今回は人気の英熟語テキスト5冊の比較と力のつく勉強法ロードマップ完全解説としてお届けする。英熟語テキストが世の中にたくさんあるけど、一体何がどう違ってどれを買えばいいかわからない。とか、速読英熟語と英熟語ターゲットはどちらを買えばいいですか?といった質問が毎日毎日郵便受けにツッコまれている日が続いている。そこでこの動画では世間的によく売れていて人気の高い5冊の英熟語テキストを取り上げ、何がどう違う?どう活用すればいいか?ということを解説していく。
まず1章で人気の英熟語テキスト全5冊の特徴を解説、何を買えばいいか?という結論とその理由までしっかり出す。2章では最も効率的に力がつく英熟語の勉強法として具体的におすすめの英熟語テキストをどう活用して勉強すればいいかを解説する。この2章立てで話をする。ではいこう。
目次
1章 人気の英熟語テキスト全5冊の特徴を解説
さて、第1章ではどの英熟語テキストを買えばいいか迷っている人も多いと思うので、それぞれ英熟語テキストの強みを解説する。一通り全部解説した上で、結局どの英熟語テキストを買えばいいか?という結論と理由をしっかり渡す。最初に答えだけいうと、1冊目のテキストには速読英熟語、もしくは英熟語ターゲットRを買って勉強。2冊目は英熟語図鑑か丸暗記ゼロのイディオムマスターを辞書的な位置づけで買うのがいいと思う。なぜそう思ったのかも含めて解説するのでぜひ見ていってくれ。ではいく。
1.速読英熟語 2024年改訂版
1冊目は速読英熟語。2024年2月に23年ぶりに改定され、英語長文70本、4コマ・イラスト 4本の大ボリュームで全ページ作り直し。短くて印象に残りづらい短文の例文だけが収録されたものと違って、知的好奇心を刺激する興味深い記事ばかりを収録しているので内容が頭に入りやすい上に面白い英文の内容を楽しみながら学習ができる。リーディングを繰り返し反復することで自然に頻出で実用的な英熟語を頭に入れることができ、仕上げに英語音声のリスニングを入れることで完全に本書の英語長文と英熟語をまるごと頭に入れることができる。2000年版と2024年度版のテキストの違い、どちらを買えばいいか?効果的な勉強法は?こうした疑問については別途過去動画で解説してるのでこちらを見てくれ。
2.解体英熟語 改訂第2版
次は解体英熟語 改訂第2版。このテキストの特徴はズバリ、英熟語の網羅性。今回紹介する5冊の英熟語テキストの中でも最もページ数、収録語数のボリュームが多い。網羅性が高いのでこの1冊に収録されている英熟語を暗記できれば、語彙力不足で困ることはそうそうない。その一方、よく使う頻出でない英熟語も含まれるので、いつまでも完全な暗記を追いかけ続けると逆に非効率になりかねないのであくまで頻出英熟語だけカバーするようにしたいところ。加えて、初級、中級レベルの英熟語はカバーされているけど、英検1級、準1級レベルの上級者レベルの英熟語となるとこれだけでは足りないので文で覚える単熟語でプラスで補強が必要になる。
それから他の英熟語テキストと違って、この本はあくまで問題集。今画面に出しているように、見開きページで左側が前のページで出題された問題の答え、右側が問題という構成になってる。そのため、1問解く度に次のページを捲って答え合わせ、解説を読み、それが終わったらまた前のページに戻って問題を解く繰り返しでページをいったりきたり忙しくなるので使い勝手が悪いと感じる人もいるみたい。
また、問題を解く過程ですでに暗記した英熟語の記憶のヌケモレや知識の定着化を促進する2冊目のテキストとしておすすめであり、本書はこれから英熟語を暗記したい初心者向けではない。
