オレだ。今回は「英語上達完全マップ」という伝説の書籍について取り上げたい。突然だが、あなたは次のような悩みを抱えていないだろうか?
「とりあえず英語ができるようになりたいけど、何からやっていいのかわからない」
「色んな教師が色んな意見をいっていて誰を信じたらいいのかわからない」
「英語学習を基礎レベルからスタートして、どういう道のりで上級者になればいいかわからない」
「一応、基礎レベルを乗り越えた中級者だけど、最近伸び悩む。何をどのくらいやればブレイクスルーする?」
もしもこの悩みに1つでも当てはまったら、この動画は必ず最後まで見ていってくれ。結論を先にいう。あなたの英語力が伸びない、何からやっていいかわからないのはスタート地点からゴールまでの地図を持っていないからなんだ。大卒後20年引きこもった子ども部屋おじさんが社会復帰する時は何からやれというだろうか?まずはコンビニで履歴書を買ってハロワにいって仕事へ応募する、これだよな?それと同じで腰を据えて英語学習に取り組むなら、何からやってどこを目指せばいいのか?という地図が必要になる。だけどここで問題がある。よく聞いてくれ。それは英語学習についてはあまりにも色んな情報がぶちまけられすぎて、誰を信じてどこにゴールがあるかがわからないってことなんだ。子ども部屋おじさんが勇気を振り絞って家を出たら、目の前にハロワが300個並んでいてどこに入ればいいか迷うというイメージに近い。でも英語上達完全マップという書籍はその迷いをサクッと解決してくれる。この動画では英語上達完全マップがどんな書籍なのか?ということだけでなく、本を手にとるべきおすすめの人、またこの本の効果的な使い方や勉強法についても解説するので「名前は聞いたことがあるし、前から気になっていたけどどんな本?」と疑問を持っている人はぜひ最後まで見ていってくれ。
この動画は次のような内容になっている。
英語上達完全マップはどんな本?
英語上達完全マップをおすすめしたい人
英語上達完全マップの勉強法と効果的な使い方
では順番に解説していく。
目次
英語上達完全マップはどんな本?
この本を一言でいうと「英語学習の地図」といえる。英語力ゼロの初心者がこの地図を手に取り、TOEIC900点以上取得するために必要な道のりを目指そうぜというコンセプト。イメージ、エベレスト登山をする上でルートを意識するのと同じ。高い山を登るのは結構危険で「ここは険しい崖が続くのでこっちの道じゃなくてあっちの道をいくべき」みたいにスムーズに登るためには登山の戦略が必要だよな?英語学習も同じで、「基礎を飛ばして進むと返って非効率になるので、まずは基礎からやろう」とか「海外へいくのはかなり英語ができる状態でなければ効果がほぼない」みたいな成功するためのルートがある。そのルートを教えてくれるというイメージを持ってくれ。この本の著者である、森沢氏は「英語の勉強を何から始めたらいいか分からない初心者、伸び悩む中級者へ明確な道筋を示す」といっていて、その言葉通りの本となっているんだ。正直な話、英語学習の世界はウソとファンタジーが広がっていて、あちこちで効果の怪しいけったいな詐欺教材がモリモリ生み出されてはドンドン消えていく。しかし、この本で語られている内容はどれもこれも本質オブ本質なんだ。「楽して英語力を手に入れる、は幻想」とか「目の青い外国人とキャハハウフフと会話して伸ばす」といった、ありもしないクソッタレな幻想をかったいあずきバー二刀流でぶん殴って完全に破壊してくれるんだ。「基礎を鍛えないで海外に行っても伸びない」「日本国内でも英語力は伸ばせる」といった地に足がついた話をしてくれる。ハロワにやってきた子ども部屋おじさんに「いきなり年収1000万超ホワイト大手企業を目指すのではなく、まずは小さな会社の正社員を目標に頑張っていこう」という現実的なアドバイスをするのに近い。この書籍は書店やAmazonでも買うことはできるんだけど、実は2004年にはすでにウェブサイト版が公開されていて、すでに20年近くが経過している。でも内容が本質すぎるので、令和の今読んでも全然古臭さは感じない。さすがや。
