オレだ。
「英語多読に興味があるけど、読む素材はどれがオススメ?」
「洋書小説は難しすぎて、なかなか手が出ない…」
そんな人が世の中に多いハズ。
結論、あなたが英語多読をするなら、
語彙制限本を使ってくれ。
オレからこの記事で伝えたい結論を受け取ってくれ。
↓
英語多読をするなら、素材に洋書小説の語彙制限本はありで5つのメリットがある。
・英語力に応じたレベル分け
・ベストセラー作品や名著が多い
・背景知識が不要
・原作より短いので読み切れる
・英語を英語のまま理解する回路を育てられるいきなり難しい小説の原書ではなく、語彙制限本からやろう
— 黒坂 岳央@英語多読講師・経営者・作家 (@takeokurosaka) June 15, 2021
オレは英語を多読することで、独学で英語力を身に着けた。
TOEIC985点、英検1級を取得。
米国の大学に会計学専攻で留学し、複数の外資系企業で英語を使って働いていた。
今も英語教育ビジネス、英語ビジネスジャーナリストという仕事をしている。
今回の記事は、テキトーにググって出てきたいい加減な情報じゃない。
オレ自身が語彙制限本を読んでいた時期もあって、
英語多読をやりやすかったと感じたんだ。
もちろん、いいことづくめではなくてデメリットもあるぜ?
さらにメリットとデメリットの両方だけでなく、
同じく英語多読素材になる、洋書小説や英字新聞などとの比較もするから、
他の英語教育者の人が決して語らない話のオンパレード。
あなたは間違いなく有益に感じると思うので、ぜひ最後まで読んでいってくれ。
目次
語彙制限本とは何か?
「語彙制限本」について、あまりよく知らない初心者もいると思う。
まずはどんなものかをガッツリ解説しておこう。
「語彙制限本」を超簡単に言えば、
「英語の洋書を優しくリメイク」なんだ。
制限されているのは、英単語・英熟語などの語彙だけじゃなくて、
難しい英文法も使われないように制限されてる。
さらに、分量も原作より圧倒的にボリュームが抑えられている感じだな。
・英単語、英熟語などの語彙
・英文法
・ボリューム
語彙制限本はこの3つが制限されている。
英文を読み慣れていない、ノンネイティブの英語学習初心者向けに
作られた書籍だと思ってくれればいい。
語彙制限本として有名どころは、
「ラダーシリーズ」
「ピアソン・イングリッシュ・リーダー(Pearson Graded Readers)」
この2つが代表選手。
ラダーシリーズ
画像引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000010773.html
日本企業である、IBCパブリッシング株式会社が手掛ける語彙制限本のシリーズ。
「ladder(ラダー)」とは英語で「はしご」を意味する言葉で、
英語学習者がはしごを下から上にスルスルッと登っていくイメージ。
読めば読むほど、英語多読で実力アップができることを目的に作られているんだ。
ラダーシリーズは日本の英語学習者から根強い人気を誇っており、
累計で180万部を記録、タイトル数は100以上用意されている。
気になるレベル分けは5段階で、
次のような感じになってる。
レベル1: 中学校で学習する単語 約1000語
レベル2: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約300語
レベル3: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約600語
レベル4: レベル1の単語+使用頻度の高い単語 約1000語
レベル5: 語彙制限なし
ちなみに、「レベル5は語彙制限なし」と書かれているけど、
実際には純ジャパの学習者を意識して、
内容は易しめで読みやすくリメイクされているんだ。
「いきなり洋書の長編小説に手を出す」というムチャをする代わりに
ラダーシリーズからスタートするのは、英語多読初心者にオススメだな。
ちな、オレも現役学習者の頃に読んでいたラダーシリーズ読んでいて、
特に記憶に残っているのは「バカの壁」だった。
けど、現在はなぜか公式サイトでは取り扱いがないんだ。
ラダーシリーズでバカの壁にハマって、
その後日本語原作を後追いで読むというケッタイな思い出があるぜw
どんな作品があるかは、Amazonで「ラダーシリーズ」で検索するといい。
ピアソン・イングリッシュ・リーダー(Pearson Graded Readers)(旧・Penguin Readers)
画像引用元:https://www.pearson.co.jp/catalog/pearsons-graded-readers.php
ピアソン・イングリッシュ・リーダー(Pearson Graded Readers)は
ロンドンに本社を置く会社。
日本人向けに特化して作られた語彙制限本というわけじゃなくて、
グローバルに展開しているんだ。
