今回は英語独学を支援する最強ツール ChatGPTを使った勉強法について解説していく。この動画の参考図書は野口悠紀雄さんの書かれたChatGPT 超勉強法。本書の中から特に英語学習者の役に立つ内容を取り上げていくんだけど、なんと本書は以前に紹介したことのある社会人も英語をゼロから独学でやれ!超「超」勉強法の続編という位置づけなんだ。前回の本が出たタイミングでは、まだまだChatGPTが出たばかりで有効な活用法が開拓されていなかったけど、そこから1年が経過してChatGPTはどうやら英語学習者が独学する上でめちゃめちゃ活用できるツールだというイメージが見えてきた。
あなたがこの動画を見るメリットは、ChatGPTを英語を独学していくうえでめちゃめちゃ活用できるツールだということが分かる。動画を見終えた瞬間から今すぐ使える具体的な活用法も解説するのでぜひ最後まで見ていってくれ。今回の内容は次の通りでお届けしていく。
1章 英語の独学者にとってChatGPTは最強のツール
2章 ChatGPTの英語独学活用法
3章 生成AIがあれば英語学習は不要か?
ではいく。
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目次
1章 英語の独学者にとってChatGPTは最強のツール
さて、第1章ではChatGPTを上手に活用すれば、英語学習の独学者にとってまさしく最強のツールになるという話をしていく。過去にChatGPTや生成AIを英語学習に使えるという動画を出してきたけど、どうだろう?あなたは実際に活用できているだろうか?いやあ、それが…。うんわかってる。なんかちょっと触ってみたけどイマイチよくわからなかったんだよな。ちょっと触ってみたけどなんか普通にWikipedia見たほうが早くね?ってなったんだよね。分かる。実は最初はみんなそう思うんだよ。なんか世間で騒がれてるほどじゃねえなって。でもハッキリいう。多分それ上手に使いこなせてなかっただけだよ。ChatGPTは使い方には技術がいる。つまり、これからの時代は上手に活用できる人と、そうでない人は取り返しがつかないほどの差がつくよってこと。生成AIの活用法は車の運転と同じ、使えば使うほど上手になる。だから最初にやるべきことは2つ。上手な使い方を理解する。そして毎日使う。そうすればドンドン使い方が上達していくわけよ。まずはここをしっかり抑えていこう。なるほどよくわかった。
さて、上手な使い方を理解するためにも、最初に理解しておくことがある。それはChatGPTを使うべき科目と使ってはいけない科目があるってこと。そしてなんと、ChatGPTと最高に相性が科目はズバリ、英語なんだ。えーうそ、マジか?まじまじ。5教科でいうと一番いいのは英語と国語、中間に歴史や科学、そして天下のChatGPTが最も苦手な分野。それは医学や芸術などの実習が必要な科目、それから意外や意外にも特に数学は間違いがかなり多いから注意してという。えー?なんか我々の持っていた印象と真逆の結果じゃない?平気な顔して間違った答えを堂々といってくることがある。「1+1?ハハッ簡単すぎクソワロタw 答えは4さ!」いや、ワロスワロスていうてますけどホンマ、全然違いますやん!こういう間違った回答も普通にある。数学は様々な学問分野の中でも最も明確に答えが確立された分野だから、ChatGPTは得意中の得意だと思われた。しかし著者が検証したところ、ピタゴラスの定理の証明ができない。ツルカメ算の答えを間違える。連立方程式で間違った答えを出す。形式論理学についてよく間違えるといっている。間違いを指摘したら修正を出すけど、その答えもまた微妙に間違っていて何度も追加修正する必要があった。ChatGPTが教師、こっちが生徒だったのにいつの間にか立場が入れ替わってる。「これってもしかして…」「私たち…」「入れ替わってる〜!?」はい、完全に君の名はですね、お疲れ様でした。本書ではこれらの間違った答えを出してしまう現象を「ハルシネーション」を呼び、その原因はシンボルグラウンディング問題といって本書で詳しく解説してるけど、我々はAIエンジニアを目指す必要はないし、小難しいことはわからなくてもおk。とりあえず次のことだけ頭に入れておいて。1.ChatGPTは英語の独学と相性がいい。2.間違えた事をいうので鵜呑みにしてはいけない。これだけでいい。
