今回は英語上級者と万年初心者の勉強習慣の違い インプット・ルーティンというテーマで話をする。英語学習者は伸びる人、伸びない人がいる。英検1級合格、TOEIC900点超えの英語上級者になるまで春先のたけのこみたいにグングン伸ばせる人と、一生初心者のままずっと停滞して伸び悩む人は一体、何が違うのか?これまで数多くの受講生を見てきた自分が感じる差はズバリ、インプット習慣にあるんだ。ええー、ちょっと待って。インプットはわかる。習慣もわかる。でもインプット習慣って何?そういう疑問が湧いてくるはず。この動画はこれまでの動画では取り上げて来なかった話のオンパレードになるので、損はさせない。しっかり見ていってほしい。
今回の参考文献はこちら。菅付雅信(すがつけ まさのぶ)さんが書かれたインプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ、という本だ。本書は数多くの天才クリエイターを育てたクリエイティブ教育に携わった誰よりも天才と凡人の差を見てきた著者が、「インプット習慣こそが天才と凡人を分ける差だ」といっている。この本は映画、美術、音楽といった主に芸術の分野を中心に話をしているけど、英語学習にも非常に通じる部分が多いと感じた。そこでこの本の内容を英語学習の内容にカスタム、略してウイングゼロカスタムしてお届けする。
あなたはこの動画を見ていただくことで、伸びる人、伸びない人のインプットの習慣の違いがわかる。特に勉強をして思うように伸びず、脱初心者に至らなくて困っている人には参考になる部分も多いと思うので、ぜひ最後まで見てくれ。今回の動画は次の内容でお届けする。
1章 あなたは過去のインプットでできている
2章 英語上級者を作る習慣/ルーティン
ではいく。
>>>インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。(著:菅付 雅信さん)
目次
1章 あなたは過去のインプットでできている
本書の書き出しは「アウトプットはインプットの量と質が決める。やみくもにアウトプットを増やしても成長しない。もしもあなたの現在のアウトプットに満足していないなら、インプットにこだわれ」とこういう始まり。うわ、これっていつも黒坂が繰り返しいってきたことと同じ主張じゃない?まんま同じだな。ちょっくら、著作権侵害で訴えてくるわ。
さて、著者は30年以上に渡って2000人以上のクリエイターと仕事をしてきた。映画監督、ファッションデザイナー、作家、グラフィックデザイナー、写真家、美術、アーティスト、建築家、音楽家、哲学者、ダンサーなど、その中にもとびきりの天才も数多く目の当たりにしてきた。そんなクリエイティブ教育に携わってきた著者はインプットがしょぼいのに素晴らしいアウトプットを出せる人は基本的に存在しないと言い切っている。いや、厳密な話をすれば、生まれつきの天才の塊みたいな人はたまにいて、若いクリエイターの中には斬新な作品を発表することもあり得る。だけど、そういう生粋の天才も一切インプットを磨かなければ結局、一発屋で終わる。優れたアウトプットを出し続けるには、どんな天才でもインプット習慣で自分を磨き続ける必要があるというんだ。なるほどなるほど。納得しかない。ずっと成功し続けてる人って、一人の例外もなく努力をし続けているもんな。
英語圏には「You are what you eat(あなたは食べたものでできている)という言葉がある。これは医食同源、良い健康を作るにはいい食事からという英語のことわざなんだ。オーガニックとかバランスの取れた食事をする人と、毎日ジャンクフードやコンビニ弁当を食べ続けた人とでは、やっぱり見た目や健康には大きな差がつくよね。そして、著者いわく、「You are what you read, see and listen(あなたは読んで見て聞いたものからできている)」もまた正しいだろうといってる。うわー、確かに。つまり、現在のあなたは過去に読み、聞いて、見てきたインプットの塊でできているということだ。ということは?そう、日々インプットする質が悪いと、あなたのセンスや技術も腐ってしまう。
これを英語で考えるとどうなるだろう?それは英語上級者になるような習慣、ルーティンとは「インプットするものは自分を賢くするもの、英語力を高めるものに限定。それ以外の情報は目と耳と口には入れるな」ということだ。インプットは脳みそ真空状態でやみくもに量を増やせばいいってわけじゃない。YouTubeでもブログ記事でも無料情報を「勉強」とか「情報収集」と称して片っ端から見まくって学んだつもりになるのが一番ヤバい。良質な情報もジャンクな情報もお構いなしにインプットするのは、健康になるためにオーガニック野菜を求めながら、モンスターエナジーや二郎系ラーメンを食べるようなもん。いやいや、魔人ブウじゃないんだから何でもかんでも口にしないで。でも世の中にはむちゃくちゃ情報が溢れかえっているし、何が正しくて何が間違ってるかよくわからないという人もいると思う。どうしたらいい?