画像引用元:解体英熟語 改訂第2版 Amazonサンプルページ
3.英熟語ターゲット1000 5訂版
3冊目は英熟語ターゲット。人気の英熟語テキストといえば、まず名前が上がるのが速読英熟語とこの英熟語ターゲットと言われるほどで、いわゆる英熟語界の2大巨頭。ジャンプの漫画でいうドラゴンボールとワンピースみたいなもの。この書籍を神テキストと崇め奉る熱狂的なファンもいて、少しでも批判的な事を言うとオイテメエどこ中よ?と昭和の不良みたいに怒られるので注意が必要。大丈夫、この動画では悪口を言うつもりはない。さて、出版元である旺文社はこれまで、数多くの大学受験対策、英検対策を手掛けており、これまで蓄積した膨大な大学入試のデータベースを活用することで、厳選した頻出英熟語が重要度順に並べて掲載されているので効率よく学べるというのが本書の特長。収録されている英語例文もレベルが高く、近所の駄菓子屋で売られているけったいな英熟語テキストと違って、しっかり印象に残る英語例文が収録されている。
画像引用元:英熟語ターゲット1000 Amazonサンプルページ
英熟語ターゲット1000は単調な短文が続くので飽きやすいという批判の声もあるけど、それを補うのが姉妹本である英文で覚える 英熟語ターゲットR。こちらはZ会の速読英単語、速読英熟語シリーズと同じような構成で英語長文の文脈を通じて暗記ができる。また、英熟語ターゲットRは英熟語ターゲット1000の頻出英熟語を網羅しており、英語音声付きなので速読英熟語と同じように使える。個人的には英熟語ターゲット1000よりRがおすすめ。
画像引用元:英熟語ターゲットR Amazonサンプルページ
4.英熟語図鑑
4冊目は英熟語図鑑。これは他のテキストと違って機械的な暗記ではなく、映像で前置詞、副詞、基本動詞のコアイメージを掴むことを目指した本書のタイトル通り英熟語の図鑑。たとえばoffのコアイメージは離れる。似たものにaway離れるがあるけど、awayは徐々に離れていくのに対して、offは瞬間的にポロッと離れるというニュアンスの違いがあるといったことも学べる。
画像引用元:英熟語図鑑 Amazonサンプルページ
英熟語は似たようなものが多くてややこしくて混乱しがちな人は、特に暗記しづらいものをこの図鑑を使って映像で脳の奥底に叩き込むやり方がいいかもしれない。より詳しく、効率的な勉強法については過去動画で解説してるのでよかったらこちらを見てくれ。
5.丸暗記ゼロのイディオムマスター
最後に丸暗記ゼロのイディオムマスター。タイトルに「丸暗記不要」と書いてある通り、英熟語を力技で暗記するのではなく、あくまで読み物としてしっかり理解することで自然に頭に入れましょうというスタイル。また、収録されている英熟語は「こんなの使わんだろ」とツッコミを入れたくなるものはほぼなく、頻出で実用性の高いものをしっかり選ばれている。英熟語を読んで理解する、という意味ではこれ以上のテキストはないと思う。
じゃあ具体的にどんな感じか?いくつか具体例を見せて解説していこう。例えばturn off(電気、ガスなどを消す)という熟語は、スイッチのつまみをturnまわしてoffにする。なるほど、覚えやすい。それからlong for A Aを切望する。long=長いでなぜ強く望むという意味になるのかしっくりコない人もいると思うけど、まずはtoとforの違いを理解しよう。単に方向を示すだけのtoとは違って、forの基本イメージは求めて向かう。longは形容詞で長いという意味だが、動詞で長い期間切望するという意味がある。そんなlongとfotがくっついて長い期間切望するという意味になる。うわあ、これでもう忘れないぞ。
結局、どれ買えばいい?