レベルはEasystartsから、
レベル6までの7段階。
下の表を見てくれ、面白いことに語彙力だけでなく、
使われる英文法でもハッキリとレベル分けされているんだ。
画像引用元:公式サイトからキャプチャ
有名な作品としては「ディケンズ」や「ドストエフスキー」といった
世界の文豪作品があったり、「マザー・テレサ」といった伝記もある。
さらに英検やTOEIC換算のレベルも付けられているので、
「英検やTOEICのリーディング対策の素材がほしい」
という方にもオススメ。
画像引用元:公式サイトからキャプチャ
日本人向けに作られたラダーシリーズと違って、
ピアソン・イングリッシュ・リーダーは、
背景知識がないと若干とっつきづらい作品もあったりする。
どんな作品があるかは、Amazonで「Pearson Graded Readers」で検索するといい。
語彙制限本で多読する5つのメリット
語彙制限本を使って、英語多読をするメリットは次の通り5つもある。
1.レベル分けで自分の英語力に合う作品を選びやすい
2.作品の質が高い
3.背景知識や文化理解が不要
4.長すぎず読み切りサイズ
5.英語を英語のまま理解できる回路を育てられる
それではこのメリットを1つずつ、深堀り解説していこう。
1.レベル分けで自分の英語力に合う作品を選びやすい
語彙制限本は、英語の洋書リーディングを通じて、
英語力アップを目的としているので、細かくレベル分けされている。
そのため、学習者の英語力に応じた
素材を選びやすいメリットがあるんだ。
でも、洋書小説などではこうはいかない。
読者レビューや立ち読みなどをして、作品の難易度を事前リサーチが必須となる。
その点、語彙制限本は最初から販売者による
レベル分けがされているメリットは見逃せないよな。
2.作品の質が高い
語彙制限本の素材になっている作品は、
元々がベストセラーや名著揃い。
そのため、読む価値のある品質の高い作品が多い。
英語多読は、読み物の作品が面白くないと継続が辛いけど、
作品の品質は保証されているので選ぶのは楽というのは大きなメリット。
逆にデメリットというほどではないけど、
偶然に掘り出し物の発見もないと言えるのかもしれないな。
3.背景知識や文化理解が不要
原作が日本の作品のものもあって、その場合は背景知識が必要ないんだ。
作品によっては、逆に日本文化の背景知識を味方にできる。
たとえば、ラダーシリーズの語彙制限本だと、
宮沢賢治や芥川龍之介の作品もあるから日本人に優しい洋書と言えるよな?
4.長すぎず読み切りサイズ
原作に比べて、語彙制限本はかなり短い。
だから分量が多すぎて、こなしきれない問題を心配する必要はないんだ。
逆に洋書の長編小説に手を出すと、読了に3ヶ月とか半年間かかってしまい、
もはや勉強というか苦行に近くなる。
英語多読を通じて英語力を伸ばすには、
「純粋に読書を英語で楽しむ。結果として英語力がアップする」
という流れが理想的だよな。
読み切りサイズは嬉しいメリットだとオレは思う。
「せやかて、洋書小説を読みたいんや」という人はこの過去記事が役に立ちそう
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5.英語を英語のまま理解できる回路を育てられる
語彙制限本を使って、英語多読をすることで英単語や英文法が血肉化する。
さらに、「英語を英語のまま理解できる回路」を育てることになるんだ。
このメリットはあまりにもでかいんだけど、
話のボリュームがクソでかいので、別の記事で詳しく話してる。
よかったら見ておいてくれ。
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ぶっちゃけ、語彙制限本はどのレベルを選べばいい?
語彙制限本の選び方に迷う人は多いハズ。
本のレベルを選ぶ上では、次の基準で選ぶことになると思う。
1.今の自分と同じレベルの作品
2.実力より少し簡単な作品
3.実力より難しい作品
間違っても、「あくびが止まらないレベルに簡単過ぎる作品」とか
「英文の9割が理解不可能なレベルに難しすぎる作品」
といった極端に難易度が狂ってるものは当然スルーしてくれ。
けど、「ちょっと難しめ」「ちょっと簡単すぎ」「ちょうどいい」
のどれを選ぶべきかで言えば、「絶対にコレ」という答えはないんだ。
なぜなら、多読の目的をどこにおくかで、答えは変わってくるから。
その根拠をハゲるほど詳しく語っていく。
1.今の自分と同じレベルの作品
「今の自分と同じレベルの作品を多読する」
これをする最大のメリットは、
「英語多読を経て英語を英語のまま理解する回路を育てる」なんだ。
多読の訓練をすることで
「知っている」が「分かる」になり、
「分かる」が「使える」に変わっていく。
たとえば、文法の勉強を一通り終えた段階では、
「知っている」だけで「分かる」状態ではないよな?
