今回は英語学習におけるやる気の結論をお話します。
モチベーションアップの本を100冊読んだとタイトルを付けていますが、正直、これは少なく見積もった方で、厳密にカウントしたら多分国会図書館の本全部読んだと思うんですよね。モチベーションの本は著者によって書いている内容は当然違うわけですが、どの本を読んでも「これは共通しているな」と感じるポイントはあるんですよ。読んでいる途中で「この話、別の本でも見たぞ?」とデジャブに襲われながら読むこともありました。これはつまり、本質的な部分は誰にでも当てはまるということです。ですが、多くの人はこのポイントを外しながら、やる気を出すのに失敗して挫折して損をしていることが多いです。
そこでこの動画では英語の勉強のやる気の結論を全てお話します。おそらく、やる気についてあなたがこれからどれだけ調べても、もうこの動画で出せる以上の話に出会うことはない、と断言できるほど徹底的に考え、調べて作りました。科学的根拠、再現性、個人差といったあらゆるパラメーターを360度考慮して作りましたので、英語の勉強をやったり、やらなかったりとやる気を出せずに困っている人はぜひ最後までご視聴ください。お寺の滝に打たれて反省するより、この動画見た方が間違いなくコスパいいです。
目次
1章 やる気の正体
では最初にやる気の正体を解剖して、正体を見せることからお話します。
多くの人がやる気を出すのに失敗している理由、それは非常に簡単で「やる気が出たら頑張ろう」と思っているからです。は?それの何がおかしいの?と思った人もいるかも知れません。でも、これは100%間違っていると断言します。よく、「あいつはやる気が違うからな」とか「生まれつき行動力があるから」みたいにやる気を個人差と考える人が多いですが、それは正しくありません。そういう“やる気信者”を見るたびに、え?まだそんなこと言ってるやついるの?って思います。まるでFAXでZoomの招待送ってる人を見たのと同じ感覚。
人間は何もしなければやる気は出ないように作られています。放置したら永遠に寝転んでポテチ食べて一生屁をこき続ける動物です。逆に今から言う2つのスイッチを押すことでやる気満々になります。
1つ目は作業興奮です。簡単にいうと、体を動かしているとやる気は後からついてくる様に出来ています。ツンデレな彼女みたいなやつですね。実例を話しましょう。黒坂は子供二人の勉強を毎日見ていますが、「今日は遊びたいから宿題やる気でない」と言い出すことがあります。そんな時は「分かった。じゃあ3問だけやってみよう。そしたらお庭でドッジボール付き合うから」といいます。すると3問解くと「せっかくだからこのページまで切りよく終わらせる」といい、ページ全部やると「遊びに集中したいから全部やってから遊ぶ」となります。このやり取り、もう数え切れないくらいやっています。子供の様子を見ていると、人間は作業興奮でやる気を出すのだとわかります。
この話は脳科学でも裏付けがあって、行動心理学者 William James先生は「悲しいから泣くのではない。泣いている内に悲しみが強まるのだ」と面倒くさい恋愛相談みたいなこと言ってます。
そしてもう1つが外的刺激です。たとえば、あなたより英語が苦手なはずのライバルがTOEIC800点を取ったという報告や、メンターからの声かけでやる気が出るということってありますよね?これは「外部トリガー」と呼ばれるもので外から刺激を受けることでやる気が出るわけです。たまにクロノトリガーと間違われますので気をつけてください。つまり、「やる気が出たら頑張ろうと受け身の学習者は、エンジンをかけずに車が勝手に動き出すのを待つようなもの」です。最初の一歩を踏み出すやる気を作るために、勉強前にモチベーションがあがる動画を見るの一つの方法です。
ここまでの話でやる気を出す方法がわかりましたね。ですが、話はここで終わりません。なぜならやる気には弱点があって、その賞味期限は真夏のお刺身くらい短いからです。「やる気」を別の言葉でいうとドーパミンです。このドーパミンは脳の報酬系の構造上、極めて短時間で分解されます。確かに爆発的な前進エネルギーがあるのですが、持続時間はセミの寿命より極端に短いという特徴を持ちます。どれだけ長持ちする人でも寝たら完全リセットされて、再起動するには“びしょ濡れの花火を再点火する”レベルに難しいです。「やる気を維持して英語を頑張ります!」と宣言する人は、やる気だけで戦うのは、ジャージでK2登山に挑むくらい無謀で、スタート時点で詰んでます。
ここまでをまとめると「英語学習におけるやる気なんてただのうんこっカス、こんな頼りないものをあてにするな」ということです。
2章 やる気ではなく習慣化が鍵
