あなたは次のような話を聞いたことがないだろうか?
「思うように伸びないなと思っていたけど、ある時濃い霧が消えるような感覚に包まれていきなりスイスイ英語がわかるようになった」
「何回受験しても低かったTOEICスコアが一気に伸びた」
また、あなたはこういうグラフを見たことはないだろうか?ドラマ・ドラゴン桜で紹介されてるもので、「成長曲線」と呼ばれており、「努力を続けていれば、ある日突然ニョキニョキっと春先のたけのこのみたいに英語力が伸びる」という話だ。
「ハイハイ、どうせ英会話スクールで勧誘するためのウソっぱちでしょww」と思ったかもしれない。でも、これらの話は「ブレイクスルー」と呼ばれる実在する話なんだ。そして自分も経験したし、オンラインスクールの受講生からも「本当にあるんですね!」と体験談をもらっている。現在、英語の勉強をしているあなたにも、このブレイクスルーは起きる。だからもしも、今あなたが伸び悩んでいても諦めずに頑張ってほしい。
ブレイクスルーの起こし方の結論を一言でいうと「基礎をしっかり固めて、丁寧に大量インプットをすることで起こせる」。ただし、これだけ聞いて動画を閉じて、間違った勉強法をすることになりかねない。間違ったやり方だと、何年やってもブレイクスルーが起きないので気をつけてくれ。
今日のお題目はこれだ。
1.ブレイクスルー体験記
2.ブレイクスルーの正体
3.ブレイクスルーを起こす英語勉強法
4.失敗する「やってはいけない勉強法」
5.英会話のブレイクスルー事例
6.終わりに
この動画を最後まで見れば、論理的になぜブレイクスルーが起こるのか?を生まれたての赤ちゃんにも理解できるレベルで話す。また、あなたは成果を焦らずブレイクスルーを心待ちにして、勉強できるようになる。では、始める。
目次
1.ブレイクスルー体験記
まずは、ブレイクスルーって何モンやねん?という人のためにいくつか実例を紹介しよう。
自分自身のケースで言えば、英語の勉強を独学したときは、まず英単語と英熟語、英文法を身に着けた。この段階まではあまりブレイクスルーを感じたなかったけど、一番実感したのは英字新聞を読んでいた時期だな。初めて英字新聞を手に取った時は、1ページ読むのに1時間とかかかっていた。わからない英単語だらけで、英字新聞特有の見出しの略し方などが理解できず、「本当にスイスイ読める日が来るのだろうか?」と不安だったのを覚えている。しかし、日々読めば読むほどグングン実力がついていくのを感じた。最初は1時間かかっていたのが、1週間、1ヶ月、3ヶ月と経過するごとにドンドン速くなっていくし、読み続けると英単語力が雪だるま式についていった。読んでいた当時は、中国の反日運動が激化するニュースが何度も取り上げられていたので、「anti-Japanese demonstration(反日運動)」「rage(怒り)」「violence flares(暴力事件が発生する)」といった表現は自然に覚えられた。
また、他の人の事例で言えば英語多読のマンツーマンコースの受講生で、基礎課程が終わり英検2級に挑戦してもらった。最初は語彙問題を5問間違い、そして長文を5問間違いだったけど、わずか1週間後にはすべての長文問題で全問正解を取るほど一気に伸びた。今の話は過去動画で詳しく取り上げていくので、よかったらそちらを見てくれ。
この他にも、東大や難関大学医学部受験生などの合格体験記で、「高校3年の夏休み以降に、偏差値が一気に伸びた」というブレイクスルー話が取り上げられている。
さらに英語に限らずブロガーとかYouTuberなどでも一気に視聴者が増えたり、スポーツでも一気に上達を実感するなど様々なケースがある。
こんな感じで、ブレイクスルーはあるかないかでいえば「確実にある」ということは断言できる。問題は、そのブレイクスルーが現在英語を頑張っているあなたの身に訪れるかどうかだろう。次の章では、なぜブレイクスルーが起きるのか?ということを話す。
2.ブレイクスルーの正体
ブレイクスルーとは、それまで伸び悩んでいた状態から、一気に爆発するように実力が伸びるというもの。それまで点と点で存在していた知識が線になり、面になる現象を言う。ある日、濃い霧で前が見えなかった状態から、一気に晴れたように理解できて世界が拓ける感覚になる。
これだけ聞くとまるで魔法のような話に聞こえて、不思議に感じられると思う。けど、本当に本当に厳密にいうとこれは勘違い。実際にはブレイクスルーが起きる前の「伸び悩み」の段階から、あなたはちゃんと成長していた。先程の事例で言えば、点や線は徐々に増えてたけど、絵には見えなかっただけ。つまり、あなたは成長の停滞期だと思っていたかもしれないけど、それは正確に認識できていなかっただけで、実は成長していたという話。
