略なしにいきなり始めてしまってるから。勢い任せでスタートしても、伸び悩む、いざ始めると自分の勉強法に自信が持てない。このまま進めて大丈夫かと不安になる。だけど周囲に成功したロールモデルもろくにいないし、スクールカウンセラー自体も英語力を身に着けた経験がないのでアドバイスも机上の空論とか精神論ばかり。そのうち、レッスン代を払い続けるのがアホらしくなってやめるというパターン。
そこでこの動画ではそもそもの勉強前に絶対押さえておきたいポイントについて解説する。あなたがこの動画を見ていただくことで、勉強開始後に迷ったり不安になったりやる必要のないムダを回避できるので、ぜひ最後まで見てくれ。今回は次の通りでお届けする。
1章 英語の勉強を開始前にやったらダメなこと
2章 英語学習の目的を明確化しろ
3章 勉強前に整えるべき5つの学習環境
ではいく。
目次
1章 英語の勉強を開始前にやったらダメなこと
さて、1章では英語の勉強を開始前にやったらダメなことについて解説していく。これはやるべきことより難易度は低い。なぜって単にやらないだけでOKだから。でも、知識がないと9割の人が今から言うことをほぼ確実にやって失敗してしまう。加えて、勉強開始後になってやることで失敗する人もいる。なので、とりあえずやったら即オワタな禁則事項だと思って集中して聞いてくれ。順番に解説しよう。
NG1.身近な人に相談
英語学習者がやったらダメな行動の1つ目は「実は私、英語やろうと思っているんだよね」って周囲に相談すること。英語初心者がやったらダメな行動ランキングでモンドセレクションを受賞したことは、先週の金曜ロードショーでみんな知ってると思う。
自分は派遣会社時代、周囲に「今から英語を頑張ろうと思ってる」といって後悔した経験がある。自分自身の体験からも「どれだけ喋りたいと思っても絶対に話すな」と断言したい。特にダメなのが英語ができない相手に言ってしまうこと。これはもう論外としか言いようがない。なぜなら非常に高い確率で否定されるから。「私さー、最近英語始めたんだよね!最終的にTOEIC800点取るまで頑張る!」「え?今さら英語? 何いってんのー? お前さ、寝言は寝て言えよ。世の中できる人たくさんいるよ。ニュース見てないの? 今はさ、AI翻訳機の性能も上がってるからムダなるよ。 そんなことより別のスキルを身に着けたほうがいいんじゃないの?」こんな感じでほぼ確実に「今さら英語なんてやめとけ」と言われる。正直、未経験者の意見なんて99%クソ適当の思いつきでやめとけやめとけと騒ぎ立てる。うるさい黙れ、両手にシンバル持たせたサルでもそこまでうるさくないぞ。ド素人、未経験者の意見をまともに聞くだけバカを見る。だけど、これから頑張っていくんだという熱い気持ちをくじかれたり、自信を失うだけの力は十分にある。だから耳に入れたらダメだ。
日本人は英語へのコンプレックスが強い人が多く、自分が過去に頑張って夢破れて諦めた人も多い。もしも周囲の人が英語を頑張ろうとしていたら、英語コンプレックスを刺激して足を引っ張りたくなるもの。否定する本人も自分が足を引っ張りたくていってることに気づいてない。
あなたは「働いたら負け」って1日中あちこちにコピペして、生活保護で受け取ったお金をパチンコで溶かし続ける子供部屋おじさんに就活のアドバイスを求める?まともな答え、応援の声なんて返ってくるわけがないよね?「夜間のビルメンテナンスは楽ちんらしいよ。掲示板情報だけど」ってやかましわ、ピザでも食ってろデブ。もうわかったと思う。やったことがない未経験者に話しても部長のカツラくらいズレたアドバイスを受けて逆に不安になるだけだ。メリットのないことはするな。
