今、この記事を見ているあなたに問いたい。
ずばり、あなたは「英語力を活かして稼ぐ翻訳業という仕事」に興味を持っているはず。
しかし、ネットでは翻訳業に対して割と否定的な反応が少なくない。
「DeepLの台頭で翻訳業は食えない」
「翻訳は超上級レベルの英語力と才能がないと無理」
こんな反応を見て、あなたも不安を抱いているかもしれない。
目次
結論、大丈夫。翻訳はオワコンじゃない
大丈夫。最初に結論をいえば、ネット上の情報は間違いや嘘も多く、
あなたが不安に思っていることの多くは実際は違う。
翻訳者になるには、超一流の英語力は要らないし、
DeepL翻訳ソフトが進化しても完全になくなることはないと断言する。
さすがに今から20年先、30年先のことはオレにも分からない。
つか、地球ってその頃まだあるのかな?
けど、少なくとも現段階では翻訳業は「英語力を活用できるおすすめしたい仕事」だと思ってる。
ぜひ安心してほしい。
この記事書いてるお前の話信じてもええのん?
といっても、えたいのしれない人の話を聞いてすぐ信じてしまうほどあなたもピュアじゃないだろう。
なので、少しオレ自身の自己紹介しておく。
オレは会社員時代に米国系外資で社内で金融やIT、ビジネスプロジェクトの翻訳をしていた経験がある。
また、プロとして働く翻訳者と一緒に仕事をしてきた。
今は会社員ではなく起業している立場だけど、
クラウドソーシングで海外の企業から翻訳の仕事を請け負った経験があるし、
現在進行系で、ビジネス雑誌やインターネットメディアに記事執筆をして
その中でNew York TimesやCNNといった英文記事の翻訳を交えている。
自慢なんてする気はないし、ガチのプロ翻訳者から見るとカスみたいな存在かもしれんが、
それでも一応翻訳の仕事については、会社員やフリーとしてのいくつか経験と実績がある感じだ。
多分、あなたが知り合い「リアルな翻訳業の話」ができると思う。
割と長い記事になっているけど、知識ゼロの人がこれから英語力を活かして翻訳業をするために必要な攻略法や、
年収や向き不向きの適正、必要な英語力、将来性なんかもすべて網羅してる。
この記事1本で必要な知識はすべて手に入るようにしてある。ぜひ最後まで読んでくれると嬉しい。
※文章読むのしんど…って人はYouTube動画で見て。でもそっちも1時間以上あるから、ガチで学びたい人しか向かない。
実績ゼロの未経験者から翻訳業をする4つの方法
この記事を見ているあなたは、おそらく翻訳業の知識や経験はないと思う。
非常に高い英語力もまだない状態で、現在進行系で英語の勉強をされていると思う。
そんな方に向けて、実績や経験ゼロの未経験者から翻訳業をするための4つの方法を紹介する。
結論からいえば、別に翻訳学校などに行く必要はないし、
お金をかけなくても意欲と行動力だけでその夢は叶う。
オレ自身は英語の勉強も独学でやり、翻訳についてもお金はイチ円もかけたことはない。
学校にはいかないでいい。
その代わり、あなたは翻訳の仕事をするために必要な、知識と行動力を発揮してくれ。
じゃ、さっそくここから4つの方法を解説していこう。
1.会社員の立場で挑戦する
まずは会社員として働く中で、翻訳の仕事に携わる方法をお伝えしよう。
あなたが外資系やグローバル企業の会社員になり、
グローバルなビジネスに携わる部署で働いて英語力があれば挑戦させてもらえるだろう。
参考までにオレの過去の実績を話す。
オレは金融や経済番組を作っている米国系の会社に入った時に社内のビジネス資料を翻訳していた。
また、外資系飲料メーカーで働いている時には、
アメリカ本社から送られてくる資料を英語ができない日本人社員のために資料を英語から日本語へ翻訳したり、
その逆に日本人の作った日本語の資料を英語に訳して外国人役員にEメールで送ったりしていたんだ。
こうした会社では、全社員が英語ができるわけではなく現場には英語が苦手な人も混じっていることが少なくない。
そのため、日本人と外国人のコミュニケーションの橋渡し役として、資料やEメールの翻訳をするチャンスが来ることがある。
その際、最低でも英検準1級合格か、TOEIC700点後半以降の英語力を持っていることが必須条件となる。
でも、突発的に翻訳業が発生して翻訳を外注するまでもないような時は出番が来るので、こうした仕事に積極的に手を挙げることがおすすめ。