著者はその疑問に対してこういう。多くの人は「いいもの」を求めるが、上級者を目指すなら「すごいもの」を意識してインプットする必要があると。え?いいものとすごいものって、エビフライと海老天くらい大体、同じですやん?と思ったかもしれないけど実はそうじゃない。いいものというのはあくまで主観。自分にとって都合よく聞こえる、心地よくて楽ができそうな話。英語でいえば、たった1ヶ月で英検1級に合格とか、英語がペラペラと口から自然に飛び出るとか再現性や現実性をガン無視したデマカセ情報系の話。こういう話は「いいもの」として大衆に受けている。でも大衆に受けている=本当に優れているものではない。何よりの証拠として、大衆は英語力が欲しくてうまくいっていない集団のこと。成功するのは一握り。ということは、彼らと同じ方向へ行っても、失敗が待ち受けてる可能性が高いという話。英語の上級者の中で「僕はあの煽り動画を見たおかげで英語力を伸ばせました」って人いる?「裏ワザ大変参考になりましたー」ってありがたがってる人の中に成功者一人もいなくない?状況証拠で結論は出てる。こうした煽り動画はあくまで、多くの人の興味を引き付け、YouTubeのアルゴリズムから高い点数をもらえて再生数を回すことに成功しているだけ。実際は青酸カリも腰抜かすほどの劇薬な情報も少なくない。そういうウソとデマカセを見すぎると、あなたの眼力はドンドンゴミカスレベルになる。人生で一度も働いたことがない子供部屋おじさんがSNSで年収自慢投稿見まくって「そうかー、今どき年収1000万は底辺なんだー」っておかしな感覚になって、そういう求人にしか応募しなくなるのと同じくらいトチ狂ってる状態。英語の勉強は最短最速で身につく小手先の技術以外は遠回りになる、こういう頭おかしい感覚が下り最速でインストールされてしまう。危険すぎる!
