今回は2024年10月に発売したばかりの英単語帳DUO BASICの特徴を解説、独学勉強法と効果的な使い方完全解説というテーマでお届けする。
最初に結論を言うと今回のDUO BASICは「買い」といわせてもらいたい。ただし条件付き。おいおいマジかよ、庭で雨ざらしになってるバイク売ってその金で即買いするわ!って鼻息荒い人、ちょっと待ってくれ。いま言ったでしょ?「ただし条件付き」って。というのも、本書は英語学習者全員におすすめできるわけではなく、ピンポイントでピッタリハマる英語学習者にはおすすめだけどそうでない人は見送りでいいってこと。
ここまでの話を聞いたあなたの関心事はわかる。ズバリ、僕私におすすめなのかい?おすすめじゃないのかい?どっちなんだい?ってことでしょ?知ってる知ってる。この動画で誰がこのテキストを買いなのか?って結論と根拠をしっかり説明する。加えて、本書を使ってどう勉強すれば最も効率的に身に着けられるか?について独学でできる効率的な勉強法も解説をするのでぜひ最後まで見てくれ。
でははじめよう。
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目次
1章 DUO BASIC デュオベーシックの特徴を解説
さて、具体的な勉強法の前に、そもそも他の英単語帳テキストにはない、DUO BASICならではの特徴って何?ってことを解説するのでその話を聞いてくれ。結論次の3つがある。
特徴1.効率的に英単語、英語フレーズを暗記できる
特徴2.英会話で使える口語表現が多い
特徴3.英単語、英熟語の網羅性が高い
では1つずつ解説をしていこう。
特徴1.効率的に英単語、英語フレーズを暗記できる
え?効率がいいとってどゆこと?そのように感じた人も多いと思うので、ここからは一般的なテキストとDUO BASICを比較して解説しよう。これは実際にDUO BASICから引用した例文だ。
“Get up, Bob! You’ll be late for school again. Hurry up and get dressed.” “I’m already up! I’m coming.”
このように短い一文の中に、重要表現がいくつも掲載されてる。具体的に見てみると、get up、you’ll be late、hurry up、get dressed、I’m comingこのようにたった1文の中に5つもの重要語彙、表現が入ってる。しかも、ただ英単語だけを無理やり詰め込んでSNSの嘘松話みたいな不自然の漂う英文ではない。DUOシリーズはアメリカの大学教授3名を含む15名のネイティヴと共に完成させた「暗記する価値のある英文」を元に作られて、英文には不自然さや違和感がまったくない。ということは?そう、つまりは頭に入れた英文を英会話のアウトプットにそのまま使えるってことなんだ。これはいい。
そして一般的なテキストの場合、重要語彙の数だけ例文があることが多い。普通のテキストだとGet up.(起きろ)。こういう短文が1文につき重要単語が1つあるって感じだよな?結果として頭にいれるべき例文の数も多くなる。従来の英単語だと500本の例文からは500語の重要語しか覚えられなかったけど、でもDUO BASICはここが違う。わずか240の英文を覚えることで、例文の何倍もの数の重要語彙や表現を頭にいれることができる。この本には英単語1200語と基本英熟語と文法項目600語が詰め込まれてる。
しかも従来のDUO3.0ではテキスト1周回すのに約1時間かかっていたものが、このDUO BASICではわずか27分間と半分以下の短時間で周回できる。あら、忙しい現代人に嬉しい配慮! ということは?そう、1日30分確保してこのテキストの英会話フレーズをぐるぐる回して頭に叩き込めば、日常英会話に必要な語彙力、英語フレーズを身につけられるって話。
画像引用元:Amazon DUO BASICサンプルページより
特徴2.英会話で使える口語表現が多い
DUO BASICはお硬い書き言葉の英文ではなく、英会話でそのまま使える口語表現が多く収録されてる。実際にDUO BASICで使われているフレーズがこちら。
Don’t be afraid of making mistakes.(間違いを恐れるな)
Give me fire more minuites.(後5分ちょうだい)