結論、英語学習初心者でこれから英熟語をもりもり覚えていきたい!という人は1冊目に速読英熟語、もしくは英文で覚える 英熟語ターゲットRが良いと思う。黒坂自身、英熟語の勉強は速読英熟語のテキストを使ったのでそれを勧めてきたけど、英熟語ターゲットRでも同じ使い方で似たような結果を得られるのは間違いないと考えたのでおすすめさせてもらった。なぜこの2冊のテキストが最初に使う英熟語としておすすめなのか?その理由としては、英熟語の暗記は英語長文の文脈を通じたエピソード記憶が年齢や現在の英語力に関係なく再現性高く覚えられ、反復読みをする過程で自然に英熟語を含めた英語長文がそのまま頭に入るから。この2冊は元々、大学受験生向けに出版されたものではあるけど、40代、50代以降の中高年からの英語やり直し組にも使いやすく、実際この動画の視聴者のほとんどはその年代の学習者でしっかり英語力を身につけているんだ。
じゃあその他のテキストはいらないか?というとそんなことはない。実際、速読英熟語や英熟語ターゲットを繰り返し読む過程でなかなか覚えられない、厄介な英熟語が残る。そんな覚えにくい英熟語を効率的に潰して完全暗記をするために、補完テキストとして英熟語図鑑や丸暗記ゼロのイディオムマスターを辞書代わりに使って、覚えづらい英熟語を2冊目のテキストで完全理解をするために叩き込むというやり方もいい。あくまで英熟語を暗記する、という点だけ考えればこのやり方は効果的だと思う。
ただその一方で、暗記度合い0割を7割に引き上げるのは早いけど、7割を10割に引き上げるのは結構時間がかかるのも現実。だから自分は英熟語は7割くらい暗記したら、後は英文法の勉強をしてその後に英語を多読するステージへ移行することをおすすめする。多読で大量の英語リーディングを消化する過程で自然に8割、9割、10割と暗記度合いを高めて行くほうが全体的な英語学習効率は最大化されると思う。この当たりの学習ステップについてはこちらの過去動画を参考にしてくれ。
【40-50代初心者向け】英語をゼロからビジネスレベルにするロードマップ完全解説(リーディング/リスニング/英検/TOEIC)
2章 最も効率的に力がつく英熟語の勉強法
では次は2章、速読英熟語の勉強法完全解説をしていく。ここからの話がこの動画で一番重要になるのでぜひ最後まで見てくれ。使用テキストは速読英熟語、もしくは英熟語ターゲットR。どちらのテキストを使っても勉強法は同じ。結論、この英熟語を最大限、効果的、効率的に頭に入れるためには次の5ステップで取り組むのがおすすめだ。
1.開拓
2.反復リーディング
3.付箋貼り
4.リーディング&リスニング
5.シャドウイング
ではいく。
1.開拓
まずは開拓だ。今回おすすめするテキストはどちらも1ページ目の左側に英語本文、2ページ目の右側に日本語訳、3-4ページは英熟語の解説という構成になっている。まずは「開拓」。買ったばかりの新品のテキストに、書き込みをして使いやすいようにカスタマイズしましょうということ。赤太字の箇所は英熟語の意味が掲載されているけど、特にピックアップされていない細黒字の部分の分からない英単語と英熟語、テキスト右側の日本語訳ページの余白に書いておく。これをすることで辞書なしでテキスト1冊あれば、どこでも勉強できる状態を作る。右側ページを見ればすぐに答えがわかるのでおすすめ。
2.反復リーディング
次に反復リーディング。開拓が終わったら後は反復で何度も読む。その際、読み方としては英単語を見て、日本語の意味を思い出す。思い出せなかったらすぐに右側ページの日本語の答えを見る、ということを繰り返すやり方。たとえばwhat is~likeは~はどうなっているのか?~ってどんな感じ?という意味になる。英熟語だけでなく英単語も暗記をする。その次のinsideは内部、your brain、brainは脳みそ。こんな感じ。
1単語、1熟語を見て日本語の意味を思い出すのにかける時間はMAXで10秒間。それ以上時間をかけずにとにかくスピーディーに読んでいく。こうすることで短期間に何度も同じ英文にアタックすることができる。人間の脳は繰り返し入力される情報に対して「これは重要な情報」というタグをつける。それを活用して、とにかくスピーディーに反復でリーディングする。