じゃあ次に話をしていく内容は、このChatGPTの特性を最大限引き出すためのポイントを話していこう。誤解しないでほしいのは、ChatGPTはあくまでツール。ツールなので使い方が下手な人は活用できない。ChatGPTは使用者を映し出す鏡。つまり、使用者のレベルが高ければ高い結果を返してくれるし、逆も然り。じゃあ一体、どう使えばこのツールは最強になるのか?ここからそれを解説していく。さて、著者の提唱する超勉強法で独学するポイント、それは「パラシュート勉強法」。パラシュート勉強法を一言でいうと、「とにかくスピーディーにゴールまでなぞって全体像を把握した上で反復する」。数学や物理学は基礎概念を学んでから応用にいくべきというのが常識とされている。でも正直、この勉強法は効率が悪い。どんな教科でもいきなり基礎から始めるのは退屈だし難しい。たとえば微分法の基礎を初心者が完全理解するのは大変難しいし、英語をまったく手につけたことがない初心者がいきなり英文法の仮定法過去完了とか倒置を学ぼうと突撃しても手も足も出ない。勢いよく突っ込んで鼻血出してぶっ倒れるのがオチ。経験あるから分かるよね?普通のやり方は教科書を最初から読む。わからなければ辞書で調べる。そして最後に問題を解くという流れになるけど、この方法では全体像がつかめない。何が重要で何が重要でないかもよく分からない。パラシュート勉強法は全体像を持って進めるからこれらの問題は解決する。数学は微分法の公式を使って問題を解く数を増やして慣れる、英語ならまず大量の英文を繰り返し反復読みして英単語、英熟語、英文を頭に入れてから基礎を学ぶ。あらかじめ様々な英文が頭に入った状態で英文法を勉強すれば、知識ゼロから英文法を学ぶより効率的になる。英検対策なら、過去問を何度も繰り返し解くことで何が出題され、何を解けるようになれば合格するかが分かる。山登りをする上で頂上が霧がかかって見えないのを一歩一歩進むのはしんどい。でも最初にヘリコプターからパラシュートで山頂に降りて山のてっぺんから外界の風景を確かめながら降りるのは全体像という地図を持って進めるから断然簡単。
確かにこの独学法は大変効率的ではあるけど、独学だけではどうしても分からない課題にぶつかる。教師がついていれば質問をしてすぐ解決できる。だけど、独学ではその頼れる教師を準備するのが難しくて挫折してしまうこともあった。これまで独学では不明点については教科書や参考書に書いてあることを調べるしかなかったけど、そこに書かれているのは著者が読者に伝えたいこと。だけど、読者の欲しいこととは一致していないことも多い。検索も同じ。知りたいことを調べるために検索しても、検索語が含まれているページに自分が知りたいと思ってる内容が含まれている保証はない。この独学の弱点をChatGPTは完全解決する。AIは自分が知りたいことをピンポイントで答えてくれる。これは独学でわからなくて詰まることがもうなくなるということを意味する。人間は誰しも知的好奇心を持って生まれるのになぜ大多数の人は勉強が楽しくないと感じてしまうのか?その理由は情報のプッシュとプルで説明できる。プッシュは押す、プルは引っ張るという意味だよな。誰もが勉強と聞いて連想するのは、教科書を読んだり教師の講義を受けるという受け身のスタイル。情報のプッシュを受け止めるスタイルだ。でもその内容には自分が知りたい事以外も含まれているから、効率がいいとは限らないし知りたいと思っている以外の話を聞いてもつまらない。でも情報のプルは強い。自分が知りたいと思っている、聞きたいと思っている内容をピンポイントで受ける。だから面白いし楽しい。これまで、情報のプルはものしりな人間を捕まえて教わるしかなかった。だけど、ChatGPTは世界で最も一番知識がある物知り人間なので、24時間無料でいつでも聞ける状態になったと考えるべき。まさに勉強革命。だからChatGPTは情報のプル型の活用法をするという前提を踏まえて活用してくれ。
2章 ChatGPTの英語独学活用法
さて、第2章ではいよいよこの動画の本題、ChatGPTの英語独学活用法に付いて解説をしていこう。すでに1章で話した通り、生成AIは補助ツール。英語を独学する上では分からないことを聞く、添削をしてアドバイスを受けるといった使い方が一番ハマる。じゃあ具体的にどう活用するかを説明していく。
1.不明点を質問する