正直、このフレーズむちゃくちゃ使う。黒坂自身、アメリカの大学留学中や外資系企業で働く時にこのセリフは何度も言われてきたし、逆に自分も言ってきたので肌感覚レベルでも日常的に使う即使える英会話フレーズがしっかり収録されていると感じる。
過去動画、捨てる英語勉強法の藤岡さんのエピソードで解説した通り、BASICに限らず、DUOシリーズにはよく使う英会話フレーズが収録されていて、それをそのままひたすら反復して内容を暗記したことで、一気に英会話力を高めたという話がある。頭に入れておく価値が高い例文が収録されていると思う。
【捨てる英語勉強法】40歳を過ぎて英語をはじめるなら、TOEICの勉強は捨てなさい 著 藤岡頼光さん(初心者/英会話/50代)
特徴3.英会話でよく使う英単語、英熟語
DUO BASICはざっくり中学3年までの英語レベル、英検3級程度、TOEIC400点前後の内容となってる。え?なんか思ったより、レベルがクソしょぼくない?って思ったかもしれない。その気持ちはわかる。確かに本書を使っても、大学受験、英検対策、TOEIC対策で効果絶大、とか適当な嘘は言わない。あくまで日常英会話を時短で身につけるのに最適な位置づけのアイテムと理解してくれ。イメージ、本書はチャーシューから魚の骨ごと切れる万能包丁ではなく、小さなフルーツをカットするのに特化したペティナイフみたいなものだと思ってくれ。
さて、ここからは今の話の根拠を解説しよう。言語学の世界では「英語の語彙はピラミッドのように構成されている」という考え方があって、最も頻繁に使われる単語が英会話の大部分を占める。英会話データを分析する研究をコーパス研究というけど、アメリカとイギリスの研究機関が行った大規模コーパス研究では、ざっくり次のような語彙カバー率がデータとしてあると言われている。
上位1,000語:日常会話の約75%をカバー
上位2,000語:日常会話の約90%をカバー
つまり、中学英語で学ぶ2000語を暗記すれば、90%の会話をカバーできる。そしてこのDUO BASICでは本当に日常的によく使う英単語やフレーズに特化して収録してるので、この1冊を仕上げればほとんどの日常英会話に対応できるよねという話。
誤解のないように話をしておくと、今の話はあくまで「日常英会話レベル」ってことであり、「ビジネス英語」ではない。英語の洋書を読む、外資系企業で英語を使って働く、海外の英語YouTube動画を楽しむには2000語では全く足りない。これまで一貫してお伝えしてきた通り、人生を変える英語力はビジネス英語を目指せという主張も変わらない。なので「お前これまでビジネス英語を身に着けろって言う取ったやんけ」と怒らないでほしい。これまでの主張は変わらない。でも、あくまで海外旅行を楽しむとか、インバウンドの訪日外国人をおもてなしする宿泊業、飲食業、簡単なツアーガイドの仕事をこなすという話なら、2000語をしっかり使いこなす訓練を積むことで十分英会話の対応ができるってこと。
参考までに話をすると、DUOシリーズには一つ欠点というか問題があって、それが分作商法。DUOと一口に言っても、DUO3.0、DUO selectとDUOカード。DUO elementsとDUO elements mini。そして今回発売したDUO BASICに加えて、おまけに音声CDの種類まで分作しまくりでゲーム会社のアトラスも腰を抜かすレベル。「お前! 金か! 結局、金がほしいんやろ!」そうやってDUOの胸ぐらを掴んで壁ドンしたい気持ちはわかる。でもDUOを責めないであげてほしい。世の中にまだダイバーシティという言葉がない時代から英語学習者の多様なニーズ、学習スタイルにあわせてテキストを細かく作りわけを続けた結果、東京の新宿駅地下街のように複雑怪奇でどれが自分に合うのかわかりにくい状態になってる。
そこで過去動画では全DUOシリーズを一挙に解説し、結局どれを買えばいい?って結論を出しているのでこちらもあわせて見ておいてくれ。
2章 DUO BASIC デュオベーシックの効果的な使い方と独学勉強法
さて、2章ではDUO BASICの効果的な使い方と独学勉強法に付いて解説をしよう。正直、この章がこの動画で一番重要な話のオンパレードになるので、ぜひ集中して最後まで聞いてくれ。結論、次の4ステップで勉強するのが最も効率的に本書の内容を頭にいれることができる。