これはエビングハウスの忘却曲線という図なんだけど、一度暗記した内容を時間を置いて再度インプットすると思い出せる。忘れる→思い出す。これを繰り返すと徐々に内容がしっかり暗記できて知識として定着する。だからよく「一度暗記したことを忘れてショック」という人がいるがおかしな話で、勉強はして知識をつける過程で忘れることを前提に戦略を組むのが普通。忘れてもまた思い出せばいい。しかも忘れたと本人はいってるけど、100%完全に消滅することはなくて、記憶の核というか小さな粒が残る。反復する過程で徐々にその粒を雪だるま式に大きく太らせていけばいい。
3.付箋貼り
3つ目は付箋貼り。反復リーディングをする過程で知識として定着したところとそうでないところにわかれてくる。ひたすらNO.1から全章繰り返すのは効率が悪いので、1つの長文の中で覚えていない英単語、英熟語が5個以内になった長文は合格とし、それ以外の覚えていない単語と熟語が多いページには付箋を貼っていこう。全ページ同じことをして、付箋を立てることができれば今度はその付箋が立っているページだけ反復する。こうすることで暗記度が低いページだけを集中的に反復できるから効率的になる。内容の暗記が進んで覚えてない単語と熟語が5個以内になったらそのページは付箋を取る。全ページ付箋が取れたら次へ進もう。
4.リーディング&リスニング
4つ目は反復リーディングをして、半分以上英単語を暗記できた章については、英語音声を使ってリスニングをする。その際、テキストを開いて目で英文を追いながら耳からリスニングをする。速読英熟語、英熟語ターゲットRは2冊とも英語音声がついてくるけど、速読英熟語の場合は読み上げ速度はスロースピードとナチュラルスピードの2種類がある。で結論はナチュラルスピード一択。理由はスローで始めてしまうと今度はナチュラルに切り替えるタイミングを図らないといけないという新たな判断、決断が必要になるし、繰り返しリスニングすれば速度に慣れてついていける。だから最初からナチュラルでやるのがよく、どうしても聞き取りが難しい箇所だけスローを使うのがおすすめ。で、反復リーディングのやりこみが足りない場合はリスニングをする際の英語音声が速すぎて置いてけぼり状態になったりする。その場合は最初に英文を黙読で普通にリーディング。その後にリーディング&リスニングをすればいい。多くの学習者がイメージするところの耳だけでリスニングはやらなくていい。こちらの過去動画で解説した通り、英語はまずはリーディングありき。リーディングができなければリスニングは絶対にできない。初心者の段階ではリーディングがおぼつかないので、むりにリスニングができる状態を目指すと逆に遠回りになる。だからあくまでリーディング&リスニングという考え方を持とう。
【最も効率的】英語4技能「読む/聞く/書く/話す」の正しい勉強の順番(リーディング/リスニング/ライティング/スピーキング)
これで目で覚えた英単語を耳からリスニングをすることで暗記の定着になることと、正しい発音の勉強になる。さらにリスニング対策にもなるのでメリットが多い。
5.シャドウイング
最後にシャドウイング。ここまでできれば理想的ではあるものの、シャドウイングはかなり難易度が高くて初心者は英語を発音する口の筋肉が育っていなかったり、リスニングの完成度がまだまだ低かったりすることが多いのでここから先はやりこめば行けそうと感じる人だけでいい。これはやってもついていけなさそうだとか、口だけ動いてるけど肝心の内容が頭にぜんぜん入ってきてないと思うならやめた方がいい。なぜなら英語の勉強は「内容の理解できることを反復することで知識に定着化する」という前提があるから。この前提ルールを無視してろくに意味を介さずに英語をスピーキング訓練をしても何の効果もなく時間の無駄になるのでここは気をつけてほしい。たまに英会話ができるようになりたい焦る気持ちが強すぎて実りのない努力をやらかしてしま人がいる。そこを踏まえて頑張ればシャドウイングできる人向けに一応やり方を解説する。4でリスニングの完成度を高めたら、最後の仕上げにシャドウイングをする。シャドウイングには段階があっていきなりテキストを見ず、耳から聞こえてきた英語音声をシャドウイングするということは初心者にはできない。なので、まずは「.(ピリオド)」までで短く区切りながら練習するのがおすすめ。ピリオドで区切って一文単位でスイスイスピーキングできる状態ができたら全体を通してやることでスムーズなシャドウイングの完成になる。
今回は以上だ。世の中には有象無象たくさんの英熟語テキストがあるけど、今回紹介した人気英熟語テキストレビューのおすすめの書籍を買って勉強してもらえば脱初心者をして中級者、上級者へステップアップしていくことができる。最後まで見てくれてアザス。ほなまた。
コメントを残す