でもすごいものは違う。たとえば黒坂にとっては英語多読の存在を知った時は「いいもの」ではなく「すごいもの」に感じた。これだ!と思った。YouTubeも英会話スクールもない、本と辞書しかない明治時代の日本人が身につけたという歴史あるメソッドで、老若男女誰がやっても、正しく取り組めば才能や年齢に関係なく確実に伸びる確かな再現性。決して速習できるものではないし、裏ワザ的なものはないけどその代わり正しく取り組めば誰でも確実に伸びる、バカな自分にはこれしかないと感じてやった。
今の話でわかってもらった通り、上級者とか天才になる人は聞き心地の良い、多くのうまくいかない大衆が飛びついているものから離れ、本質的に価値が高いすごいものを的確に掴む眼力があるってこと。だから上級者はインプットする時は「一流に触れ続ける」という習慣を持ってる。たとえば一流の陶芸家はやみくもに話題の作品を鑑賞しない。むしろ、ありふれた一般レベルの作品は意識的に視界に入らないようにしてる。その代わりに彼らは人間国宝レベルの作品の鑑賞や分析に集中する。そうするとどうなるか?一流のものばかり見ていると、贋作とか二流以下の作品になんとなく違和感を覚える感覚が身につくというんだ。なるほど、これはよく分かる。
だからたとえば賢くなるために読書をするということを考える時も、世間で話題になっていて高評価レビューが多いけど、肝心の内容は凡庸で薄っぺらい本を100冊読むより、あまり話題になってないけど、時代を超えてずっと読まれる古典などすごい本を1冊繰り返し読む方が遥かに力がつく。
この図を見てほしい。1週間に1冊の本を読む読書家の人が60年間かけて一生で読める本は3,120冊、それに対して令和4年度の国立国会図書館蔵書数は4,685万5,998点ある。一生かけても本全体の約0.0067%しか読めない。多少、時間を作って読書量を増やしても太刀打ちできない計算になる。となると、読書で人生を変えるならやみくもに量を増やすのではなく、読む価値の高い、質の良い本を少数でもいいから繰り返し読む方が遥かに価値が高い勉強という事実を論理的に導くことができる。
いいインプットを習慣にすることがどれだけ重要であるかを理解できたら、次は具体的にどんなインプット習慣をすればいいかを解説しよう。ついてきてくれ。
2章 英語上級者を作る習慣/ルーティン
さて、この第2章からはいよいよ英語上級者を作る習慣/ルーティンについて解説をしよう。結論、次のとおりだ。
1.時間の使い方の習慣
2.学習素材の選び方の習慣
3.技術の学び方の習慣
4.勉強法の習慣
5.情報収集の習慣
順番に解説をしていこう。
1.時間の使い方の習慣
英語上級者を作る習慣の1つ目は時間の使い方だ。英語上級者になれる学習者は持ち時間すべてを英語漬け、万年初心者は気晴らしと暇つぶしに時間を使う。
英語学習の世界にはイマージョンという言葉がある。どういうこと?イマジン?それジョンレノン。イソジン?アホか、それうがい薬や。耳に昆布でも詰まっとるんかい! イマージョンが何かというと、1日中英語に触れる環境にどっぷり身を置いて、語学力を伸ばしましょう、休憩する時間すら英語に触れましょうという考え方のことだ。過去動画で紹介した英語は1万時間でものになる国内留学もこれにあたる。
【40代/50代】英語は10000時間でモノになる|日本人英語学習者のブレイクスルーやっぱり英語多読は最強だった 著:橋本 大也さん
イマージョンを一言で言えば、あなたはきゅうりの漬物になれってこと。え?きゅうりの漬物?そう、人間やめて漬け物になれ。漬物にひたひたになれれば、じわじわ味が染み込むあのイメージだ。英語上級者は生きていくために必要な時間、仕事をしたり、食事や家事、育児や睡眠を除いて持ち時間のすべてを英語漬けで生活をする。英語の勉強に疲れたら、息抜きにリスニングをしたり、英単語の復習みたいな感じ。自分自身、現役英語学習者だった頃はリーディングに疲れたら運動でウォーキングがてら、リスニングをしていた。