準備と前提
ステップ1.精読リーディングを反復
ステップ2.リーディング&リスニング
ステップ3.シャドウイング
ステップ4.オーバーラッピング
ではいく。
準備と前提
まずは準備と前提に付いて解説する。最初にハッキリいうけどDUO BASICは知識ゼロの人向けのテキストじゃない。レベル的にはすでに英検3級程度の英語力が必要。このテキストは知識をつけて英語力を伸ばす本ではなく、すでにある英語力を知ってる状態から使える状態にランクアップする訓練用の教本だと思ってくれ。ちなみに今言った英語を知ってる、わかる、を英語ができる、使えるに変えるのに必要な話はこちらの過去動画を必ず見ておいてほしい。英語を「知ってる」から「できる」までにはかなり遠い距離があって、リーディング、リスニングができてもライティング、スピーキングができない人はたくさんいる。具体的にどうすれば「わかるをできるに変えられるか?」を理解して勉強しないと時間の無駄になる。
さて、話を戻すけど、知識ゼロで英語のことは何もわかりません、という人が買っても無駄になる可能性が高い。なので、本書を手に取る前に必要な準備と前提は「本テキストの英文を読みこなせるだけの基礎を作ってから」ということになる。この先で解説するステップもこの前提がありきと考えてくれ。
ステップ1.精読リーディングを反復
まずは精密に英文の構造や英文法を理解しながら正確に読む、という精読リーディングを反復して力をつけていく。これがファーストステップになる。最初はわかりにくい英文の構造とか、語彙力不足で頻繁に読みが停滞してしまう部分があっても1回1回丁寧に読んでいくことで徐々に速くかつ正確に読む力が備わっていく。
ステップ2.リーディング&リスニング
一通り精読リーディングができて、正確かつ速く読める速読力がついたら次は英語音声を使おう。耳だけで英語をリスニングするのではなく、あくまで本書テキストを開いて英文を目で追いながらなおかつ耳で英語音声をリスニングするというハイブリッド型でインプットをしよう。こうすることで、わずか27分間でテキストの内容を1周できるのでスピーディーな反復訓練になる。さらに英語を目で見るだけでなく、耳からもリスニングすることで記憶の刺激になるので英単語や英熟語の深い暗記につながるメリットがある。
慣れない内はリスニングをしながら「ん?この英単語、英熟語はどういう意味だっけ?」ととっさに自信がないものに出くわしたら、必ず英語音声を一時停止して目検で意味を確認しよう。それを繰り返していくと、次第に英文の暗記が促進されて慣れればイチイチ一時停止をする必要がなくなる。
ステップ3.シャドウイング
リーディング&リスニングに慣れたら次はシャドウイングをしよう。シャドウイングは目でテキストを読み、耳から英語音声をリスニングし、そして口から英語の発音をすることで英文を更に深く記憶の血肉化をすることができる。加えて、本書は英会話にそのまま使えるフレーズの宝庫なので、口で英語フレーズを覚えてしまったらそれを英会話に使えばいい。DUO BASICはシャドウイングの完成までやり込もう。
ステップ4.オーバーラッピング
最後にオーバーラッピングだ。オーバーラッピングとシャドウイングの違いは、シャドウイングは英語音声を聞きながら少し遅れて英語の発音を聞こえたまま真似をするのに対して、オーバーラッピングはピッタリ英語音声と自分の発音を重ねる発音練習だ。エヴァンゲリオンのシンクロ率100%をイメージしながらやってもらうといい。シャドウイングと違って、オーバーラッピングをするメリットはネイティブの英語音声と自分の発音を重ねることで、ちょっとしたズレを素早く認識することができる。
テンポがズレていたり発音が間違っていてもシャドウイングだと自分では気づきにくくて、できているつもりになりがち。でもオーバーラッピングではずれると自分でもすぐわかるので、そのズレを修正して正しい発音練習に軌道修正ができる。ちなみにステップ3と4のシャドウイングとオーバーラッピングについては、過去動画シャドウイング完全解説で非常に詳しくやり方を含めて解説しているので、ぜひこちらも合わせてみてくれ。
以上のステップがDUO BASICを使った独学でできる勉強法だ。自分が考えうる限りの最高の効率的な学習法だと思うので、ぜひ挑戦してほしい。
3章 DUO BASICはどんな人におすすめ?