ちなみに英語上級者にも相談しない方がいい。自分はTOEIC800点、900点取ったという上級者に「自分、英語頑張りたいと思ってるんすよ」って目を輝かせながらいったら「英語を甘くみんなよ。お前みたいなやつにできるほど簡単なスキルじゃない」って言われたからね。これは過去動画で話したことがあるけど、「自分は27歳でTOEICハイスコアホルダーだけど、この通り派遣社員で正社員に落ち続けてる。君はもう23歳でしょ?世の中甘くないよ」ほぼ原文のままでこれを言われて絶望したことがある。
そこまで性格悪いやつじゃなくても、「英語力を身につける道は簡単じゃないよ。軽い気持ちで挑戦するべきじゃない。あなたに数千時間、努力を年単位で投下し続ける覚悟がある?」まあ厳しい話を言ってくる人も少なくない。いや言い方よ。 まあ、冷静に考えると、英語上級者といっても、英語を教えたり指導する力があるわけじゃない。
あなたの会社に人間性終わってたり、人の上に立つ器ではないクソみたいな人格だけど、仕事だけはまあできるってオッサンが一人、二人いると思う。でもそのオッサンに人を育てる力はないってのと同じ話。「は?マニュアルありませんか?って寝言は寝て言え。お前な、仕事ってのは見て盗むものなんだよ」んーと、今は石器時代ですか?中世でしたっけ?って話よ。
だからとりあえず身近な人に英語しようと思ってるんですよー、みたいなノリで話をするのはまったくおすすめできないからやめとけ。応援してくれる人はいるかもしれない。だけど、それ以上に否定してくる人間である確率の方が遥かに高い。
NG2.英会話スクールに行く
英語学習者がやったらダメな行動の2つ目は、いきなり英会話スクールに行くという行動だ。これはマジで絶対に止めた方がいい。自分は英会話スクールに恨みはないけど、ロジカルに考えてうまくいくわけがないんだ。
そもそも、英会話はアウトプット。アウトプットはインプットしたことを取り出す行為。手から出すなら英作文、口から出すならスピーキング。つまり、インプットがダメならアウトプットなんて全く手も足も出ないという誰も変えようがない現実がある。
加えて英語力ゼロの初心者は、その前提となるインプットがない状態であり、まずは基礎を固める必要がある。でも、基礎を学ぶ場所として英会話スクールは最適な場ではない。なぜなら英会話スクールは英会話をしに行く場所だから。ということは、英語力ゼロの初心者は英会話スクールに行くべきではないという鋼鉄のロジックが成り立つ。たとえると、強くなりたくて天下一武道会に出場するとか、歌がうまくなりたくてコンサート会場に歌手として出場しに行くわーって言ってるようなもん。こういう人いたらアホでしょ?脳みそサラダチキン過ぎるアタオカでしょ?あくまで実践の場であって、訓練の場ではないわけよ。
「英語ができるようになりたい→よしTVCMで見たスクールにいってみよう」はスクールから見たらカモネギ。自分で調べたり考えたりするのが面倒くさいからやってくるわけで、最もらしいセールストーク食らわせれば秒殺できる。たとえると携帯ショップに来店して、256GBのSDカードを4万円以上で買わされる情弱と同じ構図。「ああ、お客様。これはi phoneでかわいいお孫様の写真をとりすぎて容量がないのですね。これからもかわいいかわいいお孫さんの写真をたくさんとるとなれば、こちらのSDカードはいかがでしょうか?お値段4万円となっております。一度お支払い頂いたら月額課金もございませんので、ご安心くださいませ」あるある。Amazonなら全く同じものを2000円以下で買えるというのに。どうしてこうなった? 英語学習は考える行為を積み重ねるゲームなのに、入口で思考停止してしまったり、リサーチの手間を面倒くさがる人は始まる前からすでに詰んでる。最初から思考力が持てなくてもいいから、せめて思考力を持ちたいという姿勢は忘れないでくれ。
NG3.語学留学にいく
英語学習者がやったらダメな行動の3つ目は、語学留学にいく。試験もない、TOEFLも要らない。とりあえず金や金、さっさと眼の前にワイの唸るもの出さんかいワレェみたいなスクールには行くな。