画像引用元:https://www.plannedcoincidences.com/single-post/2020/03/01/connecting-the-dots
これを実感するためのたとえ話をする。偉人にライト兄弟がいる。ライト兄弟は飛行機を飛ばしたことで有名だよな。けど、飛行機が飛ぶまでは失敗続きで、周囲から「夢みんなドアホ」とバカにされたいた。けど、彼らは成功して飛行機を飛ばした。何度も失敗していた彼らも、ふわっと浮いて空を飛んだ瞬間は「ブレイクスルーした!」と感じたはず。でも、実際には、失敗続きの間も徐々に改善が続いていたはず。最初は手も足も出ないところから、徐々にタイヤと地面の摩擦が減っていき、瞬間的に宙を飛ぶ回数が増えて、最後の最後にふわっと浮いて成功した。つまり、本当の本当に厳密に言えばブレイクスルーなんてないという話。単に大きな実績となって目に見えたから感じられただけのこと。
英語学習も同じで、点でバラバラになっていた知識が強力に結びつき、線になり、面になる。その時から分からなかったことが分かるようになり、一言も出なかった英語が口から出るようになる。だが、実は伸び悩み時期の間も着実に成長していた。
多くの人は実感できず、成長していないと見限りをつけてやめてしまうだけだ。つまり、ブレイクスルーというのは、神様からの忍耐力を試すテストに過ぎないってこと。
3.ブレイクスルーを起こす英語勉強法
さて、ここからが本題中の本題になる。ブレイクスルーが起きる勉強法があるので、それを解説しよう。冒頭に話した通り、結論「基礎をしっかり固めて、丁寧に大量インプット」をやることでブレイクスルーを起こせる。
これはスマホで例えるとわかりやすいと思う。スマホは便利な機器だけどこれを作るにはCPU、メモリ、ストレージ、カメラ、液晶ディスプレイなどの部品が必要になる。さらにそれを組み立てる技術力が必要になる。いや、それだけではなく、iOSとかAndoroidといったソフトウェアも必要。どれか1つでも欠けると、スマホとして動作しない。ただのでかい文鎮に成り下がる。
英語力も同じで、英単語、英文法、英作文、発音、異文化理解、自分の意見など様々な部品を組み合わせて即興で作る行為。1つでも部品が足りないとあなたが思うような英会話はできない。たとえば英単語がわからないと、発音が上手でも一言も話せないし、英単語力がすごくあってもそれを正確に理解する英文法力がなければ、ブロークンイングリッシュになるし、ネイティブの英語を理解できない一方通行の会話になる。ここまで話を聞いて理解できたと思うけど、最初からブレイクスルーは起きない。あなたはまずは英語の基礎力を身に着け、発音を理解し、大量のインプットをすることでようやく使えば使うほど一気に英語力が伸びるブレイクスルーが訪れる。つまり、良い家はしっかりとした土台の上に建っているのと同じで、良い英語力もしっかりとした基礎の土台を固めることで初めてできる。ここまではかなり長い道のりになる。
だが、土台ができた後の勉強は成長は速い。大量インプットをした後にアウトプット訓練をすると、初日はうまくいえなくても、1週間後には短文で自分の意見を正確に出せるようになるし、1ヶ月後には英検などの試験に耐えうるシロモノになる。過去の受講生を指導していても、英検の2次試験に「準備期間は1ヶ月でいい」と伝えている。「まだ全然アウトプットやっていないのに大丈夫ですか?」と不安だと言われるけど、大丈夫だと伝えている。教えた通りの勉強法を徹底することで、本当に1ヶ月後には合格してくれるし、「1ヶ月ですごく伸びました」と連絡を頂けている。これこそがブレイクスルーの正体。
今いった勉強法について、過去に英単語、英検、リーディング、リスニングなど個別に動画を作っているのでよかったら概要欄から見ておいてくれ。
4.失敗する「やってはいけない勉強法」
これまではブレイクスルーの起こし方を紹介したけど、その逆にブレイクスルーを起こす上で、やってはいけないことをまず紹介しよう。