英語独学活用法1つ目は不明点を質問する。英語の勉強をしていて、不明な英単語の意味を尋ねる、英文法の解説をしてもらうというやり方だ。ただ思いついたことをそのまま入力しても「それ聞いてるんじゃないんだけどなー」ってズレた答えが返ってくることも多い。会社のオッサンに業務内容の質問をしたら昔悪だった武勇伝が返ってくるようなもんだな。そこでコツがある。いきなり質問を投げてしまうのではなく、「英語の勉強で分からない箇所を教えて下さい」と冒頭に書いて、その後に質問をすること。最初に「自分は今からこういう質問をします」と宣言することでChatGPT側もおう、ほんならワイは先生役をやればええんやな?と理解できる。たとえば「英語の勉強で分からない箇所を教えて下さい。he plays tennisとhe is playing tennisの違いはなに?」と聞くと、こんな答えが返ってくる。
「He plays tennis」という文は、その人がテニスを普段からする習慣があることを示しています。一般的な事実や習慣を述べるときに使われます。
一方、「He is playing tennis」という文は、その瞬間、つまり現在進行形でテニスをしていることを示しています。つまり、その瞬間に彼がテニスをプレイしている状況を表しています。
もちろん、この説明でも十分分かるけど、「英語の勉強を教えて。he plays tennisとhe is playing tennisの違いを小学生に分かるレベルで優しく解説して」と子供向けの説明に変えてほしいとリクエストをすることで回答が変わる。
「He plays tennis」と「He is playing tennis」の違いは、彼がテニスをする状況が違うことです。
「He plays tennis」は、彼が普段テニスをすることを表します。つまり、彼がテニスをする習慣や習慣があることを示しています。
一方、「He is playing tennis」は、彼が現在、その瞬間にテニスをしていることを表します。「is playing」は、現在進行形を表します。
例えば、もし彼が毎週土曜日にテニスをする習慣なら、「He plays tennis」を使います。でも、もし今日彼がテニスをしているなら、「He is playing tennis」と言いますね。
どちらも同じ彼の行動を表現していますが、違う時間の状況を示しています。
このようにより丁寧な説明に変わった。回答が難しい場合は「子供でもわかりやすく説明して」と書くといい。
それからChatGPTがテキストや辞書より活用できるポイントとしては、より踏み込んだ具体的な解説を聞きたい時なんだ。たとえばbeingについてテキストや辞書で解説を読んだけどイマイチしっくり来ない。そんな時は例文をつけてChatGPTに質問をしてみよう。「英語の勉強を教えて。beingの使い方がよく理解できていません。The house is now built.と The house is now being built. ではどんなニュアンスの違いがあるのですか?わかりやすく説明して。」こんな感じで質問をする。
「The house is now built.」は、家が完成していて、建築作業が終了したことを表します。つまり、家が完成した現在の状態を示しています。
一方、「The house is now being built.」は、家がまだ建設中であり、建築作業が進行中であることを表します。
前者は完成した状態を示し、後者は建設中である状態を示します。
こんな感じでテキストや辞書を見てもわからなかった解説を聞くのがおすすめだ。
2.英作文の添削
英語独学活用法2つ目は英作文の添削だ。ChatGPTが親父の後頭部のように最も光輝くのは添削をしてもらう時だ。特に英作文では鬼神の如き威力を発揮する。おすすめのやり方は1.自分で英語を書く。2.ChatGPTに添削してもらう。この流れが最強だ。まずは自分で英作文をしてChatGPTに投げる。「下記を自然な英文へ訂正してください。Japan is very clean country. There is no trash on roads. Tourists to japan say amazing.」かなり稚拙でaとtheの冠詞もない。ChatGPTからは次のように回答があった。
Japan is a very clean country. There is no trash on the roads. Tourists visiting Japan often comment on how amazing it is.