留学の活用法は、大学や大学院の学位や修士号などの実績づくり、知識や技術の獲得、ビザの取得、アウトプットをする場として使うべき。英語の勉強をしに行く手段としては恐ろしくコスパが悪い。ましてや40代、50代の英語やり直し組が「じゃあ仕事や家庭は1年間お休みして留学いってきまーす」が許される立場の人はほぼいない。だからそもそも現実的じゃない。黒坂も仕事はなんとかなるけど、子供を置いて今すぐ留学なんてとても無理。
そして海外経験者の話を聞いて「ああ、自分も若い頃に語学留学にいっておけばよかった」みたいに後悔してる人もいるかもしれない。でも大丈夫。今、落とした顔上げて。ここでハッキリいっておくけど、英語力ゼロで語学留学いってものになる人なんて本当にいないし、あなたに再現性はないし、仮に再現性があったとしてもリスクリワードが悪すぎるのでどうこねくりまわして思考しても選択肢には上がらない。パチンコ店とかキャバクラと一緒で、そもそも語学留学は若くても若くなくても一生行かなくても何も困らない。まあ自分はキャバクラいったことないからよくしらんけど。
NG4.楽して身につく系教材
英語学習者がやったらダメな行動の4つ目は、楽して身につく系教材。まあゴミをお金を出して買うなとしか言いようがない終了、で終わってしまうけどせっかくなのでもう少し話をしよう。
冷静にじっくり考えてみてほしい。「楽して身につく」は論理的に破綻してる。仮にそんなものが存在するなら、とっくに世の中に広がっているはず。学校の義務教育現場でも取り入れられているだろうし、日本、海外問わず言語学のプロが研究の対象にして次々論文でその効果を検証して出してもおかしくない。競争原理が働いて、類似商品が溢れてないとおかしい。なぜならそんなものが仮にあるなら莫大に儲かるから。
でもそんな話聞かないよね?だからない、ないんだよ。売り手だけがあるあると必死にセールスしてる状態。ファイナンスの理論では売り手優位で競争力の高い商品はあっという間に広がっていくはずなのにそれが起きていない。マジレスさーせん。まあ、そういうこと。いかにもいそうだけど現存しないメガロドンみたいな存在。一時期、睡眠学習とか聞き流し系とか流行ったけど、最近誇大広告の規制が厳しくなり、消費者の目が超えて、プロの厳しい批判で評判が落ちたので最近は全然聞かないでしょ?理由は儲からなくなったからなんだよ。昔はむちゃくちゃ流行ったテレビの心霊番組が最近ごっそり減ったのと同じ理由。結局、ほとんどの幽霊さんはCGでした的なオチ。いいか?繰り返す。お金を出してゴミを買うな。
NG5.英会話テキスト、やり直し系のテキストを買う
英語学習者がやったらダメな行動の5つ目は、英会話テキスト、やり直し系のテキストを買うこと。これの何がダメかを解説しよう。全部ダメとはいわないけど8-9割はものにならない。
まず、英語学習の目的は人によってまったく違う。すべての人が英会話ができるように考えているわけではないし、仮に英会話の上達が目的という場合でも今の自分の英語力にマッチした教材を使わないと意味がない。極端な話、知識ゼロの初心者がMBA式の英語プレゼンとか英語ディスカッションの本を買っても実力が足りないし、そこそこ英語力がある人がThis is a pen.とか練習してもなんの意味もないわけよ。
それから40代以降向けのリスキリングとかやり直し系の英語テキストも要らない。なぜならこういう本は総じて「お手軽勉強法」とか「入門書で表面的な部分だけ」を取り扱っていることが多くて、網羅性の点で問題がある。英語の勉強は情報量の少ない薄っぺらい本をたくさん買ってあれこれつまみ食いするより、しっかりと基礎固めに必要な英単語、英熟語、英文法をカバーしてる本を数冊買ってそれをボロボロになるまでやり込む方が力がつくし効率もいい。故に網羅性に問題があるテキストは買う価値がない。