それは将来的に線や面としてつながらない勉強をすること。その典型例が、フレーズを丸暗記する英会話実践訓練。これはどれだけ時間をかけても、永遠にブレイクスルーしない。その根拠を述べていく。基礎力がない状態でフレーズの練習をしても、「寝不足です。」と言えても「寝不足です。昨晩は10時には寝るべきでした。」という仮定法の文章は絶対に言えない。英会話のフレーズのパターンは無限大にあるけど、その都度フレーズを1つずつ丸暗記して対応するというやり方では、永遠に終わらない。Aというフレーズは言えてもAのフレーズを仮定法で言い換えることはできないので、まったく上達を実感できずお金と時間を膨大に消耗して挫折する。知識の点を増やしても、それがお互いに結びついて線になり、やがて面となって頭の中に巨大な知識の図書館ができるような勉強をしないと、ブレイクスルー体験は永遠に訪れない。
最終的に目指すべきは、英語で自分の意見を即興で言えることであり、あなたが目指すところとしても「ペラペラと流暢に自分の言いたいことを英会話でやり取りする」という領域のはず。でもこれをするには、色んな知識が必要になる。
5.英語で実演!ブレイクスルー事例
ここからは、具体的なブレイクスルー事例をご紹介したい。
ネイティブから質問をされて、あなたが英語で回答するイメージをしながら聞いてくれ。
レベル1.(シンプル)
質問:What do you do on your days off?(休日は何をしていますか?)
回答:I play tennis.
(テニスをしています。)
レベル2.(厳密化)
質問:What do you do on your days off?(休日は何をしていますか?)
回答:I often play tennis and also chat with friends at cafes.
(よくテニスをしますが、友達とカフェでおしゃべりもします。)
レベル3.(意見)
質問:What do you do on your days off?(休日は何をしていますか?)
回答:To be honest, I should be more spending my time on improving my programming skills, because I am currently working as a programmer. But in reality I am spending time on what I want to do and rather than what I should do like I play tennis and chat with friends at a cafe.
(本音としては今やっているプログラミングのスキルアップに時間を使うべきなのですが、実際にはテニスをしたり、友達とカフェでおしゃべりをすることもあります。やりたいことに時間を使い、やるべきことを優先できていない状態です。)
このように段階アップしていく。英会話スクールや語学留学でたくさんフレーズを増やせば、非常に時間をかければレベル2まではいける。だが、少しでも変化球になるといきなり出なくなる。たとえば、レベル2の「友達とカフェでおしゃべりもします。I chat with friends at a cafe.」を「友達と街でブラブラすることもあります。」とか「昔は友達とカフェでおしゃべりをしていましたが、最近はその機会が減りました。」に変えようと思っても、「ブラブラする(hang out with someone)」というフレーズを知らないから言えなかったり、「昔はそうしていたけど、最近は変わった(I used to, but that’s changed recently.)」という厳密なことを言えない。
6.終わりに
ブレイクスルーに必要なことは2つある。
1つ目は「正しい勉強法」。点と点が線になるような勉強をする。まずはしっかり基礎を固めることが最優先。そして多読を経てたくさんインプットをして、アウトプットは最後。このルールを守る。
2つ目は「忍耐」。正しい勉強法で、分量をこなせば英語は必ず出来るようになる。問題はそこに至るまで、90%の人が自分で諦める。その最大の理由は「忍耐力」が足りないことにある。英語は時間がかかる。勉強を始める前にあなたが思っていた計画通りに進まない事が多い。だけど、現実を受け入れて人生一発逆転ホームラン的な思考を捨ててコツコツ取り組めば必ずブレイクスルーの瞬間は訪れる。
色々といったけど、結局は「腰を据えてしっかりと基礎を固めて、たくさんインプット学習をしよう。成功するまで焦らず、長期戦で諦めるな」といつも言っていることに行き着く。結局、英語学習の成功には裏技みたいなものはまったくなくて、愚直に質の高い勉強をしましょうということ。
参考になれば幸い。
コメントを残す