えー?なんかそれって修行僧というか、精神と時の部屋っていうか、なんかめちゃめちゃしんどくない?やっぱり気晴らしって必要じゃないの?残念ながら今そう思った人はもれなく素人。一生初心者。うわ、腹立つー笑 でも大事な話するから聞いて。
著者いわく、天才クリエイターは絶対に暇つぶしをしないといっている。えーなんで?日本では暇つぶしという言葉がネガティブに聞こえない。むしろ、どちらかといえばポジティブに使われる。YouTubeショート動画とか、TikTokで良い暇つぶしに最適な動画、みたいに評価されていたりする。でもこれが英語になると一気に印象が変わる。英語で暇つぶしはkilling timeという。つまり、時間を殺してしまう。こっわ。人間は持ち時間しか生きられないので、いきすぎたkilling timeはkilling life、つまり人生を潰すのと同じ意味になる。うわ、これちょっとヤバすぎない?そう考えると、実は一度しかない、二度と若返ることができない人生において暇つぶしなんて本来絶対にするべきではない考え方といえる。
2.学習素材の選び方の習慣
英語上級者を作る習慣の2つ目は学習素材の選び方だ。英語上級者になれる学習者は伸びる素材を選び続け、万年初心者はやってもムダな素材で学び続ける。
同じ英語学習テキストとか、英語音声と名前がついていてもその質は素材によって天地ほど差がある。伸びない学習者は効果や効率を一切無視して、楽して気軽にできる無料の素材を好んで選ぶ。英語の勉強と称して頭空っぽで海外ドラマや映画を見て「あ!今の単語わかった」とまるで何時間もしっかり勉強した気分になってしまう。実際は1ミリくらいしか成長していないというのに。
誤解のないようにいっておくと、自分は娯楽として楽しむのは問題ないと思ってるし、自分自身映画好きで映画館にもよく足を運ぶ。娯楽はあくまで娯楽であり、英語を伸ばすために見るのは投下した時間のリターンがないのでやめとけという話。なぜ、海外ドラマや映画を見ても英語力が伸びないか?という論理的な理由については過去動画、初心者は騙されるな。海外ドラマや映画を見る勉強法で英語は伸びないという動画で解説しているのでぜひ見てくれ。
【初心者は騙されるな】海外ドラマや映画を見る勉強法では英語力は伸びないと証明する(Netflix/フレンズ/リスニング/スピーキング)
その一方で英語上級者は英語力が伸びる、英会話力が上達する素材を使う。フォーマルな英語、スラングで正確でなく、異文化理解にもつながる素材だ。具体的に言えばNHKラジオ英会話とか、杉田敏の現代ビジネス英語、後は海外のニュース番組。
【2024年4月最新/初心者向け】独学で英語ペラペラ!「NHKラジオ英会話」効率的な最強の勉強法・完全解説【テキスト/レベル/番組表】
【2024年4月最新】独学でペラペラビジネス英会話!杉田敏さんの「NHKラジオ英会話」番組の効率的な最強の勉強法・完全解説【テキスト/レベル/英検1級/TOEIC900点】
なぜってこうした素材はまずインプットの質が高いので、それをそのままアウトプットしてもしっかり通じたり、知的レベルや育ちを疑われるような表現を身に着けずに済むということ。英語力だけではなく、先端のアメリカのトレンドとか、海外の文化を学ぶことにもつながるので同じ時間と労力を使うなら使用する素材の質にはしっかりとこだわりたい。
3.技術の学び方の習慣
英語上級者を作る習慣の3つ目は技術の学び方の習慣だ。英語上級者になれる学習者は本質的な技術や思考を選び、万年初心者は表面的で小手先のテクニックを追い続ける。
自分が以前から感じていることの一つに「賢い人、その道の一流の人が好んで使う言葉」があると思ってる。それは「本質的に」という表現。なぜならこの言葉は物事を相当深く理解し、他の人が感覚やカンといった抽象的に片付けてしまうことを、しっかりと捕まえて明確に言語化する力がないと使えない言葉だから。そして上級者になるような人は、初心者の段階からどんな時も「本質」をしっかり意識している。あなたは英語を勉強中に常に本質を意識しているか?してないならしっかり聞いて、大事な話をする。