以上5つが英語力ゼロの初心者が絶対にやってはいけない行動だ。この5つを徹底的に気をつけるだけでも大きく失敗する確率を減らすことができる。それがわかったら次へいこう。
2章 英語学習の目的を明確化する
さて、2章では英語学習の目的を明確化しろという話をする。「そんなのお前に言われなくてもわかってるよ。ワイの英語の目的はズバリ、ペラペラ英会話をかっこよくこなすことや!」って反論したくなる気持ちはすごくよく分かるけど、そのペラペラ英会話ってのがすでにファミコンのグラフィック並に抽象的なので、そこをプレステ5のグラフィック並にくっきり解像度を上げていこう。なぜなら、英語学習の目的次第で、最初に手に取るテキストも、目指すゴールも、勉強法も、優先順位も何もかも変わってくるからだ。
この章では目的別に1つずつ解説していく。では始めよう。
目的1.英会話
英語を勉強する目的の1つ目は英会話だ。これを目的に掲げている人は非常に多いけど、「なるほど、そなたは英会話ができるようになりたいと申すか。で?英会話で具体的に何したいの?」って聞くとぐぬぬとなってそれ以上答えが返ってこないケースが多すぎる。そりゃあ日本人なら誰しもアメリカ文化に触れて育ってるから、英語ができる方がかっこいいしできて損はしない。できるかできないかで言えばできるようになりたい。ここまでは1億2000万人全員思ってると思う。大事なのは英語ができるようになりたいかどうかじゃなくて、「で?」のその後の部分。英会話を身に着けた後にあなたは何をしたいの?ってこと。もしもこの質問に即答できないなら、その人はせいぜいゲームボーイカラーくらいの解像度でしかない。もっと具体的に掘り下げよう。
仮に目的が明確にあるとする。「僕私は英会話を身に着けて、インバウンドでやってくる外国人に観光ガイドの仕事をして稼ぎたい」とか「フリーランスで海外の案件を対応してドルを稼ぐ力を得たい」たとえばこんな感じでくっきりとやりたいことが明確になあるとしよう。そこまで明確化できているなら素晴らしい。じゃあ次にやることはズバリ、実体験だ。実際に英会話を体験してみよう。今どき、どこのスクールも無料体験レッスンをバラマキしてるから、近所のスクールとかオンラインで無料で参加してみるといい。その体験レッスンでは別に上達を目指したりうまくできなくてもいい。あくまで実体験して、「これはむちゃくちゃ努力して、今やってる趣味を封印してでもいいからできるようになりたい!」と今の自分が感じるかどうか?あなたの心でジャッジしよう。
要するにこれは結婚前のお試しの同棲みたいなもの。恋愛からいきなり結婚して共同生活は、定年退職後にそば屋を起業するレベルにリスキー。なので、まずはお試しで一緒に生活をしてみてもうダメポむりぽと思うか、それとも一生一緒にエヌビディアと感じられるかどうかを判断すればいいのと同じ。
目的2.TOEIC
英語を勉強する目的の2つ目はTOEICだ。会社が外資に吸収されて、いきなり役員が外国人になったとか、そこまでいかなくてもグローバル展開するので課長以上はTOEIC800点を取れ、できなければ降格だってところもある。また、シンプルに就職や転職で有利になりたくて、そこでTOEICが必要になる人もいる。
この場合は英会話や英作文は捨てて、TOEICスコア全振りで学習戦略を立てる必要がある。とにかく最小の労力で最大のスコアをかき集められる勉強に特化すればいい。さすがに800-900点超えは付け焼き刃なテクニックでは全然届かないけどな。TOEICを目的にしたい人は「せっかくなら英会話も伸ばしたい」みたいな浮気心は捨てて、スコア全振り思考でハイスコアが取れる勉強法で頑張ろう。
目的3.英語で仕事をしたい
英語を勉強する目的の3つ目は英語で仕事をしたい、このケースを考えてみよう。
