オレだ。
「今度こそ英語を身に着けます!」
「必ず1ヶ月後には、この1冊を終えて見せます!」
やる気が太陽の表面温度くらいに高い、そんな学習者から連絡をいただくことがある。
その気持ち、オレはよく分かるつもりだ。
特に英語やり直し組にとっては、
クソッタレな人生をひっくり返すきっかけにしたいと思うから
そら気合いも入るだろう。
スーツのネクタイを頭に巻いて、必死に勉強する猛者もいるだろう。
けど、気をつけてくれ。
そういう人ほど実は挫折率も高いという
文部科学省の調査結果があるんだ。
オレからこの記事で伝えたい結論を受け取ってくれ。
↓
「今度こそ英語を身につけるぞ!」とやる気がありすぎる英語学習者に警告。あまりにもやる気がありすぎる人ほど、実は挫折率も高くなってしまう。
なぜならやる気が大きいほど、1ヶ月後の焦りの大きくなるから。
結論、英語はやる気任せではなく、コツコツ習慣化の力で身につけるべき。
— 黒坂 岳央@本業:主夫|趣味:仕事とゲーム (@takeokurosaka) August 3, 2021
オレは英語を多読することで、独学で英語力を身に着けた。
TOEIC985点、英検1級を取得。
米国の大学に会計学専攻で留学し、複数の外資系企業で英語を使って働いていた。
今も英語教育ビジネス、英語ビジネスジャーナリストという仕事をしている。
この記事でオレが話したい内容は、
・やる気満々の人ほど、なぜ挫折率が高いのか?
・やる気ではなく、勉強しやすい環境や習慣だとなぜ成功できるのか?
こうしたことをすべて語っていく。さらに、
・まさに自分はやる気任せで勉強してしまっていた。
・やる気で勉強にムラがある自分を変えたい。
あなたがこれに当てはまるなら、割と納得感のある仕上がりになっているはず。
今回はやる気で失敗した2人と、習慣で成功した1人の事例を取り上げる。
目次
学習開始時のやる気は、1ヶ月後「焦り」に変わった受講生さん
「これから英語の勉強を本気で頑張るぞ!」
そのような前向きな気持ちで、英語の勉強をスタートする。
これは一見すると、いいことづく目のように思えるし、
講師としてやる気に溢れる受講生を見るのはシンプルに嬉しい。
だけど現実的な話、
やる気が大きすぎる人は、
1ヶ月後に「大きな焦り」
に変わってしまうんだ。
水たまりのボウフラが、1ヶ月後に立派な蚊に成長するようなものだろう。
特に学習初心者の段階は、一番挫折率が高い。
そのため、最初の頃だからこそ
「やる気に頼らず、どうやって継続するか?」
に焦点を合わせるべきなんだ。
<参考>過去記事でこの内容を深堀りしたので見ておいてくれ。
↓
実際に過去にこれで失敗した方が、
英語多読のオンラインスクールの受講生さんにいたので取り上げたい。
「よし!自分は3ヶ月で英語力を身につけるぞ!」
そうやって鼻息荒く、やる気満々で50代の女性学習者さんが入会された。
彼女はすごいやる気に満ち溢れていて、
「今日はここまで進みました。明日はここ、1ヶ月でここまで全部終わらせます」
とちょくちょくオレに進捗状況をメールでお知らせしてくれた。
「すごくやる気があるのは素晴らしいと思う。
けど、1ヶ月で終えるのはぶっちゃけ現実的ではない。
あまり短期間で成果を焦らない方がいい」
オレは彼女にやんわりとアドバイスをさせてもらった。
このアドバイスに返事はなかったので、
こちらの話を聞いてくれたかどうかはわからない。
1ヶ月後、彼女から絶望に満ちたメールが届いた。
「家庭内で思わぬトラブルがあって、
しばらく勉強が止まって途中から進んでいませんでした…。
せっかく頑張ってきたのにすべての計画が狂ってしまった…。
私はもうダメだ…。」
これを読んですぐに返信をしたけど、返事はなく連絡は途絶えた。
「絶対に1ヶ月でこれを終わらせる!」
↓
「1ヶ月で終わらなかったらゲームオーバー」
彼女はそんな分の悪いかけをしてしまったわけなんだ。
「オレ、絶対に天下統一するぞ!」
そんな信長の野望レベルの志は、最初から抱かない方がいい。
焦った学習者は余計なことをしてしまった受講生さん
この学習者さんに限らず、同じようにやる気に満ち溢れて入会し、
その結果、しばらくして大きな焦りから失敗した人がいる。
別の男性受講生さんは、
同じようにやる気に満ち溢れていた。
「1ヶ月でこれを終え、3ヶ月でここまで行きます!」
という感じだった。
「本気でやります! もしも達成しなかったら、英語はもうやめるという覚悟でやります!」
と高らかに宣言していたのがオレは気になった。
そもそも、聞かされていた計画にはかなり無理があったので、
ここでもやんわり注意をした。
「あまり計画に引きずられない方が良い。
初心者の頃に立てた計画は大抵、
荒唐無稽な実現可能性が低いものができあがりがち。
無理せず、まずは3ヶ月、6ヶ月間
淡々と継続するための学習環境を作った方がいい」