2.海外クラウドソーシングで実績を作る
海外のクラウドソーシングサイト、たとえばhttps://www.freelancer.com/などのサイトに会員登録をして、
プロフィールを整えておいてくれ。
オレは今はやっていないけど、昔がやってたことがある。
その時のプロフィールはこんな感じ↓
な?別にむちゃくちゃすごい経歴なんて書かなくていい。
こんなフワフワっとした、スッカスカのプロフィールでも仕事は意外なほど向こうから仕事が来る。
でもいっておくが日本のクラウドソーシングサイトはおすすめしない。ありゃいかん。
ランサーズとか、クラウドワークスだとガチのプロ翻訳者がガンガン応募してるから、
未経験者じゃ入り込むスキはない。
プロ集団が仕事取り合ってる中でザコがいっても○ぬだけ。
でも海外のクラウドソーシングだとマジ穴場。プロもそっちにはいってない。
オレはオイルメーカーの仕様書の翻訳とか、
バングラデシュの企業から日本のアニメの翻訳の仕事が来たのでこなしてた。
でもいうて最初から高単価な仕事はできないから夢みんなよ。
最初は報酬額を気にせず、経験と実績を作ろう。
スキルと専門性をつければ、結果は後からついてくる。
「自分は日本人ネイティブで英語が得意。翻訳やりたい」と書いておけば、
「これできる?」と向こうからオファーが来るのでここで実績を積むのは悪くない選択肢だと思うよ。
3.アメリアのコンテストで参加
アメリアという翻訳者ネットワークがあり、ここで開催されているコンテストに応募するのがおすすめ。
翻訳者を目指す人の登竜門のようなもので、
短文で気軽に参加できるし、入賞者にはAmazonギフト券などももらえて頑張りたいという気持ちにさせてもらえる。
いいよなあ、アマギフ。オレもほしい。
で、定例トライアルがあって、自分の翻訳したものを採点してもらえる。
「AA・A・B・C・D・E」
こんな感じで、6つの評価の中から評価がつけられる。
とはいっても、AAとかAが取れず、真ん中のB評価でも仕事は取れてしまったりする。
これは実際にアメリア経験者からの話なんだけど、B評価を取ったことで、
月数万円くらいの仕事を得たという実績がある。なので頑張る価値はある。
アメリア経由で初心者から仕事を取っていく上での実情としては、
書類審査から翻訳の仕事をもらうまで速ければ1ヶ月、それ以上でも2ヶ月程度が多いみたい。
在宅でできる仕事もあるし、都心在住者には通勤スタイルの企業にも応募できるので選択肢も色々あっておすすめ。
4.ビジネス記事を書いて使う
これは専業の翻訳者ではなく、ビジネス記事を書くジャーナリストやライターになり、
そこで記事を書く上で海外文献を引用して翻訳するというもの。
オレはプレジデントというビジネス雑誌や、Yahooニュースで記事を書いてきたんだけど、
その記事を書く際にNew York TimesやCNNといった海外記事を引用している。
そのまま英文を引用しても、日本人には読めないので「英語→日本語」に翻訳する。
ビジネス記事を書く中で翻訳スキルを使おうぜ、って話な。
【ぶっちゃける】翻訳者の年収は?
誰もが気になる翻訳者の年収。
まあ仕事とお金は切っても切り離せないよなあ…。
でもな、これは本当にピンきり。
どんな仕事でも同じだけど、弁護士でも年収300万円の人や2000万円の人もいる。
それと同じで、翻訳者も年収は色々よ。
なぜバラけるのかっていうと、翻訳者といってもワークスタイルは実に様々なんだ。
仕事は在宅で後は家事や育児をしたいという人だと月5万円くらいの人もいるし、
実力があって専業の人だと、年収1000万円を超える人もいる。
さらに翻訳者はフリーランスや派遣が多く、フルタイムの人は少ない傾向なので本当に人によってバラバラ。
一応、参考までにボリュームゾーンを晒しておくと、400-600万円前後って話になる。
だから「翻訳者っていくら稼げるの?」という順序で考えるのではなく、
まずはあなたが「翻訳者としてどのくらい稼ぎたいか?」というゴールを先に決める。
で、そのゴールを達成するためにはどういったワークスタイルで、
専門分野などを検討するという順序が良さそうだな。
【英検/TOEIC換算】翻訳者に求められる英語力
さて、次は必要な英語力だな。
「せやかて、お高いものが必要なんでしょう?」みたいな気持ちになっているだろ?