英語上達完全マップをおすすめしたい人
個人的にこの書籍は「英語がずっと苦手だったけど、どうしても英語を使う夢を諦めきれないので今度こそ本気でやりたい!」「1ヶ月聞き流せばペラペラ!みたいな詐欺師にうんざりしていて、現実路線で本当に伸びる英語学習法を学びたい」という人に手にとってほしい。また、初心者だけでなく「ある程度、基礎を頑張ってきたけど、最近伸び悩みを感じる。具体的にどのくらい頑張れば、英語力はどのくらい伸びるのか?」といった中級者レベルの人にも役に立つ内容となっているはずだ。反対に英検1級とかTOEIC900点超えに挑戦中の上級者の入り口にいっている人については、不要な一冊だろう。結論、英語力初心者から中級者の入り口くらいまでの人に役に立つ本なんだ。
繰り返すけどこの本は地図なので、もう山頂が見えている状態の上級者の人は買わなくていい。上級者は地図がなくてもゴールまでたどり着けるからだ。でも初級、中級の人は地図がないと正しいゴールも見えず、その道程も真っ暗な中を進むことになる。英語学習をする上では「このやり方がいいですよ」といったおすすめを鵜呑みにして勢いで走り始めてしまうのではなく、まずはゴールがどこで道のりはどこでどのくらい時間がかかるか?ということをやる前に把握してから進もう。そうすればムダに挫折や自信を失うということはなくなるだろう。
英語上達完全マップの勉強法と効果的な使い方
さてここからはいよいよ本題中の本題であり「英語上達完全マップ」の勉強法と効果的な使い方の中で「これは知っておくべき」という重要ポイントについてついて解説しよう。
1.英単語/語彙力(ボキャビル)
2.英文法
3.リーディング(精読/速読/多読)
4.リスニング
5.英会話(瞬間英作文)
ではここからはそれぞれ深掘りして解説していこう。
1.英単語/語彙力(ボキャビル)
著者は「英単語力はとにかく重要だ」と熱く主張されている。「言語統計上、よく使う5000語で全体の95%をカバーするというが、現実問題として残りの5%の語彙力不足で英語を満足に使えない」といっている。これは黒坂も激しく同意、略して禿同だと心から思う。成人した日本人はみんな99%の日本語は知っている。だけど、知識人や教養人、トップビジネスマンの対談やスピーチを見ればわかるけど、彼らはほれぼれするような表現力、的確な語彙力で雄弁なトークをしており、明らかに一般レベルを超えていると感じるはず。つまり、たった1%の語彙力の差が、言語能力に大きな違いを生み出すということなんだ。逆に言えば、単語力不足が大きければそれは明確に語学力のマイナスになるということ。たった5%の差だと侮ってはいけない。外国語である英語であれば、なおさらその差は大きい。だから英単語はとにかく鍛えて損はないという提案なんだ。
そして著者はこの本で「繰り返し読むことの破壊力」についても語っている。1回丁寧に読んだくらいでは記憶に残らないけど、2回、3回、4回と読むごとに徐々に英単語が記憶に定着したという体験を語ってくれている。著者は横浜の自宅からアルバイト先の渋谷までの電車の移動中に、10回以上読んだことでほぼすべての単語が瞬間的に思い出せる状態を作ることができたと言っている。語彙力アップをした後、その前は語彙力不足で濃い霧に包まれるような感覚だったアメリカのSF作家レイ・ブラッドベリの短編集は、語彙力の修行をした後に開いたら濃い霧が晴れ渡るような感覚でしっかりと内容を理解しながら読めるようになったという。
ちなみに今の「繰り返し読むことで自然に頭に暗記する」という勉強法については過去動画で詳しく解説している。よかったらこちらもあわせて見ておいてくれ。
2.英文法
