オレだ。
「AI・英語自動翻訳機でネイティブと英会話すれば、英語の勉強はいらねえw 英語学習なんてオワコンになるw」
そのような話を聞いて
「せっかく、一生懸命英語を勉強してきたのにな」
とがっかりした人もいるかもしれない。
その気持ちはよくわかる。
オレも英語を教えている立場なんで、
AIが英語力を不要にしたら商売あがったりな立場になるw
…けどな、大丈夫だ。安心しろ。
AIがどれだけ進歩しても、
英語学習の必要性はなくならない。
例によっていきなり、この記事で伝えたいことの結論を最初に渡す。
↓
AI・英語自動翻訳機を使った英会話でできることは、「情報交換」だけ。でも、コミュニケーションというのは、「感情の交流」もメチャメチャ重要だけど翻訳機越しではこれができない。
だから自動翻訳機が登場したら、ますます生のコミュニケーションができる英語力の価値は高まる。
— 黒坂 岳央@本業:主夫|趣味:仕事とゲーム (@takeokurosaka) March 8, 2021
オレは英語を多読することで、独学で英語力を身に着けた。
TOEIC985点、英検1級を取得。
米国の大学に会計学専攻で留学し、複数の外資系企業で英語を使って働いていた。
今も英語教育ビジネス、英語ビジネスジャーナリストという仕事をしている。
英語はゴリゴリ使ってきた経験があるので、
この記事でもあなたの役に立てる話ができるはずだ。
今回の話をする上で、先に過去記事も見ておいてくれ。
<参考>AIの英語力はTOEIC960点レベルだけど、英語不要論はそれでも間違い
↓
目次
人は情報ではなく、感情の交流を求める
今や、自動翻訳機はかなりのレベルに達していて、
たとえばポケトークは、新型コロナの感染危機が訪れるまでは
観光地やお店のあちこちで使われていたんだ。
今後、ますますAI技術が進歩することで
ドンドン高速化&正確性が高まっていくことは間違いないだろう。
…けどな、そんな自動翻訳機がどれだけ進化しても、
永遠に提供できない価値があるんだ。
「機械を通したコミュニケーションでは、
情報交換はできても、心の交流はできない」
ってことだよ。
訪日外国人が何を求めて日本に来ているのかを想像してみてくれ。
当然だけど、現地の日本人との交流もあるだろう。
外国人観光客は遠路はるばる日本にやってくる。
ホテルにチェックインする時に、スタッフの人から
「道路が遅延していたようでしたが、大変でしたね!」
と声をかけられるのは嬉しいと感じるだろう。
…だけど、無人フロアでペッパーくんから、
「オツカレサマデシタ」
と言われて喜ぶ人はあまりいないと思うんだ。
人間がコミュニケーションを取る目的は、
情報交換だけじゃないってことだ。
むしろ、「感情の交流」こそ人は求める。
そう考えると、自動翻訳機では感情は提供できないから、
少なくとも観光業の英会話の価値はなくならないと思う。
コンピューターから流暢な英語で伝えられるより、
多少たどたどしい英語でも、一生懸命さが伝わる方を歓迎するだろうからな。
自動翻訳機を使っても仲良くなれない
最近では、音声認識技術が高くなり、
世界中でコールセンターがドンドンAI化する流れになった。
矢野経済研究所が出した発表によると、
2020年度のコールセンターが提供するAIサービス市場規模は、
前年度比144.4%の26億円の見込だとしている。
いつかは、電話交換手のように、「コールセンター」そのものが
なくなる時代が来るかもしれねえな。
…だけど、よく考えてみてほしい。
あなたが購入した商品に問題が発生して、イライラしながら
電話をかけて出た相手がAIだったらどう感じるだろうか?
正直な話、コンピューターに「申し訳ございません」と言われても
腹の虫はおさまらないよな?
むしろ、オレなら余計にイライラしてしまいそうだw
オレは外国人同士がコミュニケーションを取る時に
一番心の距離が近くなる瞬間は「現地語」で話すことだと思ってる。
あなたが道で会った外国人から道を尋ねられる際に
「Excuse me. May I ask you a direction?」と
英語で尋ねられてそのお礼に「Thank you!」と言われるよりも、
「アリガト、ゴザマス」と言われたら、日本人なら誰でも嬉しいと感じるだろう。
結局、こういった心の交流というのは、
直接言葉を交わすことでしかできないとオレは思うんだ。
AIの英語自動翻訳機の登場で、英会話の価値はますます高まる
オレはむしろ、AIの英語自動翻訳機をみんながバシバシ使うようになれば、
英会話ができる人の価値がブチ上がると思っているんだ。
英語の勉強をできればしたくないと思っている日本人は、
鬼のように進化した自動翻訳機を見たら、
「ああ、これでクソッタレな英語学習から開放されるわw」
と喜んで使うはずなんだ。
けど、ここまで語ってきた通り、結局は自動翻訳機は「感情を伝える」ということはできない。
ということは、共感も一切できないということになるよな?
その気になれば、適切なタイミングで謝罪を入れる機能をもたせられるだろうが、
世の中で誰もコンピューターの謝罪を求める人はいないから、実質存在しないのと同じだろう。
下手をすると、英語学習者の数は今より減るというシナリオもワンチャンある。
そうなれば、英会話ができる人は希少性が高まって、
ビジネス市場で有利に働くことが想像できるよな?
これはあなたのように、英語の勉強を真剣にしてきた人にとっては朗報だと思うんだ。
たとえば「時計」を考えてほしい。
今や時計なんて工業製品でしかないので、工場で大量生産される代物だ。
けど、スイスの高級時計は、職人さんが針の穴を通す勢いで精巧に作っている。
その結果として、1つ1,000円で時計が買える時代に、
職人さんが作った高級時計は何百万円もするんだ。
ものの本質的な価値は、「需要と供給」で決まることは誰もが知っていることだよな。
世の中で最も価値が高い商品は「きれいな水」だけど、供給量が多いから価格は安い。
けど、なくても困らないはずの「ビンテージワイン」は数に限りがあるから、メチャメチャ高いんだ。
自動翻訳機の登場で、生の英会話ができる人が減れば、
市場価値を押し上げてくれる可能性があるとオレは思ってる。
オレの話が聞く価値のない与太話か、それとも正しいのか?
あと10年もすれば、自動翻訳機の性能は完成に近づく。
答え合わせはその時になるだろう。
今から楽しみだ。
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