今回は40代/50代から一生英語力が伸び続ける人、永遠に伸びない人の違いに付いて解説します。結論、「中高年だから英語が伸びない」は100%間違っています。正しい認識は「英語に年齢は関係ない。伸びない人は10代でも伸びないし、伸びる人は60代以降でも伸びる」です。「若いころに比べて単語がまったく覚えられない…」「いまさら始めても手遅れなんじゃ?」というのは年齢という因子を原因と思い込んで、本来やっていたら成功したであろうチャンスを捨てているのと同じです。
なぜ世の中にそう思い込む人が多いか?という疑問は明確。「年齢」が原因と考えれば、努力しない自分を正当化でき、心を傷つけずに現実逃避できるからです。つまり、英語から逃げていたのは何を隠そう、あなたの弱い心ということになります。
本当の違いは「年齢」ではありません。中高年になっても英語がぐんぐん伸びる人と、やってもやっても伸び悩む人、この差を5つの科学的アプローチで証明できます。
さらにこの動画はChatGPTやネット記事では出てこない、「受講生を何年も毎日見続けた黒坂のリアルな肌感覚による結論」も、しっかり盛り込んでいます。この動画を見た後でも「伸びないのは年齢のせい」にできたら大したもんです。それくらいロジカルで言い逃れできない出来に仕上がっています。あなたは現実を受け止める準備は出来ましたか?ではいきましょう。
目次
第1章 「伸びる人」は“脳の使い方”が違う
「伸びる人は頭が良い」みたいに言われますよね?確かに生まれつき、記憶力や計算能力が優れているというのも事実ですが、それ以上に能力を決めてしまう決定的に重要なことがあります。それは「自分の能力は伸びる」と信じているかどうか?です。
コラコラ、そこ「信じる者は救われる的なオカルトキタコレ」と喜ばないでください。大丈夫、この動画ではパワーストーンの代わりに、あなたを科学でぶん殴ります。スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授はグロースマインドセットを提唱しました。この研究は、「人間の能力は努力や学習で伸びると信じている人ほど、実際の成果も大きくなる」というものです。
「いやあ、まだまだスピリチュアルくさいんですけど」と思っているのも無理はありません。でもね、あなたの目を覚まさせるためにあえて厳しくハッキリ言ってあげましょう。むしろそう考えるあなたの方がよっぽどカルト宗教くさいと。だって“英語なんて自分には無理”が口癖の人って『努力せずに諦めろ教』の信者でしょ?こうなったら救いようがない。一生信者たちで円陣組んで『ムリポダメポ…』と永遠に唱えとけ。
心理学の世界には原因帰属理論という考え方があります。簡単に言うと原因をどこに求めるか?ということです。
- 間違いや失敗を「自分は呪われているので悪いことしか起きない」と考えるか、もしくは「成長のチャンス」と捉えるか
- 新しい課題を「うわ、また嫌なイベントが起きた」とげんなりするか、もしくは人生のスパイスとワクワクするか
このように何かしらの原因を生まれつきの運命と考えるか?もしくは冷静に解決するべき課題と考えるか?という”メンタル設計”の違いです。つまり、一生の伸びる人は、「自分は人生の脚本家」と考え、運命決定論者は、「人生は神様の書いた脚本」と考えます。あなたはどっちですか?
中高年になってケアレスミスが増えると「やっぱりもう歳かな…」とあきらめるのは運命決定論者的、宗教的な思想です。何でもかんでも年齢のせいにするやつの脳みそはWindows95でアップデートが止まってますね。その一方で冷静に考える人は「失敗は仕組みに問題があるので、改善すればいい」と冷静に考えます。どちらがスピリチュアル的かは一目瞭然ですね。
たとえばダイエットに失敗している人が「自分は生まれつき、デブになる運命だから」となんの努力もせず、暴飲暴食をしていたらあなたも普通にその思考は間違っていると分かるはずですよね?いやいやお前の先祖はバターの精霊かよって言いたくなりません?
でも人間はみんな強い主観の生き物なので、自分の英語学習になると「運命決定論者」になりたがるんですよね。「英語はもう遅い」と言うなら客観的、科学的に遅くない派の理論を覆す根拠を示すべきですが、それをする人を見たことがありません。厳しい事を言うと、自分の創意工夫や努力不足を年齢のせいにして、自分の気持ちが楽になりたいからそう思い込んでいるだけなんですよね。そりゃあそう思い込めば頑張らなくてもいいから気持ちは楽ですよね。でも本当にそれでいいんですか?後で後悔しませんか?