本質的に、というのは枝葉でなく、最も太い幹の部分を抑えること。たとえば英語の本質は?と問われたら、初心者は「楽しく会話して自然に伸ばすもの。裏技的なものがあって速習できる分野」と考える一方で、上級者は「英語の本質とは壮大な慣れのゲーム」と答える。実際、上級者の考え方は本質的だし正しい。三日坊主にならないで長期間、英語の勉強を習慣化するには?これは慣れで突破できる。英文法の理解は?これも慣れ。英単語や英熟語の暗記は?これも反復という慣れ。英会話の上達は?これも盤石なインプットをした上で場数を踏む慣れで伸びる。慣れ慣れ、慣れにつぐ慣れ。そう、英語の勉強は徹頭徹尾、慣れのゲーム。これを初心者の段階から理解し、その他ありとあらゆる他者のそれっぽい意見を乗り越え、実際に自分の身で数多くの反復と訓練を突破した上級者だけが「英語は年齢とかセンスではなく、結局は慣れのゲーム。慣れるままで個人差はあるが、正しく頑張れば誰でも身に着けられる」という結論に至る。
一方で一生初心者の人は、短期的に結果が出そうな小手先の技術にすぐ飛びつく。彼らは暗記は運動しながらが効果があるとか、何色のペンを使うと覚えやすいといった本質じゃないことばかりありがたがる。確かに100%間違いではないかもしれない。だけど、効果と効率を考えるとまったく本質とは言えない。たとえばあなたはこういう話を聞いてどう感じるだろうか?「英単語は手書きで覚えられるよ。やっぱり英語のスペルは実際に手で書かないと覚えられないし、目で見たり声に出すだけでは負荷が小さいので、ある程度負荷をかける手書きが一番頭に残りやすい。なんたら大学の提唱した論文でこの効果が証明されてる」。確かにこの主張は説得力があるように感じるし、信用する相手がこんな話をしだしたらあなたは思わず鵜呑みにして早速ノートを買って手書きで覚えようとしてしまうだろう。
この話は英単語を覚えるという観点だけで考えれば、あくまで短期的な効果としては確かに正しいけど、現実的、全体的な効率を考えるとまったくおすすめしない。20周反復読みを目指してやれば、スムーズにいけば3-4ヶ月で一冊のテキストを7-8割暗記できるのに、このやり方をすれば1周するだけで3-4ヶ月かかる。当然、一度覚えただけでは暗記などできるわけがないので結局手書きも何度も繰り返す必要がある。でも、一度インプットした情報を2度目、3度目のインプットの出番が回ってくるまでにタイムラグがありすぎて、エビングハウスの忘却曲線の観点で見ても記憶の定着効率が悪い。このやり方は試験前に一夜漬けでせいぜい20個程度の単語を短期記憶する時くらいにしか効果を発揮せず、そもそもこの動画を見るような英会話をペラペラできるようになりたいとか、英検1級、TOEIC900点といったハイスコアを目指すような視聴者の持つニーズにはまったく当てはまらない。つまりトータルで思考すればどう考えてもやるべきではないという結論にたどり着ける。
小手先のテクニックとか表面的に説得力がありそうな話の問題は、効果と効率を総合的に評価しないので、ある条件下では価値があるし論文とかで効果が証明されているかもしれないけど、その条件から外れたらいきなり机上の空論になる。たとえると営業マンが「質の良いオーダーメイドスーツと、高級時計をつければ信用を勝ち取れて売上アップ」みたいな話を真に受けるのと同じ。いやいや、確かにムダとは言わないよ。実際、ヨレヨレのスーツ、100円ショップの腕時計よりは良いと思う。だけど、それって本質ですかって話?お客さんが魅力に感じる営業力、提案する内容が最重要じゃない?逆に営業トークはまったくダメダメだけど、スーツと時計がイケてるからじゃあこの営業マンからマイホームを買いますってならんわけよ。小手先の最短最速で身につく勉強法、とかに煽られて踊らされてばかりの人は、この営業マンの真似をして本質的価値である営業トークを磨く代わりに、やたらと高いスーツと時計を買いにフルローンで買ってこれでオレもできる営業マンだぜってくらいアホなことをしている。磨くところ間違ってるでしょという話。何が本質で何が表面的か?これを常に意識するようにしてくれ。