さて、最後の第3章ではDUO BASICはどんな人におすすめか?について解説をしよう。結論、次の3つの内、当てはまる人には全力で勧めたい。
・高校受験を控えた中学生
・日常英会話レベルが必要な仕事についている人
・海外旅行や海外出張を控えて短時間で最低限の英会話が必要な人
逆におすすめしたいのは、これに当てはまらない人。つまり、外資系企業やグローバル企業で英語で仕事をするビジネス英語力が必要な人、英検準1級、1級、TOEIC900点以上欲しい人、海外留学で専門分野を学ぶ予定のある人だ。では1つずつ深堀りしていく。
おすすめ1.高校受験を控えた中学生
DUO BASICは公立高校入試9割以上考慮して作られた「中学卒業レベル」なので、本書を使って勉強をするだけで「高校受験対策」と「英会話訓練」になる。
世の中の多くの高校受験テキストは、知識をいれるという点では役に立つけど、実際の英会話では使わないようなヘンテコなフレーズが収録されていたり、話し言葉の口語ではなく、書き言葉の文語も多い。その点、DUO BASICは口語に特化したテキストなので、1粒で二度おいしい。現在中学生の人や、高校生になったけど中学英語をブラッシュアップして、英会話も伸ばしたい人には最適な一冊だと思う。うちの子供は現在、中2レベルの英語力があるので、もう少し鍛えて中学卒業レベルに達したらこのDUO BASICも使わせたいと思ってる。
おすすめ2.日常英会話レベルが必要な仕事についている人
先ほど1章で日常英会話レベルを身に着けたい人にDUO BASICはおすすめという話をしたけど、観光のお仕事やホテルスタッフ、飲食店で外国人を相手にする仕事は本書を極めれば十分対応できると思う。
最近、黒坂はよく旅行にいくけど、どこの観光地、リゾート地でも今どき外国人を英語対応するスタッフがいる。でも、正直彼らの英語力は「非常に高い」とまでは言えない。たまに英文法や単語の使い方の間違いもある。でも外国人は誰も気にしてない。大事なのは英語の正確さより、笑顔、おもてなしの姿勢、人柄の明るさの方が100億倍大事。そしてこうした仕事の英語は難しくない。Hello, and welcome to Okinawa tour.(こんにちは、沖縄ツアーへようこそ。)とかPlease feel free to ask questions at any time.(いつでも質問してください。)みたいに短文で簡単な英単語だけの解説がほとんど。
「インバウンドに関連する仕事は時給が高いし、毎日英語を使えるからやってみたい!でも日常英会話もできなくて不安」そういう人は本書を買ってやり込むことで、他のテキストを使って勉強するより遥かに短期間で日常英会話を操れるようになる。
おすすめ3.海外旅行や海外出張を控えて短時間で最低限の英会話が必要な人
黒坂が受講生から頂く相談に「毎日コツコツ勉強をしていたら、急に会社の出張で海外へ行くことになりました。出発まで1ヶ月しかないので、できるだけ時短で英会話身につく方法ありませんか?」といったものがある。
まず抑えておきたい基本原則として、英語は短期ではなく長期でも伸ばすもので正しい勉強法をコツコツ積み上げて、1年、2年かけて成長していくという前提がある。世の中の詐欺師どもは「最短最速で誰でも簡単に寝ながら身につく魔法の勉強法」みたいな嘘とデタラメとゴミカス詐欺詐欺ProMax商材を撒き散らしてるから、学習者から黒坂に英語の速習を聞かれるたびに「アホンダラ、そんなもんあるかい!地道にやれや」と叱りつけてきた。
でも、急な出張や海外旅行で最低限でいいから、なるべく時短で身につけたいという学習者の課題もあるし、なんとかして解決したいと考えてきた。そこでおすすめなのがまさに本書。自分は長期の英会話訓練には英語のハノンとかNHKラジオ英会話を使った勉強を勧めてるけど、即使えるフレーズだけを詰めたこんだ英会話が必要となればこのDUO BASICを勧めたい。わずか27分間でたくさんの英語フレーズを練習できるので、出発まで毎日やれば最低限の対応はできるようになる。
今回は以上だ。DUOシリーズは分作商法でどれを選べばいいかわかりにくかったり、他にも速読英単語みたいな人気シリーズとどっちがいいか迷う人もいると思う。でも、今回のDUO BASICはドンピシャでピタゴラスイッチ的にハマる人がいると感じたので該当する人は即買いを勧めたい。
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