「自分は英語で仕事ができるようになりたい」「サラリーマンじゃなくて自分はフリーランスで自宅で仕事がしたい」って考える人も多いけど、まだまだ解像度が低い。具体的にどの国のどんな企業のどんな仕事のどんな業務を想定してる?これにスパッと即答できるくらいリサーチしておこう。
そして自分が常々思っていることに、「英語で仕事をしたい」と考えるなら、絶対に企業の求人募集から目を離さないこと。ほとんどの人は知り合いとかインフルエンサーから「今はこういう英語の仕事が流行っているらしい」「この英語資格がおすすめ」みたいに聞いて彼らの話をそのまま鵜呑みにしてしまう。
でも、影響力のあるインフルエンサーも話が全部正しいわけじゃない。実際には孔明の罠なみたいな話も多い。企業がコストをかけて出している求人募集こそが世の中の実態を正確に表すラーの鏡。企業が出す求人は「こういう仕事がこういう企業からこのくらいの年収で求めているよ」というまさに答えそのもの。「黒坂さん、英語でどんな仕事をしたらいいですか?」みたいに毎日聞かれるけど、そのたびに「いやいや、自分に聞くんじゃなくて、まず求人を見て」っていってる。答えが全世界に公開されてるんだからまずそっちをみてよ。
そしておすすめしたいのが、実際に英語で仕事をしている人の話を聞くこと。その際、いい話よりも、苦労した話や厳しいけど現実的な話をしてくれる人から聞く方がいい。いい話はネット上に転がってる情報を寄せ集めれば、未経験者でも空気からサンドイッチを作り出すように好き勝手に創作できる。でも、仕事の苦しかった体験談とか、厳しいけど頑張る価値のある現実的な話はその人にしかできないし、その話にこそ耳を傾ける価値がある。「確かに簡単ではないし、頑張らないといけないけど頑張る価値がありそうだ」と思ったら迷いはなくなるし、いざ厳しい局面にぶつかっても「これはあらかじめ想定してたやつや」で乗り切れる。
目的4.学位留学や大学院進学
英語を勉強する目的の4つ目は学位留学や大学院進学だ。
語学留学はいったらあきまへんという話をしたけど、同じ留学でも大学や大学院留学、技術やスキルアップをするための研修には価値がある。40代で留学となると幹部候補でMBA留学とか、海外ではないけど国内の大学院で夜間と祝日を中心に通うというケースが多いと思う。
そんな人におすすめしたいのは、説明会を聞く、体験者の話を聞く、大学のシラバスを読むという一次情報を収集すること。最近だとYouTubeで検索すれば、その大学でのライフスタイルや授業の様子を見られる。
自分が知っている話がある。この人は中年期になって、これまで学び仕事をしてきたのとはまったく違う分野を学ぶために、海外の大学院留学を決意して入学許可は得た。だけどついていけるか不安が残るという時、その大学院を出た先輩から「君ならいける。意外となんとかなるから大丈夫」というアドバイスで覚悟が決まって留学に旅立ったという人がいた。無事に大学院を修了して仕事についたので経験者から直接アドバイスを貰うことも強い力になることもある。
3章 勉強前に整えるべき5つの学習環境
では最後、3章では環境を整えるという話をしよう。「うるせーよ、そんなまどろっこしい話はいらねえ。直接英語力アップになる話を教えろやゴルァ」って人もいるかもしれないけど、そういう環境の力を舐めている人から脱落する。
人間は環境の生き物なんだ。これは昆虫とか他の哺乳類と比較するとまったく違う。いきなりガチの生物学の話になったけど、大事な話なんで聞いてくれ。たとえば昆虫はほぼ反射で生きてる。カマキリのカマに触れるとシャーッって構える。ハチの巣に近づくと、カチカチと音を出してハチは威嚇してくる。これは全部、DNAに刻まれた反射行動で、いちいち思考をしているわけじゃない。オートモードで動いてる。
