オレだ。TwitterなどのSNS界隈や、プロの翻訳家などで何かと話題の英単語帳、ロゴフィリアを聞いたことがあるだろうか?
「英語上級者向けの素晴らしい英単語!」
「左翼思想で政治的な偏りを感じるのでおすすめしない!」
と賛否両論、きのこの山とたけのこの里派みたいに好き嫌いがハッキリ分かれる本だと感じる。結論を3秒でいうと「ロゴフィリアは効果的に英単語の勉強に活用できる!その他の英単語帳にはないメリットもあるのでおすすめしたい。けど英検やTOEIC対策にもいい!という主張に疑問」という感じ。なぜ自分がそう思ったのかについて解説するので、現在上級者レベルまで語彙力を増やしたいと考えている人はぜひ見ていってもらいたい。
あなたがこの動画を見るメリットは、ロゴフィリアってどんな本で、他の英単語帳にないどんなメリットがあるか?ってことが具体的に分かる。それだけでなく、力のつく効果的な使い方、勉強法、英検やTOEIC、難関大対策への活用ができるかどうかなどすべてが分かるので買うかどうか迷っている人はぜひ最後まで見ていってくれ。
この動画の内容は次のとおりだ。
ロゴフィリアってどんな本?3つの特徴とメリット
ロゴフィリアの力のつく効果的な使い方/勉強法
ロゴフィリアは東大早慶の難関大入試や英検、TOEIC対策になる?
ロゴフィリアをおすすめしたい人
ではいく。
目次
ロゴフィリアってどんな本?3つの特徴とメリット
最初にロゴフィリアってどんな本?使うとどんなメリットがあるのか?について解説する。結論次の3つがある。
1.生のネイティブ英語の時事問題
2.英単語1つ1つに解説付き
3.英語長文の多読トレーニング素材に最適
順番に解説する。
1.生のネイティブ英語の時事問題
ロゴフィリアは2022年に発売された新しい本であり、直近の時事問題である
・老後資金2000万円問題
・AIによるフェイクニュース問題
・BLM運動
・出会い系詐欺
・SDGs
こうした現在進行系で問題や話題になっているテーマを取り扱っている。
社会
IT・テクノロジー
国際・政治経済
司法
ライフスタイル・文化
自然・環境
医療・心理
教育・スポーツ・歴史
評論・論説
文学・古典作品
全部で10分野あって、それぞれ3、4、5記事分くらい読むことができる。そして英文は著者が作文したのではなく、英字新聞や文学作品からの抜粋で生の英語ばかり使われているんだ。自分は日々、ビジネス記事を書く仕事をする上で海外のニュースのNew York TimesやWashington Post、USA Todayなどを毎日読んでいるけど、そういった海外メディアでよく登場する重要かつ上級レベルの英単語が収録されているので、本書を使って語彙力を増やすと海外ニュースを原文で読む予行演習になるだろう。
2.英単語1つ1つに解説付き
この本の素晴らしい点は、英単語1つ1つすべてに解説がついている点なんだ。実際、どんな感じか分かるように3つほどサンプルを見せる。
de facto
意味:事実上の
ラテン語からの借用表現。名詞の前において「事実上の」という意味を付け加える。
日本語でもデファクトスタンダードとカタカナで使われていて、
「Lineアプリは日本人同士のコミュニケーションにおけるデファクトスタンダードだ」
「英語はもはや、国際語のデファクトスタンダードだ」
みたいに使われてる。英語の上級単語はde factに限らず、ラテン語由来のものが多い。
acute
意味:①先の尖った
:②鋭い痛み、激しい痛み
本来の「先の尖った」という意味から転じて、病気や怪我で鋭い痛み、激しい痛み。ちなみに対義語はchronicで「慢性の」。
このようにacuteには複数の意味があり、語源、対義語が何かまで解説してくれている。
ちなみに例文でいうと、
①Dogs have an acute sense of smell.
(犬は鋭い嗅覚を持っている。)
先の尖った、鋭利な感覚というニュアンスがある。
②The dentist quickly identified the source of the acute tooth pain as a deep cavity.