4.勉強法の習慣
英語上級者を作る習慣の4つ目は勉強法の習慣だ。英語上級者になれる学習者は手順を繰り返し確認するけど、初心者止まりは一度見たらわかったつもりになって二度と見直しをしない。
これはもう何度も過去動画でいってきてるので、いい加減耳タコに感じるかもしれない。でもハッキリいう。これだけ繰り返しいっても8-9割の人はこの間違いを犯す。本人は「最初にやり方の手順は見てるから二回も三回も見るなんて効率が悪い。時間のムダ」と情強を装ってまんまと「そこ落とし穴だよ、気をつけてよ」と黒坂が100万回くらい繰り返してきた注意喚起の穴にスッポリとハマる。あーあ、だから話聞けっていったのに。これまで何度見てきたら数え切れないほど。そしてこのたった一度の失敗で自分の行動の過ちを顧みる代わりに、自分は若くないから失敗した、才能がないから失敗したと見当違いなところに責任転嫁して絶望してもうだめぽうつだしのうで放り出す。自分はこれまで効率、効率うるさく言う人で成功者一人も見たことがない。効率を意識しすぎる人はムダに対してまったく耐性がなく、ムダを恐れて行動力が落ちるから実はトータルでは誰よりもむちゃくちゃ効率が悪いってことに一生気づかない。だから今回もしつこく言い続ける。
この図はラーニングピラミッドといって何をした時に一番身につくかというのを示すんだけど、知識の定着率が一番低いのが講義や読書といった受け身の学習。一度や二度見聞きした程度じゃ、全体の情報量の1割も残らない。あー、いい話聞いたわー。今日は有意義な時間を過ごしたわー、で終わったらせっかく投下した時間の90%以上が死に時間になるからね。反復インプットをする、メモを取ってアウトプットする、こうしないと何一つ頭に残ってないと思った方が良い。
これはビジネス記事に書いたけど、自分は最近、独学でプログラミングの勉強をしてる。元々は子供をプログラミング体験イベントに連れて行ったのがきっかけだけど、子供のプログラミング作りをサポートしてて「あれ?これめっちゃ面白くないか?」って感じて、子供がゲームを作るのを手伝いながら自分も本買って独学してる。プログラミングについては、英語をゼロベースで勉強するみなさんと同じ立場なんだけど、わかった、理解したと思っても自分は優秀じゃないと理解しているので、同じ箇所を5回も10回も読み直す。一度入力したプログラムも、コピペせずにあえて手打ちで何回も何回も訓練するようにしてる。そうしないと、頭に入らないって知ってるから。「一回話聞いたからまた同じ話聞くのはムダ」なんてクソ高望みで超傲慢なことは1ミリも思わない。それに手順やメソッドを見直すことのメリットは記憶の定着に留まらない。ズバリ、物事の見え方が変わること。どういうこと?完全に初見のときと、ある程度プログラミング入力してから見直すのと、すでにその過程を終えるくらいに実力をつけた後とでは同じ情報でも入り方が全然違う。深さも違う。最初に見聞きして気づかなかったことが2回目、3回目だとドンドン情報が増えて入ってくる。そうやって実力をつけていくというのは、プログラミングも英語も変わりはないと思う。
5.情報収集の習慣
英語上級者を作る習慣の5つ目は情報収集の習慣だ。英語上級者になれる学習者は動画だけでなく、本、雑誌、セミナーなど幅広く情報収集をするけど、初心者止まりの人は無料の動画からしか学ぼうとしない。
この話は英語に限ったことじゃないけど、一流の人ほど動画だけじゃなくて、活字からの情報収集を好むし、無料じゃなくてあえて有料で情報収集をすると思う。その理由を論理的に解説したい。人間にとって最も脳みそが楽な情報収集は動画。今どき、うるさく騒ぎ立てるバカが増えたのであまりでかい声ではいえないけど、有名な電通の話に「テレビやCMは偏差値40の人がわかるように制作しないとウケない。テレビの制作関係者は高学歴が多いから作成者側はついつい難しく作りがちだが、世の中には恐るべき量のバカがいてそれがいわゆる普通の人なのだ」というものがある。いやあ、過激だねえ燃えそうだねえ。でもこれは自分がいった話じゃないからね。出どころは適当に検索してみて。でもこれは昔からずっと言われているすごく有名な話で、実際遠からずあたっていると思う。