第2章 「英語を学ぶ自分」というセルフイメージ
年齢に関係なく、一生成長し続ける中高年は、英語を勉強する自分という強烈なセルフイメージを持っています。正直、これがある人はめちゃくちゃ強いです。「自分はこういう人間だ」という内なるイメージが、行動・思考・感情の全体に影響を与えることを心理学で「自己スキーマ」と呼びます。
この仕組みを分かりやすく説明する例として、アメリカのスタンフォード監獄実験で一躍有名になった「制服効果」という現象があります。ノースウェスタン大学の研究によると、白衣を着ると医療に関する意識が高まったり、スーツを着ると態度や集中力が変わるという実験結果があります。確かにパジャマやジャージより、しっかりとネクタイをしめてビジネススーツを着た方が仕事へのコミットメントは自然に高まりますよね。これは「この服を着ている自分=こう振る舞うべきだ」と、無意識のうちに行動を“なりきり”で変えていくからですね。さすがにトランプ大統領と交渉する時に、ドラえもんのパジャマで参加する政治家はいないと思うんですよね。
中高年でも英語を伸ばしてる人は、学ぶことが「自分らしさ」になっています。「自分は勉強を続けられる高次で知的活動を愛する人間だ。年齢を言い訳にするなんてカッコ悪い。人が勉強するのは当たり前」という思考です。勉強を努力する自分にプライドを持っているということですね。
こうしたプライドの高い人はあなたの想像通り、高学歴、高キャリアの人に多いです。でも彼らは生まれつきそうだったということではないです。人間はしょせん、環境の生き物、過ごしてきた環境で人格はほぼ決まります。彼らは難関校、一流企業で働く環境に身を置くことで、競争的で周囲も勉強熱心で努力家が多くなります。そうなれば自然に周囲の環境やマインドに触発されて、勉強にプライドを持ち続つに至るということです。
第3章 伸びる中高年は脳の理解が深い
伸びる中高年は脳の理解が深いです。その逆に勉強をやめてしまう、もしくは始めない中高年は脳機能の理解が出来ていないと言えます。
科学誌『Science』に掲載された論文「Age and Cognitive Skills」では、加齢によって落ちるのは“記憶力そのもの”ではなく、“記憶する頻度”であると報告されています。つまり、「最近覚えられない…」と感じるのは能力の劣化ではなく、“頭を使わなくなった”ことによる自然な鈍化です。だって考えてみれば英語やり直し組の皆さん、1日中勉強をしていた学生からどれだけブランクあると思いますか?そりゃ何十年もガリガリ頭を使っていなかったら錆びつきますって。でもこれは逆にいえば、脳は年齢に関係なく、刺激を与えれば何歳からでも再び伸びるということです。
脳は筋肉と同じです。使えば強くなるし、使わなければドラスティックに衰えます。しかも、年齢を重ねるほどその衰えは加速度的に速くなる。たとえば
✔ 若者が骨折してもリハビリで回復できますが、高齢者が転倒して骨折すれば、そのまま寝たきりになる可能性が高い
✔ 定年退職後に社会とのつながりを断つと、会話・判断・感情制御などの機能が一気に劣化する
✔ そして英語から離れた生活をしていれば、簡単な英語すら出てこなくなる
ですから、「年を取ったから勉強をやめる」のは間違いで、「年を取ったからこそ、衰えないように使い続ける」という発想が正しいです。
それから伸びる中高年は“脳を再配線”する勉強法が有効だと理解しています。これはどういうことでしょうか?人間の脳は本回線と呼ぶべき、主要な神経回路が年をともに衰えていきます。この本回線は、かつて若い頃に頻繁に使っていた記憶ルートや言語処理経路などで、年齢とともに伝達効率が落ちたり、情報処理が遅れたりします。
ほら!やっぱり!年を取ると脳がだめになるんだ、と絶望するのはまだ早い。ところが、知的活動を続けることで、“別の神経経路(=サブ回線)”を新たに構築できるということが、多くの脳科学研究で明らかになっているのです。
「本回線をサブ回線で補うって、どういうこと?」という疑問が浮かびますよね?たとえば
「昔覚えたはずの英単語が出てこない」 → でも、英文の反復リーディングで何度も見かけた結果、別ルートから記憶を取り戻す
「難聴で英語が聞き取れない」 → 文法理解と読解経験が積み上がることで、リスニングの音以外から“推測と文脈”で理解を補う
「英語の語順が瞬時に出てこない」 → よく使う表現を丸ごと覚えておくことで、脳内で作文せずとも“引き出して話せる”状態でスピーキングする