一読してわかりやすく、正確な英語になった。注目ポイントは2つ。1つ目は冠詞。日本人にとって冠詞は難しいけど、aもtheも入っている。それからもう1つはTourists to japan say amazing.という部分のsayをcommentに変えて、oftenを付け加えてしばしばこのような評価をするということを解説してくれている。非常にわかりやすいし正確性が高い。でもここで終わってはいけない。今後の学びにつなげるために解説を入れてもらおう。「ありがとうございます。私は英作文を勉強中です。今後の学びのために、原文の問題点を箇条書きで指摘してください。」このように続けて投稿すると次のような回答が返ってくる。
もちろんです。原文の問題点を箇条書きで指摘しますね。
「Japan is very clean country.」
「very clean」は形容詞を修飾するので、ここでは「very」の代わりに「a」が必要です。「very clean」の前に不定冠詞「a」を追加する必要があります。
「There is no trash on roads.」「roads」の前に冠詞「the」が必要です。道路全体を指しているため、定冠詞を使用して特定の道路を指し示します。
「Tourists to japan say amazing.」文法的に不正確です。「amazing」は形容詞であり、文には動詞が必要です。また、「Japan」は国名なので、大文字で始める必要があります。動詞の代わりに動詞句を使って文を適切に構成する必要があります。
このようにプロの添削者も泡を吹いてひっくり返るレベルで丁寧な解説を入れてくれる。
3.文語と口語の変換
英語独学活用法3つ目は文語と口語の変換作業だ。自分がしる限り、これは他の生成AIでここまでできるのはChatGPTくらいだと思う。日本語も英語も文語と口語がある。日本語で言えば文語体は「~である、~だ調」などの口調とか、後は口語だと絶対にという言葉を必ずと言い換えたり、どんどんを急速にといった言い方になる。英語も同じ。話し言葉ならではの表現としては、I mean,(つまり)。これは強調、訂正、補足として口語で使うけど文語ではあまり使われない。後はGot it.(分かった)Beautiful!(きれい!)みたいに主語が省略される。後は文語と口語、それぞれで使われる語彙もある。たとえば書き言葉はfrequently、話し言葉はoften。書き言葉はfurthermoreだけど話し言葉はbesides。こんな感じになる。たとえば先ほどの日本はきれいという文章を話し言葉に変えてみる。
この英文を文語から口語の英語に書き換えてください。Japan is a very clean country. There is no trash on the roads. Tourists visiting Japan often comment on how amazing it is.
このように指示を出すと次のように答えが返ってきた。
Japan is super clean, you know? Like, you won’t find any garbage lying around on the streets. People who come to Japan for a visit always say, “Wow, it’s so clean here!”
口語の砕けた表現をそのままEメールやビジネスチャットで使うと不適切になる、その逆も然りなのでChatGPTで適切な言い換えをしてもらうといい。
4.英文の要約
英語独学活用法4つ目は英文の要約だ。英語ニュースとか英字新聞の英語記事を多読リーディングしている人もいると思う。本当に自分は正しく読解できているのか?と不安になったら、記事をChatGPTに貼り付けて「500字前後で要約して」と指示を出せば短く要約してくれる。もしくは「内容を箇条書きにして」と頼めばさっと箇条書きにしてくれる。
5.専門分野の学習
英語独学活用法5つ目は専門分野の学習だ。専門分野の勉強は英会話スクールではできないし、これまで独学も難しかった。たとえばutilityという単語は電気・ガス・水道という意味が一般的だけど、経済学では効用という意味になる。それからprogressiveという単語は前進するという意味だけど、税金の世界ではprogressive taxで進歩的な税ではなく、累進課税という意味になる。それから会計や法律などの専門分野の問題集を解いて学ぶ場合も使っているテキストでわからなかったらお手上げ状態になることも多かった。でも、ChatGPTはこの問題さえも解決する。
たとえば米国公認会計士試験でAuditing and Attestation(監査・証明)のマルチプルチョイス、選択肢問題を解く時は「Tell me the correct answer and give me the reason why.」とつけてそのまま問題文を投稿すると回答とともに解説も返してくれる。
問題:An entity prepares its financial statements on its income tax basis. The accompanying notes include a summary of significant accounting policies that discusses the basis of presentation and describes how that basis differs from GAAP. The dollar amount of the effects of the difference between the income tax basis and GAAP
Select an option
1.Is required to be included only in the auditor’s report.
2.Is required to be included only in the notes to the financial statements.
3.Is required to be included both in the notes to the financial statements and the auditor’s report.
4.Need not be quantified and included in either the notes to the financial statements or the auditor’s report.
ChatGPT回答:
The correct answer is:
1.Is required to be included both in the notes to the financial statements and the auditor’s report.
The reason for this is that when financial statements are prepared on a basis other than GAAP (Generally Accepted Accounting Principles), such as income tax basis, it’s essential for users of the financial statements to understand the differences between the two bases of accounting. Therefore, the effects of these differences need to be disclosed in the notes to the financial statements to provide transparency and clarity. Additionally, the auditor is required to report on whether the financial statements are presented fairly, in all material respects, in accordance with the applicable financial reporting framework, which includes disclosing the departure from GAAP in their report.