そして名前は出さないけどある著名な東大医学部卒の人が書いた本に「テレビは見れば見るほどバカになる装置。視覚的にわかりやすい情報が文字を理解できないバカでもわかるように作られているから、脳みそにとって非常に楽ちん。しかし、受け身で楽なインプットに慣れてしまったら、脳の筋肉が衰えて二度と読書や勉強など能動的な知的活動はきつくて耐えられなくなる。だから絶対にテレビを見る習慣を作るな。テレビは見るものではなく、出演してビジネスに繋げる媒体と考えろ」と書いてあるのを読んでから、自分は一切テレビは見てない。今の話も黒坂が言ってるんじゃないからね。怒ってこっちにクレーム入れられても対応できないよ笑 最近はテレビはあんまり見られないけど、代わりに見れば見るほどバカになるYouTube動画もある。このチャンネルは小難しい話を長尺で話しているので、だから脳体力ない人や、向上心がない人はほとんどいなくて、このチャンネルの視聴者はハイレベルだと感じるけどね。ここからの話、向上心のある人がたくさん見ていることを承知で今から厳しいことをいうので覚悟して聞いてくれ。そういうのがいやならもうここで動画を閉じてこの先絶対に見ないでね。
警告はしたぞ、ではいく。出版不況と言われることから分かる通り、現代人はマジで読書をしなくなった。いや、日本人は本を読まなくなったと言い換えた方が正しい。2018年に文化庁が実施した「国語に関する世論調査」によると、月に1冊も読書をしない、ほぼ読書しない日本人の割合は47.3%。読書量が以前に比べて減っていると答えた人は67.3%。調査後、YouTubeとTikTokが爆発的に伸びたから直近のデータはさらにひどいと思うけど、残念ながらここ数年間で文化庁は読書についての調査データを出していない。
その一方で、中国、インド、アメリカ、ヨーロッパなど日本以外のほとんどの国では日本より遥かに読書をする。たとえばアメリカ人の平均的な大学生は年間100冊の本を読み、アイビーリーグなど一流校は4年間で1000冊以上を超えるところもある。そして日本の大学生の授業外の勉強時間は1日平均1.8時間、対してアメリカは平均7.6時間というデータもある。もちろん、一口にアメリカ人と言っても学力や生活水準は大きな差があるので、頑張る人はむちゃくちゃ勉強するし、しない人は文字すら読めないという状態で優秀な人が平均値を押し上げているのが実情だと思う。日本はバカでも大学にいくけど、アメリカはある程度、所得と学力に加えて努力しないと大学を出ることができないという違いもある。
そして読書の重要性についてよく誤解をする人がいる。今どき、本の要約は動画でいくらでも見られるから本はコスパが悪いと。正直、読書をしてこなかった人がいかにも考えそうな未満児プールより浅い意見だと感じずにはいられない。読書と動画の優位性を比較すると、時間的なタイパだけではまったく測ることができない。まず、文字と動画のコンテンツは世にある絶対量がまったく違う。テレビやYouTubeしか見ない人からは想像もつかないかもしれないけど、文字情報の方が遥かに多い。本、雑誌、ブログ、SNS投稿、ニュース、AIなどトータルでの文字の情報量はケタ違いに多い。質も高い。YouTubeには何でも情報が手に入ると感じるかもしれないけど、高度で専門性の高い技術は活字でしか手に入らない。極端な話、医学の専門技術がYouTubeやTikTokで手に入りますか?って話。