分かる。けど大丈夫。そんなになくてもいい。
高単価でガツガツ仕事するガチプロは話が違うけど、
あくまで駆け出しとしてならそこまで高い英語力は必須ではない。
結論的に英検準1級合格、もしくはTOEIC700点後半以上から挑戦できると思ってくれ。
翻訳者として必要な英語力は、翻訳の分野や場面にもよる。
比較的難易度が低い場面としては、オフィスでのビジネスコミュニケーション。
なぜなら企業間のやり取りはメールが定型文だったり、
表現のバリエーションが非常に狭いから。つまり習うより慣れろで突破できる。
フリーランスの翻訳者や翻訳会社に所属するレベルだと、
英検1級合格済でTOEIC900点後半くらいは必須になるけど、
あなたが駆け出しならあまりハードルは高くないから安心しろ。
で、ここで少し宣伝めいた話をすると、
オレは英語を多読することで英語力をアップするメソッドをおすすめしていて、
昨年に報告をもらっただけでも英語初心者の受講生が英検準1級、1級合格、TOEIC900点突破した人を10数人作ることができた。
今英語を勉強している人は低コスト、独学で取り組める英語多読をよかったら検討してみて。
英語多読をゼロから学べるまとめページがこれだ。よかったら見ていってくれ。
↓
https://takeokurosaka.com/english/main-english-intensive-reading-matome
また、翻訳者は必要な英語力ばかりが注目されがちだけど、重要なのは英語力だけでないんだ。
より高単価で幅広い仕事を取っていくには専門分野の知識があったほうがいいし、
レベルを高めていくなら英語力だけでなく、国語力もいる。
よっしゃ、じゃあここからはその内容を深堀りしていく。
まずは専門分野について。オレは金融、経済、会計の分野やビジネスプロジェクトの分野で翻訳をしていたけど
それほど高い英語力がなくてもできるし、むしろ専門用語を知っていることの方が重要。
たとえば金融だとECB(European Central Bank「欧州中央銀行)とか、QE(Quantitative easing量的緩和)
会計だとDepreciation Expenses(減価償却費)、Rolling forecast(財務諸表上の業績予測)といった専門用語は
ネイティブでも専門外の人は知らない。
まあこれは英語、というより専門用語だな。
そして次に国語力が重要という話をさせてくれ。
翻訳をする上で重要なのは、ローカリゼーション力が必須になるんだ。
ローカリゼーションというのは、その国で受け入れられる表現にするということ。
これができなければ、英語力が高くても意味がない。
つまり、翻訳者として活躍するためには英語力だけでなく、母国語の国語力こそが重要だということ。
たとえば「I could eat a horse!」という英語フレーズは、直訳すると
「私は馬を食べられるだろう」となるけどこれをそのまま日本人にいってもよく理解できない。
「お腹ペコペコだよ」といった方がしっくり来る。
他にも、外資系企業で働くと
It’s apples and oranges.
というフレーズを頻繁に聞くことになる。
直訳すると「それはりんごとオレンジだ」になり意味不明になる。
が、意訳すると「比較できない」という意味になる。
りんごとオレンジはどちらがおいしいか?果物として優れているか?を比較することはできない。
やるならりんごはりんご同士、
オレンジはオレンジ同士の比較でどちらが甘いか?触感が良いか?といった具合になるはず。
まとめると英語の翻訳者を目指すなら、まずは英検準1級合格、TOEIC700点後半を
取れるくらいの英語力を身につけることが大事。
けどそれだけでは活躍の幅が狭いから、
専門分野の知識を得たり国語力を高めるという努力をしようぜって話だ。
【向き/不向きの適正】こんな人は絶対、翻訳者になるな!
さてここからは少しいやーな話をしなくちゃいけない。
翻訳者という仕事は思い切り好き嫌いわかれる。
イメージとして、きのこの山とたけのこの里が好きな派閥で争っている感じ。
このページでは、こんな人が向いているよって話をする。
1.英語と海外の文化が好き
翻訳の仕事では大量の英語を読んだり、海外の文化に触れることになる。
英語が好きでないと務まらないというのはしっくり来ると思うけど、
なぜ海外の文化に興味を持つ必要があるのか?