でも多読をすることで、このレベルが上がるんだ。
たとえば、文法書の仮定法過去完了についての解説で
「過去の事実に反する仮想は過去完了形で表すこと」
と言われてもよくわからないよな?
だけど、仮定法過去完了が使われている英文を何度も読むことで血肉になっていくんだ。
・If I had had more money, I could have bought the latest smartphone.
(もしもお金を持っていたなら、最新スマホを買えたのに→実際には買えなかった)
・I wish I could have spoken Spanish.
(あのとき、スペイン語語が話せていたらなあ→実際には話せなかった)
こんな感じで何度も何度も、手を変え品を変え、
違う文脈の中で同じ文法を読む経験を積むことでレベルが上がる。
そのため、今のあなたの実力と同じ作品を読むだけでも
十分過ぎるほど価値があるんだ。
2.実力より少し簡単な作品
しかし、実際には自分の英語力とまったく同じレベルの
作品を見つけるのは難しい。
わかりやすくたとえるなら、学年が上がってクラス替えをしても、
運良く、仲のいい友達とまた一緒のクラスになれるくらいの難易度と言える。
たいてい実力より簡単か、難しいかのどちらかになるんだ。
そして実力より簡単な作品を読む場合は、
上の章で述べた通りしっかりと英語多読の訓練になる。
けど、その一方で、すでに知っている英単語や英熟語ばかりに触れることで、
語彙力の増強を望むことはできないデメリットもあるから注意してくれ。
3.実力より難しい作品
そして一番理想的なのが、今のあなたの英語力より「少し上のレベル」を選ぶこと。
オレはコレをあなたに一番勧めたい。
ざっくりした目安として、
70wpm(1分間で70語読める速度)のスピードで、
1行に1つ以上不明な単語が出てこない程度のレベルだろう。
分からない英単語や英文法が出て来た場合は、放置せず必ず調べるようにしてくれ。
<参考>知らない英単語や英文法を放置しても英語力は伸びないよって記事
↓
ただし、語彙力不足であまりに頻繁に調べまくるのは
クッソ非効率だから気をつけてくれ。
目安としては8割、9割の英単語は分かるレベルを選ぶのがオススメだ。
残りの1割が不明なら、調べても時間がかかりすぎないし、
読解を通じて語彙力も鍛えられるろう。
内容もきちんと理解できるので、ストレスもない。
楽しいから英語多読が継続できるわけだしな。
語彙制限本で多読する3つのデメリット
ただし、語彙制限本で英語多読をするデメリットも3つある。
語彙制限本で多読する前にかならずチェックしておいてほしい。
1.お金がかかる
2.作品を選ぶのが手間
3.原作ほど質が高くない
じゃ、こちらも1つずつ深堀り解説していこう。
1.お金がかかる
語彙制限本は1冊、700円~1,000円ほどのコストがかかる。
これを100冊読むと、7万円から10万円ほどかかる計算だな。
語彙制限本は図書館に置いてあるところもあるけど、割と少ない傾向だ。
基本的に「語彙制限本だけで英語多読をする」ではなく、
あくまで一時的な多読訓練用として活用するのがオススメ。
2.作品を選ぶのが手間
当たり前だが、語彙制限本は自分で選んで読む必要がある。
好みの分かれる作品もあるし、レビューをチェックしたりと
実際に購入するまでのステップはかなり多い。
同じ作品でも違う会社が、異なるレベルで出していたりするので、
「自分に合う作品」に出会うためのリサーチは間違いなく手間がかかる。
3.原作ほど質が高くない
これは語彙制限なので、あくまで簡略版。
なので、当たり前だけど
原作には質は及ばないからそこは理解しておいてくれ。
語彙制限本で気に入った作品があれば、
英語力を伸ばしていける。
その結果、いずれ原作に挑戦する目標づくりと考えると、
それはそれで悪くないのかもしれないけどなw。
このように語彙制限本には様々なデメリットがあることを理解した上で、
目的に応じて活用していこう。
個人的には英語多読初心者には、語彙制限本だけでなく英字新聞を勧めたい。
<参考>英字新聞については過去記事を見ておいてくれ。
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以上だ。
語彙制限本は英語多読の初心者におすすめしたい作品が多い。
「英語力アップのため」として、興味のない英文を我慢して読む必要はない。
「できるだけ読書を楽しんで英語力を伸ばしたい」
そんな人には今回紹介した語彙制限本は検討する価値は大いにあると思う。
最後に英語多読をする上では、読んだ語数もカウントして
成長記録をつけることをおすすめするよ。
<参考>
↓
参考になれば幸い。最後まで読んでくれてアザス。
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