英文法については「ネイティブは英文法なんて学ばないのに、完璧に使えている。英文法にかける時間と労力はムダ。とにかくたくさん喋り散らかしたら自然に身につくんだよ」という教師もいるけど、著者はこれを明確に否定している。もちろん、黒坂も「英文法不要論」はガッツリ否定したい。「母国語を身に着けるのと同じく外国語も学ぼう」という提案は一見、もっともらしく聞こえるしなんだか楽して身につきそうな雰囲気がバリバリ漂っている。日本人が日本語を学ぶ時も、文法を学校で学ばず流暢に日本語を話せるようになる。うちの子供も徐々に日本語をマスターしていっているけど、テニヲハを教えたことはないけど、幼児でもかなり大人びた発言をすることも多い。だけど、残念ながら母国語でできたことが外国語でそのままできるというわけではない。脳内では母国語と外国語は明確に区別されていて、特に成人した大人が外国語を学ぶ上では、英会話だけで自然に英文法を身につけられる人は一部の語学センスが抜群に優れた人だけだ。間違っても一般人が真似して「再現性がありまーす」みたいなウソっぱちはオレは言えない。だから大人になった日本人が英語力を身に着けるなら、英文法をちゃんと勉強した方がいいんだ。著者も「英文法を学ばず、英語力を身に着けるのはものすごく非効率。」といっている。
そして見逃せない点として、著者は「英文法で目指す最終ゴールは”解ける”ではなく”反応できる”こと」といっている。「僕”を”今日、朝ごはんを食べました」と聞けばあなたはおかしいと思うはず。瞬時に「僕”は”今日、朝ごはんを食べました」と正しい日本語に訂正ができる。でもなぜ「を」ではなく「は」になるのかを文法的に説明できないはずだ。大丈夫、オレもできない。でも日本人は日本語を正しく使える。英文法も同じで、「On arriving at the airport,」が正しくて「In arriving at the airport,」は見聞きした瞬間に間違いだと反応できる状態を目指していくのが理想なんだ。具体的な勉強法については、この動画で取り上げると膨大な分量になるので割愛するけど、本書で更に詳しく紹介されているのでぜひ見てみてくれ。
3.リーディング(精読/速読/多読)
リーディングについての解説だ。英語多読講師である黒坂はこのパートは気合が入るなw さて、著者の考えと黒坂の意見はかなり共通の部分がある。次のように箇条書きにしてみた。
・精読できなければ速読も多読もできない。まずは精読を目指せ。
・パラグラフ・ライティングみたいなテクニックばかり意識せず、まずは正確に読める状態を作る。
・英語上級者ほど膨大な大量リーディングの多読に英語力を支えられている。
・いきなり難しい海外洋書ではなく、語彙制限本や日本人向け英字新聞を素材に使う。
このどれもまったく禿同としかいいようがない。「日本人は読み書きばかりやっているから英会話ができない」と言われるけど、それは間違い。日本人は英会話はまったくといっていいほどできないけど、読み書きは基礎力もなく知っている英単語がチラホラある程度でしかないというのが正しい認識だろう。さらに「英語力で大事なのは話す力。読めることじゃない」という主張もあるけど、現在進行系で英語でビジネスをしている黒坂の立場からするとこれもガッツリ否定したい。特に世界的にリモートワークが定着した今、対面して英会話する機会はドンドン減っており、英語が読み書きできればいくらでも世界中に仕事が転がっているのが令和時代。英語の実用性という面で言えば「英語で一番役に立つのは読む力」だと断言させてもらう。
参考までに著者は40-50冊の洋書を読み続けた多読をしたそうだ。その結果、生きた英文の中で大量の英単語に触れて、それまでは単に丸暗記していただけの白黒写真のような英単語に鮮やかに色が入っていくのを感じ、実際に会話や読書などの文脈で理解したことでその英単語のニュアンスや個性をハッキリを理解できるようになったといっている。英語多読は英単語に命を吹き込み、使える英語として身に着けるのに最適だと力強く主張されている。著者によると、洋書や雑誌を英語原文で楽しんで読むためには12,000-13,000語くらいの英単語力があればいいと言っている。そして一旦、このレベルに到達して多読を続ければ、英文を楽しみながら自然に2万語、3万語と語彙力アップになっていくと主張している。