そして哺乳類も遺伝子が10割の世界。狼は生まれてからどんな環境で育てられてもどうやっても狼にしかならないけど、人間は違う。環境次第でどうとでもなる。人間を狼の環境で育てると、狼のように育って人間の言葉が話せなくなる。その逆に良い教育、いい人間関係で育てるといい育ち方をする。底辺校に行くと勉強しなくなる人も、予備校とか進学校にいくと周囲の雰囲気に影響されてむちゃくちゃ勉強するように変化する。英語の勉強も同じ。よし頑張るぞという決意は長期ではゴミカスほど役に立たない。どんなに鼻息荒く頑張ろうと思っても、パチンコ店とかゲーセンにある椅子に座って1ヶ月勉強が続く人はいない。なぜなら勉強をする環境じゃないから。もうわかったと思う。英語の勉強を成功させたければ、とにかく環境を整える。
前置きが長くなったけど、本題に入っていこう。
1.英語の勉強時間の確保
英語の勉強を整えるコツの1つ目は、英語の勉強時間の確保だ。
たとえば毎日終電まで働くほど残業が多すぎるって人とか、子供が生まれたばかりで24時間体制でつきっきりで育児に追われるって人は、ハッキリいって今の状況では勉強は無理だ。無理しても絶対に続かない。仕事が忙しすぎてどうにもならない、今後も改善の見込みがないって人はもっと時間に余裕がある職場へ転職をする。子供が生まれたばかりという人は、そもそも英語の勉強より子供に愛情を与える方が遥かに優先度が高いので無事に育って園や学校にいくようになって手を離れるタイミングまで待とう。
黒坂の元にはいろんな相談が寄せられて「英語の勉強時間を増やしたいけどどうしたらいい?」みたいな質問をする人もいるけど、悪いけど無理。そういう人に自分ができることは何も無い。せいぜい、ムダな時間を削減するとか、効率的に進めて短い時間でもパフォーマンスを高める工夫は話せるけど、仕事や家庭が忙しすぎてどうにもならないレベルだと自分も魔法使いじゃないから物理的な時間だけはどうしようもない、非力なワイを許してクレメンスとしか言いようがない。だから、英語の勉強をこれから始めたいという人は、日常生活の中で英語の勉強時間を2時間、できれば3時間くらいスキマ時間をかき集めて継続できるかを確認してくれ。
2.家族の理解を得る
英語の勉強を整えるコツの2つ目は、家族の理解を得る。
この動画の冒頭でも、過去動画でもいってきたけどとりあえず同僚や友達には英語のことは相談も話もしない方がいい。話をするなら実力がついた後にしよう。理由はあなたの夢を壊してしまう、ドリームキラー、略して破壊神ビルスになってしまうから。
でも、周囲に話すなといいつつも、家族の理解を得ることはやってほしい。人によっては「うえー、でもうちの夫、そういうのはいいから家事をやれとか言ってくるんだけど」「僕の妻は勉強より仕事で1円でも稼げというタイプなのですが」というと思う。でも家族の理解なくして英語の勉強は無理だってさすがに。なぜかというと、理解を得ずにスタートすると、確実に悪意のないじゃましてくるから。
家族は「え?開始して3ヶ月でまだ同じテキスト使ってるの?」とか「TOEIC受けて今、何点取れるか確認してみたら?」みたいに口を出してくる。それで自信へし折れたり、学習ペースを乱された人からいっぱい連絡もらってきた。うん、わかってる。相手に悪意はない。むしろ心配してあれこれ口を出してくる。でも、心細い中で真剣に勉強を頑張る本人にとって無理解なアドバイスはじゃまでしかない。だから最初に「英語は夢として追いかけたい。やり方とか目標で気になる事があるかもしれないけど、ヌクモリティを感じるあたたかい見守りの気持ちで応援してほしい」と伝えておこう。
3.英語学習メソッドのリサーチ
英語の勉強を整えるコツの3つ目は、英語学習メソッドのリサーチだ。
一見すると環境とは関係なさそうだけど大ありだ。なぜって自分が取り組む英語学習メソッドとは毎日付き合うことになる。何より自分の英語学習の成功、失敗を分ける最大の要素なのでこれをミスるとすべてが終わる。リサーチはしっかり時間をかけて調べよう。