(歯科医は迅速に、鋭い歯の痛みの原因を深い虫歯と特定しました。)
鋭い痛みというニュアンスがある。
こんな感じで、1つの英単語を機械的な暗記にならないよう、語源や対義語まで丁寧に教えてくれる。それにより英単語の暗記を深くしっかり理解できるので、学習しやすい。
3.英語長文の多読トレーニング素材に最適
英単語を覚える上では、Apple=りんご、みたいに無味乾燥に力技で暗記するのではなく、英語長文を何度も反復リーディングすることで自然に暗記してしまうのが理想。本書は速読英単語や文で覚える単熟語のように
・英語長文本文
・英単語解説
・日本語訳
・内容理解Quiz
という構成になっている。
ただ英語を読んで終わりではなく、収録英単語の解説を読んで語彙力アップに繋げたり、日本語訳を見て英語リーディングが正確にできているかの答え合わせができる。加えて、内容理解Quizが用意されているので1.英文を読む。2.Quizに挑戦して内容が理解できたか答え合わせ、という流れを組むことで英検やTOEICの長文リーディング対策になる。本書は単なる英単語帳ではなく、学習者目線で非常に使いやすく作られていて優れた英語長文リーディング素材に活用できる。海外の英語ニュース記事では答え合わせや日本語訳がついていないので、いきなり英字新聞や海外ニュースを読む前に補助輪的な活用をするといい。
以上まとめると、海外の英語ニュースを原文のまま活きた英語を学べる。英単語は1つずつ丁寧な解説付きで、速読英単語や文で覚える単熟語のように英語長文を読んで、英語リーディング力や語彙力アップに活用することができるメリットがある。1粒で2度おいしいグリコのアーモンドキャラメルを超えて、1粒で3度おいしい本として来年にはモンドセレクション金賞を取ると予想したい。次の章からはいよいよ本書を有効活用してリーディングや語彙力アップにつなげる勉強法を解説していく。ここからは一番重要な話になるのでぜひ集中して聞いていってくれ。
ロゴフィリアの力のつく効果的な使い方/勉強法
ロゴフィリアを使って力をつける効果的な勉強法を解説する。次のステップで取り組んでくれ。
1.不明な英単語を日本語訳ページ余白書き込み
2.反復リーディング
3.リーディング&リスニング
4.シャドウイング
1つずつ解説していく。
1.不明な英単語を日本語訳ページ余白書き込み
本書は重要英単語、難しい英単語は赤太字になっていて、英単語解説ページで詳しく説明が付けられている。
だが、すべての英単語で解説が付けられているわけではなく、たとえばdiscrimination差別とか、colleague同僚といった難しい英単語については解説がない。基本的に本書は何度も繰り返し読んで内容を頭に入れる前提で使ってほしいので、これだと読み直すたびに「これってどういう意味だったっけ?」とその都度、何度も辞書を使って調べることになる。これでは勉強の効率が悪いし、満員電車など両手が自由に使えない場所ではやりにくい。だから分からない英単語は日本語訳ページの余白に意味を書き込んでおくといい。こうすれば「あれ?どういう意味だったっけ?」となった時に、日本語訳ページを見ればそこに答えが書いてあるからすぐに正しい理解につなげることができるんだ。ちなみに黒坂はこの書き込み作業を「開拓」と呼んでいる。
2.反復リーディング
全ページを開拓して、不明な英単語を書き込みが終了。これで辞書を使わなくても、本書1冊あればいつでもどこでも勉強できるとなれば、次に精読リーディングをしよう。この精読リーディングというのは、英文を頭から読んで英文法的に正しく読み、文構造を理解しながら読み進めるということ。たとえば
Rallies were held around the world Thursday to celebrate International Women’s Day…
(木曜日に、世界中で国際女性デーを祝うための集会が開催され…)