それは翻訳者は英語と日本語の橋渡し役というだけでなく、文化の橋渡し役でもあるからなんだ。
先程の章でお話したとおり、翻訳ではローカリゼーションが必須になる。
海外の言葉のニュアンスを日本人に分かるように伝えるためには、
海外の文化に興味を持って学び、理解し、伝える言葉選びをする必要がある。
そのためには英語と海外の文化が好きでなければ務まらない。
仕事はお金のため、という姿勢では理解の深さが宿らない。
2.文章を読むことが好き
翻訳者は仕事を通じて大量の文書を読むことになる。
これが楽しいと感じるが、苦痛に感じるかは人によってわかれる。
オレはこれまで書籍を3冊商業出版したり、
ビジネス雑誌やYahooニュースに記事を書き続けてきた自分自身が活字中毒者なのでわかるけど、
文章が好きな人は世の中にいてそういう人には向いている。
文章が好きな人にとっては当たり前のことだけど、
生活をする上で身の回りに溢れている文字を全部読む。
自分は新聞のチラシは一言一句読むし、雑誌も飛ばし読みではなくつい全部読んでしまう。
知らない言葉は必ず調べて、時には語源とかまで深堀りしてしまう。
さらに自分が文章を毎日大量に書いているから、
他人の書いた文章の句読点の有無とか言葉の表現がおかしいとどうしても気になってしまう。
イチイチ本人に指摘するという面倒くさい人にはなりたくないので別に指摘はしないけど、
多分職業病なのだと思う。
でもそれが当たり前でやっていて苦痛はないんだ。
しかし世の中にはその逆の体質の人もいる。
「必要なことだから読みなさい」と言われても読むのがいやだという人はいる。
そうしたとにかく文章は読みたくないという人は
読む言語が日本語でも英語でも読むという行為自体にはまったく違いはないので続けるのが難しいと思う。
逆に読むことが好きな人は、仕事を楽しみながら取り組める。
3.一人で仕事ができる
翻訳の仕事はチームワーク力ではなく、個人で進めていく性質。
特にフリーランスで翻訳をするなら、仕事の分量とか速度、翻訳キャリアの戦略なんかはすべて自分が決めることになる。
世の中にはチームワーク力がある人もいて、
そういう人は上手にコミュニケーションを取ったり、相手の力を借りながら進めていく人もいる。
そうした気質の人が毎日、朝起きて寝るまでセルフマネジメントをしながら
仕事を進めていく翻訳の仕事は向いていないと思う。
ちなみにオレはチームワーク力がなくて、個人プレーしかできないし、
どちらかといえば向いている部類に入りそう。
え?てめえのことには興味ないって?そうだよな、余計な話してサーセン。
AIのDeepL翻訳の登場で翻訳業は食えない?
結論から言えばこれは間違い。
今後もAIが進化することで仕事の絶対量は減ることがあっても、全部なくなることはない。
その理由を話すと、人間にしかできない翻訳というのは絶対に残るから。
確かにAI翻訳の進化で単純な翻訳の仕事は減っている。
たとえばDeepLが多くの人に使われる前は、外国人観光客のインバウンド需要の高まりもあって
飲食店を中心に英語メニューの翻訳やチラシの翻訳の仕事がクラウドソーシングでものすごく募集が多い時期があった。
けど、今は大学生も卒論にDeepLを使い倒している時代なので、そうした「簡単でちょっとした翻訳」については仕事が減ってしまった。
それでも専門性の高い分野とか、ビジネスの契約交渉で絶対にミスが許されない場面の翻訳は今でもプロが頑張っている。
さらに小説の翻訳など、その国の文化を理解した上で日本人の読者に理解できるローカリゼーションが強く求められる翻訳は今後も残り続ける。
より詳細については、過去の記事で深堀りしているので良かったら見ていってくれ。
↓
以上だ。
長々とオレの話に付き合ってくれてアザス。
とりあえず、一言最後にいいたいのは、翻訳業ってビビられすぎだと思うってこと。
プロの翻訳者は「プロをなめるな。アタイらは言語のプロやで」と初心者を脅してばかりだし、
翻訳学校は「ちゃんと勉強せんとなられへんで?」とあなたの財布を狙ってる。
だから初心者はビビってしまう。どえらい難しいのかと勘違いするだろう。
オレは初心者の心理的ハードルを下げるような、こんな記事を書いてしまったので
おそらく寝首をかかれそうだけど、嘘はいえない質なので全部ぶちまけたった。
「あれ?自分もいけるかも?」って思ったら走り出せ。いつまでも勉強してたらもったいないぞ。
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