さて、1章ではやる気では長期勉強することは不可能なので、こんな口だけバンドマンみたいなやつに頼るなという話をしました。じゃあどうすればいいのか?結論、やる気の代わりに習慣化だけを考えましょう。言うまでもなく、人生を決定的に決めるのはやる気ではなく、習慣化です。やる気があるかどうかで人生変わるなら、モチベ動画見てる視聴者は全員ノーベル賞とってるはず。
やる気とは意志力です。意志力ということは、気分によってやったり、やらなかったりするわけです。ですが、習慣化はやる気とは別のエネルギーで動きます。自動車はガソリンがなくなれば1mmも動きませんが、ヨットは風という無限エネルギーで前進します。この風という無限エネルギーにあたるのが習慣化です。そして英語に限らず、ビジネスでもなんでも社会的に成功し、他の人が出来ないことをやってのける人は総じて有限のガソリンではなく、無限エネルギーを使っています。だからやるぞと決めたことは、毎日毎日、何年、何十年でも継続します。やる気エネルギーを使わないので、まったくムラがありません。まるで、大地震の最中でも時間が来たら英単語帳を開くレベルの鋼のルーティンです。
「そんなことできるのは結局、一部の優秀な人だけでしょ?」と思うかもしれません。いえいえ、そんなことはないです。あなたもとっくに習慣化の達人ですよ。あなたは歯磨きや会社通勤を「やる気」でやっていますか?違いますよね?「今日は疲れていてやる気が出ないから、歯磨きやーめよ」とならないのは、やる気ではなく習慣化でやっている何よりの証拠です。その他にも、朝起きたらすぐスマホを見るとか、ダイエット中、節約中なのについコンビニによってお菓子を買ってしまうのも習慣化ですね。やる気満々でモチベーションがあるからスマホ見てるわけじゃない。やめたくてもやめられないほど習慣化が強烈だからこそ、何時間もスマホを触ってしまうわけですね。だったらこの超パワーを英語の勉強に活用すればいいじゃない?
とはいえ、習慣化は技術の塊です。闇雲に根性で続けようとしてもなかなか続きません。そこで習慣化するための具体的な方法論を解説しましょう。
1つ目はトリガーです。電車通勤時は英語のテキストで英単語を覚える、みたいにすでに習慣化した行動とセットにします。電車通勤は平日毎日同じ時間、同じ場所で繰り返し行うので習慣化しやすいです。
2つ目は小さく始める。「今日は8時間勉強するぞ」と意気込むとスタートするのは、初手からラスボス倒そうとするくらい大きな勇気を必要とします。なので最低限目標として「毎日5分」というスライム狩りレベルのルーティンから始めましょう。そうすることで5分勉強した後は作業興奮の力で「せっかくだからもう少し頑張ろう」と繋げやすくなります。
3つ目は勉強の継続を記録で可視化する。人間にはサンクコストバイアスという機能があって、すでに投資した行動を回収しないとストレスを感じるようになっています。2000円払って映画館にいったら、途中つまらなくてもチケットがもったいないから我慢して最後までみる、みたいなものですね。参考までにこの勉強を記録するアプリはこちらの過去動画がおすすめです。
3章 やる気と習慣化のハイブリッド戦略
ここまでやる気と習慣化の話をしてきました。ここからはそんなやる気と習慣化、両方の力を使うハイブリッド戦略を話します。どういうことでしょうか?
University College London の研究によると、習慣化には平均66日かかると言われます。視聴者の皆さんは念の為に、3ヶ月間の期間を目標にするようにしましょう。習慣化アプリのデータによると、ランニング、筋トレ、勉強、ジム通いを始めた人の93.9%が30日以内に挫折します。恐ろしいことに、最初の3日間で半数以上が消えます。これ逆に言えばどんな手を使ってもいいから、半ば無理矢理にでも3ヶ月続ければその後は挫折率はグッと減るということです。そう、ここで登場するのが先ほどゴミカス扱いをしたやる気くんです。こいつを上手に活用することで、最初の3ヶ月間を生き延びる事ができるというわけです。
では具体的にどうすればいいのでしょうか?たとえばですが、3ヶ月後に英語の資格試験を受験する申込みをして退路を断ち、2ヶ月後に勉強継続記念を祝うレストランを予約し、1ヶ月後に勉強を継続していることを友達や家族に報告すると宣言します。
こうすればもう逃げられません。サボってしまえば英語の試験代がムダになり、レストランの食事会が残念会になります。最初に勉強を頑張ると宣言して1ヶ月後にやめましたとなれば、周囲に恥を晒すことになります。イメージ、自分自身に“借金取りの牛島くん役”になって、甘えを許さず、逃げ道を潰し、背水の陣に追い込む感じです。背水の陣に追い込んで、最初の3ヶ月間は逃げられない状態にすることで、サボることで勉強を継続する以上に苦痛を与える作戦です。こうなればサボる苦痛を味わうくらいなら勉強する方が精神的に楽という構図になりますね。