という一文でいえば、「このtoはto不定詞で「… するための〜」という意味で、celebrateは祝うという意味なのでto celebrate祝うためにだ」と正確に丁寧に理解しながら読み進める。「なんとなくこういう意味だろう。細けえことはいいんだよ」というあやふやに読んでも力はつかないので、必ず精読をしよう。なぜかというと、リーディングは精読→速読→多読というステップでしか力がつかないようになっているので、まずはゆっくりと正確に読む力を付けることを意識してくれ。分からないところは英文法書を使ったり、ネットでググって解説記事を見るなどで丁寧に読む。初回は読むのに時間がかかるかもしれないけど、3回、4回と繰り返し読むことで徐々に速く正確に読めるようになる。頭から英文を読んでも英語を英語のまま理解出来、日本語を一切介さずに分かるようになっていく。さらに英単語も頭に前後の文脈の中で自然に覚えられる。全体的に7割くらい英単語が暗記できたら次に進む。
3.リーディング&リスニング(音声ダウンロード)
次のステップはこれまで通り、反復リーディングをしながら耳からは音声ダウンロードしたものを使ってリスニングをしよう。こうすると英語音声の読み上げ速度についていくようなリーディングになる。さらに、目でリーディング、耳から英文をリスニングのインプットすることで英単語の暗記になる。もしもこのステップ3で躓いてしまったら、「1回目はリーディングのみ、間髪入れずに2回目でリーディング&リスニング」という流れを作ればいい。1回目にリーディングでインプットをして英文を頭に入れているのでリスニングをした時にもついていきやすいはずだ。
4.シャドウイング
最後にシャドウイング。これをすることで、目と耳と口を同時に使ってハイレベルな記事の内容と英単語をインプットできるので、記憶に残りやすい。おまけに英会話の時に口が動かす英会話訓練にもなる上、さらに本書の英単語やフレーズを英会話に使えばいい。
以上4ステップを踏むことで、ロゴフィリア1冊でとてつもなく力を付けることができるはずだ。
ロゴフィリアは東大早慶の難関大入試や英検、TOEIC対策になる?
次にこの章では東大早慶の難関大入試や英検、TOEIC対策になるか?という疑問に対して答えを出そう。結論としてあまりおすすめしないと思ってる。その根拠を話そう。
まず、大学入試や英検、TOEICはそれぞれ傾向と対策が効く世界なんだ。あらかじめどんなレベルの英文や英単語が出題されるかはある程度パターンや傾向が決まっているので、たとえば英検準1級対策なら、直接準1級対策用のテキストを使えばいいし、TOEICならTOEICに出題される可能性が高い英単語帳を使うべきだろう。大学入試も同じで、たとえば東大英語なら鉄緑会東大英単語熟語 鉄壁を使うほうが直接東大英語の出題傾向を抑えた勉強ができるはず。
誤解しないでほしいのは自分はまったくロゴフィリアをディスってない。確かにロゴフィリアは素晴らしい英単語帳なんだけど、傾向と対策が効く世界にわざわざ持ち込んで戦う武器にするべきではないだろう。イメージ、石油王に燃費抜群の軽自動車をプレゼントするようなものだと考えてくれればいい。
ロゴフィリアをおすすめしたい人
最後にロゴフィリアをおすすめしたい人を解説する。結論を先にいうと、英検準1級合格済で、英字新聞でビュー前の人だと思ってる。なぜそう思ったのか根拠を話させてくれ。
まず、ロゴフィリアはかなり難しい。すでに話をした通り、海外英語ニュースがそのまま掲載されていたりする。だから英検レベルで言うとまず準1級合格者以上じゃないとレベルに合わない。「それなら準1級を目指している人にも使えるのでは?」という反論があるかもしれないけど、前の章で話した通り、準1級は準1級対策テキストを使う方がいい。そしてロゴフィリアを見ると、準1級から1級の中間くらいに位置するレベルくらいなので、準1級に挑戦したいと考える人にはハードルが高いんだ。じゃあ1級を目指している人にいいか?というと、その場合はやっぱり英検1級対策テキストの1級版文で覚える単熟語とか、パス単、過去問、速読速聴Advanced1100を使った方がいい。
「英検準1級には合格済、これから英字新聞や英語ニュースにデビューしたいけどいきなり日本語訳が一切なく、語彙力ももう少し付けておきたい。デビュー前の補助輪がついた自転車に乗る感覚でもうワンステップ踏みたい」そんな人に手に取ってもらうのが最適な選択肢だとオレは思うよ。
長い動画を最後まで見てくれてアザス。
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