ちなみにこれ以上、リーディングについて話しだしたら2時間くらいかかってしまうので、今取り上げた内容に興味が湧いたらこちらのリーディングについての過去動画を見てくれ。あなたが抱える英語のリーディングについて完全に結論を出しているので間違いなく参考になるはず。
4.リスニング
著者はリスニングとヒヤリングを明確にわけていて「リスニング→集中して内容理解の努力すること」で、「ヒヤリング→聞き流し」といっている。そして効果があるのはリスニング一択で、物理的に英語の音を耳に入れるヒヤリングの効果はかなり限定的といっている。3時間ヒヤリングをするより、15分リスニングをする方が効果が高いという。生ビールと激安第3のビール、バターとマーガリンみたいな違いだと思ってくれればいい。
そしてリスニングをする上での注意点に「文字と違って聞いたそばから消えていくので、リーディングよりリスニングが難しい」といっている。これはつまり、同じ内容でリーディングすらできないなら、リスニングなんてとてもとてもできないということになる。リスニングが苦手な人は、とにかくたくさんリスニングを聞く、というのではなくまずはリスニングの英語スクリプトをリーディングできる状態である前提をクリアする必要があるんだ。そしてあなたがリスニングが苦手なら「英語の音が聞き取れない」のではなく「リスニングする速度で脳内で英語の理解が追いついていない」という可能性の方が圧倒的に高い。だからそれを埋める勉強をしてくれ。今いったリスニングについて話は、過去動画で鬼ほど詳しく解説しているのでよかったらこちらもあわせてみておいてくれ。
5.英会話(瞬間英作文)
英語に英会話については「瞬間英作文」と呼ばれるメソッドを勧めている。瞬間英作文は大ベストセラーになった書籍で、ボリュームもめちゃめちゃでかいのでこの動画では詳しくは取り扱わない。あくまで重要なポイントだけを取り上げていきたい。
著者が主張するのは「”分かる”と”できる”は別」ということだ。英語を聞いて分かる、見てわかる状態なのに同じレベルの内容を話して見せろと言われても一欠片も英語が口から出てこないという経験者は山ほどいるだろう。ガチのオタクとニワカオタクくらい違う。あなたもとっくにご存知の通り、まずはしっかり基礎を固めてインプットをした上で、最後にインプットした内容を発信できるようにアウトプット訓練をしましょう、ということなんだ。実際には拝金主義で不誠実な英会話スクールの口車に乗せられて「とにかく話す訓練をすれば話せるようになる」みたいに言われてやってみたものの、全然話せるようにならず「アウトプットとはすでにインプットしている知識を出す行為なの、そもそもインプットがなければアウトプットは不可能」ということを思い知ることになった人も多いはず。
そして「いきなり難しいことを話そうとするな」という提案も素晴らしい。日本人英語学習者の多くは、上級者の英語を見すぎているために「英会話というのは、アメリカ人のようなきれいな発音で長文を流暢に話せるようになるもの」という幻想を抱いて、いきなりものすごい長文を話そうとしてしまいがちだ。でもそれはやめた方がいい。まずはとても簡単でシンプルかつ短文を即興で出す訓練から始めるべきなんだ。高望みはやめて現実路線で地道に頑張っていこう。
英会話については、過去動画でNHKラジオを使った勉強法や、英語のハノンを使った勉強法で詳しく解説した。こちらも参考にしてくれ。
今回は以上だ。この本はウソとファンタジーと詐欺教材を大量に生み出す英語学習業界の中でも、めちゃめちゃ誠実かつ現実的な路線で上達を目指していくための地図なんだ。興味があればぜひ次の休日にでも書店へ見に行ってもらえればと思う。
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