実はこの構図、多くの人がすでに体験しています。たとえば学生時代。赤点を取ると恥ずかしい、親に怒られる、留年するかも…という“痛み”があるから、勉強したわけです。社会人になっても同じ。毎日しんどい仕事を辞めずに耐えるのは、「キャリアに傷がつく」とか「転職に不利になる」などのリスクの方が大きいと感じるからですよね。つまり、目先のストレスより、サボったときのダメージの方が大きければ、人は続けられます。この仕組みを、英語学習に活用するわけですね。
4章 習慣化の寿命を削るNG行動
ここまでやる気と習慣化の両輪で英語の勉強を継続していこうという話をしてきました。ここからはNG行動をすると、恐ろしいことにせっかく作ろうと頑張る継続をじゃまして習慣化の寿命を削るという話をします。具体的に何をしたらダメなのか?取り上げていきましょう。
1.睡眠不足
人によって必要な睡眠時間は異なりますが、一般論としてざっくり7時間くらいは毎日確保したいものですね。さらに重要なのは睡眠の質、寝具はいいものを使い、光と音を遮断、寝る前にスマホを使わないようにして質が高い睡眠をしっかりとした時間を確保しましょう。そうしないと、英語の勉強という高度な知的作業を継続するなんて絶対にできません。
これは日中の勉強時間のパフォーマンスが落ちるというだけでなく、記憶の定着にも影響します。人間は眠っている間に記憶の整理や定着をしますので、睡眠不足だと暗記ができなくなります。なので、睡眠時間を削って勉強を頑張るのは、たとえるとタコが自分の足をかじって空腹を凌ぐのと同じようなもんです。時々「大丈夫大丈夫、オレ3時間しか寝てないけどモンスターエナジー飲んだからOK!」って言ってる人は、ドリンクパワーで一時的にゾンビ化してるだけなのでそのままだと無事死亡します。
2.血糖値乱高下
人間の身体は縄文時代とあまり変わっていないのに、食生活だけは激変しました。1日中、走り回ってイノシシの狩りを頑張ってた人類が、令和では“ローソンの盛りすぎプレミアムロールケーキ”に手を出してるわけです。そりゃバグらないほうがおかしい。
特に炭水化物や白砂糖を多く使ったデザートは勉強のパフォーマンスにダイレクトに影響します。特に空腹状態でいきなり白米や麺、パンにがっつくと血糖値スパイクで意識朦朧とします。SNSでは高カロリーの炭水化物を”ドカ食い”し、急激に血糖値を上げることで、気絶したように爆睡するドカ食い気絶部なる恐ろしすぎる活動があります。真似をすると寿命の先取りで英語の勉強パフォーマンスを地に落とします。いや、それならまだマシで生活習慣病待ったなしです。
10代、20代ならバクアゲした血糖値を大量のインスリンを放出して抑えられますが、40代以降もそんな食生活を続けるとヤバいです。食後に眠気が襲ってきて英語の勉強どころではない人は、食べているものを見直してください。食事の質と量がバグっている可能性があります。ちなみに食後、軽いウォーキングをすると血糖値の上昇を抑えられるという信頼のおける研究結果があります。会社であれば昼食を終えたら、30分オフィスの外へ散歩に行くとちょうどいい運動になります。
3.他人との比較
この世で最も手軽に不幸になる方法は他者と自分を比較すればいい、という有名な言葉がある通り、他者比較というのは何の生産性もありません。まさにゴミカス以下な行動と言えます。一言でいうと自ら自爆スイッチの緑と黄色のコードを両方切って自爆する状態です。
でも現実的に難しいというのはよくわかります。情報収集をするつもりで、英語の達人の情報を見ているつもりがいつの間にか、自分のダメな部分を再認識することになってげんなりするわけですよね。
でも知識はそんな状態を救ってくれます。英語学習の成長の過程ではやる前は「これならいける!」と自信満々になりますが、しばらく勉強した後に他者比較が入ると「自分ってなんてダメなんだ」と感じる時期が必ず訪れます。これは“ダニング=クルーガー効果”と呼ばれ、どんな人でも必ず通る道です。
周囲がみんな神レベルの優秀に見える一方で、自分一人がもうダメポ人間に感じるわけです。でもその谷を乗り越えて成長を続ければ必ず自信を取り戻せます。大事なのは一度落ち込む谷にいる段階で勉強をやめてしまわないことです。ですから、完全に習慣化して、自分が目標にしているステップを1つ、2つ乗り越えて谷から這い上がるまでの一時的にでも情報収集や他人を見ないほうが成功率が高まります。
他者比較は本能なので簡単に抑えることは難しいですが、起きにくい環境づくりはできます。まずSNSを辞めることがその第一歩ですね。また、常に比較対象を他人ではなく過去の自分自身にするように意識しましょう。他者に勝ち続けることは現実的ではないですが、過去の自分自身に毎日勝ち続けることは現実的にできます。スマホアプリで学習記録を取ることで、毎日知識を積み上げる実感を得るのが一番の方法ですね。