現実的なアドバイスをした。
けど、このアドバイスは聞き入れられなかった。
1ヶ月後、時は流れて本人から連絡を受けた。
「1ヶ月で予定通りいきませんでした…。努力が足りませんね…。
明日は有給をとって一日中頑張ります」
彼の中で目標未達が、強烈な焦りに変わったのを感じた。
「焦るな、長期思考でいけ」と何度も伝えたが、聞き入れられなかった。
そして、焦った学習者さんが次に取りがちな行動は、
「思った通りいかない目の前の勉強を捨てて、別のことを始める」
というものなんだ。
この受講生さんは、最初の1ヶ月はこちらの言う通り、
愚直に英単語の暗記を頑張ってくれていた。
けど、それ以降は
「やっぱり英文法が先の方がいいですよね」
「英語日記でアウトプット力を高めれば、リーディングにも効果があると聞きました」
とか自己流に走り始めた。
傍から見ていると最初の英単語の暗記を
続けていればスムーズに進んでいたのに、
自ら正しい学習法を止めてしまい、
勝手に自己流で間違った方向に
軌道修正をしてしまったんだ。
当然、カリキュラムを無視した自己流で成果が出るはずもなく、
この人もその後あれこれ迷走した結果、挫折した。
やる気に満ち溢れている人は、1ヶ月後そのやる気と同じ大きさだけ焦りを生み出し、
そして焦った学習者は早く成果を出そうと、余計なことをして自滅してしまう。
<関連記事>「自己流は事故る」このことを深堀りした過去記事も見ておいて。
↓
環境と習慣化で成功した受講生さん
英語の勉強をやる気任せだけで成果を出そうとする人は、必ずやる気で挫折している。
やる気の賞味期限なんて、
夏場のいちごショートケーキレベルにメチャメチャ短いからな。
初日がどれだけやる気が満々であっても、
1ヶ月後にそのやる気を維持できている人はほとんどいない。
人間の喜怒哀楽の感情は水物で、
すぐ生まれるけどあっという間に消えてしまう。
英語学習は長期戦なので、
「前に進むガソリンがやる気だけ」というのでは成功は難しい。
200km走る分の燃料しかないのに、
ゴールまで2000kmあるようなものだからな。
確実に途中でガソリンは尽きるだろう。
だからやる気だけで成功を目指すのは論理的に間違いと言えるんだ。
結論、やる気ではなく、学習環境を整えて習慣化の力で勉強してくれ。
上記2名はやる気で失敗したパターンだったけど、
その逆に勉強の習慣化で成功した人もいるので紹介したい。
英語多読IESPのプラチナコースの男性受講生さんで、
2021年6月末に入会された方がいる。
入会時の英語力は、中学生時代に取得した英検準2級に合格と、
10年以上前に受けたTOEIC530点止まりで、留学やスクール通いは未経験。
長い間、英語から遠ざかって忙しい社会人をされていたけど
英語の勉強をすることを決意して入会された。
6月末に学習スタートをして、最初の週に送っていただいた週次報告がこれだ。
↓
ハッキリいってこの速度にはビビったぜw
大抵の場合、あまりに早い人は自分が最初に立てた計画を盲信して、
そこに結果を合わせるために雑にやっている事が多い。
けど、この方は違った。
音声通話をして話を聞いてもそういう無理はしておらず、
毎日淡々と空き時間のすべてを英語学習に費やしているだけという感じなんだ。
そしてたった1ヶ月間で速読英単語必修編の開拓と反復リーディングで
英単語の大半の暗記が完了したので、すぐに速読英熟語に入った。
過去にたったの1ヶ月間で1冊のテキストを終えたのは、多分この方だけだ。
最初からやる気頼みではないから、気分しだいでやったりやらなかったりという
ブレが一切ないから早いんだろう。
オレはこの方としょっちゅうやり取りをして、
音声通話をしていて感じることがある。
それはこの男性受講生さんはやる気ではなく、
とにかく学習環境を整えて
習慣化の力で取り組まれているということんなんだ。
こんな感じで「やる気を上げたい」ではなく、
「最適な学習環境をどうやって作ればよいか?」
という目線で質問をくれる。
この質問からも、彼はやる気任せではなく、
習慣化の力を利用したいという意図が伺えるよな。
ちなみにこの時のオレの回答がこれ。
この回答を受けて、男性受講生さんはすぐさまこのノウハウを実践して、
あっという間に英単語の暗記を終えてしまった。バケモノレベルな速度。
そして音声通話をした翌朝にこうしたメッセもくれた。
心の底から
「日々コツコツ地道に、着実に進む」
という最強の学習法を
理解してくれている。
決してアツいやる気頼みで勉強している、という感じではないんだ。
<参考記事>平日頑張っている人も土日はサボりがち。やる気に頼らない長時間勉強法は過去記事をみてくれ。
↓
まだまだ入会したばかりの方だけど、
オレはすでにこの方の「成功は時間の問題」と思ってる。
やる気任せではないために、やる気が上がったり下がったりに影響を受けない。