このように本回線が老朽化しても、新たな神経ネットワーク(サブ回線)で「代替」し「再配線」する仕組みです。
この章の内容をまとめると、「脳に年齢制限はない。あるのは“刺激”の有無だけ」といえます。記憶力が落ちたように感じても、それは「使ってないだけ」です。また、老化で衰えた本回線は、「再学習と繰り返し」によってサブ回線で衰えた以上に十分カバーできます。結論、英語を“脳に効く設計”で学べば、何歳からでも再成長できます。
第4章 伸びる人は“脳を伸ばす4つの習慣”がある
ここが意外と見落とされがちなんですが、英語学習の伸びには生活習慣がものすごく強く関係しています。脳から高いパフォーマンスを出すには、元々賢いとか脳が若いという以上に、脳の土台を整える必要があります。それは何かというと、運動・睡眠・食事・人とのつながりです。この4つが全部「脳の変化力」を支える“土台”となります。1つずつ見ていきましょう。
習慣1.有酸素運動
脳を成長させる習慣の1つ目、有酸素運動。
「いやいや、英語の勉強してるのにジョギング?」と思われるかもしれませんが、実は超関係あります。週150分程度の有酸素運動(ウォーキング・自転車・水泳など)をしている中高年は、脳の海馬と前頭葉が萎縮しにくくなることが、数々の研究で証明されています。「脳トレ教材を買うより、運動して脳に酸素を送れ」ということです。
習慣2.良質な睡眠
脳を成長させる習慣の2つ目、良質な睡眠。
中高年以降で意外に多いのが、睡眠の質の低下です。特に睡眠時無呼吸や夜中の覚醒、浅い眠りなどがあると、せっかく昼間に学んだことが夜の「記憶の整理タイム」に定着しません。2024年の最新メタ解析では、睡眠効率75%未満の人は、記憶テストで誤答率が26%上がるという衝撃的なデータもあります。「英語が覚えられない…」という方、睡眠時間を削って勉強するのではなく、しっかり寝てください。
習慣3.栄養豊富な食事
脳を成長させる習慣の3つ目、栄養豊富な食事。
「脳にいい食べ物」なんてあやしげに聞こえるかもですが、大丈夫何も売りつけません。これには信頼のできるデータあります。最近注目されているのが「地中海食+MINDダイエット」──つまり、野菜・果物・魚・ナッツ・オリーブオイル・発酵食品・全粒穀物などを中心にした食生活です。これを実践している人は、認知機能の低下リスクが30%以上減少するという研究も。
いやいや、そんな意識高い系までやれないって人はシンプルにいきましょう。ズバリ、「少食・野菜とタンパク質重視」これだけでも劇的に変わります。現代人は食べ過ぎです。「体にいいものを」ってやめてください。足すのをやめろ、引け。それがいやならピザでも食ってろデブ。
習慣4.孤独感を追い払う
脳を成長させる習慣の4つ目、孤独感を追い払う。
人間はどこまでいっても社会的な動物です。孤独感はタバコやアルコールより脳に悪いという研究データで世界中がざわついた、ということがありました。人と会話する、仕事仲間と話す、これだけでも脳の前頭葉が刺激されます。
「いやいや、黒坂さん。あなたいつも英語は独学でやるべき。群れずに一人で進めって言ってましたやん」という反論があると思います。大丈夫、矛盾しません。ポイントは2つあります。
1つ目は「独学」と「孤立」はカニとカニカマくらい似てるけどまったく別物、目指すべきは孤独であって、孤独感ではないということです。孤独とは一人でいる状態で、孤独感とは社会的なつながりを失っている状態です。勉強は本質的に一人でしか出来ませんから、四六時中誰かとべったりではなく、一人の時間を確保して勉強するということです。
ポイントの2つ目は、勉強以外の時間を充実させろってことです。たとえば時間を作りたいからと勤務先を退職して子供部屋おじさん状態になって勉強することはおすすめ出来ません。それをすると社会とのつながりが切れてしまい、孤独感に苛まれて勉強どころではなくなるからです。ですので、あくまで仕事や家庭で社会とのつながりを楽しみ、余暇時間を一人で勉強するということです。英語の勉強は孤独に、でも仕事やその他のプライベートでは社会とつながるという感じですね。
第5章 正直、個人差もあるという話
さて、5章は正直、お話するかどうか迷いました。できれば言わずに終わりたい。なぜなら「ぶっちゃけ、最後は個人差もあるよね」という4章までの話を覆すようなテーマだからです。でも自分に都合のいいことだけをいうYouTuberにはなりたくない。だからここは避けては通れません。正直、個人差は間違いなく存在します。