問題文引用元:米国公認会計士協会(AICPA)サンプルテスト https://www.aicpa.org/resources/article/get-familiar-with-the-cpa-exam-by-practicing-with-our-sample-tests
ちなみに米国弁護士試験、Bar Examの過去問を投稿しても答えと解説を返してくれた。海外の大学、大学院に留学したり、ビジネススクールで勉強中の学生は専門分野の不明点もChatGPTを使うことで突破することができる。
以上全部で5つの活用法を解説した。最初はうまく使いこなせなくても毎日使っていれば徐々に慣れていく。なぜならどう質問すれば自分が求める答えがスパッと返ってくるかがコツが分かってくるので、とにかく使いづらくても毎日使い続けることをおすすめしたい。
3章 生成AIがあれば英語学習は不要か?
最後、第3章ではChatGPTのような生成AIがあれば英語学習は不要か?ということを考えていこう。実際、このチャンネルの視聴者からも「今頑張ってる英語の勉強はむだにならないでしょうか?」と不安を感じる相談を受けることも増えてきた。ChatGPTは翻訳だけでなく、内容の要約もできる。もはや外国語の文献を読むのは英語力がまったくない人にも可能になった。著者はChatGPTの利用方法のアンケート行ったら、「外国語の翻訳と内容の要約」という結果が最も多かったそうだ。みんな英語でガツガツAIを活用してた。これまでは英語の勉強の必要性は誰も疑わなかった。ところが生成AIが発達したことでこれが崩れた。英語を使えることが本当に価値があるのか?戦後の日本人が始めて生まれた疑問だ。もうChatGPTがあれば、日本人は苦労して英語を勉強しなくても良いのでは?この疑いを持ったまま勉強を進めるのは難しい。でも大丈夫。結論、英語力も英語学習の必要性もまったくなくならない、というのが著者も黒坂も同じ意見を持ってる。ここからはその根拠を解説していこう。
まずはその理由を解説していく。結論次のとおりだ。
理由1.生成AIは距離感を理解できない
理由2.生成AIは責任を取れない
理由3.英語の必要性はなくならない
ではいく。
理由1.生成AIは距離感を理解できない
生成AIが発達しても英語の勉強の必要性がなくならない理由1つ目は、生成AIは距離感を理解できないから。ポケトークをはじめとした翻訳機は確かにある。でも言葉は生き物と言われる通り、額面通り相手の言葉をそのまま受け取ってはいけない場面はプライベートでもビジネスでも数多く存在する。たとえば日本人はビジネスの場でできないことを「難しい」という言い方をする。これをそのまま翻訳機にかけると「It’s difficult」と出てくる。でもアメリカ系の職場で働いたら分かるけど、これをそのままいってもニュアンスは伝わらないし、好ましい言い方とは受け取られない。提案が受け入れられない場合でもI’m afraidとかUnfortunatelyという言い方をしながら、前向きな代わりの提案をする姿勢がいい。
“I’m afraid that won’t be possible, but we could explore alternative plans.”
(それはできないと思いますが、しかし、代替案を探ることはできます。)
“Unfortunately, I won’t be able to accommodate that request. However, we might be able to find another solution.”
(残念ながら、そのリクエストを受け入れることはできませんが、しかし、別の解決法を見つけることができるかもしれません。)
それから相手との立場の違い、距離感によっても使う言葉や単語が変わってくる。でもそれらをAIはそうした相手との距離感などは一切考慮できない。ビジネスコミュニケーションで求められる本質は、相手の文化を理解した上で交渉や意見交換がスムーズになるように適切な距離感を意識した丁寧な会話。
理由2.生成AIは責任を取れない