黒坂の場合はご存知の通り、多読という学習メソッドを推奨してる。英語講師によって流派はそれぞれ違う。同じ英語多読を推奨している人の中にも、幼児向けの絵本とか、漫画をおすすめする人とか、辞書を使う、使わないというルールも全然違う。そこで一番重要視したいのが再現性。その教師がすごい経歴を持っているからとか、楽して楽しく取り組めそうとか、最短最速で早く成功できそうだとかそういうのではなく、とにかく再現性を一番よく調べて選ぼう。
どれだけ楽とか、楽しいとか、教師がすごいとか言われても結局、英語を勉強するあなたに再現しなければ何も意味がない。無価値、無意味、マジでムダの極み、二重の極み。ただただレッスン代を支払うだけの養分に成り下がってしまう。再現性があるというのは、効果があるってこと。逆に効果がないことを効率的にやっても意味がない。だから見るべきは教師のセールストークとか、彼らの経歴ではなくて「その相手から学んだ受講生の実績」がすべてだ。教師とその取り巻き連中だけは成功したけど、他の一般生徒は誰も成功しない勉強法に何の価値もない。別に営業をしたくて言ってるわけじゃないけど、黒坂の英語多読メソッドの実績については概要欄のリンクから見てもらえると参考になると思う。
(旧Twitter・Xのログインが必要)
【英語多読スクール受講生の実績】
オンラインスクールの受講生のこれまでの実績を投稿していきます。全部は掲載しきれないので一部だけ。— 黒坂 岳央@本業:主夫|趣味:仕事とゲーム (@takeokurosaka) August 15, 2022
(Xにログインできない方向け)※画像データの読み込みに時間がかかる場合があります。
https://note.com/tkurosakablog/n/nfadfaadeb6e7
4.現実的に到達できる英語力とかかる期間
英語の勉強を整えるコツの4つ目は、現実的に到達できる英語力とかかる期間だ。
現代人は待つことへの体制がなく、集中力も忍耐力も金魚以下。マサチューセッツ大学が670万人のネットユーザーを対象に調査したところ、大半のユーザーはコンテンツの読み込みを待つ時間はたった2秒しかなかった。また、マイクロソフト社の研究チームの調査では現代人の集中力は8秒しかないという。加えて、日本人同士でお互いの英語力、英語の発音を監視し合って、どれだけネイティブ様に近づけているか?を評価しあって生きづら社会を建設してる。発音警察、文法ポリス、お前らマジでバカじゃないの?頑張ってる初心者を上から目線で説教して面白い?お前らはそんなに立派な人間なの?暇なの?バカなの?4ぬの?と小一時間問い詰めたい。
とにかく現代人はみんな忍耐力がない上に、ネイティブ英語のバーゲンセールに慣れ切っているので「最短最速で楽してできる」「ネイティブ英語が口から飛び出す」といったフレーズに強く反応してしまう。みんなそういう煽り記事、動画を見すぎたせいで、とっておきの裏技を使えば誰でもネイティブ英語にサクッと到達し、短い時間ですぐに上級者になれると勘違いしたまま勉強を始めるとそうじゃない現実のギャップにショックを受けてたちまち勉強を放りだしてしまう。
正直、ウソと誇張とデタラメばっかり言ってる発信者に付ける薬はないからしゃーなしとして、自分は現実的な話をしたい。過去動画で純ジャパのノンネイティブがどこまで伸ばせるか?という理想と現実、そして英語力ゼロから現実的に到達できる英会話力について解説したものがあるので、ぜひ見てほしい。この動画で答えだけを抜粋すると毎日2-3時間、英語の勉強を2年間継続すれば英語で仕事をする入口に立てるというのが現実的な結論だ。具体的には過去動画の解説を聞いてくれたら理解できると思う。
これを見て「2年頑張ればできるなら自分は頑張りたい」と思うかはあなた次第だ。伝えるべきことは伝えた。後はあなたが自分で決めてくれ。
5.ゲームルールの理解