現実問題として同じ年で同じ先生から同じことを教わっても伸びる人がいれば、伸び悩む人もいる。これは事実です。とはいえ、絶望するにはまだ早い。この差は「才能」や「根性」ではないからです。
これは何かというと、「今この瞬間の努力では変えづらい“土台”の違い」です。たとえば、50代の人がこれまでにどれだけ脳を使ってきたか。健康状態、生活習慣、ストレス耐性、性格傾向─そうしたものは、すでに長年の積み重ねで差ができています。さすがに長年努力を続けてきた大谷翔平選手と今日から素振り始めた人とではスタートラインが同じというわけにはいきません。要するに同じ英語の勉強を始めるのでも、伸びる速さは違いが出るということですね。
でも安心してください。スタートラインが違っても、努力で伸びしろを変えることもまた事実だからです。そこを認めつつも、個人差について話をしていきましょう。
個人差1.体力格差
まず1つ目。体力が落ちると知的活動も落ちる。これは科学的にも証明可能な因果関係です。スタミナがある人ほど、脳に血液と酸素が回ります。しかも、前頭葉の萎縮や記憶系の皮質の薄化を防げることが研究で示されています。また、健康を害して糖尿病や高血圧などの生活習慣病も、脳内の微小血管障害を引き起こし、集中力や判断力を下げるので勉強のパフォーマンスを落とします。
でも現時点の健康状態や、生まれ持ったフィジカルの強さがあるとはいえ、何歳からでも体力づくりや健康習慣は作れます。黒坂はアラフォーから本気で体力づくりと運動習慣を作ったことで、20代の時より健康診断の数値はいいですし、若い頃より遥かに今の方が体力もあります。旅行で遠出に行くと20代の頃は必ず休憩が必要でしたが、今では旅行で1日2万歩歩いても平気です。
個人差2.好奇心
2つ目は好奇心の差です。たとえば、「好奇心が強い人」は、同じ学習をしても神経の再生マーカーが多く検出される、という研究があります。ごめん言葉が難しいよね。めっちゃ簡単にいえば、英単語1つとっても好奇心の強い人は同義語、反意語まで広く調べたり、異文化理解を深めたりということをします。ですから、英語という外国語が好き、というのは完全に才能の範疇ということです。好きじゃないものを好きになれというのは無理ですよね。
でも安心してください。始めた時は興味がなくても、伸びればその対象を好きになります。その反対に最初は好きでも伸びなければその対象を嫌いになります。ですから、伸ばせば解決します。黒坂は文章を読んだり書いたりするのは大好きですが、トークは全然得意ではないです。
このYouTubeも書いていたブログのアクセスが減ってきたから、仕方がなく動画発信をせざるを得なかったという方が正しいです。まだまだ小さなチャンネルですが、こうして動画を見てくれる人が少しずつ増えて励ましの声ももらえるようになったので、今でもしゃべりは得意ではないが少しずつ楽しくなってきた、という感じです。
個人差3.環境・社会資源
3つ目は環境・社会資源の差です。どういうことかというと、
- 時間に余裕があるか
- 経済的なゆとりがあるか
- 周囲に学びの理解者がいるか
- 学習コミュニティにアクセスできるか
これらはすべて「勉強継続の土台」になります。とくに中高年は家族の事情が絡むことが多いため、このリソース差は大きいです。時間もお金もなく、同居の家族から勉強を反対されている人と、全部が揃っている人とではどうやっても差がついてしまいますよね。
今回はいつもにまして科学的なアプローチでロジカルゴリゴリで責めてみました。これでもう「年を取ったから勉強できない」なんて未満児以下の言い訳をする人はいませんね。結局、する人はマクロ環境を気にせずします。やらない人は世界で最も恵まれた環境でもしません。だからやるかどうかを年齢のせいにしないで、自分で決めてください。
人間は生きられる時間が決まっています。英語の勉強に3年費やすなら、人生の3.75%の時間を使うことになります。どう生きても3年は3年。スマホいじってうんこして何もしなくても3年ですし、年齢を言い訳せず英語力をつける3年も同じ3年です。あなたはどう過ごしますか?もう答えは出ていますね?さあ、今すぐ勉強をしましょう。
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