生成AIが発達しても英語の勉強の必要性がなくならない理由2つ目は、生成AIは責任を取れない。仕事で一番大事なのは責任の所在地。たとえば文学作品の翻訳や映像コンテンツの字幕に問題があった場合、責任は翻訳者が取ることになる。責任を取る、というのは失敗したら賠償責任を受けるということだけでなく、間違いを発見した時に速やかに適切な修正をするということ。たとえば生成AIの作った翻訳である映画のワンシーンで表示された字幕が適切でないと問題になった場合、一体誰が修正をいれるのか?問題があったと指摘した視聴者か?いや、他の視聴者からは別の見解がなされる可能性がある。人によって見え方、感じ方が違う場合に最も合理的で妥当な結論を出すには、プロフェッショナルの力量を持ちなおかつ責任の取れる人間による判断が必要になる。なんで最終的にこの翻訳にしたのか?場合によってはその説明も必要になるよな?日本の大人気ゲームに生成AIで字幕を入れて海外に売り出した。差別的なニュアンスに受け取ったとクレームが付いたら、じゃあ誰が責任を取るのか?生成AI?それとも生成AIを使って字幕を入れた字幕職人?それともOKを出したディレクター?もしてや重要なビジネス取引の契約書とか文学作品、ビジネスの交渉は生成AIがすべて担うなんてあり得ない。もう一度いう。仕事で一番大事なのは責任の所在地。これが解消されない以上、通訳者、翻訳家の出番は確かに少なくはなるけど、全員がお払い箱になって肉まんのさきっちょをつねる工場で働くしかなくなるみたいな未来はあり得ない。今後、そうした仕事を目指すなら責任を取れる立場を目指せばいいということになる。それはAIができない分野だから。
理由3.英語の必要性はなくならない
生成AIが発達しても英語の勉強の必要性がなくならない理由3つ目は、英語の必要性はなくならないから。まず学生の立場では、入試問題で英語の試験をされる状況が変わらない限り英語の勉強の必要性は変わらない。海外の学校に行くにはますます英語が必要になる。さらに、社会に出てから英語が必要という状況はインフレと円安基調が継続するならこれまで以上に必要性が高まるということは疑いようもない。なぜなら日本人が日本語を使い続け、アメリカ人が英語を使い続けると言う状況は変わらないから。いや、アメリカ人だけでなく世界中英語圏でない国の人も英語を使う。グローバルを意識する中国人、韓国人は猛烈に英語を勉強をしてAIなどなくても英語を英語のまま理解できる状態で国際競争に出てくるのに、AIを使わないと何も対応できない、しかもAI故に誤訳のリスクを抱える日本人のためにわざわざ付き合ってくれるビジネスマンがいるとは考えられない。同じ条件なら、英語が得意なビジネスマンに優位性があるというのは誰がどう見てもすぐに分かる。日本人にとっては「英語を使えるのはとてもすごいこと」という認識でも、若い頃からビジネスの場を海外に求めて必死に戦ってる人にとっては「英語くらい独力でなんとかしろよ」という認識なので生成AIを使えば英語はいらない、と日和ったことを言う人にチャンスはないと思う。自分がAIを使いたくても相手がそれに応じてくれなければ意味がない。
今回は以上だ。ChatGPTの話が出る度に「もう我々は勉強しなくてもいい」みたいな話がたくさん出てくるけど、むしろこれ全然逆だと思ってる。理由が2つある。1つ目は勉強して知識をつけないとChatGPTは使えないから。愚問愚答という言葉がある通り、バカな質問をしてもバカな答えしか返ってこない。質問力を上げるには自分自身を賢くするしかない。加えて、ChatGPTは間違えた答えを出す。でもこれは生成AIがダメなのではなく、人間も堂々と嘘を言ったり、本人はうそのつもりでなくても間違った情報を出すのと同じ。フェイクニュース、都市伝説、陰謀論に騙されないようにするには知性が必要であるのと同じく、ChatGPTの間違った情報を鵜呑みにしないためには判断する知性が必要になる。それからChatGPTはあくまで情報を引き出すプルの力に長けているけど、何が問題か?どう聞けばいいか?は使用者のスキルがそのまま反映される。もう1つ、それは何を勉強するべきか?自分に必要なものはなにか?それは生成AIにも答えは分からないということ。例えば勉強でも興味の赴くままにどんどん進んでいけば良いと言うわけではなく、最も大事なのは自分が進んでいる方向が正しいか?ってこと。そもそもの方向が間違っていたら何の意味もない。その1つが英語の勉強。とにかく楽しいし面白い。英語に触れていること自体が幸せ。それなら大いに結構ドンドンやるべき。英語で叶えたい夢がある。ずっと憧れてた難関資格を取りたい。海外に移住したい。それも結構。でも楽しくもないし目標もないけど、やっぱ将来不安だし英語をやるべきですか?って人、立ち止まって考えた方がいいと思う。非効率なこと、公開のないことを効率的にしようとする人は大変多いが、そもそも非効率だったり必要性がなければ今すぐその活動自体はやめるべき。でもあなたが英語をやるかどうかの判断はあなたにしかできないことなんだ。今後もドンドンAIは進化していく。この動画の内容が初期のサザエさんのように古臭く思える時代が必ずやってくる。でも一つはっきりしていることがある。それはどんな未来になろうとも、我々人間は勉強し続けるしかないってこと。今後はAIを使いこなす知恵を磨く必要がある。だから今日も頑張って勉強していこう。ほなまた。
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