正直、自分より他人が上でも下でもあなたの英語力は1点も変わりません。それでいて他者比較は時間もエネルギーも吸い取られる非生産的な時間ですから、過去の自分とだけ戦いましょう。
4.スマホの封印
最後にスマホです。Micorosoftの調査によると、現代人は金魚以下の集中力に成り下がったことが明らかになりました。かつて「金魚って数秒しか集中出来ねえのかよw 低スペ乙」と笑っていた人間が、今やYouTubeの広告5秒すら我慢できないのだから、今は金魚から笑われるくらい“退化”してます。
その原因はスマホです。SNS、ショート動画、こうした短尺で刺激的なコンテンツを見続けることで、現代人の脳みそは数秒間だけ刺激的なコンテンツを見ることでドーパミンを出すことに最適化されてしまい、長いものは悪という悪い価値観を持っています。こうなると脳みそは破壊されたといっても過言ではありません。単に2時間の映画を最後まで見られない、というだけでなく、英語の勉強という長期マラソンを走り切る集中力がなくなるからです。
とはいえ、仕事でスマホが必要な人もいるのでかつての黒坂のようにインターネット回線とつながらない生活をするのは結構難しい。そこでおすすめなのが、定期的にスクリーンタイムを見直して、「自分が毎日どれほど膨大な時間をスマホで非生産的な時間を過ごしているか?」をデータで認識することです。今という人生で最も若い時間を毎日ムダな時間を捨て続けるなんてもったいない。1日3時間SNSやってる人は「年間45日間、SNSに時間を捨て続けてる」と理解すれば、さすがに危機感が出るはず。
そのような感覚を得ることで、スマホの使用制限をかけることを本気で検討することになります。参考までにこの動画でスマホの使用制限をかける無料アプリを紹介していますのであわせてご確認ください。
5.期待しない
英語の勉強をはじめてすぐやめてしまう人は期待値が異常に高いです。勉強を始める前に動画や記事でリサーチすると、「最短最速で合格する勉強法」みたいなのを見てしまいます。そうすると、そうか「英検1級もたった1ヶ月で合格できるんだ」と脳みそサラダチキン状態にフィーバーして、間違った感覚を持って始めるから、1ヶ月でそれが達成出来なかったら即なげます。これは動画や記事の発信者が再生数を取るためにウソと誇張を撒き散らす英語学習界のフィッシング詐欺みたいに迷惑なわけですが、彼らの活動をやめさせるわけにもいかないので視聴者であるあなたがリテラシーレベルを上げましょう。
まず、期間目標を捨ててください。「1ヶ月でここまで進むぞ」という決意は逆を言えば「1ヶ月で終わらなかったらやめる」という強い決意です。でもあなたは勉強家の前に、会社員であり主婦がメインの仕事です。予期しない予定が入ったりすれば、最初に立てた想定なんて翌日には壊れます。だから期間目標は作らないでください。ほぼ100%その通りにはなりませんし、かえって挫折を生み出すだけです。あらゆる想定外を考慮されずに薄っぺらく立てられた学習計画は砂上の楼閣通り越して“子供部屋おじさんが考える1ヶ月で月収100万円稼げるキャリアプラン”並に現実感ありません。完璧主義な人ほど、計画を立てたがります。
そうではなく、回数目標を立てましょう。こちらは完璧主義ではなく、完了主義です。速単を1ヶ月で終わらせる、ではなく速単を20周回す、みたいな感じです。これなら現実的に努力を継続していけます。少なくとも20周するまでは辞める理由をなくすことができます。
期間目標は立てること自体が娯楽です。いわば“脳内ディズニーランド”。旅行へ行くのが面倒な人も、計画自体が楽しいからみんなやりがたります。そういう人は妄想で勉強した気になっているだけで本当は勉強する気なんてないんですよね。でも結果を出したければ妄想で遊ぶのではなく、毎日一歩ずつ前へ足を踏み出すことです。参考までにこちらの動画で完璧主義と完了主義の違いを解説していますので、ぜひご視聴ください。
テクノロジーや科学の発達した現代、勉強のモチベーションは完全に結論が出ています。この動画で解説したことを全て抑えて取り組めば、どんな人でも非常に高い再現性を持ってやる気頼みの勉強を卒業して、安定的にコツコツと習慣化することができます。とはいえ、一度見て理解した気になって始めても、徐々にズレていくのが人間ですから時々この動画を見直して軌道修正をしながら3ヶ月、なんとか3ヶ月を生き残るつもりで勉強をしていきましょう。
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