英語の勉強を整えるコツの5つ目は、ゲームルールの理解だ。
あらゆる挑戦にはルールが存在する。サッカーがうまくなるためにサンドバッグをドツイテも上達しないのと同じで、英語の上達を考える上では英語が何ゲームでどんなルールか?という理解が必要になる。
たとえばビジネスは感謝集めゲーム。潜在顧客に喜ばれる活動をすることで、一部の人がお金を出してでも商品サービスを買わせてほしいと頼んでくる。売る側も稼げるからお互いWin-Winの関係になる。自慢ではないけど、今は特に仕事には困ってなくて仕事してくれと頼まれてもお断りすることが増えたくらい。
でもビジネスをお金儲けゲームと勘違いすると、自社にしかメリットがない提案をしてくる飛び込み営業マンになる。自分の元には法人、個人のメールに毎日毎日営業メールが来るけど99.999%は自分にはメリットがあるけど、相手であるこちらに1ミリもメリットがない提案ばかりで即ゴミ箱行き。こういう人はビジネスで成功しない。そもそもビジネスのルールを間違えてプレーしてるから。
じゃあここで改めて考えよう。英語は何ゲームか?過去動画、英語の勉強を途中で挫折しない「長期思考」の技術ロングゲームという動画では英語はメンタルゲーム、慣れのゲームということを解説した。
今回はあえて、過去にしたことがない違った視点で話をしてみたい。ズバリ、英語には敗者のゲームの要素があるといいたい。敗者のゲームは何かというと、強い者が勝つのではなくミスをした者が負けるということ。たとえばプロ同士のテニスの試合では強い者が勝つ勝者のゲーム。だけど、下手くそ同士がテニスをすると、ミスをした方が失点を重ねて負けてしまう。つまり、勝率を上げるならサーブとか特定のスキルをむちゃくちゃ鍛えるのではなく、とにかくミスを減らすことが勝利につながるということ。
今いった話は英語学習でそのまんま当てはまる。世の中はとにかく速習、最短最速、最も効率がいい方法みたいに、何かしら大衆を出し抜く裏技みたい話が求められてる。どうすれば通常1年以上かかる英検対策をたった1ヶ月で終わらせることができるか?みたいなことばかり考える人が多い。でもこれは勝者のゲームのプレイスタイル。まるで開成高校や灘高校の中でもトップの成績を争う優秀な学生同士で、より短期間でより高得点を叩き出すための試合の舞台にあなたが上がるようなもの。いやいや凡人が叶うわけがない。一通りフルボッコにされた後に「ああ、そういう裏技とか魔法って無いんだな」ということを理解することになる。
だから平均よりも早く成功したいという強欲、高望み、勘違いを捨てて、とにかく挫折の要素を排除することを意識した人から最も早く確実にゴールにたどり着ける。なぜなら英語は敗者のゲームであり、勝者のゲームではないから。絶対にルールを間違えるな。英語はルールを間違えなければ、全員が勝者になれる本来とても優しいゲームだ。
さて、今回は以上だ。実は英語の勉強をスタートした時点で、すでに成功するか失敗するかは完全に決まってるといっても過言ではないんだ。この動画で紹介したことをしっかり抑えて始めた学習者は事前に失敗確率を大幅に減らせる。ということは、大きな失敗を立て続けにかまさなければそれだけ成功する確率を高められるということになる。何事も最初が肝心。最初に手を付けた勉強法、メンタル、目的意識はいざ勉強をスタートした後もずっと引きずり続けるので、いかに最初にくそったれなスタートを切らないかが非常に重要になる。この動画は英語力ゼロの人がウソと誇張とデタラメだらけの英語学習情報に迷う初心者の役に立てば幸いだ。いや、すでに学習を開始して迷ったり不安を感じている人が目を覚まして初心に立ち返るきっかけになればいいと思ってる。それではまた時間の動画で会おう。ほなまた。
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