2つ目に情報処理の主体性。動画視聴は脳が無批判に何でもかんでもそのままを吸収してしまう。「ん?この情報って本当に正しいのか?都合の良い部分を切り取ってないか?」ということを普通の人が気づくことは難しい。特に動画コンテンツは発信者の都合のいい部分だけ見せられたら、見せられてない部分まで想像力を巡らせることは難しい。テレビのニュースとかも、普通に考えたらありえないミスリードさせる気150億%のトチ狂ったグラフを平気で出すけど、見ている人は情報を疑わないんだと思う。「テレビにハマる視聴者層なら騙せるっしょ」って思いっきりテレビ制作者からバカにされてるから怒った方が良いと思うけどね。
その一方で文字情報は主体的に情報処理をするので、自分の読解スピードで分析的に読める。だから、「この部分の記述は非常によく理解できるが、一方でこの記述はどうなんだろうか?」ということを冷静かつ客観的な視野を持って考えながら読む。著者は「読書は脳の筋トレ」と呼んでいる。受け身で食事からオシメ交換まで100%介護されてる人と、筋トレしてる人とでは思考力にドンドン実力の差が開いてしまう。勉強のために1日中動画を見てます、って人と勉強のために1日中技術書を読んでますって人とではやっぱり実力や知的な印象に大きな違いを感じてしまう。知識の定着度合いも本と動画では全く違う。
そして読書は脳の筋トレ、知の格闘技と考える人はアッパー層、社会的成功者ほど顕著。ネットフリックスの番組にビル・ゲイツに密着するドキュメンタリー、「天才の頭の中: ビル・ゲイツを解読する」で取り上げられているけど、マイクロソフトのビル・ゲイツの読書がヤバい。彼は1990年代から、現在に至るまで半年に1度、1週間ほど森の湖畔の小さな小屋に1人でこもってひたすら読書を行うという修行をしてる。その名もThink Week考える週間を実施し続けている。ネットも電話もつながらない。ノイズを完全に遮断した小屋にたくさんの専門者や技術書を持ち込み、読書と考え以外は食事のみ。1日18時間、本や論文を読みながら、技術や人生の本質的な問題について考え事をする。実際、その修業の中でアフリカの伝染病であるポリオ撲滅の方法について考える中で、彼は自分の財団を使って問題解決に取り組んでいる。トップビジネスマンや優秀な人が文字より動画を好む世界は、今後もおそらくやってこないと思う。
いやいや、自分は仕事が忙しくて本を読む暇がありませんという反論もよく見るけど、それは読書を理解してない。自分の価値を高める、能力を開発するための読書は暇な時間にやる活動ではない。読書とは日常生活に欠かせないルーティーンという位置づけにするべきで、仕事の一環。暇ができたら本を読むのではなく、本を読むために時間を確保するというのがこの高度な情報化社会、知的労働をするものとして本来あるべき姿勢だろう。今の世の中、じっくり考えてじっくり読むことを邪魔することが溢れている。スマホにはどんどん情報が飛び込んでくるし、大量の通知がやってくる。反射神経ばかり使われて、集中力は完全にIT企業に支配されてて使う機会がない。体内に寄生してカマキリを支配するハリガネムシみたいな人間が増えた。他にも読書が動画に対する優位性は時間効率とかメリットは山ほどあるけど、きりがないのでこのくらいで。
さて、黒坂が携わってきた英語上級者は大量の英単語を記憶し、スピーディーなリーディングやリスニングをこなし、説得力が非常に高い英作文や英会話をこなして見せる実力者だけど、これまでたったの一人たりとも「もっとインプットを改善しましょう」と提案したことがない。現時点でのアウトプットが多少足りなくても、現在進行系で着実に伸びており成長は後は時間の問題という人ばかりだった。その反対に伸び悩みに苦労している人を見ると、その全員がもれなくインプットに問題を抱えているので著者の主張する通り、英語力を決める最大の要素はやっぱりインプットにあるということは間違いないと本を読んで確信することができた。今日はこのへんで、ほなまた。
>>>インプット・ルーティン 天才はいない。天才になる習慣があるだけだ。(著:菅付 雅信さん)
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