ただただ、毎日淡々とやるべきことをこなしていき、
オレとのやり取りを経て軌道修正をしながら、確実にゴールに向かっていくだけだ。
今回の記事で分かったと思う。
やる気はムダとは言わない。
けど、やる気で勉強するかどうかを決めるのはゴールに辿り着く前に燃料が尽きる。
だからこそ、英語学習に最適化された環境づくりと、
習慣化の力が大事なんだ。
これで進めば燃料は無限になる。
ゴールまでいくのは時間の問題というわけなんだ。
参考になれば幸い。
黒坂様、著書始め、ブログからYouTubeと参考にさせて頂いています。大変感謝しております。
私は大学1年生で、1年以内に英検1級を取得することを目標にしています。英会話はゴミのように全くできないのですが、文系大学生ということもあり、時間が確保できるので、最大限の努力をして、英検1級の夢をかなえたいと思います。
ところで2点個人的な質問させて頂いても宜しいでしょうか。
1点目は、著書やブログでは多くても1日3時間ほどの勉強時間が推奨されているように見受けられますが、さらに6時間7時間と時間を割いても、あまり伸びないのでしょうか?時間に比例して2倍3倍にはならなくても、私の勉強の質にもよるかと思いますが、一般的な回答としてはどうなのかお聞きしたいと思っています。
2点目の質問です。受験勉強をしていたので、単語熟語と英文法に関しては、対応する訳を知っているという意味での知識はある程度自信はあります(既に忘れている部分も多々あると思いますが)。現状として速読英単語と速読英熟語に掲載されている見出し語の9割は覚えていました。文法に関しても著書で紹介されていた、頻出英文法語法問題1000と同系統の問題集であるネクストステージ(ネクステの方が若干レベルが低いようです)という参考書を口が覚えているくらいにはやりこみました。因みに長文読解は全文を日本語に訳して乗り切りましたので、あまり英語を英語のまま理解する読み方も身についておりません。リーディングと文法力だけで受験を終えているので、リスニングも英会話同様ゴミのようにできません。このような現状なのですが、完全初心者のルートから何か省略出来る部分はあるでしょうか?
著書に書いてあるように速単シリーズを一から取り組んでいけば良いのか、はたまた英検準一級 文で覚える単熟語から始めていいのか、と疑問に感じて質問させて頂いた次第です。
ご回答して頂けると幸いです。
shinjiさん
コメントありがとうございます!
書籍やブログ、YouTubeをご視聴ありがとうございます!
>1つ目の質問
もちろん、多くの時間を投下するほど伸びます!
ただ、気をつけなければ、潤沢な時間があるほど人は集中力を失いがちな傾向です。
多くの時間を持っても、集中できる方なら大いにその時間を勉強にあてるのがよいです。
>2つ目の質問
かなり基礎力がお有りのようで素晴らしいです!
その場合は、試しに自宅で英検2級を受けてみてください(英検公式サイトから無料でDLできます)。
余裕で合格できるようなら、次は準1級です。こちらは難しいと思います。
が、英検準1級に挑戦する過程で大きく力を伸ばせますし、
準1級合格できる人は、TOEICで700点、800点は取れるでしょう。
応援しております!
黒坂
黒坂様
ご返信頂けて光栄です。
英検2級の過去問を解いた後、再び返信させて頂きます。
英検2級の過去問はリーディングとリスニングをすればよいでしょうか?受験から時間が経過し、知識も抜けているので単語帳と文法書を復習してから過去問に取り組みたいと思います。
繰り返しになりますが、ご返信頂きありがとうございます。頂いたアドバイスをさらなる成長に繋げられるように精進して参ります。
shinjiさん
はい!頑張っていきましょう!応援しておりますね!
黒坂
お世話になっております、shinjiです。
早速英検2級の過去問を解いてみました。
リーディング 35/38 正答率92%
リスニング 13/30 正答率43%
という結果になりました。リーディングは良いですが、リスニングもこんなですし、ライティングとスピーキングもありますから、余裕で合格は難しいのではと思います。少し自分では判断しかねるので、勉強方針に関して御助言を頂けると幸いだと思っております。
shinjiさん
ご質問ありがとうございます!
リーディングいいですね!
リスニングが取れていない理由は、すいませんこのやり取りだけでは判断が難しいですが
リーディング問題に慣れて頂くことで、スコアアップが目指せる可能性はあるかと思います。
点数が取れなかった問題を分析しつつ、弱点を補強する形で英検のリスニング問題に特化して訓練するのは良いかと思います。
表面的な回答となってしまい、すいません。
引き続き応援しておりますね!
黒坂
先程コメントしたshinjiというものです。
何故か改行出来ていなかったようで、大変読みにくく申し訳ございません。